- 728 名前:無名草子さん mailto:sage [2021/08/30(月) 10:52:19.04 .net]
- 書店員を経験したことのある人なら分かるはずだけど、取次からの本の配本というのは
かなりいい加減で、書店側で欲しい本が入ってこないだけでなく、自分の店舗ではどう 考えても売れないような本がごっそりと送りつけられてくることも少なくない。 そのため、そうした売れない本は、店舗に本をならべる手間だけでも無駄な作業が発生 するため、店頭には出さず届いた本をそのまま返品に回すことも珍しくない。 発売から2ヶ月経たずに小口研磨される本は、そうしたまったく汚れていない本ばかり。 コンビニなどは、POSレジで全国の店舗毎に売れる商品と売れない商品を正確に把握し 商品の入荷と在庫の管理を効率よく行っている。 一方、出版業界の場合は、本を全国に配本している取次の商品管理がいい加減、かつ 不公平なため、コンビニ同様、POSで書店の売れる本と売れない本を把握できるのにも かかわらず、どんぶり勘定で本を各書店に分配しているため、書店側ではいらない本が ごっそりと届くことになる。 (逆に、売れる本は大書店へと優先的に回される) 発売後2ヶ月もしない本が小口研磨されるのには、上のような事情がある。 出版不況になり、自転車操業の出版社が増えたことにより、本の出版点数が増えたため、 書店では開店前の本の入替え作業が増え苦労している。 不況で本の出版点数が増えるのは、出版社が取次に本を納品すると前金が貰えるため、 とりあえず粗製乱造でも本を出し、借金の返済や、各種支払いを行うという自転車操業を 繰り返しているため。 (もちろん、売れ残り返品された本は再び借金となる) 書店にはそうした粗製乱造した本が毎日大量に送りつけられるため、店頭の本の入替え 作業はかなりの負担となっている。 (粗製乱造の売れない本が増えただけなので、それは利益に結びつかない労働でもある) たかが小口研磨、されど小口研磨。 というわけで、本の研磨という問題からだけでも出版業界の現状というものが見えてくる。
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