- 1 名前:初のスレ建て [2007/10/01(月) 17:48:19 ID:/aR7sTR+]
- 無口な女の子をみんなで愛でるスレです。
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- 456 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/02(日) 00:14:16 ID:2+niv/q+]
- >>453
――his side―― 結果から言おう。 あの二人は早々に「あとは二人で〜」と言って去り、 残された俺と彼女は楽しく談笑しながら飲んでいたのだが…… 「……………」 「あー……大丈夫?」 「……え、あ、大丈夫」 彼女はどうやらお酒を飲むのが初めてらしく、ペースが飲むわからなかったのか、 すでに顔は真っ赤で、言葉は微妙に呂律が回っておらず、おまけに反応が鈍い。 「えーっと、そろそろ行こうか」 「……………あ、はい、わかりました」 ちなみに、俺はかなり酒に強いほうなので、これぐらいではなんともない。 会計に行こうと、立ち上げる。それに合わせるように、彼女も立ち上げったが 「…………あれ?」 そう言って、ふらついた足取りで後ろに倒れそうになる。 「わっ!!ちょっと待った」 咄嗟に、彼女の方に行き、支える。 「………………すみません」 「良いって別に」 彼女を支えたまま、会計を済ませ、店を出る。かなり長居をしていたらしく、 日が早く沈むようになった空は、すでに紫色で、月が見えていた。 《なんか限界、眠いから寝るよあとは任せた》
- 457 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/02(日) 01:04:57 ID:e/i5kVy4]
- 〜 her side 〜
せかいがぐるぐるまわっている。 うん。 だいじょうぶ。わたしも同時にまわってればだいじょうぶ。 でもあまりまわっちゃうとめが回る。 そうだ。 ぎゅっとすればいいんだ。 いいにおい。 汗と整髪料のいいにおいがする。 ぎゅうっ、と腕をだきしめると、そのにおいはもっと大きくなる。 腕はちょっと太くて、筋肉質で、わたしの腕とは大違いだ。 やっぱり男の人の腕って、すごいんだ。 うまれてはじめておとこの人の腕に抱きついて、その感触はとてもすごくステキだ。 耳元で>>333君がなにか言ってきている。 ステキ。ステキ。>>333君の息の温かさとか、耳をジンジンとしびれさせるような響きとか、 その高くも低くもない音程とか。なにをいってるかわかんないけど、すごくステキ。 抱きついている>>333君の腕と触れている皮膚の裏側あたりがなんだか甘痒くうずいてきてしまう。 あれ? ここ、どこだっけ? ちょっと寒い。 >>333君の腕はあったかい。 体もあったかい。 だからぎゅうう、と、もっと強く抱きしめる。 当たってるおっぱいが「くにょん」と歪んじゃうくらい強く。 ふらふらしちゃいそうなわたしを、>>333君はしっかりと支えながらあるかせてくれている。 ステキ。こんなふうに、べたべたいちゃいちゃしながら街を歩くカップルを「バカみたい」と思ってたけど。 わたしは間違ってた。 それはすごくステキで、嬉しくて、楽しくてシアワセなことなんだ。うん。 ろれつの回らない言葉で>>333君にそれを伝えたのだけど、わかってくれたかな? なんだか色とりどりのネオンが目に映っている。 世界がふわふわしてるから気がつかなかった。 隣でわたしを支えてくれている>>333君がなんだかちょっと無口になってるみたい。 ――ダメなのかな。 わたしが地味でつまんない女だから、>>333君はそんなふうにつまんなくなっちゃうのかな。 そう考えると、なんだか泣きたい気持ちになってしまう。>>333君にはシアワセになってほしい。 >>333君みたいなステキな男の人は、いつでもシアワセで楽しい気持ちになっていて欲しい。 でも、わたしじゃダメなのかもしれない。 気がついたらわたしは、 「……わたしじゃ…ダメなのかな」 彼の耳元でそうささやいていた。 【続きは頼んだぜ兄弟】
