- 308 名前:オーバーテクナナシー [04/03/14 12:03 ID:i2roqwdt]
- 「張力で支える構造よりも圧縮力で支える構造の方が簡単だ」
と思っている人が一定比率いるらしいのは不思議だな。 例えば数十メートルの高さのある〈構造物〉を作ることを想像してみるといい。 張力で支える構造の典型は、凧糸でつないだ水素風船で、 構造材料の質量は数十グラム、材料費は数百円といったところだろう。 しかし、圧縮力で支える構造で数十mの高さの〈構造物〉を作るとしたら、 工学的最適解(竹棒を組み合わせたトラス構造の細長い三角錐?)でも、 数万円の費用と何十kgかの構造材料が必要になるはずだ。 張力で支える構造の場合、力の方向がずれたら〈構造物〉も曲がってしまうから、 力は常に〈構造物〉の軸に対して真っ直ぐかかる。 それに対して圧縮力で支える構造の場合、力の方向が軸からずれたら、 ずれが大きくなる方向にフィードバックがかかって、歪みの形で力が働くことになる。 張力構造と圧縮力構造の根本的な違いはそこにある。 理論的説明が判りにくかったら、竹ひごを折ることをイメージするといい。 曲げを拡大する形で折るのは簡単だが、真っ直ぐ引っ張ってちぎるのは難しい。 端的に言ってそれが、張力構造の方が材料が少なくて済む理由である。
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