- 444 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/29(木) 19:40:22 ID:pf4+5fxt]
- 〜>>333 side 〜
真っ暗闇になった世界の中、木船の胸元から場違いに明るい着メロが流れてきた。 「……あー、悪いな」 苦笑を浮かべながら木船が携帯を取り出すのを、何となくぼーっと眺めてみる。 ……てか、どうでも、いいんだけどさ。 あー、告白しただけじゃなくて無理矢理キスしたってのが、悪かったんだろうなぁ……。 俺って、なんて最低なんだろ。 「……おう、叔父貴、なんのようじゃい? ……変な言葉遣いはおめえのまねじゃけえ、ま、冗談はさておき」 一瞬、聞こえてきた声が理解できなくて、視線を木船に向け直す。 にやっと笑った木船が、そのまま携帯に答えを返していく。 「ああ、ふん……へぇ、面白い偶然だな…………ってマジ? ホントに。いや、実はさこっちも似たような状態でさ」 ……なんかわからないが、俺のことを話題にしてるような気がして、木船をじろりと睨み付ける。 けど、俺のことなんか無視して、木船はそのまま電話に没頭する。 「で、名前は? ……いや、そんな偶然あるのかってビビっただけ。……んじゃ、また後でかけ直すわ」 「……楽しそうだな」 睨み付けながらぼそりと呟いた瞬間、にやりともう一度笑いかけてくる。 「ああ、人生色々って奴だからな。あ、そうそう、昼飯奢るって言ったけど、アレ無しな」 「あ?」 「思いっきり宴会するぞ。俺の叔父貴がさ、奢ってくれるってよ」 なんでいきなりそうなるんだ? ……と目で問いかけるけど、木船はにやにや笑うだけで答えようとしなくて。 「……へぇへぇ、どうせ失恋してんだから、やけ酒でもかっくらってやるよ」 ふかい溜息を吐きながら、それでも木船なりの気の使い方に、少しだけ苦笑を浮かべた。
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