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【おお振り】おおきく振りかぶってエロパロ9球目



1 名前:名無しさん@ピンキー [2008/10/22(水) 23:05:48 ID:yL7nVtRG]
マターリエロエロでやっていきましょう。

前スレ
【おお振り】おおきく振りかぶってエロパロ8球目
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101 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/11(日) 23:51:31 ID:slD6YLz0]
吹いたwwwww沖wwww
GJ !!

102 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/12(月) 05:09:03 ID:Vn7eeOe7]
流れを読まずに投下。
>>78-82のチヨ→アベの続きのチヨ×アベ。
キャラ崩壊、バカップル注意。
一応アフタヌーン未読者は回避願います。
6レスほど頂きます。

103 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/12(月) 05:10:20 ID:Vn7eeOe7]
「わーすごいね、阿部くん! 懐かしいな、これ持ってたよ」
椅子に座り勉強机に頬杖を付いて、自室に女子がいるという不思議を感じながらオレは
野球関係の本棚の前から動かない篠岡の背中を眺めた。
「あー、あの選手の引退特集な。いいこと言ってんだよな」
「ショートの神様と言われた人だもんね」

どういう話の流れか、気付いたら篠岡とヤッてた次の日も
あいつはいつもと変わらない態度でオレに接してきた。
した事は夢だったのかと思うくらい、ただの一選手とマネジだった。
気まずくなっても恋人面されても困るところだったから
オレも黙ってそれに乗った。

三橋とは相変わらずで、夏に比べればずいぶん話せるようになったが
篠岡に告白するつもりはあるのかといった類の話なんてできるはずもない。
ただ、部活以外でのキョドりにイライラすることは減って来たらしい。
どういう心境の変化だと栄口に聞かれた。
知るか。チッ。

とにかく。
この1ヶ月は何の動きもなかったのに、昨日いきなり用があると言ってきたので
練習休みの今日、オレはこいつを自分の家へ連れてきた。
外で会ってるところを誰かに見られても困るしな。
「どれでも持ってっていーから。
 何か相談があったんじゃねェの」
「あっ、そうだった!」
やっと振り向いた篠岡は肩にかけていた鞄をおろし、中をごそごそと漁った。
「あった。ほら、これ!」
買ったばかりのCDでも見せびらかすような気安さで差し出したそれは
所謂 ゴム というヤツだった。
オレの顔は蒼白になっていたに違いない。

104 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/12(月) 05:11:18 ID:Vn7eeOe7]
「なんでンなモン持ってんだよ!!」
「この間はね、たぶん大丈夫だと思ってたんだけど
 やっぱり生理が来るまでは心配で仕方なくて。
 野球じゃないことで試合に出られなくなっちゃダメでしょう?」
「ぐ……」
「着けてみていい?」
「はァ!?」
「お願い! 練習させて?」
いつもなら明るい太陽が似合う彼女の笑顔が小悪魔の微笑に見えた……

返事がないのを肯定と受け取って、篠岡は椅子に座るオレの前に跪き
ベルトを外しジッパーを下ろしていく。
前は余裕がなかったけど改めて見るとスゲー光景だな。
あーもうちょっと待て、オレ。
なんとか引っ張りだしたモノを顔を赤くして見つめる篠岡。
「これ……」
「まだ、無理」
「…………」
篠岡は柔らかさの残るそれを軽く握ってそろそろと顔を近づけた。
ちゅ、と音がするのと「う」と声が漏れるのとが同時だった。
先端部分を味わうようにじっくり舐めた後、少しずつ頬張っていく。
背筋をにじり寄る波から気をそらすように
篠岡の頭をそっと撫でると髪留めがあったので外してみた。
さらけ出された腹に落ちる柔らかい栗色の髪が気持ちいい。
伏せられていた睫がわずかに持ち上がり
頬に掛かった髪を気怠げにかきあげる。
普段の彼女なら決して見せない匂いたつ仕種にドキリとする。
「……く」
「ふふ」
「?」
「阿部君、かわいい」
「か!!」

なんなんだこの女は!
クソッ。負けてられるか!
「んーっ」
ブラウスの上から乱暴に胸をまさぐり先端を揉み潰すと
抗議の(声にならない)声があがるが手と口を離されることはなかった。
それに気をよくしてスカートを捲り下着の奥まで手を這わす。
湿り気を帯びたそこにいきなり指を突っ込み中をかき回した。
「ひゃ、あぁっ!?」
奥は熱く、誘い込もうとするかのように締め付けられる。
「や、あ、あぁん」
「おまえ……」
「へ……?」
「何でもねー。出すぞ」
「えっ、んむっ」
頭を押さえつけた篠岡の口に無理矢理ねじ込み
数回扱くだけで呆気なく果てた。
「んぅ……ん、んんっ」
口を手で押さえしばらく俯いていた篠岡はパッと顔をあげると
眉間にしわを寄せ「ヘンな味ー」と舌を出して笑った。
「味わうんじゃねェ!」
「あはは、
 あ。出ちゃったら……」
二人の視線が股間に集中する。
「もうできない?」
「なワケねー。立って」
オレが左手を出すと篠岡は素直にそれを取った。

105 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/12(月) 05:14:04 ID:Vn7eeOe7]
無造作に肩にかかる髪、曲がったリボン、だらしなく裾の出されたブラウス。
羞恥に背ける赤い頬。白い鎖骨。
どれもが今までグラウンドや教室で見てきたマネジとは別人だった。
「ジャージ持ってねェの?」
「……今日は持ってないよ。
 …………阿部君のえっち」
「はー? 篠岡ほどじゃねェよ」
「えぇ!?」
「……」
「……」
二人でしばし見つめ合い、同時に吹き出した。

手を軽く引っ張ると篠岡は簡単によろけてきた。
篠岡が椅子に座ってるオレの頭をお腹で抱く格好。
女子特有の細い腰を抱え、深呼吸すると甘い匂いに包まれる。
優しく頭をナデナデされて心地良いが何か違う。
ブラウスのボタンをひとつづつ下から外していった。
ブラジャーのホックも何とか外し、小振りな胸を手中に収める。
「ぁ……」
そーそー、これこれ。
もう片方の胸に口付けし、空いた手は背中から腰、お尻へ。
まだそこにあった下着を忌々しく抜き去ると最奥を探り、
溢れそうな液体を掬い突起の周辺に撫で付ける。
「ふぁ……」
芯を囲うようにゆっくりじっくり円を描くと身悶えし
オレの手を封じるように太腿が閉じられた。
「や、めて」
「離してほしいのか?」
本気で嫌がってるわけじゃねェよな?
この体勢じゃどんな表情をしているのか伺えない。
「……っ」
篠岡の腹に頭を預け、囁く。
「どうしてほしい?」
「……阿部君の意地悪……」
「褒め言葉どーも」
「〜〜〜〜っ!」
「しのおか?」
「…………さ、わって」
言っている顔を見られなかったのが非常に惜しいが
小声でもちゃんと言ったのでヨシとするか。
片膝に座らせるとやっと目が合ったのにすぐ逸らされた。
逃がすか。
片手で顎を掴んで強引にこちらを向かせ唇を重ねる。
今日初めてだな、なんて頭の片隅で考えながら。

「はぁっ、あ、あっ、あ……」
遠慮なしに一番反応のいい所を執拗に責め立て続けると
背中に回された両腕に痛いくらい力が込められる。
イっちまえ!
「──────っ!」
ふるふるふると痙攣した後全身のこわばりがすうっと消えていった。
支えていないと崩れていってしまいそうだった。
篠岡の重みを全身で受け止めていた。

「阿部、君……」
「気持ち良かったか?」
「〜〜〜〜もうっ。そんなこと聞いちゃダメ!」
「……ハイ、すんません」
「ねえ、もう大丈夫かな!?」
復活早ぇなぁ……

106 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/12(月) 05:15:29 ID:Vn7eeOe7]
篠岡は細い指で小袋をピッと裂いてゴム製品を取り出した。
「い、行きます……」
その手にあるものを見詰めるにはそぐわない真面目な表情に思わず笑ってしまう。
フツーこーゆーのって男が用意するモンだよな?
でもオレが買っといて待ってるってのもおかしな話だ。
わっかんねーなー。
「なんでそこまでするワケ?」
「私の身体だもん、私が気をつけるのは当たり前だよー」
「ふーん。自分で買ったの」
「ナイショ。あげないよー?」
「いらねェよ!!」
「あはははっ。
 できた!よね?」
ゴムを装着できたことを誇らしげに報告する女なんてヘンだ。
理解できねー。

「はい、おつかれー」
膝立ちの篠岡をそのまま後ろ向きにして上半身をとさっとベッドに押し倒した。
辛うじて引っかかっているスカートを捲れば
普段は隠されているそこがゆらゆらと濡れているのが丸見えになる。
「え、す、るの?」
「ちゃんと着けれてるかどうか確認しなきゃわかんねーだろ」
「そういうもの……?」
「んー、まーな」
ここまで来てやめれるかっつーの。
篠岡のお尻に手をかけ狙いを定めると一気に突き挿した。
十分に潤うそこは何の抵抗もなくオレを受け入れた。
「あ……っ」

肌のぶつかる音と水音、荒い息が静かな部屋を支配する。
「声、出せよ」
「……だっ、て」
「いーから」
手を前へと滑らせ、両胸を大きく掴むと堰を切ったように吐息が流れだす。
「……は、あ、あぁ、あ……あべくん……」
何故だか篠岡が泣いているような気がしたので
上半身を起こして振り向かせたが泣いてはいなかった。
一度抜いてベッドを背に胡座をかいた上に座らせる。
「あ、ぁん……」

107 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/12(月) 05:17:06 ID:Vn7eeOe7]
すぐ近くにとろんと目を潤ませた篠岡がいる。
キスももうずいぶん慣れた。
ずっと抱いていたい。
でもどこかがチリチリと焼け付いている。
駄目だ。
何が駄目なんだ?

「……阿部、君」
「あ?」
「んっ、阿部く、んも……声、出して」
「はー!? 出すかよ!」
「え、ぇ、声、好きなん、だけどな」
「ウルセーもー喋んなっ」
「んっ、あっ、あ、や、ぁんっ」

こいつは〜〜〜〜黙ってりゃ結構かわいいのに
なんでこうどっかおかしーんだ。
それに好きなの声だけかよ!
……アレ?
何ならいーんだ?
「あっ、あ、べく、ん……?」
チ、余計なことばっかり考えてたら終わらねェぞ。
何も考えるな! 今はこっちに集中!
目の前の篠岡に……

篠岡の手がオレの両頬を抱え柔らかく微笑みながらキスをしてきた。
おまえ、いつの間にそんな顔するようになったんだ。
ヤベェ。
…………だから何がってんだよ!!!


