- 381 名前:208 [2005/10/19(水) 11:08:56 ]
- 定理(Krullの単項イデアル定理)
A をネーター整域、a を A の 0 でなく可逆でもない元とする。 p を Supp(A/aA) の極小元とする。 このとき、ht(p) = 1 となる。 証明 Supp(A/aA) = V(aA) であるから(>>176)、これの極小元というのは、 aA を含む素イデアルの集合の極小元ということである。 A を A_p で置き換えて A を局所環と仮定してよい。 よって、p は A の極大イデアルである。 よって、Supp(A/aA) = {p} となる。 Ass(A/aA) ⊂ Supp(A/aA) だから(>>99)、Ass(A/aA) = {p} となる。 q を A 素イデアルで、q ⊂ p かつ q ≠ p とする。 q = 0 を示せばよい。 イデアルの列 q + aA ⊃ q^(2) + aA ⊃ q^(n) + aA ⊃ ... を考える。ここで q^(n) は q の記号的 n-乗(>>348)。 Supp(A/aA) = {p} で p は極大だから、A/aA は 長さ有限である(>>345)。 よって、q^(n) + aA = q^(n+1) + aA となる n がある。 q^(n) ⊂ q^(n+1) + aA である。x ∈ q^(n) とすると、 x = y + az となる、y ∈ q^(n+1) と z ∈ A がある。 az = x - y ∈ q^(n) であり、Ass(A/q^(n)) = {q} で(>>351) a は q に 含まれないから、a は A/q^(n) に関して正則である(>>180)。 よって、z ∈ q^(n) となる。つまり、q^(n) ⊂ q^(n+1) + aq^(n) である。逆の包含関係は明らかだから、q^(n) = q^(n+1) + aq^(n) となる。よって、中山の補題の系(>>380)より q^(n) = q^(n+1) となる。同様に、q^(n+1) = q^(n+2) = ... である。 一方 >>360 より ∩q^(n) = 0 である。よって q^(n) = 0 である。q^n ⊂ q^(n) だから q^n = 0、A は整域だから q = 0 である。 証明終
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