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うら若き女性が改造されるシーン



1 名前:BeeFreak [04/10/26 01:29:23 ID:K4X2E2bn]
容量宣言を受けたので新スレです。

前スレ【女子高校生位の子が改造されるシーン】
tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1043884297/

関連サイト
【女性改造人間物語】 319氏、325氏によるSSが保管されているまとめサイト。
remodeledwoman.myfws.com/
【蜂女の館】 508(BeeFreak)による、蜂女改造SSの保管庫。
artofspirit.hp.infoseek.co.jp/

54 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/10/28 00:23:00 ID:/2dFMnZV]
BeeFreak 様
いや、このムードの話のままで続編を書いて、それに一文字や滝も出して欲しいな、
というだけで、ストーリに関しては、BeeFreakさんのお好きな話で結構です。
でもそうなったら、スレ違いになる可能性の方が高いか。

55 名前:BeeFreak mailto:sage [04/10/28 00:35:39 ID:iMvwolpo]
>>54
ああ成る程。でも書くからには何らかの山場を最初から設定しておかないと、
そのままダラダラ書き続けるというのは難しいです。
何らかのモチベーションを持てるテーマが見つかればいいのですが。
(ゾル大佐を出していないので、それ絡みかな?)
…とりあえず、もうしばらくお待ち下さい。
319氏や325氏の作品にも期待したいし。

56 名前:前スレの319 mailto:age [04/10/28 01:24:05 ID:F5YxTHYJ]
BeeFreakさん
色々お心遣いありがとうございます。
それにしてもあなたのSSには感服させられます。あの頃の日本の思想背景、緻密な改造シーンに人物描写、すべての面において私の及ぶところではありません。
私のSSは勧善懲悪をベースにしているのでその分だけ改造シーンなどがあらが目立つものになってしまいます。
まあ私は私でSSの続きを完成させていきたいと思います。
それとまだペンネームが決まりませんので暫定的に前スレの319とさせていただきました。

57 名前:前スレの319 mailto:age [04/10/28 01:41:01 ID:F5YxTHYJ]
それともう一つ。
>>46に掲載されたSS保管サイトをのぞいたのですが私の今のSSが一部欠落しています。
具体的には前スレの772に書き込んでおいた部分です。
後の処置よろしくお願いします。


58 名前:BeeFreak mailto:sage [04/10/28 23:26:17 ID:Unkp/2kD]
>>56-57
319 さま。分不相応なお褒めの言葉をいただき恐縮です。
でも漏れのSSは、元来の萌えポイントが狭いのを色んな要素で装飾して誤魔化している
だけなんですよ。短いSSだとアイディア勝負になるのですが、漏れのような長いSSは、
どうしても装飾部分に目が行ってしまうので、ハッタリで得をしているところがあります。
実は装飾部分も、精緻に読むと結構無茶苦茶なことを書いてます。あまり真面目に受け取
られない方がよろしいかと…。

今回の319さんのSSは、「勧善懲悪」の「悪」の部分が分散してしまって、損をしてる
ところがあるかも知れませんね。「悪人」であっても少しはみじめったらしく同情を呼ぶ
ようなところを見せると(例えばひなのの父親)、物語に厚みがでるんじゃないかなと思
います。それとあと、改造の描写がもうちょっと、ねちっこければ嬉しいんですが…
でもまあ、319さんには319さんの方法論があると思いますし、とりあえず現在のSSの
完結を待たせていただきたいと思います。偉そうなことを書いてしまって、すみません。

あ、それからSS保管サイトに取りこぼしがあったとのこと。
大変申し訳ございませんでした。
直しておきましたので、ご確認いただければ幸いです。

それから、こないだは慌てていたのでついうっかりしていたのですが、SSを漏れのサイ
トに勝手に移管してしまったので、前スレでせっかくまとめサイトを作って下さった628
さんには、ちょっと悪いことをしてしまいましたね。
遅くなりましたが、改めてお詫びを入れさせていただきます。申し訳ありませんでした。

59 名前:名無しより愛をこめて [04/10/29 07:32:21 ID:vRg7ekHV]
BeeFreakみたいにストーリー仕立てになってなくてもいいから、
美女の改造シーンだけをもっともっともっと読みたい。
それから、改造シーンの萌えるイラストも見たい。
誰でもいいからどんどんうPしてくれぇー!!