- 458 名前:書く人 mailto:sage [2007/12/02(日) 09:33:43 ID:jR1yhCZx]
- 〜 >>333 side 〜
「ふふ……」 頬笑みながら、彼女が回る。 クルクルと舞うように、冬の夜風にスカートを乗せて、妖精のように…。 ……と、表現すれば可愛いものの、客観的に言わせてもらえば完全に酔っ払いだ。 「つか、何で回るんだ?」 「…世界が…回ってるもの。だから…私も……」 うん、やっぱり酔っぱらっている。 酔っぱらった彼女はしばらく回っていたが、やがて三半規管に限界が来たらしい。足がもつれる。 「おっと…」 俺は手をのばして彼女の手を取って引張る。反動で彼女の体がこちらに向かってくる。 受けとめた感触は羽毛のように柔らかく軽く、しかし確かな実体と質量を俺に与えた。 「大丈夫?」 店を出てから何度目かの質問。彼女は惚けたようにこちらを見て頷く。 酔っ払ってはいるもののとりあえず大丈夫そうなので、歩きはじめる。 彼女は今度は回らなかった。代わりに、俺の腕を抱きしめるようにしてきた。 正直助かる。いつ転ぶかハラハラして見ずに済むし……それに、暖かい。 錯覚なのだとは思う。冬の寒さによる熱の略奪を防いでくれる厚手の生地は、同時に俺と彼女の間に厳然と存在して熱の交換を妨げる。 けれども腕に感じる彼女の体の柔らかさは温もりを錯覚させる。それは錯覚だが、彼女と言う温かい存在を確かに俺に伝える。 そう……彼女は今、俺の隣にいる。 彼女の体の柔らかい感触も、冬の空気に混ざる甘い香りも、確かに今、俺の隣にいる彼女の存在を伝えてくれる。 感動だった。そうとしか表現する言葉を知らなかった。 人間は生まれた時は興奮と沈静の二種類しかない。それが快不快、喜怒哀楽と分化していき、一つ一つがラベリングされていくことで感情が形成される。 感情が動いた。それは俺が今まで知らなかった類のもので、快いもので、喜楽に属するものだ。 「……××」 何か言おうとして、初めて感じた感情は、彼女の名前という形で口を零れた。 彼女は何も答えなかった。声は小さかったし、彼女も意識が朦朧としていたのだろう。 理性ではそう分かっていても、胸が締め付けられるような切なさを感じる。 ……俺ってばこんなに乙女チックだったのか? 自分のポエマーっぷりに呆れていると、声への答えだとしたら時間差付きの反応が来た。 俺の腕を抱きしめる力が増す。 彼女の柔らかな感触が、よりはっきりと腕に伝わってきた。特に胸とかが「くにょん」と。 「…っ、××?」 「あったかい……」 うろたえる俺に、安心し切ったように彼女は俺に体重を預けながら呟く。 その信頼と、感じるはずのない体温を感じるという錯覚の共有を、俺は嬉しく思った。 「すてき…」 「ん?」 「間違いだよ、私…。ばかみたいなことじゃ間違えだもん…。 だって幸せで、うれしくて、たのしくて、幸せなこと」 酔っぱらっている彼女の言葉は文法が間違っていて、単語が重複していて、呂列が回っていなかった。 けれど、確実に分かったことがある。彼女は今、幸せを感じている。そしてその理由は俺にある。 「ああ…」 俺が言ったのは感嘆だったのだろうか返答だったのだろうか?自分でもわからなかったが、言葉の理由は俺も幸せを感じたからだった。 不意に目が、アンバランスなクリスマスカラーのイルミネーションが巻きつけられた看板を捉えた。 『休憩一時間―――』 ラブホテル、という類のものだ。
- 459 名前:書く人 mailto:sage [2007/12/02(日) 09:35:19 ID:jR1yhCZx]
- 満たされていた幸福感を、稲妻のように切り裂いて衝動が突き抜けた。