最後はもう無茶苦茶に篠岡を突き上げていた。
案外胸あるじゃんとか思ってたことは口が裂けても言えない。



108 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/12(月) 05:19:43 ID:Vn7eeOe7]
「はーーーー」
疲れた、という言葉をすんでのところで飲み込んだ。
「疲れた?」
「はっ、これくれー何でもねーよ」
「ちゃんとストレッチしてね」
「今日休養日だっつうのに……クソ」
器用に髪をまとめ身支度を整えた篠岡はうーんと大きく伸びをした。
ひとり清々しい表情をしている。
「もうしねーからな」
「阿部君」

篠岡はしゃがんでじっとオレを見ていた。
ぴたりと照準を合わせ、放そうとしない瞳に吸い込まれそうになる。
「甲子園、行こうね!」
「お、おう」
あまりにも真剣に言われたのでつい普通に返してしまった。
にこぉ、といつものマネジの笑顔になる。
ちょっとホッとしたのも束の間。
「今日はありがと! じゃあまたね」
チュッと唇にキスを落として篠岡は帰っていった。


……理解しようとしても無理だ。
篠岡のことは深く考えない事にしよう。
そーする他ない。

109 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/12(月) 05:21:39 ID:Vn7eeOe7]
以上です。
ありがとうございました。



110 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/12(月) 05:32:51 ID:yIhCH5uM]
リアルタイムで読めた!
>>104の「まだ、無理」 …がなんかかわいかったw

阿部が大好きなので、千代やモモカンとのエロをいっぱい読みたい
みなさま、どんどん投下してくださると嬉しいです!
 


111 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/12(月) 16:22:05 ID:AbzuAtn4]
>>94
>>89の「エロ少なめ」「長い」「アベチヨ前提」「水谷失恋話」の4つを
そのまま前置きにして投下すればいいんだよー(4つめはネタバレだけどあったほうがいいのか?)

ホモスレなどでは「エロ無し注意」「エロ少ない」と前置きして投下される例もあるよー

112 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/13(火) 00:19:57 ID:lofFYepU]
>>110
しね

113 名前:名無しさん@ピンキー [2009/01/13(火) 00:48:56 ID:oYCE5hLS]
釣りかと思った。やっぱり来ましたねアンチw

自分も過去に「エロ無し」と前説してから投下したけど
何も言われなかったよ

114 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/13(火) 03:46:31 ID:ABzDW5gz]
>阿部が大好きなので
あの、女の子のエロスに萌えにきたんですけど
ここは棒要員の男に欲情する所なんですか・・・?

115 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/13(火) 09:27:26 ID:x0/EeOzN]
>>102GJ

釣りでしょ
阿部アンチしつこい

116 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/13(火) 18:19:45 ID:SVpPh6EW]
>>94
つい心無いレスをしてしまった…すまん。
批判じゃなくて注意されたくらいで投下やめちゃう職人さんもたまに見掛けるもんだからカチンときちゃって。ごめんね。
まぁみんなSSをすごく楽しみにしてるってことです。

117 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/13(火) 22:40:28 ID:Tr6q/do6]
>94誘い受けしたくなる気持ちはわかる。
つか、自分も昔してしまったしな。
その時ガツンときついお叱りもらって目が覚めた。
それ以来ゲリラ投下しかしてない。

「エロパロ」であれば、何を投下したっていいんじゃね?
そしてエロスは千差万別。

ということで楽しみに待ってる。

118 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/13(火) 22:50:08 ID:RK2XL0aL]
注意書きさえしてたらなんでもいいんじゃね
自分が書きたいもん書いて投下すれば


119 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/14(水) 01:40:53 ID:Ep6gtCo4]
>>114
両方ともアリだろ

つーかおまいら>>94が好きなのはよくわかったから
そろそろやめてやれw



120 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/14(水) 14:04:00 ID:cgFLRkRw]
過去に投下された職人様が新しく
エロパロを書いて投下されたら嬉しいです。
あと続き待ってるのはハルスズ?

121 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/15(木) 05:53:19 ID:H+qXFGPH]
投下してくれるなら
以前からいる職人さんでも、新規参入でも
俺なら待てる!

122 名前:名無しさん@ピンキー [2009/01/18(日) 04:17:52 ID:4mYKkyoa]
今日はニットのワンピースにレギンス、下着も白で揃えたしと考えてたら阿部ぇが覆いかぶさってきたお^p^
「沖、・・・ふぅん あ」とすごい勢いで阿部が舌を絡めてきてびっくりするお
唾液の量もいつもより多くて鼻息も荒いお
わかってたけお沖はびっくりするお

阿部ぇは今度は強く唇をすいながらワンピースをたくしあげるお
一気にキャミソールまでたくしあげられ沖はブラをはずしやすいように背中を浮かすお
阿部ぇは焦ってるせいか中途半端にブラをはずし力強くもんでくるお
円をかくように大きく胸をもみしだいた後ふいにキスしてた唇をはなしたお
沖はブラのホックが背中に挟まれて痛かったけど気にしないふりして笑ったお
すると阿部ぇは再び口内に舌を入れてきて乳首に触れてきたお
最初はそっと、乳首がたってきたらだんだん弾くように^p^
思わず声をあげると阿部は今度は舌で乳首に刺激を与えてきたお
胸がスースーするお
乳首がテラテラしてきた頃阿部が再び顔を上げたお^p^

123 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/20(火) 14:51:40 ID:V325wkqF]
捕手

124 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/22(木) 14:23:33 ID:gbCZ5ZD9]
埼玉って雪積もります?
冬に自転車通学は無理かな

125 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/23(金) 01:46:51 ID:65CqxKqs]
カスカビアンだが、降る時は降る。が、積もることは滅多に無い。
今年は降ってないなあ。

リアの時、まさにチャリ通だったが、
積雪4cmくらいで、家から次の角を曲がるまでに諦めて駅に向かった。
雪ン中、ちゃんと学校来てる奴は少なかったな。
伊勢崎線、野田線、薄い雪でも止まるしな。

126 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/23(金) 19:03:01 ID:BiSQ1nIK]
>>125
ありがとう!

127 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/01/26(月) 23:21:18 ID:iugtPTIT]
本編準拠でも、全然無視の妄想カプでも
明るくかわいい純愛でも、暗いくて荒んだ無理やりでも
熱烈で歓迎するぞ保守

128 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/02(月) 10:36:59 ID:3H1XqWz1]
切ないエロとかバカらしいエロとか
期待して保守

129 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/03(火) 18:06:15 ID:PSTjriVv]
流れを読まずに投下。
ごめんエロ無し。

>>78-82 のチヨ→アベ
>>103-108 のチヨ×アベの続きのチヨアベ。完結。
キャラ崩壊注意。
コミックス派の方、ミハチヨ・ミズチヨ好きの方は回避願います。
9レスほど頂きます。

>>89 微妙にネタカブリごめん。投下待ってる。
>>125 Special Thanks!



130 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/03(火) 18:07:21 ID:PSTjriVv]
2月も半ばになり、だんだん日暮れが遅くなってきていることを実感していても
部活を終える時間にはすっかり暗い。
野球部の部室前では着替えをすませた部員たちが
まだ出てこない仲間を待ちながら適当に喋っていた。
吐く息がいくつも白くたちのぼる。

巣山や沖と何やら楽しそうに会話している篠岡の視界から外れたところで
水谷が阿部にそっと声をかけた。
「あべー、しのおかから貰ったチョコ、どんなだった?」
「は? おまえも同じの貰ってるだろ」
「本当に同じやつ? 見せてよー」
「なんでンなこと気にするんだ。ほら」
「ホントだー」

そんな二人のやり取りを横目で見ていた泉が三橋に言った。
「そういえば三橋、結構な数もらってたよな」
「一番多かったのはオレだけどなー!」
「えっ あ、うん、田島君が 一番!」
「三橋ー、食うなとは言わねーけど、食った後はしっかり歯ァ磨けよ!」
「う、うん!」
後ろから不躾に飛んできた阿部の声に背筋を伸ばして答える三橋。
苦笑いしつつ見守る栄口。
いつもの光景だった。

「なー、三橋は好きな子からもらえたか?」
田島からの質問に三橋は頭をウーンウーンとゆっくり回転させて考えてみた。
今日チョコをくれた人はたくさんいたけれどそのほとんどは名前も知らない女の子たちだった。
それでも順番に思い浮かべた中によく知った顔があったのでそのまま口に出した。
「し、篠岡 さんっ、」
誤解されそうな言い方だな、と泉がフォローを入れるより先に田島が大声で叫んだ。

「三橋はしのーかが好きなんだな!」

なんの前触れもなくいきなり炸裂した爆弾発言に驚き振り向いた篠岡は
声の主である田島や当の三橋よりも先に、彼らのすぐ後ろに立っていた阿部と目が合ってしまった。
三橋と付き合うと言いつつ身体を重ねた3ヶ月前のあの日のこと、
はっきりした言葉もないままずるずると関係を続けたそれからの日々のこと。
泣いたこと、笑ったこと。
いろんなことが頭の中を駆け巡ったが、時間にすればほんの3秒ほどだったかもしれない。
先に目を逸らしたのは阿部だった。

「た、た じまくん、ち ちが、ちが……」
部員たちが注視する中、真っ青になって震えていた三橋は
居たたまれなくなり逃げ出そうとしたが、その腕を田島にがしっと捕まえられた。
「しのーか! 今付き合ってるヤツとか好きなヤツいんの?」
今度は篠岡に視線が集まる。
少しだけ目を伏せてから顔を上げ、はっきりと言った。
「どっちもいないよ」

「……ウソだ」
水谷から漏れたつぶやきを聞いたのは隣にいた阿部と栄口の二人だけだった。

「じゃあさー、三橋と付き合わねーか?」
「うん、いいよ!」
「かるっ!」と間髪入れず泉から入ったツッコミに異を唱える者はいない。
教科書貸して、といわれた時と大差ない返事に栄口・巣山・沖は冷や汗を垂らした。


131 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/03(火) 18:08:10 ID:PSTjriVv]
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
「なんだ、水谷もコクんの?」
「そ、そうじゃなくて……
 しのおか、好きなヤツいるよね?」
「……え?」
「オレ、見てたから……わかったんだ」
それは告白してるも同然だろうと幾人かは心の中で涙した。

水谷の発言の真意は計りかねるが、何かを知っているわけでもなさそうな様子に安心した篠岡は
ゆっくり歩を進めながら言葉を選ぶ。
「えーとねー、正直に言うといたよ、好きな人。
 でも去年ふられちゃったから、今はいないんだ。
 だからなんの問題もないと思うんだけど、ダメかな、三橋くん?」
田島にガッチリ腕を掴まれ逃げられなくて小さくなり泣いている三橋の正面に回り
目線の高さを合わすようにしゃがみこんだ。
やっとおそるおそる顔を上げた三橋に、怖くないよーと笑顔を見せる。
「ダメ、じゃ ない……」
「よかった! じゃあこれから、よろしくね」
篠岡の差し出した右手に三橋がおずおずと右手を重ね握手したかと思うと
「よっ、と」小さなかけ声とともに立ち、つられて三橋も立ち上がる。
「いろいろお話したいから、一緒に帰ろ!
 じゃあみんな、また明日。おつかれさまでしたー」
「おー、おつかれ!」
「お、おつかれ〜……」
引きずり引きずられ去っていく二人に違和感を覚える者は少なくなかった。