60 名前:名無しより愛をこめて [04/10/29 08:15:21 ID:Pdt0aS6L]
DeepLoveドラマ見ました☆映画とゎまた違った感じで凄く新鮮な感じがします。
私ゎ去年の夏まで売りをしてぃました。私の場合ゎ下着を売ってぃて最終的にヤクザに
ホテルに監禁され回されるとぃぅ結果になりました。
一緒に売りをしてぃた友達も巻きぞぃにしてしまぃ友情を失ぃました。
警察の手にょって2人のぅち1人の犯人ゎ逮捕されました。
でも私にゎ罪悪感がまだ残ってるままです。売りをゃってる頃からDeepLoveゎ知ってた。
今でも援をゃってる人ゎぃます。一刻も早く辞めて欲しぃ。
DeepLoveを通して分かって欲しぃです。

こういうのをDQNというのだニダ。合掌。


61 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/10/29 12:07:22 ID:ba5UHJSj]
>>59
こんな長文連投する池沼がいるスレに誰が良質なネタを投下するかバカ


62 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/10/29 13:19:59 ID:dnNveSRK]
3か月前に319氏がSSを投下し始めるまでは、1年半で300レスしか進まない
超過疎スレだったわけだから、現在の盛り上がりはこれはこれで喜ばしい。
それ以前に、>>61はネタなどはなから持っていない罠。



63 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/10/29 14:53:58 ID:ba5UHJSj]
わかった、作家気取りの連中をおだてて1000まで書かせれば良いのだな?

64 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/10/29 17:35:07 ID:VZI3ZyGl]
緑川ルリ子さんが蜂女に改造されてしまう話なら、他サイトだが
こんなの(↓)を見つけた。これの第5話「死別」。
ttp://moriyand.hp.infoseek.co.jp/SAGA/SAGAindex.html

65 名前:名無しより愛をこめて mailto:age [04/10/29 23:27:42 ID:DuBS8ZwL]
前スレの319氏の作品って見たけど、ファイターFの続編ははっきり言ってヒーローのほうが鬼畜に思えた。
石川怜のほうがなんかかわいそうに思えてきたな。最後は仲間に裏切られて首領からも見捨てられ挙句の果ては死後も主人公に足蹴にされるとは。


66 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/10/29 23:41:23 ID:qUkT4YcS]
>>63
藻前ら○娘祭のことかW

67 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/10/29 23:52:32 ID:P63fZgoP]
こんなのはどう?
ttp://www.banzest.com/idle/ryojin/06s.html

68 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/10/30 00:00:02 ID:rUXO0ip5]
      ☆ チン        マチクタビレタ-

☆ チン  〃 ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ヽ ___\(\・∀・)< >>319さん、天野千鶴タンの改造 マダー?
    \_/⊂ ⊂_)_ \___________________
  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
  |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:|  |
  |  改造手術台   .|/
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

69 名前:PRIME mailto:age [04/10/30 01:35:35 ID:xpYjaZxW]
どうも、前スレの319改めPRIMEです。これからはこのペンネームで行きます。どうぞよろしく。
>BeeFreakさん
今回のSSは確かに「悪」の部分が分散してしまっています。その理由の一つとしては悪女が多いことだと思います。
ひなのが改造された後、手下の不良少女、そして暴走族の少女たちも改造されました。その結果女の子が多すぎたため全体的にぬるい描写になってしまったと思います。
改造シーンにしても325さんの改造シーンをパクッただけそれもオリジナルより粗悪なものになってしまいました。まあ私は高校時代理科が2で生物学に詳しくないということでご勘弁願いたいと思います。
ひなのの両親、そして手下の不良少女や暴走族の少女たちはこの後も出演させる予定です。
後悪人に同情を持つシーンですが、同情される悪人になってしまっては私の筆先も鈍るのでそれはご容赦ください。あくまでも悪人は憎々しくなければいけないというのが私のポリシーなんで。そのほうが殺しやすいですからね(^^;。
このSSも半分は過ぎてしまいました。色々異論はあると思いますが、何とか完結まで持っていきたいです。
どうぞよろしくお願いします。

>>68さん
申し訳ありませんが、天野千鶴の改造シーンはありません。あくまでも私は「悪女改造」がメインなんで。善良な女の子は改造しない、するとしても正義のために改造するというのがポリシーなんです。
その代わりといってはなんですが、悪女の改造シーンならいくらでも書かせていただきます。>>68さんはどんな悪女を改造して欲しいですか?もしそういう希望がありましたらぜひリクエストしてください。

70 名前:68 mailto:sage [04/10/30 01:53:06 ID:+LmcITsq]
>>69
>>68さんはどんな悪女を改造して欲しいですか?
平民を見下している、傲岸不遜なお嬢様をキボンヌ。取り巻きの女たちも込みで。

71 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/10/30 03:37:23 ID:t/FbYhRV]
319氏、「悪女」改造以外の改造ネタもキボンヌ
それ以外書きたく無いってなら無理強いはせんけど…

72 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/10/30 05:51:11 ID:paNHh/oH]
前スレでのPrime(319)氏と325氏のコラボに感動したクチなので、またそういうのを見たい。
善良な人間が改造される部分を325氏、悪へのお仕置きがPrime氏というのはどうかな?