性欲だ。腕に感じる彼女の感触が、急に生々しいものに感じられた。幾重もの布切れ越し感じる、やわらかな肉。異性の体。 「……わたしじゃ…ダメなのかな」 耳元で声がして、はっとした。潤んだ彼女の瞳が、俺をとらえていた。 「>>333くん、しゃべんなくて…私が地味でつまんない女だから、シアワセじゃないんだよね? 私が……>>333君が私でシアワセになってほしいのに…」 目の潤みが、涙になって零れる。 めまいがしてきた。世界が回り、自分の脈動が聞こえる。 『食っちまえ』 脳裏に響いた声は、木船が去り際に言った冗談の記憶か俺の本能の誘惑か? 「…何でもするよ?どうすればいいの?私の全部をあげるよ?それでシアワセになれない?>>333君はシアワセになれない?」 耳朶を震わせる声は、彼女の誘惑か俺の都合のいい妄想か? ああ、俺は酔ってる。何に?アルコールにか?彼女にか?性欲にか?ラブホの前でこんなことを言われているという状況にか? ぐるぐると回る思考の中で……俺は…… 「………駄目だよ」 〜 her side 〜 抱きしめられて、告げられた。 「………駄目だよ」 ああ…やっぱり私じゃ駄目なのか…かなしいな。 「そうじゃない!」 じゃあ、どう駄目なの? 「どうって…ま、まだ再会して間もないし… 酔っぱらってる所をなんて卑怯だと思うし… まだ君の気持をしっかり聞いてないから」 気持ち?どういうことだろう。私は… あ、そうか。私、言ってなかったっけ? 彼に言ってなかったっけ? うん、好きだって言ってないや。 恥しいな…。けど言おう。いいや、言っちゃおう。 地味な私だけど、今は酔っぱらってるもの。酔っ払ってていつもと違うもの。 いつもと違う私だから、いつもと違うことをしちゃうもん 「大好き」 ああ、気持ちいい。ぎゅっと縮こまっていた心が広がるみたい。 「>>333くんのこと…大好き。好きなの。私だってずっと好きだったの。 腕が好きだし、たくましいし、ハンカチでエッチな気持ちになっちゃうくらい好きだよ?」 「え、えっち…って」 うん?何か変なこと言ったかな?地雷原かな?けどいい。もっと言おう。 「大好き…私、>>333くんのこと、好き…で…」
- 460 名前:書く人 mailto:sage [2007/12/02(日) 09:37:40 ID:jR1yhCZx]
- 〜 >>333 side 〜
突然に、言葉が途切れてから一分ほど経って、俺はようやく気付いた。 「……××?」 声を掛けても、戻ってくるのは一定間隔の呼吸のみ。寝てしまったようだ。 「はぁぁぁ…」 その場に崩れ落ちてしまいそうな脱力感。 ああ、やっぱり酔っぱらってたんだな、それもひどく。 勢いに任せてここに連れ込まなくて良かった。 たぶん、この状況で行為に至っても、彼女はきっと許してくれるだろう。けれど、俺自身がきっと許せなかったはずだ。 「好き…か」 改めて確認して心が温かくなる。 『>>333くんのこと…大好き。好きなの。私だってずっと好きだったの。 腕が好きだし、たくましいし、ハンカチでエッチな気持ちになっちゃうくらい好きだよ?』 胸中でリフレインして、確信する。 想いが通じた、と。 ……まあ、なんだかめちゃくちゃ爆弾発言が紛れ込んでいる気がしないでもないが…それでも、 「両想い、か」 顔がニヤける。好きな人に、好きになってもらえる。そんなありふれた、けれど最高の奇跡。 「けど……だとしたらちょっともったいなかったかな」 緊張感が抜けた所に、ちょっと魔が差してきた。 が、一蹴する。焦ることはない。 彼女と、これからゆっくりと時間を共有していこう。彼女と着実に時間と、思い出と、絆を積み重ねて……そして…… 「とりあえず、タクシーだな」 俺は彼女を支えながら、大通りの方に歩きだした。 【長文失礼。あえて寸止め。酔った勢いはいけません。 リアル>>333がんばってください。応援してます】
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