「うまくまとまってよかったじゃん!」
「田島、今のは」
「そうだな」
何かを言いかけた泉の言葉を遮り、阿部は強引に話を終わらせ帰っていった。
場に微妙な空気が流れる中、部室の戸が開いて花井と西広が出てくる。
「おー、待たせて悪かったな、
 ……ん? どした?」
「べっつにーい?」


132 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/03(火) 18:09:04 ID:PSTjriVv]
「阿部」
一人自転車置き場へと歩く背中に声がかかった。
ちらっと見やると栄口が小走りでやってきて横に並ぶ。後ろには珍しく不機嫌そうな顔の水谷もいた。
「あのさ、……いいの?」
「──何が?」
「いや、ほら、あの二人……」
「いーんじゃね? これで三橋もちったーしっかりするだろ」
「違うよ、篠岡だよ!
 ……その、阿部、篠岡と付き合ってるだろ?」
「はあ!? 付き合ってねェよ」
「え? アレ? 違った?」
「なわけねーだろ」
「そっかあ。最近いい雰囲気してたから隠れて付き合ってんだと思ったのになー」
「……」
「……いいの?」
「だから何がだよ。好きなヤツいたっつってたじゃん。オレには関係ねーよ」
「それ……おまえだろ?」
後ろから刺さってきた言葉に足を止め振り返る。
水谷は悔しそうに眉をひそめ阿部を見据えながらもう一度言った。
「篠岡が好きなのって阿部だろ」
「何バカなこと言ってんだよ。ねーっつの」
「──本気で気付いてなかったのか? おまえといる時だけ顔が違うこと……!」
「知るかよ、何か言われたことだってねェし……
 ……あ?」
阿部は過去の自分の発言と篠岡の反応とを隈無くさらい出す。
顎に手をあて考え込む姿を見て水谷の顔がくしゃりと歪んだ。

栄口が二人の交際を疑うようになったきっかけは、阿部の家の近くで篠岡を見かけたことだった。
元々同中だった篠岡がその辺りにいたところで不思議はない。
それに特別二人でいるようになったり会話が増えたりしている様子もない。
けれどどことなく二人を取り巻く空気が変わっていった。
ゆっくりの微妙な変化だったから巧妙に隠してるなと思ったし
自分以外に気付く者がいるとも思えなかった。
でも水谷は篠岡の想いを知っていた。
きっと、ずっと真剣に見つめていたんだろう。
篠岡のことを。

「し、篠岡さん……?」
突然三橋の声がした。
すぐそこの校舎の角を曲がったところにある自転車置き場からのようで姿は見えない。
三人は思わず息を止めた。
「ご、めんなんでもないよ」
篠岡の声は微かに震えていた。
「……っ、」
「……私、さっきふられたって言ったでしょ。本当はまだちょっと引きずってたんだよね。
 でももう吹っ切れた気がする。ありがとう、三橋君!」
「オ オレ は 何も」
「へへっ。それでもいいの。帰ろっか」
「う、うん」

遠ざかる二人の気配が完全に消えてからやっと動き出した阿部は自転車に跨がって独りごちた。
「切られたのはオレの方か?
 ま、もうどーでもいーけどな」
吐き捨てるように言った阿部の表情は見えない。
「なんだよそれ! もう諦めんのかよ!
 ──バカはおまえだ、ばかやろーっ!」
水谷の叫びは夜の闇に吸い込まれていった。
「しのおかも、誰でもいいのかよ、ばかやろう……」


133 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/03(火) 18:09:51 ID:PSTjriVv]
……チ。
全速力で自転車をこいでも頭から冷水を浴びても腹いっぱい飯を食べても阿部のイライラは治まらなかった。
もう寝てやるとベッドに入れば、乱れた格好でココに横たわっていた篠岡が目蓋に浮かぶ。
「クソッ」
観念して起き上がり、3分で日課をこなしてとりあえず一息ついた。

水谷が言っていた篠岡が自分のことを好きだったという話は多分本当だろう。
今なら、実感としてわかる。
愛だの恋だのといった甘い言葉のない体だけの関係だったとしても
互いに求めていたから一度きりで終わらなかった。
回を重ねるごとに大胆になり、練習後の真っ暗な教室で強引に繋がったこともあった。
もしあれが教師に見つかりでもしたら累は野球部にまで及ぶだろう。
このまま流されていくわけにはいかない。ちょうどいい潮時だったってことだ。
篠岡に、本当に好きなヤツができたのなら祝福だってしてやる。
でもそうじゃないかもしれない。
甲子園に行くために三橋をしっかりさせるとかまだ言ってんじゃねェだろうな。
そりゃあ最初に言い出したのはオレだけど、三橋をなんだと思ってんだ。

──というよりもしかして、それを オレ が望んだからか?

嫌な汗がどっと噴き出した。
無意識に目を逸らしていた罪状を突きつけられ、足元が揺らぐ。
盗塁するランナーを刺したと思ったのに刺されたランナーは自分だったなんて、そんな馬鹿な話あるか。
篠岡の暴走を止めなければ──

目を閉じ思案しているとケータイのメール着信音が鳴る。
差出人は三橋だった。
本文にひとこと、『ごめんなさい』。
もう夜遅い時間だったが阿部はすぐさま三橋に電話をかけた。

「どうした、何かあったのか!?」
『あっ、あべ、君……
 ……ごめ、んなさ い……っ』
「だからどうしたっつってんだろ!」
『ゴ……ッ あ の、し、篠岡、さんっ
 阿部君 篠 岡さん、ス、スキなの知って たのに あんなコト……に、』
一瞬ふうっと気が遠くなるのを感じた。
自分ですら今日やっとぼんやり自覚したことをどうして、それも三橋が知っているのか。
「オレァ別に篠岡のこと、なんとも思ってねェから気にすんなよ」
『わかる、よっ、栄口君 シューチャク、なくなってきた て』
「……オレがおまえに執着しなくなったって栄口が言ったのか?」
『うん! オレ……き、嫌われたと思ったけど、ちがう、イイコトだって。
 どうしてか見てたら 阿部君、篠岡さん、いつも 見てた……』
「……チ。まー万が一そうだと仮定しても! 篠岡が選んだのはおまえだよ」
『ち、ち、ちがくて、あの 篠岡さん スキなの、たぶん
 オレじゃ……ない』
消え入る語尾に三橋の傷を見た気がする。
そもそもあんなことを言い出さなければ付かなかったはずの。
「わり……。
 全部オレの責任だ。お前は悪くない。
 ──明日、篠岡とちょっと話をしてみる」
『うん! がんばって、ね!』
「何をだよ。いーからおまえはすぐ寝ろ。明日遅刻すんじゃねェぞ」


134 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/03(火) 18:11:07 ID:PSTjriVv]
4時限目の終了を告げるチャイムが鳴り、1年7組の生徒は三々五々理科室を後にした。
黒板を消す日直の篠岡をしばらくじっと眺めていた阿部は
大方の生徒がいなくなった頃合いを見計らって教卓を挟んで話しかけた。
「おい」
篠岡は手を休めることなく、黒板に向かったままのんきな声で答える。
「はぁいー?」
「ちょっと聞きてェことがあんだけど」
「なにー?」
話しかけられてるのにこちらを向こうともしない篠岡は初めてだった。
顔を見るのも嫌ってことか。
阿部は腕を組みじっと待った。
残念だったな、待つのは慣らされてんだよ。
黒板はきれいになりチョークも揃い、することのなくなった篠岡は仕方なく振り返った。
教室内にまだクラスメイトが数人残っているのを見てほっとした色が見て取れる。
人目があれば話がおかしな方向へ流れることもないだろうと安心したか。

阿部の表情は声のトーンに違わず厳しい。
「前にオレが言ったこと、真に受けてんじゃねーだろうな」
「……阿部君はそういうことには無頓着な人だと思ってたんだけどな」
「おまえがオレをどーゆー人間だと思ってんだか知らねェが
 返答次第では力ずくでも止めさしてもらう」
「止めない場合もあるんだ」
「本気であいつの未来を背負うつもりなら止めねーよ」
「野球部の未来は?」
やっぱり、そっちか。
阿部は眉間の皺を一層深くし、はーっとため息をついた。

傍目にもわかる険悪な雰囲気で対峙する両名を不安そうに見つめる女子生徒たちを
水谷はそっと理科室の外へと連れ出した。
「ちょっと部の方針について話し合ってるだけだから心配ないよ!」
得意のニッコリスマイルで廊下の角を曲がるまで見送り、他にはもう誰もいない中へと戻った。
篠岡は唇をきつく引き結んで少し泣きそうな顔で阿部を鋭く見つめていた。
それを居丈高に眺める阿部。
どうしてこんな男がいいんだよ。どうしてこいつの前でだけそんな顔をするの。

「野球部の未来なんて誰かが背負うモンじゃねェ。
 中途半端な気持ちなら三橋から手を引け!」
「……っ!」
出入り口を塞ぐようにして立つ水谷の背後に人の気配がした。
「阿部、と篠岡? 何があったんだ」
「しのーかー? 大丈夫かー?」
いつの間にか花井をはじめとした野球部員が全員集合していた。
にらみ合う阿部と篠岡はそれに気が付いているのかいないのか。

「……私にできることがあるならどんなことでもしたい。支えになりたいの」
「おまえはもうマネジの仕事を充分にやってるだろ」
「もっともっとがんばりたいの!」
「なんのためにだよ。自分や人の気持ち無視してまでやることかよ!」
「阿部君にそんなこと言われたくない!」
篠岡の大きな瞳から涙が一粒零れ落ちた。
頬を紅潮させ怒りを露にする彼女に一同は息を呑んだ。
ここまで負の感情をむき出しにする篠岡など見たことがない。
女子の涙に免疫のない阿部はひたすら焦るばかりだった。
「〜〜わ、悪かった。謝るから、泣くな……」
「泣いてない!」
「チ、どー見たって泣いてんだろ……あ。」
「……なに?」
「イヤ、前も見たけど確かにこうじゃなかったな」


135 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/03(火) 18:12:35 ID:PSTjriVv]
仲裁に入るタイミングを伺っていた花井たちの頭にハテナが浮かんだ。
「前にも?」
「篠岡が泣いたの見たことある?」
「ないない」
顔を見合わせた一同が再び篠岡に視線を戻すと
彼女はあり得ないくらい真っ赤になって震えていた。
「……どうして今そんなこと言うの!?
 阿部君のえっち!!!」

篠岡の渾身の叫びに数人が半歩後ずさり、阿部はがっくりと肩を落とした。
「おまえな〜〜今のリアクションでバレたぞ」
「へ? え?」
篠岡は周りを見渡して初めて野球部員が勢揃いしていることに気付いた。
誰も彼女と目を合わせようとしない。
「いや〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
目にもとまらぬ早さで走って理科室を飛び出していってしまった。
深くため息をつく阿部に花井が言った。
「話が全く見えねーんだが……」

