- 244 名前:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [2012/11/04(日) 07:52:23.81 ]
- >>243
つづき ja.wikipedia.org/wiki/P%E9%80%B2%E6%95%B0 p-進数体の性質 p-進数が p-進展開と一対一に対応することから、p-進数体は連続体濃度を持つ。Q を部分体として含むので、標数は 0 である。どのように順序を入れても順序体にはできない。 実数体 R の代数閉包(複素数体 C)が二次拡大で完備であるのに対し、p-進数体 Qp の代数閉包 Qp は無限次拡大でしかも完備ではない。 その完備化は代数閉体であって、Cp と表される。これは複素数体 C と体として同型であるが、同型写像の存在は選択公理に依存しており、具体的に同型写像を与えることはできない。 Zp の単数群(可逆元全体の成す乗法群)は Zp× = {x ∈ Qp | vp(x) = 0} となる。Zp は局所環であり、その唯一の極大イデアルは と表される。これは p で生成される単項イデアル (p) = pZp である。Zp の pZp による剰余体 Zp/pZp (これを通常は p-進数体の剰余体などと呼ぶ)は p-元体 Fp = Z/pZ に同型であり、上で用いた展開の係数の集合 Ap は、しばしばこれと同一視される。 Qp の任意の元 x に対し、x = upn (n = vp(x)) となる u ∈ Zp× が一意的に存在する。したがって、Zp は単項イデアル整域であり、その任意のイデアルは (pk) = pkZp の形である。 p-進数体は離散付値である p-進付値に関して完備で、剰余体が有限であるので局所体のひとつである。p-進距離の定める位相に関して Zp は Qp の開かつ極大コンパクトな部分環である。 同様に、Zp の任意のイデアルは開かつコンパクトとなる。さらに、これらのイデアルたちは 0 の基本近傍系を成す。特に、Qp は完全不連結局所コンパクトな位相体になる。 p 進数体が n 分体を含むための必定十分条件は n が p - 1 を割ることである。とくに、p が奇素数のときは、p 進数体は 1 の原始 p 乗根を含まない。 つづく
|

|