- 147 名前:名無氏物語 mailto:sage [2018/08/26(日) 16:25:56.04 ID:uoyc1X+P.net]
- >>146
本居宣長・玉あられ https://ja.scribd.com/document/387057247/ 文の部 某なる者 すべて人の名をいひ出るには、或は「某(その)國に某(なに)といふ人あり云々」、或は「むかし某といひし者の云々」などあるべきを、 近きころの人の文には、「某なる人有り云々」、「某なる者の云々」などかく。 此「なる」といふ詞、いみしき誤也。 是も漢文の近年の訓点に「有り(二)某なる者(一)」と附けたるを見ならひて、書はじめたるなめり。 漢文もふるき訓点には「といふ」を讀付(よみつけ)て、「有り(二)某といふ者(一)」とよめる。 これぞ正しきよみざまなるを、近年の人、なまさかしらに、しひて言ずくなによまむとて、 「なるもの」とは附けたるなれど、然いひては聞えぬこと也。 そも漢文はともかくもあれ、御國の文にさへ、さるひがことをまじふべきことかは。 「なる」は、もとに「にある」のつゞまりたる詞なる故に、古ヘの文には「ある」は「中將なる人」、「式部ノ丞なる者」、 あるは「京なる人」、「つくしなる者」など、官又地の名などにこそ「なる」とはいひつれ。 そは「中將の官にてある人」、又「京に居る人」といふ意なればぞかし。 されば人の名に「在原ノ業平なる人」、「紀ノ貫之なる者」などいへる例はさらになし。 さいひては「業平にある人」、「貫之にある者」といふ意なるを、さてはなるといふこと、何のよしぞや。 いと??をかし。 さしもさかしだつ近年の人、これはかりの事にだに心のつかで、いとみだりなるこそ、かへす??かたはらいたけれ。
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