- 442 名前:スいんじゃありませんか。新聞代だけでもたいへんだ、そんなおカネ、もったいない、じゃァいけないんで……。
近藤 新聞はちゃんと見なくちゃ。とくに読売新聞は愛さなくちゃ。(笑い) 大山 これは毎日しなくちゃいけないんですね。一日三時間かけて、次の日休んだんじゃいけない。毎日やらないと身につかないんです。 近藤 しかし、二時間それに費やしたとしても、十二もの新聞の将棋欄のすべてが、頭にはいるものなんですか。 大山 アマチュアですと、見たのをみんな吸収しなくちゃならないわけですよ。しかし、プロですと、ちょっとありゃァいいんです。なんかヒントを得て、それが波紋になって、自分のものになればいいんでね。全部頭に入れるんだったら、神様にならなければ……。 いいとこだけとって、あとは捨てるわけです。捨てるいうても、わかってることだからね、そういったことは。 近藤 そうしてその二時間の効果は、次の手合いにてきめんに……。 大山 簡単にハメ手にかからなくなりますね。自分がハメてやろうと思って勉強するわけじゃなくて、ハメ手にかからなきゃいいんですね。 近藤 最高の棋士のあいだにも、ハメ手なぞというものが……。 大山 卑しい意味のハメ手じゃなく、得意ということですね。相手の得意にはいったら負けですからね。 高段者になると相手がうっかりしている虚につけ込んでというようなひどいのはないんですが、とにかく相手の得意にはいり込まず、こっちの経験があり、相手の未知の経験のところで勝負するのは得ですよね。 対談は1967年 全タイトル戦連続登場記録が50回で途切れた頃 [] - [ここ壊れてます]
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