「まとめると、阿部が、みんなのマネジに三橋と付き合うよう勧めてるうちに
 エッチと罵られることをして泣かせて、今日また更に泣かせたということだね」
「〜〜そこまで言うかよ西広……
 三橋には悪いことをしたと反省してる。ごめん」
阿部は深々と頭を下げた。
「あ、べ君……」
「阿部はしのーかのことが好きなのか?」
「あー、たぶん。でも付き合いたいとかそーゆーのは思わねーし
 篠岡が誰と付き合おうと勝手だけど、いい加減な気持ちで引っ掻き回されるのは迷惑だ」
「痴話喧嘩かよ、クダラネー。オレは帰るぜ」
泉が退室するのを受けて巣山・沖・西広も出て行った。水谷は既にいなかった。
「チ、勝手に来といて何言ってんだあいつ」
「なんだよー、取っ組み合いの喧嘩してるっつーから飛んできたんだぞ!」と9組の田島。
「オレは野球部内戦勃発って聞いた」これは7組の花井。
「うちは野球部解散の危機だと」1組は栄口。
「ちょっと喋ってただけだっつうの……」
苦虫を噛み潰したような顔をして唸る阿部に田島が鋭い視線を投げ掛ける。
「でもしのーか泣かしたのはホントだ。どうすんだ、このまま放っとくのか?」
「オレが追いかけるわけにいかねーだろ」
バツの悪そうな阿部と目が合うと三橋はぱちぱちっと数回瞬きをした。
……オレですか?と背後に文字が書いてあるように見えた。
「オ オレ 篠岡さん スキじゃ、ない」
「はあ!? 昨日好きだっつったろ」
「ス、スキだっ」
「どっちだよ!」
「阿部、落ち着けって」
「オレの スキ……田島君 花井君 栄口君、篠岡さん ほかのみんな
 同じ スキ だから 阿部君とちがう。
 篠岡さん、スキなのも オレ じゃないカラ……最初から何も ないんだ! よ!」
「〜〜ンだよそれ!」
脱力してへたり込む阿部に栄口が笑った。
「行きなよ、阿部」
「どこにいるかもわかんねーのに?」
「もう見つけてるんじゃないかな」
栄口はケイタイを取り出した。


136 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/03(火) 18:13:50 ID:PSTjriVv]
低い雲から小雪のちらつく中、第二グラウンドまで走ると泉・巣山・沖・西広がたむろしていた。
「篠岡いた?」
栄口の質問に巣山は黙って少し離れたところにあるベンチを示す。
両手で顔を覆い座る篠岡を水谷が必死になだめていた。

「し、篠岡さん……」
降ってきた声に顔をあげた篠岡の顔は涙でグチャグチャだった。
「三橋君、ごめんなさい、本当にごめん、なさい……」
「篠岡さん、があや、あやまることない よ!
 オレ、大丈夫! みんな、みんながオレのこと 大事に思ってくれてるって わかってる」
「三橋君……ごめんなさい」
「悪いことしたってわかってんならもういーよ」
冷たく言い放たれた阿部の言葉に篠岡は身を固くする。
阿部はうつむいたままの篠岡の肩にかけられたガーディガンを剥がし水谷に投げつけて
無言で自分のセーターを脱ぎ、頭から乱暴に被せた。
「わっ。阿部君……?」
そのまま何も言わずどっかと隣に腰を下ろす。
色々言ってやりたくて仕方のない水谷だったが敢えて呑み込み、三橋を連れてベンチを離れた。

「おかえり、水谷。おっつかれさん」
「さかえぐちぃ、すやまぁ。オレ泣いていーかな〜」
「おう、泣け泣け!」
「三橋! 大丈夫か?」
「それでいいのか?」
「うん!!」


137 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/03(火) 18:15:51 ID:PSTjriVv]
篠岡は項垂れ阿部は天を仰ぎ。ベンチは静寂に支配されていた。
向こうでバカ騒ぎしている部員たちの声が聞こえる。
「……さ、寒いでしょ。これ、」
「着とけ。いーから」
篠岡は黙ってセーターに袖を通すと身体を包み込む阿部の体温を感じて目を細めた。
「あのな、オレは篠岡のことが好きだ。
 でも、付き合ったりすることはできねー。理由はわかるよな?」
「うん、たぶん……」
「今は野球に集中したい。っつーか──自分があんなに見境なくなると思わなかった」
「……本当にごめんなさい……」
「ちげえよ!!」
思わず出してしまった大声に篠岡はきゅっと肩をすくませた。
さっと注目されたのがわかったので手の平を見せて侵入を阻止しておく。
やっぱ監視、されてんだよな。信用ねーなオレ。
ま、無理もねーか。
みんな篠岡のことが心配なんだ。大事な仲間泣かしたら怒るのも当たり前だ。
「……わり。責めてるわけじゃなくて──自分にイラついてんだよ。
 それに、謝んならオレの方だろ。最初にバカなこと言い出したのはオレだ」
「でも私はそれを利用、したよ」
「利用されてることを利用した。そこはお互いさまだ。
 もし全部終わって──……イヤ、やめとくか。
 篠岡は彼氏作れよ。本当に好きな男見つけてさ」
「無理だよ。私ずーっと前から阿部君のことが好きだったんだもん」
憑き物が落ちたようにリラックスして笑う篠岡が眩しい。
「そっか」
「もしかして知ってた? 私の気持ち」
「んー、まーな。ずっとってのは初耳だけど。
 つかそういや最初の日に言ってたじゃん、ココで」
阿部は自分の耳をトントンと指してニィッと意地悪な笑みを漏らした。
「う、うそ……」
「あん時の篠岡はかわいかったな、スゲー緊張してたし」
「お、お、お願いだから忘れて、阿部君!」
涙目の篠岡が身を乗り出して懇願してくると阿部の余裕もなくなってくる。
何しろ真っ赤な頬と潤んだ瞳はあの時の劣情を否応無しに引き寄せるのだ。
改めて意識し始めるとどんどん感情の波が溢れてくる。
ヤベー。好きだ。

阿部が手をのばして篠岡に触れようとすると、気配を察したのか
彼女はぱっと立ち上がって離れた。
「だめだよー」
にこおっといつものマネジスマイルが少し恨めしい。
イヤイヤ、もーしねーって決めたんだから!
頭を振って立ち上がると篠岡が素軽く近寄って小声で言った。
「アレ、どうして持ってたか教えてあげよーか」
アレって、アレか。篠岡が持ってたゴム。
「監督がくれたんだよ! 自分の身体は自分で守りなさいって」
「マジでか!
 あの人は〜〜〜〜どこまで知ってんだ……」
「さあ。もしかして全部知ってたりしてね。あははっ」
教え子のことは総て把握してそうなカントクも怖いがそんな話を屈託なく笑いながらする篠岡もコエー。


138 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/03(火) 18:17:32 ID:PSTjriVv]
遠巻きにベンチを見守っていたチームメイトは、来た時とは打って変わった明るい表情で戻ってきた二人に
ほっと胸をなで下ろした。
「あの、今日はいろいろ迷惑かけて本当にごめんなさい! それと心配してくれて、ありがとう」
男物のセーターを着た篠岡が見慣れない女の子の顔で笑うので少し寂しい気分になったのは秘密だ。
「お、おう、仲直りしたのか?」
「仲直りっつーか……まーそっかな。元に戻ったわけだから」
「付き合うんじゃないの?」
「な暇ねーよ。甲子園行くんだぜ?」
「おお、そーだな!」
「こ、甲子園!」
「……なんなんだよそれええ阿部ー!!」
「コレで付き合ってねーとかよく言うぜ……」
「したいことするのに形式にこだわる必要はないよ」
「西広今日何気にキツくないか?」
「女の子を泣かせる男は許せないらしいよ」
授業5分前を知らせるチャイムが広いグラウンドに鳴り渡った。
いつの間にか青空が見えていた。
「お、予鈴か。走るぞ!」
「おおっ!!」
野球部員は元気に駆け出した。


4人が7組の教室に駆け込むともう一度チャイムが鳴った。
「ぎりぎりセーフ!」
「さっさと座れ野球部! 授業始めるぞ!」
「はい!!!!」
すぐ後ろからやって来た教師の声に慌てて席に着くと、何故か篠岡が周りの女子の注目を集めていた。
篠岡の前の席の子が振り向き、人差し指をピッと向けて小声で詰問する。
「どういうこと、ソレ!」
どれ?と篠岡が自分の胸に手を当てると遠くの席で阿部が教室中に響き渡るくしゃみをした。

139 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/03(火) 18:18:26 ID:PSTjriVv]
以上です。
ありがとうございました!



140 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/03(火) 18:32:18 ID:DdvUNg+H]
神きた。お疲れ様でした。

141 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/04(水) 08:15:32 ID:3XX+9WU0]
やべえ朝からマジ泣き

142 名前:名無しさん@ピンキー [2009/02/04(水) 09:14:10 ID:D9hPJ4oH]
うおおお疲れ様でしたっ
素敵なお話でした

143 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/06(金) 23:59:39 ID:eKeccx6W]
gj次回作期待してる。

144 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/07(土) 03:59:14 ID:arePWXG4]
ほんとよかったです!水谷くんが可愛かった(笑)また次回作まってますよ!(^^)d

145 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/08(日) 19:45:36 ID:JVV3ynmB]
リアはカエレ

146 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/09(月) 10:02:50 ID:27x5uRss]
ミハアベのSSとかって投下いいですか?


147 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/09(月) 12:43:19 ID:5PH37QSG]
三橋×阿部みさえならおk

148 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/09(月) 16:50:21 ID:u20pyrPa]
ミハアベ? こうですか?


『3番、キャッチャー、阿部君』
「あすっ」

──ふ〜ん、あれが”アベクン”かぁ……

バッターボックスに立つ選手を三橋瑠里はじぃっと眺めた。
ルリは今日、イトコとの会話にいつもいっつも出てくるアベクンとやらを一度拝んでみようと
わざわざ西浦高校野球部の練習試合を見に埼玉まで来ていたのだった。

金属音が響き白球が外野に落ちた。
3塁ランナーがホームインしたというのに喜ぶでもなく淡々とした表情の阿部に
それまで聞いていた”アベクン”を重ね合わそうとしてみるがうまくいかない。
すぐ怒って怒鳴って口喧しいらしいから熱血漢だと思っていたのに。

攻守交代し、キャッチャーマスクをかぶり声だしをする彼に少しずつ興味がわいてきた。
本当の阿部君はいったいどんな人なんだろう。

(続きません)

149 名前:名無しさん@ピンキー [2009/02/09(月) 21:18:32 ID:foDdpAFG]
ここは801じゃない



150 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/09(月) 21:21:14 ID:0Lx9ABD5]
>>148
これはよいミハアベ

151 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/09(月) 23:46:07 ID:/rEwI6Ev]
>>148
イイ!

152 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:11:34 ID:g+HE4k/o]
投下します。読んでもらえると嬉しいです。

153 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:12:39 ID:g+HE4k/o]
「じゃあ、最後――背番号14は?」
「あ、青木毅彦ッ……君。4番で、ショート! 左打席ッ! 特徴はッ……ブンブン振り回すこと!」
「………」
「………(どう?)」
「――おし、いいだろ」
「ッ〜、はぁ〜……」
 掛けられる阿部隆也の声に、三橋廉は大きくため息をついてテーブルに上体を預けた。場所はその三橋宅・
屋根裏の寝室――時間にして午後10時になろうかというところである。
 翌日に埼玉大会・桐青高校との第一回戦を控えた三橋は、その打ち合わせするべく女房役(バッテリー)で
ある阿部とこうして、対戦打者の攻略を読み合わせているのであった。
 しかしながらこの三橋、一週間前すでに渡されたこの桐青校レギュラーの打者特徴をほとんどといっていいほど
覚えてはいなかった。
 そのことを知り当然のよう怒り、そして問い詰める阿部に対し三橋は、練習嫌いや自惚れというのではなく
その理由を、『阿部が構えたところへ投げるだけ』と怯えながらに言い切った。
――『自信』てェより、俺への『信頼』か。
 目の前で何度も対戦相手のデータを読みしきる三橋を前に、阿部は練習後のグラウンドで感じたことと同じ
ことを思い返す。信頼されるということは、喜びであると同時に大いになる責任もまた背負うことだと阿部は
考えていた。
 つい数ヶ月前までは、『自分だけの野球が出来れば良い』と考えていた。そしてそんな阿部にとっての三橋は、
自分の指示通りに球を投げてくるるだけの『都合の良い存在』であったはずである。しかし練習を重ね、苦楽を
共にするうちにそんな気持ちは阿部の中から薄れていった。
 誰よりも三橋の努力とそして彼の、このスポーツに対するジレンマを知った今ではそんな三橋の努力を活か
してやりたい――勝たせてやりたいと願うようになった。
 そんな想いの果てに巡ってきたのが明日の晴舞台であるのだ。
 やれることは全てやってやりたい――ゆえにそんな想いは、練習後の深夜にも拘らず阿部に、この三橋との
打ち合わせへ熱を込めさせているのである。
「この2年の青木だけど、こいつは桐青の中でも去年ゆいいつ一年で甲子園の土を踏んでるヤツだ。前後の
島崎といい河合といい、この打順にはごまかしは通用しない。取れるならば確実に取っていかなきゃならないんだ」
「うん、うんッ。オレはッ、阿部君の構えたところに投げるよ!」

154 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:13:34 ID:g+HE4k/o]
「だから、さっきの繰り返しになけどケース・バイ・ケースで対処していかなきゃならねー場面だって出てくる
んだ。その時にお前が自分で判断できなきゃヤベーだろ?」
「うん、でも……知ってても考えない。オレは、阿部君が、構えたトコ、投げるダケ、だカラ……」
「だからそーだとしてもッ……はぁ、ならいいや」
 自分の言葉にどこまでも怖気づきながら、そして挙動不審に答えてくる三橋を前に阿部も大きくため息をつく。
このやり取りも、練習後グラウンドで交わしたものと同じものであった。
――あとはなるようになるしかないか。俺もこいつも、全力を尽くすだけだ。
「じゃ、帰るからな。明日は当日で朝練は無ェーからって、寝過ごすなよ」
 そうして立ち上がり、阿部も帰宅の準備を始める。
「あ、阿部君……ッ」
 そんな阿部を前に三橋も何か言いたげに口元を菱に上下させる。
 そして、
「じゃあな、おやすみ」
 肩掛けかばんを袈裟にして阿部が立ち上がったその時であった。
「あ、阿部君ッ! まだッ、聞きたい!」
「あん? ――うあッ!?」
 立ち上がる阿部へとさながら、バックホームに飛び込むランナーのよう、三橋はその正面からタックルをして押し
倒していた。
「何すんだ三橋! お前はー!!」
「あ、あうあうあうッ……」
 ベッドの上へと倒れこみ、なおも自分の上に乗ったままの三橋のこめかみを、阿部は両こぶしの拳骨で締め上げる。
「こえーマネすんなよ! ふざけて怪我とかしたらどーすんだ!?」
「ご、ごめん! ごめんね! でもオレ、まだ阿部君に、聞きたいッ」
「打ち合わせか? だいたいはもう覚えただろ? 後は明日の試合をしながら俺がリードするから……」
「ちがうッ、それじゃなくて! ……ニーのこと」
「はぁ? なに言ってんだ? 聞こえねェよ?」
「だからオナニーッ。阿部君は、オナニーするの?」
「………あぁ?」
 自分の体の上そこから、見上げながらに尋ねてくる三橋の真っ赤な表情に、ただ阿部は怪訝に聞き返すばかりであった。

155 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:16:18 ID:g+HE4k/o]
 そしてようやくその質問を理解し、
「ば、ばか! なに言ってんだ、お前!」
 阿部もまたその慌てふためかせた表情を三橋同様に真っ赤にさせた。
「た、田島じゃあるまいし、お前なに言ってんだよ!?」
「田島君が言ってたからッ、一日にオナニー1回するって。だけどオレ、3回してるし。多すぎなのかなって? 
だから、阿部君にも聞きたい!」
「な、なにをだよ……?」
 話の流れになにやら悪い予感を感じながら阿部も聞き返す。そしてその予感は、
「阿部君はッ、何回するの? オナニー、何回するの?」
 的中した。絶句する。
 そうして改めて見る三橋の表情。
 上下両唇の先を、口の中に巻き込むようにして作る小鳥のような笑み――三橋がコーフンした時に作るその、どこか
期待感に満ちた笑顔を前にしながら、阿部は勤めて冷静になろうとする。
「そ……そんなこと答えられるかよ」
「どうして? しないのッ? 阿部君はッ、オナニーしないの?」
「だからオナニーオナニー連発すんなよ! やらねーわけじゃねェけど、言えねーよそんなこと。――だいたいなぁ、
どうしてそんなこと聞くんだよ!? お前まで田島みたくなったらメンドーみきれねーぞ!」
「だ、だってオレ、オレ、阿部君のこと、好きだから!」
「ッ……!」
 思わず息を飲んだ。
「好きッて……なに考えてんだよ? だからって、そんなこと聞くかフツー?」
「だって、知りたいよ! 一緒に試合するんだもんッ。みんなのことも、阿部君のことも、何でも知りたいよ!」
「お前……」
 唇を菱形に尖らせて必死に、そして不器用にその想いを告げてくる三橋に、阿部もその心理を理解して小さく
ため息をついた。
――そうか……『本当のチーム』になってからの、初めての試合だもんな。
 三橋にとって今回の、この西浦高校に移ってからの第二戦目には特別な感情があった。
 前回、古巣である三星学園と一戦により過去の自分を振り切った三橋にとっては、今回の試合こそが初めての
チーム戦となるのだ。心ここにあらずで挑んだ前回とは違う。改めてこの阿部を始めとするメンバーを仲間と意識
して挑む、初めての試合――そこに掛ける三橋の意気込みは空回りながらも、それは強いものであった。

156 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:16:59 ID:g+HE4k/o]
――こいつはこいつなりにチームや仲間のことを考えてるのかもな。
 それが判ると阿部は、またいつもの冷静な自分を取り戻していた。
――へたに邪険にして明日の試合に影響がでるのも困るな。ここは、軽く付き合って
   おいてやるか……
 そして改めてそう思い直すと、阿部も小さくため息をついて三橋へと応えた。
「アレのことだけど、したりしなかったりだよ。今はあまり興味ない」
「しないのッ? つらくない? 我慢できるッ?」
 以前阿部の上に乗り上げたまま三橋はその両目を輝かせて質問を重ねる。
「いまは練習も多いし、それどころじゃねーからな」
「じゃあ、じゃあさ! 一番最後にしたのって、いつッ?」
「い、一番最後って……一週間、くらい前か?」
「ホント? もう一週間も我慢してるのッ? ムラムラとかしない?」
「……別に。興味ねーから」
 徐々にその具体性を増してくる質問に、阿部のポーカーフェイスは汗顔に溶け出す。
「じゃあ、何でオナニーしてるの? 何を見てするのが好きッ?」
「そッ、そんなの人それぞれだろ! 三橋、お前いい加減に―――」

「オレは、阿部君でオナニーしたこと、あるよッ」
「ッ………」

 なかばどさくさに紛れてされたその告白に、再び阿部は息を飲んだ。たれ目がちのまぶたを珍しく見開いて三橋の
顔を凝視する。
「あ、お前ッ……なにを急に………」
「オレ、阿部君のこと好きだよッ。だからオナニーしたんだ! ずっと、阿部君でしてる!」
 あまりの衝撃に言い返す言葉が探せずにいる阿部へと、三橋は預けていた状態を起き上がらせ、立ち膝になり
ながら制服のスラックスに手を掛ける。そしてそのベルトを解き、それと下着に開放されたそこに現れたものは――
「今だって、阿部君にドキドキしてるよ、オレッ」
「三橋………」
 衣類から開放された三橋の腰元には、申しわけ程度にその包皮から頭を出した陰茎が屹立をしていた。

157 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:17:50 ID:g+HE4k/o]
「ば、ばか……しまえよ、早くッ。おかしいよ、オトコ同士でお前……」
 なぜか見つめていたくなるそこから視線を振り切り、阿部はどうにか冷静さを取り戻そうと口元を覆う。しかし
喋れば喋るほどに頭の中で思考は空転し、そして意識は三橋とその茎へと傾いてしまう。
「どうかしてる……どうかしてる……」
「阿部君。阿部君も、チンチン、大きいよ」
「ッ!?」
 思わぬ三橋の言葉に阿部はそらしていた視線を慌てて自分の下腹部へと移す。そうして見下ろすそこには――
スラックスにテントを作って勃起した自分の亀頭が、その下から三橋の陰嚢を突き上げている光景があった。
「阿部君も……阿部君も、オレのこと、好き?」
 呟くように語りかけながら三橋の手の平がそのテントをさする。
「あ、あぁ……ッ!」
 そんな布越しに包み込まれるような感触に、つい阿部も上擦った声を上げる。
 先にも言った通り今日に至るまでの一週間、阿部は自慰にいそしむ余裕も無かった。それだけに今まで溜められた
性欲と疲労は、今のこの状況に感応して勃起してしまっていたのである。……初の公式戦を前にして緊張しているのは、
阿部(じぶん)もまた然りであったのだ。
「見せてッ、見せてッ、阿部君!」
「あ、や、やめろ……ッ」
 鼻息も荒く、またあの唇をくわえ込んだ口元で、三橋はベルトを解くのもそこそこに強引に阿部のスラックスを
ずり下ろす。その勢いに下着も共にはがされ、そしてその反動に跳ね上げられたソレは――阿部の充血した陰茎は、
バネ仕掛けのよう三橋の前に立ち上がった。
「すごい……阿部君、大人だね……チンチン、すごくキレイだねッ」
「あ、うあ、熱ッ。お前、手の平……」
 直に亀頭の先端へと触れてくる三橋の手の平の熱に阿部は声を上げる。
 いつもはその自信の無さを象徴するかのよう冷たい三橋の手の平が、今は燃えんばかりに熱を帯びていた。そして
その手に握られて、阿部の意識はさらにぼやけて曖昧になる。
――あいつ、いつもこんな手でボール握ってたのかぁ……
 ついそんなことを考える。
 そしてそんな阿部をよそに三橋の行為もさらにエスカレートしていった。
「オッパイ、阿部君ッ、オッパイ見たい!」
 完全にそのスラックスを剥ぎ取ると、三橋は器用に上のワイシャツのボタンもまた解いていく。

158 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:18:24 ID:g+HE4k/o]
 夏場でしかも練習帰りということもあってか、そこにシャツ一枚纏わぬ素肌の胸元が露とされる。
「ばかッ……そんなもん見るなよ、やめろよ……ッ」
 依然としてコントロールの戻らぬ体と意識のなか、必死に阿部は三橋の行為に抗おうとする。抗おうとするがしかし
――そんな阿部の、いつにないしおらしい姿を見るにつけ、三橋の欲情はますます以って高く熱くなっていく。
「硬くなった、硬くなったよ! 阿部君は、気持ちいいの? オレの、オナニー気持ちいいッ?」
「くッ……!」
 そんな阿部の無抵抗をいいこと、三橋は握り締めた茎を自分にするかのよう上下に扱き出す。そんな三橋の手の動きに、
ただ阿部は快感に耐え、涙のにじむ目頭を両腕で覆ってその表情を悟られまいとする。
 そうして我慢すればするほど、
「あ、あぁ……く……ッ」
 力をこめればこめるほどに、阿部の中の欲情は昂まっていく。
――だ、ダメだ……久しぶりだから、堪えが利かないッ。も、もう……!
「み、みはしッ……いいかげんに、しろよ……おまえッ」
 そして、ついには射精の予感を感じ、阿部は精一杯の声で行為の中断を訴える。訴えるが――
「フッ、フッ、フッ……」
 すっかり阿部のそれをしごく行為に没頭している三橋は、すでにそんな声の届かない場所にいた。
――こいつッ……なにが『阿部君(オレ)の言うトコに投げるよ』、だよ! 投手なんて、こんな
   ヤツらばっかりだ……!
 そんな三橋の身勝手さにそう思った瞬間――本当にその一瞬、阿部の脳裏にある人物の顔が浮かんだ。
 それこそは、榛名元希―――阿部がもっとも否定する男であり、そして今日(こんにち)の自分を作り上げてくれた
要因となった人物の顔であった。
 そして皮肉にもその瞬間に、
「んッ? あ、んく……!」
「え? うはッ!」
 阿部は絶頂を迎え――射精した。
 液というよりはまるで、白い何かを引き抜いたかのような勢いと、そして大量の精液を阿部は放出していた。
「うっ? うっ? はわわ!」
 初めて見る自分以外の第三者の射精に、三橋は慌ててその亀頭の先端に手をかざし、阿部の精液を受け止める。
 そうして溜まりに溜まった一週間分の精液全てを放出し尽くすと――
「……、………」
 もはやうめきすら上げられないほどに疲弊して、阿部はベッドへと沈み込んだ。

159 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:19:00 ID:g+HE4k/o]
 そうしてログキャビン風に板の張り巡らされた天井を見上げながら、
――よりにもよって、あいつのことなんか……。
 まだ醒めぬ射精の余韻とは裏腹に、阿部は冷静さを取り戻しつつあった。
――最悪だ、今日は。こんな……しかも三橋なんかに……。
 射精の後に来る罪悪感と、そして思わぬ榛名の回想に己を責めたその時であった。そんな余韻すら吹き飛ばす――
「ん? ぅあッ!?」
 激しい衝撃が体の奥底を突き抜けた。
「あ? あぁッ? んんッ!」
 その一瞬、自分の体に何が起こっているものか、自分が何をされているものか阿部には判断がつかなかった。そして
どうにか持ち上げた首の先、その視線の先を確認して、阿部はようやく自分の体に起こっているそれを理解する。
 その視線の先では――阿部(じぶん)の肛門に、深々と人差し指を挿入している三橋の姿が確認できた。
「み、三橋ぃ〜。何やってんだよ、お前ッ!」
「ッ! うひッ!!」
 かろうじて上げるその声に、それを掛けられた三橋も両肩を跳ね上がらせて反応する。
「お、お尻に……阿部君の、お尻に指を、入れてみた……の」
「そんなことは判ってるよッ。オレは、『なぜそんなことをしてるのか』って聞いてんだ!」
 従来の阿部と三橋といった調子を取り戻しつつ、阿部は三橋へと尋ねていく。そんな阿部の質問に
「……セックス、できないかな、って」
 三橋は例のごとく挙動不審で、そして消え入りそうなその声で答えた。
「………。はぁ?」
 一方それを受け、ますます以って阿部は困惑の表情を強くさせる。
「なに言ってんだ、三橋ッ? できるわけねーだろ!」
「だって、でも、こんなにぬるぬるになってるし、指も入るし、それに……」
 答えながら三橋は、先の阿部の精液によって潤滑した人差し指をその肛門の淵に埋めていく。
 その、異物が体内に侵入してくる感触に必死に声を殺しながら、
「だから無理だってのッ」
 阿部も三橋の説得を試みる。



160 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:19:40 ID:g+HE4k/o]
「三橋、こんなのセックスでもなんでもねーぞ?」
「う、うぅッ……」
「オレなんか犯してどーすんだよッ? すぐやめろって。だいたい……」
「で、でも、でもオレッ、好きなんだ!」
 説得してくる阿部を遮って、三橋は応えていた。
「好きなんだ、阿部君がッ」
「だ、だから何を――」
「投手でなくても、オレが好きって言ってくれたからッ、オレも阿部君のこと、好きなんだ! セックスしたい!」
「うッ………」
 思わぬ三橋の気迫に押されてつい阿部も口つぐんだ。
――こいつ、絶対テンションがおかしい。普段こんなこと言うヤツじゃないのに……。
 そうして依然、その雰囲気に気圧されたまま言葉を返せずにいる阿部へと、いよいよ三橋は体を乗りあがらせる。
そしてその手には――今にもはちきれんばかりに怒張した三橋の茎が握られていた。
「セックスしたい……オレ、阿部君と、セックスしたい……!」
「お、おい……」
 やがて二人が見守る中、三橋はその先端を阿部の肛門の淵にあてがう。
 先の指による愛撫で僅かに入り口の開いたそこへ、亀頭の尿道部をあてがい、そして次の瞬間――
「んッ! んんッ!」
「ッ! う、うあッ……い、いたぁ!」
 三橋は無遠慮に、それをねじ込んだ。
 そうして根元までまるまる挿入させ、茎越しに感じる直腸の熱(たいおん)に忘我する三橋と、その挿入の痛みと
異物感に顔をしかめる阿部。
――なんだよ、コレ……気持ち悪ィ……
 初体験の痛み以上に直腸に来る異物感は、なんとも『排泄』を阿部に強く意識させた。
――このまま抜かれたら、勢いで一緒に出ちまいそうだ……
「お、おい三橋……」
「はぁ〜……、え? え?」
 阿部の語り掛けに、すっかり快感に口元を弛緩させていた三橋はようやく我に返る。

161 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:20:07 ID:g+HE4k/o]
「もういいだろ? 抜いてくれ」
「え? え? 抜くの?」
「そうだよ、抜くんだよ。ただ、ゆっくりだぞッ? ゆっくり抜くんだぞッ!」
「う、うん。うん……」
 阿部の言葉に気味が悪いくらい何度も素直に頷いてみせると、三橋は慎重に阿部の直腸から茎を引き抜き出した。
 その竿部分がぬめりを帯びて校門の淵をすべる感触に、
――あ……な、何だよコレ? 力が、抜ける……
「あ、くぅ……ッ」
 つい阿部も声を漏らした。
 情けないとは思いつつも、抑えていようとは思いつつも、その感触に無意識に声は漏れた。
 やがて肛門間近にゴリゴリと亀頭のカリ首を感じ、阿部も完全にそれが引き抜かれるのを予感した次の瞬間、
「ん〜、えいッ!」
「え? えうッ……!?」
 三橋はその八割方まで引き抜いていた茎を再び根元まで阿部の直腸に挿入した。それと同時、亀頭の先端が直腸
奥底の内壁を小突く感触に、思わず阿部もうめきを漏らす。
 そうして、
「お、おまえ……三橋ぃ〜ッ。なに、また入れてんだよ!?」
 再び胎内に立ち上がった異物感と、なにか胸が締め付けられるような感覚に阿部も三橋の行動を問い詰めた。
「え、えッ? だって、抜いたから、また突いたんだよ? セックスって、出したり入れたりするんじゃ……?」
「バカやろう! オレが言った意味はそういうことじゃねぇ! 言葉通り『抜いてくれ』、『やめてくれ』って言ってんだよ!」
「ッ―――!?」
 そんな三橋の返事についに阿部もキレた。
「もう、十分だろッ? 明日は試合だって言うのに、今からこんなことで体力使ってどうするよ?」
「…………」
「怒鳴って悪かったよ、もう怒ってねーから。お前だって大試合を前にしてテンパってたんだ」
「…………」
「だからもう降りてくれよ、な?」
 怒号と共感。阿部の緩急織り交ぜた語り掛けにすっかり三橋も黙り込んでしまった。そしてゆっくりと三橋も
項垂れていた顔を起こし、ようやく離れるかと思われたその時、
「降りない……オレ、降りたくないよ」
 三橋はいつにない真剣なまなざしで阿部を見つめ――そう言い放った。

162 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:20:37 ID:g+HE4k/o]
「な、なんだよそれ? みは――」
「『こんなこと』じゃ、ないんだッ。大切な試合だから……大切な、阿部君との試合の前だからだから、したいんだ」
 そんな三橋の必死な……というよりは、どこかすがるようなその物言いに阿部はまた何も言い返せなくなる。
――こいつ………。
「だから、降りない、よッ。マウンドからも、阿部君からも、降りない! 阿部君がキャッチャーの限り……オレ
降りたくないッ。降りないんだ!」
「………」
――こいつ、完全にテンパってるな。
 そのことを察し、阿部はことさら大きくため息をついた。
 阿部や、そして他のメンバー達と『仲間』になって挑む初めての試合――そんな共に戦う仲間のことを、三橋は
いま誰よりも知りたいのだ。阿部は今日、対戦相手のデータを覚えろとこの三橋に言ったが、彼が一番知りたかった
のは誰でもない――仲間達(ナイン)のことであり、そして阿部(じぶん)のことであった。
――そんな想いにプラスして連日の猛特訓と禁欲生活だ……完全にこいつの中じゃ、欲情と友情
   がゴッチャになってる。……話してわからないヤツじゃない。試合前の緊張感と、脅迫めいた
   使命感が、こいつをおかしくしてるんだ。
 そう自分の中で今の状況と、そして三橋を動かすその心理を分析して阿部はため息をつく。そんなため息は、
三橋を突き動かす心情を理解する意味と同時に、もはやこの状況からは逃れられないことを悟る、諦観のため息でもあった。
「……早く終わらせろよ」
「え?」
 阿部のぶっきらぼうな物言いに三橋も思わず尋ね返す。
「だから、付き合ってやるって言ってんだ! ……お前の言うセックスに。それとももう、やりたくねーのかよッ?」
「うッ、ううん! やりたい! やりたいよ、阿部君ッ!」
「だったら早く――ってバカ、お前!? うあぁ……!」
 頷いて返答するやいなや腰を突き出す三橋の動きに、阿部も息を詰まらせ思わず声を上げる。
「あッ、あ、阿部君、気持ちいいよッ」
「ッ……(オレはいてーよ!)」
 依然、異物感に息を詰まらせる自分とは裏腹に、この世の喜びを一身に受けるかのよう恍惚とした三橋の表情に、
阿部はどこか苛立たしさを覚える。
 しかしそれでも、

163 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:21:08 ID:g+HE4k/o]
――オレが言い出したことだ。ガマンしろ、ガマン……。
 この一回きりと約束してしまった手前、阿部はそんな怒りと痛みを抑えるよう、眉間に険を込めてそれに耐える。
 そんな阿部の表情に、
「阿部君、気持ち良く、ないのッ?」
 三橋のそれに気付いて阿部の顔を覗き込む。
 そして、
「んッ……判ってんなら、早く終わらせろよ」
「ッ――!」
 三橋の問いかけについぶっきらぼうに応えてしまう阿部。そんな阿部の見幕に、三橋も猫のよう瞳孔を細めて両肩を
跳ね上がらせた。
 それを受けて何を思いついたのか、
「あ、阿部君、阿部君ッ。ちんちんをね、こすると気持ちいいんだよッ」
「はぁ?」
 三橋は精一杯に言葉を選びながら阿部へと語りかける。そしてその言葉に怪訝な表情を向ける阿部をよそに――
三橋は半ば唐突に、阿部の亀頭を手の平で包み込んだ。
「う、うわッ……!?」
 頭からワシ掴むように握り締めてくる手の平の感触とそこにこもる熱に、思わず阿部も声を上げる。しかしその
三橋の行動は同時に、今まで感じることの出来なかった別の感覚を阿部に与えていた。
 茎に触れられたその一瞬、腰元が脱力すると共に三橋の茎をくわえ込んでいた括約筋の締め付けが緩んだ。その力みが
解けることで、痛みしか感じられなかった肛門に、ぬるりと潤滑する滑らかな感触が走ったのだった。
「……、……?」
「気持ちいい? 気持ちよかったッ? もっと、してあげる、ねッ!」
 その未知の感触に呆然とする阿部へと、さらに三橋は手の動きを複雑にしていく。
 すりこぎのよう亀頭の先端に添えた手の平をこねくると、さらにはそこに溜まった阿部のカウパー腺液を、まんべん
なく茎へとすり込みしごいていく。
「あ、あ、あぁッ……!」
 そんな三橋の手に阿部の声にも明らかな変化が見られる。
 吐息は熱を帯び、漏れる声にはなんとも切なげな響きが尾を引く。茎へ加えられる刺激と直腸を突き扱く動きに、
阿部は悦びを見出し始めていた。

164 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:21:47 ID:g+HE4k/o]
 瞳を伏せ、その頬を三橋に負けないくらい紅潮させて声を押し殺す阿部の表情に、
「阿部君、気持ち……いい? オレも、オレもッ、気持ちいいよ!」
 三橋も突き動かす腰の動きをさらに早くさせる。
「あ、あぁ……、くッ……!」
 一定のリズムを持って動かされる茎へのしごきとそして肛門への刺激に、徐々に阿部のオルガスムスも昂まっていく。
――い、いきそう……腹の奥がゴロゴロする……!
 排泄を覚えさせていたはずの前立腺の感覚は、しだいに明らかな『快感』となって阿部にそれを伝えていた。
「あ、阿部君……オレ、オレッ」
 そんな感覚の中、それを阿部に与える三橋にも変化が現れた。
 同様に絶頂が近いのであろう。阿部に加える手と腰の動きもそのせわしなさを増す。
「いきそうか、三橋……」
「うん、うんッ。いきそうッ。精液でちゃいそう! 阿部君はッ?」
「オレも、なんかいけそう……かも? 判んねーけど、なんか……」
「ホントッ? じゃあ、いこ! 一緒に、いこッ! 阿部君といきたいよッ」
 阿部の言葉にその体の上になっていた三橋は、その顔を鼻先が触れ合わんばかりまで近づける。
 そして、

「阿部君……好き、だよッ。オレ、阿部君が、スキだ!」
 二人の唇が、
「オレだって……投手としてじゃなくても、オレもお前がスキだよ!」

 どちらからというでもなく、示し合わせたかのようそれらが触れ合ったその瞬間―――そのテーゼを境に、二人は
同時に絶頂へと達した。
「ん、んんッ……んうッ!」
「んん……、……ッ」
 三橋の手の中へ、そして阿部の胎内に、それぞれは緩やかに射精を続けていく。
 やがては互いの中に溜め込まれていたもの全てを吐き尽くすと――その唇を離し、三橋は阿部の上へと倒れこんだ。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
 互いの呼吸と熱とがひとつになっていくのを感じながら、阿部もまた絶頂の余韻に浸る。一人でしていた時とは
まったく違ったその快楽とそして疲労感に、自身の体は鉛のよう重くなっていた。

165 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:22:30 ID:g+HE4k/o]
 そしてそれは三橋もまた同様らしく、
「ふぅ、ふぅ、ふぅ………」
 自分の上に体を預けてくる三橋は、呼吸に両肩を上下させる以外は微動だにしなかった。
「おい、三橋。………ったく、しょうがねーな」
 しかしそれも今は不快にはならない。
 今は己の上にある三橋の重さが心地良かった。今日の練習後のあの時、三橋が改めて自分へと示してくれた『信頼』
それを阿部は今、この重さの中に感じているような気がした。
 しかしながら……
「………ん? おい、三橋。三橋、どうした?」
 いくら余韻に浸っているとはいえ、あまりにも『動かない』三橋の様子に、さすがの阿部も不安になる。
「まさか、変に緊張しすぎてキレちまったとか、か? おい!?」
 慌てて体を起こし抱きかかえると、今度は阿部が三橋を下にして声をかける。
 そしてそこにあった三橋の顔に、
「三橋ッ! みはッ……――」
 阿部は自分のそれがとんだ取り越し苦労であったことを察し深くため息をつく。
 なぜならそこにあった三橋は―――
「カ―――……、ス―――……」
 寝ていた。
 今まで散々互いの想いを確かめ合った阿部などそっちのけで、三橋は眠りをむさぼっていた。
「バカか、こいつは? いや……たいしたタマか」
 そんないつもの三橋の無邪気さに安心すると、阿部もまたいつもの自分に戻っていることに気付く。やがてはそんな
三橋をベッドに寝かしつけて自分も身支度を整えると、安部もようやく帰路につこうとする。
 ふと目を落とした腕時計の短針もすでに11時を回っていた。
「明日は遅れんなよ、エース」
「――……うん、うん……」
「ん? 起きてんのか、三橋?」
「カ―――………」
「…ったく、寝言かよ。緊張感ねーなッ」
「カ―――……、ス―――……」
「………お前の気持ち、一方通行じゃねーぞ。そこんところ、しっかり理解しててくれよ」
 そうしてひとしきり三橋の寝顔を見守ると、阿部は静かに部屋を出る。

 今日まであっという間だった大会前夜と、そして今日まで本当に長かった大会前夜―――そんな二人の大会前夜は、
こうして終わりを迎えるのであった。

166 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:22:56 ID:g+HE4k/o]
 大会当日――午前7時現在の空には、夏には似つかわしくない鈍色の雨雲が立ち込めている。それでも気温は季節なりに
暑いものだから、球場を包み込む湿気と暑気はそれは不快なものであった。
「今にも降りそーだなー」
 声出し後、その暗雲たる空の様子をつぶやく水谷をよそに阿部は三橋の姿を探す。
 今日のこの場所に三橋が遅刻してくることはなかった。しかし、ここについてからの二人は、まだ一言も会話を交わしていない。
――昨日の今日だからな。変にオレのこと意識してなけりゃいーんだけど。
 そんなおり田島と並ぶ三橋をみつけ、
「三橋!」
 阿部は極めて冷静を装いながら、三橋を呼びつける。
「はっ」
 そんな阿部の声と姿に顔を上げた三橋は、そこからどう反応したらよいものか判らずに、ただ硬直して阿部の反応を待つ。
――いつも通り、か。相変わらずキョドってるな。これじゃ昨日のことを気にしてるんだか、
   いつも通りなんだか判りゃしねーよ。
 そんなことを思いながらも声を掛けられないのは阿部もまた然りである。
 やがて会話のきっかけにと阿部は広げた左手を掲げると、
「手ェ、かせ」
 そこへのタッチを三橋に要求する。それに対して三橋ももはや、訓練犬の条件反射にも近い動作でそこに自分の右手を合わせる。
 そしてそこから伝わってくる体温に、
「お! 冷たくねーな!」
 阿部もやっと、いつも通りに会話をすることが出来たのだった。
 しかしながら一方の三橋はというと……
「昨日はイッパイ、ねたよ! 朝も、パッとおきた!」
 こちらはいつも以上の空回りで積極的に阿部へと声を掛ける。
「へぇ」
「それでゴハン食べて、あ。さっきバナナ、食べたよ」
「……?」
 それら報告ひとつひとつを指を折りながらに伝えてくる三橋に、阿部もその意図を測りかねて首をかしげる。
「お弁当もある、忘れてない……忘れものはなくて……あと……えっと……?」
「……なんのハナシ?」
 しまいには自分自身ですら、何を言いたくて何を伝えたいのか判らなくなってきている三橋に、阿部もその理由を判りつつも
つい怪訝に返してしまう。

167 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:23:36 ID:g+HE4k/o]
 やはり三橋は三橋で昨晩のことを意識していたのだ。それで今日阿部の顔を見るにつけ、どんな言葉を交わしたらいいのか
判らなくなってしまった訳である。――要は、三橋もまた阿部と一緒なのであった。
「………」
「………」
 そうして二人の会話が止まる。互いに自分からは声が出せない。
『昨日のことは気にするな』といえば、そのことを余計に意識してしまうのは目に見えていたし、だからといって当たり障りの
ない会話で表面だけを取り繕うということも、この不器用な二人には無理な芸当であった。
 しかしながら現状のコレは由々しき問題である。
 試合前にチームメイトが――ましてや投手と捕手というもっとも密な関係の二人が、今のような空気を引きずっていては、
まずまともに試合には挑めない。
――なんとか……なんとか、阿部君と素直に話す方法はないの?
 重い頭の回る音をウンウンと耳の奥でこだまさせながら三橋がオーバーヒート寸前になったその時であった。

「今日は調子がいいって話だろ!?」

 突如としてそんな二人の間に入った声と共に、三橋の後ろ首に誰かの右腕が回された。
「ッ!?」
 突然のそれに首だけ振り返らせれば――そこには今まで共にいた田島が、二人の重い空気をとりもってくれているのであった。
 天然からの行動か、それとも二人の空気を読んでの行動かはわからぬが、ともあれそんな田島の登場は阿部と三橋にとっても
嬉しいものであった。
 そしてその田島の言葉の尻馬に乗るよう、コクと三橋は頷き、
「……ナルホド」
 阿部もまた素直に頷いて、三橋と話をあわせた。
 さらにはそんな二人へと畳み掛けるよう、
「――準備万端ね!」
 『モモカン』こと、監督・百枝まりあの掛け声に、一同はその意識をその声の先へと集中させる。
 一同の見つめるその先には――三塁側ベンチへと集結しつつある対戦相手・桐青高校のナインの姿達が見えていた。

「さぁ、はじめましょう!」

 さらなるモモカンの声に阿部も三橋も、気持ちを切り替える――長い戦いが始まることを覚悟する。
 いくつもの日々と夜を越えて迎えた今日、そしてこれから始まるだろういくつもの激戦を予感し、
――頼むぜ、旦那さま。
 阿部は三橋に一瞥送ると、帽子のつばを返しキャッチャーマスクをかぶる。

 今――二人の甲子園がその幕を上げようとしていた。

                                【 おしまい 】

168 名前:ミハアベ mailto:sage [2009/02/11(水) 09:24:15 ID:g+HE4k/o]
以上になります。
長いお話、スイマセンでした!

169 名前:名無しさん@ピンキー [2009/02/11(水) 10:04:17 ID:IEeLn2N2]
捕手



170 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/11(水) 20:34:38 ID:v/38YuWI]
801は帰れよ

171 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/12(木) 04:42:38 ID:zRhaAoHw]
>>168
板違いです

172 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/12(木) 04:45:22 ID:zRhaAoHw]
>>148の続き、と思ったけどルリアベになりませんでした…
ミハミハになりました

以下だらだらと

173 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/12(木) 04:46:19 ID:zRhaAoHw]


練習試合を終え、三橋廉は心地良い疲労感と満足感に揺られながら家路についていた。
まだ明るい夕方の風はほんの少し湿り気を含んでいて梅雨の訪れを予感させる。
夏が、近づいてきている。

「ただい、まー」
「おかえりーレンレン」
「ル、リ?
 来てたんだ、いらっしゃい……お母さん、は?」
「どこかから電話がかかってきて出かけちゃったよ。夜には帰ってくるって」
「ふーん」
荷物を抱えた廉が自室に向かうとルリもついて2階にあがる。
「今日見てたよ、勝ってたね。おめでとー」
「え……な、なんで」
「いつも話に出てくる”アベクン”がどんな人か見てみたかったの」
「阿部っ君!?」
思いがけないところから出て来た名前に廉は30cmほど飛び上がった。
「そー。カッコいーね! どんなヒドイ人なのかと思ってたけど
 全然そんなことないんだもん!」
「……」
「3回のキャッチャーフライすごかったね!
 高ーくあがったボールを走って走って追いついて捕ってた!
 ……ちょっとー、レンレン聞いてるの?」
廉はベッドの脇に無造作に鞄を放り投げ、小声でブツブツ言っていた。
「は? 何?」
「レンレンてゆーな……」
「あーはいはい。それで、聞いてる?」
ベッドに向かって俯く廉の視界に入るよう前に回り覗き込むと
彼は泣きだしそうな瞳をしていた。


174 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/12(木) 04:47:13 ID:zRhaAoHw]
「……阿部、君はすごいよ。
 阿部君が いなかったらオレ、投げられない」
「うん」
「阿部くんは、すごいんだ、でも」
廉が肩を軽く押すだけで簡単にルリの身体はベッドに倒された。
覆いかぶさるようにして至近距離からしっかり眼を合わせ、はっきりと言った。
「ココで 阿部君の話は するな!」
廉の言葉を真正面から受け止めたルリはそっと手をあげ
真っ赤になっている廉の両頬を包み込みにっこりと笑った。
「……よくできました!」
そのまま首をあげキスをする。
いつもと同じ、甘い味。

「ルリ……?」
「他の人を好きになるんじゃないかって心配になった?」
「う、うん」
「だいじょーぶ、私が好きなのは廉だけ!」
「オ、オレも ルリが スキだ!」
「ふふっ。知ってる!」


175 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/12(木) 04:47:46 ID:zRhaAoHw]
唇を重ね舌を絡ませると頭がぼんやりとしてくる。
廉の右手がルリの髪から頬、鎖骨を撫でる。
肌身離さず持っているボールのせいで固くなった指先とは思えないほどの優しい手つきに、
それだけで身体が熱くなる。
壊れ物を扱うかのように掌でそっと胸全体を包み込むと
中央に存在を主張しているコがいた。
「ふひっ」
「ど、したの廉?」
思わず笑みが零れた廉をルリが訝しげに見上げた。
「ルリ、かわいい」

こーゆー時のレンレンは本当に嬉しそうな顔をするから何も言えなくなる。
かわいいなんて言われ慣れてるはずなのに。廉に言われるとすごくドキドキするんだよ。


176 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/12(木) 04:48:37 ID:zRhaAoHw]
手早くルリの服を全部脱がして廉もシャツを脱ぎ捨てると
幼さの残る顔に似合わずほどよく鍛えられた体があらわになった。
「そういえば今日試合があったのにこんなことして大丈夫なの?」
「……!」
はたと我に返り、いつも阿部から言われている注意事項を思い出してみたけれど。
「エッチするなとは、言われてない!」
「バカレンレン……」
「オレは、ルリと したい」
「〜〜〜〜私だって」
にこぉ、と廉が笑う。
「ルリ、かわいいよ!」
「もう、そればっかり……」


177 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/12(木) 04:49:06 ID:zRhaAoHw]
小柄なルリの裸体は陰り始めたオレンジ色の光の中で白く浮かんでいるようだった。
廉は光る身体の隅々にまで唇を落とした。
「あ……」
胸のふくらみに沿って舌を這わせ、頂上まで舐め尽くす。
肋骨をさする手を腰骨から下へと滑らせるとルリの身体がぴくんと小さく跳ねる。
「……まだ、触ってないよ?」
「〜〜もうっ、レンレンの手が触れてるだけで、ダメなの!」
「かわいいね、ルリ」
廉の手がルリの秘密の場所へとのびていく。
奥はいくらか湿っていて廉の指をすんなり受け入れた。
「やっ……」
蜜を掬い花芯にからめると身体にギュッと力が入り、廉の背中に回されたルリの腕は
指の動きが激しくなるにつれ締め付けられる。
きつく閉じられた瞳にキスするとほんの少し開かれた睫に涙が一粒ひっかかっていた。
「ルリ、キレイ だ」
「レンレン……」
廉は眉を下げてふにゃっと笑って言った。
「レンレンて、言うな……」


178 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/12(木) 04:49:29 ID:zRhaAoHw]
もう一度キスをして廉は避妊具を装着した自身をルリに埋めていった。
「ん、あ、あぁ……」
「痛い?」
答えの代わりにゆるゆると首をふるのを見て廉はゆっくりと動き始めた。
水音が鳴り、吐息と混ざる。
「ふぁ、あ、あ……んっ」
「ルリ……ルリ……かわいいよ……」
「や、れん……」
上気した頬で自分を見上げるルリを、廉は愛おしい、と思った。
誰にも、渡さない──
動きを早めルリを追い立てる。
大きな瞳も真っ赤な唇も癖のある黒髪もこの白い身体も。

「──全部、廉のものだよ」
不安になることなんて何ひとつない。

総てを許すかのようなルリの微笑みに廉は何故だか救われたような気がしていた。
廉はルリを強く抱き締め、一番奥で自分を解放した。


179 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/12(木) 04:50:21 ID:zRhaAoHw]


「ごめんね」
「ど、したの ルリ?」
向こうをむいて三つ編みを編んでいたルリの言葉に廉はうろたえた。
「”アベクン”のこと。
 あんまりレンレンがいっつもアベクンの話ばっかりしてるから意地悪しちゃった」
「あ、で、でも阿部君は本当にカッコイイ、んだよ!」
「うん」
「でも、ルリが 阿部君をスキになったら、困る……」
「あははっ、レンレンだーい好き!」
まっすぐ飛び込んで来たルリの笑顔に廉はしばらく見惚れていた。

「れーーーーーーんーーー」
「あ、おばさん帰ってきたよ! 行こ」
「う、うん!」


阿部君にとられることを心配してたのは私のほうなんだけどね。
そんな心配する必要もなさそうで安心しちゃった。
来てよかった!



180 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/12(木) 04:53:10 ID:zRhaAoHw]
以上です
失礼しました

181 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/12(木) 06:57:46 ID:6c/0oZP0]
レンルリ萌えた

182 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/12(木) 10:01:46 ID:vGlYK/6r]
萌えた

183 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/12(木) 17:45:07 ID:c0DBeSM7]
GJ!

しかし、
>「エッチするなとは、言われてない!」
これに吹いたwwww阿部に言われたらやんねーのかwwww

184 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/12(木) 22:46:00 ID:qEnBCFku]
阿部「手淫は三回まで!交尾は厳禁だ!腰さ悪りからな!

ケンカ、拾い食い、万引き、かつアゲは言うまでもなくレイプや放火、
連続殺人なども我慢してけろ!」

185 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/13(金) 02:35:31 ID:zEnHxO1d]
>>184
西浦高校抱かれたくない男堂々ナンバーワンかw

186 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/13(金) 14:39:01 ID:BFtugxGX]
阿部「そしてそんな俺にゾッコンなのがマネージャーの篠岡」

水谷「それが信じられねーって!!(泣)」


187 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/16(月) 15:40:00 ID:3jA6vGQl]
>>186
ttp://rainbow.sakuratan.com/data/img/rainbow94432.jpg

今は反省している

188 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/16(月) 18:43:50 ID:hwMJSE+I]
お前wwww



189 名前:名無しさん@ピンキー [2009/02/20(金) 09:44:56 ID:6RDoH6gR]
>>184
レベルEネタですか



190 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/24(火) 20:58:10 ID:bhKz20rL]
ほしゅ

191 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/25(水) 02:18:12 ID:bti6pQ+3]
三橋はおっとな!

192 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/02/26(木) 14:18:23 ID:5jPjFm33]
どうせなら三橋水谷巣山以外の事情も明らかにしてほしかった。

193 名前:名無しさん@ピンキー [2009/03/02(月) 01:25:59 ID:3DFJMyOA]
保守

194 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/03/06(金) 10:03:29 ID:Q/rnrhXw]
職人さん忙しいのかな保守

195 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/03/06(金) 23:46:37 ID:1U5ba6Z+]
年度末だしみんな忙しいのさ保守

196 名前:名無しさん@ピンキー [2009/03/08(日) 09:38:35 ID:2XoMqLND]
職人さん早く来てくれるといいな保守

197 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/03/09(月) 19:27:05 ID:gB6nEhk6]
わがまま言っちゃうと応援団絡みのカプも読んでみたいな保守

198 名前:名無しさん@ピンキー [2009/03/09(月) 21:19:03 ID:mBx7WdgZ]
俺は篠岡総受けが見たいけど、職人さんが書いてくれるなら何でもバッチ恋vだぜ保守

199 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/03/09(月) 23:47:01 ID:nct438RB]
>>198
無理して俺なんて言葉使わなくていいよ
男は総受けとか言わないから



200 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/03/10(火) 00:05:18 ID:2AYd14H9]
総受は篠岡集団レイプでもやれば






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