325氏がずいぶんご無沙汰だけど、おそらく「イナズマンF」のファンだとお見受けされるので
(ファイターFとか隼五郎(←渡五郎?)とかのネーミングだけでなく、そのハードな雰囲気が)
もし再登場していただけるなら、『改造されたレッドクイン』もの、なんてのを期待したい。
悪の組織への復讐のために、あえてその組織の一員となり改造手術まで受ける。
組織に忠誠を誓うフリをして心の底では復讐のチャンスを狙っている、というような話。
デスパーシティの設定も取り入れるならば、組織内にはそういうレジスタンスが複数名いて、
裏切り者もいれば、その裏切り者に対する鉄の制裁も存在する、というのもいいかも。
あ、でもヒーローとの交感によって自分を取り戻す(蝶とギロチン花地獄作戦とか)と
言うのも捨てがたいしなあ。とりあえず希望だけ書いておきますので、チャンスがあればぜひ
325氏には新作のご執筆をたまわりますよう、お願いしますですm(__)m。



73 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/10/31 12:04:58 ID:mvgVSGFw]
みんなのんびりSSのうpを待ってないで、特撮番組の中に登場した
女性改造シーンのデータベース作りでもやらないか?
皆で情報を持ちよれば、かなり有用なのができあがりそうな気がする。

74 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/10/31 13:35:59 ID:0mGMzESr]
>>73
せっかくの情報も長文SSの連続うpで、あっという間に流れてしまうヨカーン。

75 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/10/31 14:00:06 ID:jz94ybj/]
>>74
だったら専用のまとめサイトを作ればいいじゃん。

76 名前:名無しより愛をこめて [04/10/31 14:53:54 ID:EfSC/LFb]
age

77 名前:PRIME mailto:age [04/11/01 02:12:04 ID:EdzPM3Ty]
長い間筆を休めていましたが、明日以降随時SSの続きを貼り付けたいと思います。
この休んでいる間色々考えました。今のSSは改造シーンとかに萌えが少ないというのは私も認めます。
しかし今回は改造される人間の悲劇性には余り重点を置かず、ひたすら明るい勧善懲悪を目指しその過程の中で改造シーンが組み込まれているという風にご理解いただきたいと思います。
つまり勧善懲悪が第1のテーマで女性改造は第2のテーマということです。ここのスレの皆さんにはご不満のことと思いますが今回はそういうことでどうぞお許しください。
なお、>>68さんが改造素体となる悪女のモデルを希望されましたが、他の方にも改造して欲しい悪女をリクエストして欲しいです。
全部できるとは限りませんが、こんな悪女を改造して欲しいという案がございましたらどんどんリクエストしてください。

78 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/01 02:30:05 ID:bpJtjO5W]
サイバー団地妻
ttp://www2.gol.com/users/madori/bunge/saiba_01.htm
ttp://www2.gol.com/users/madori/bunge/saiba_02.htm

79 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/02 05:05:28 ID:/UCiJJqg]
前スレ「女子高校生位の子が改造されるシーン」、DAT落ちしたね。

80 名前:名無しより愛をこめて [04/11/02 14:29:56 ID:4W9jcn01]
乳改造!
股改造!
尻改造!

81 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/02 22:31:19 ID:4mvOR+v8]
>80
お前ショッ〇ー婦人部荒してるキチガイだろ。


82 名前:前スレ325 mailto:sage [04/11/02 23:22:04 ID:R60wQNLC]
>>77
えー、確かに小生「イナズマンF」や「仮面ライダー」最初期を念頭に駄作を描き込みさせて
いただきましたが、319さんがより洗練された形で「後期ライダー」風にまとめて
下さいましたので、今更あの雰囲気持ち込むのもどうかと思うところです



83 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/02 23:34:43 ID:fvhq4ptr]
>>82
325さんは325さん、319さんは319さんの雰囲気があっていいと思うので、
「今更あの雰囲気を・・・」などと悩まれず、ぜひ新作のUPをお願いします!
私、325さんのあの作風のファンです!

84 名前:PRIME mailto:age [04/11/03 01:06:35 ID:pUXe/+se]
>>前スレの325さん
私の前のSSはそんなに洗練されているとは思えません。
私はただ単に自分の妄想を貼り付けているだけですのでそのような過分なお褒めの言葉をいただき恐悦至極です。
ただあのSSはあれでよかったのかなという思いもあります。なんか私のわがままで325さんの重厚な雰囲気を壊してしまったような気がするのです。
例えば009号の最期。あれにしても325さんの考えられた結末からは大分外れたように思うのです。その点がかなり気になっています。
まあ私も私のポリシーに基づいたSSを貼り付けます。325さんも気が向かれた時にお好きなSSを貼り付けられることをおすすめします。
お互い頑張りましょう。


85 名前:PRIME mailto:age [04/11/03 01:46:26 ID:pUXe/+se]
それでは久しぶりに続きを行きますか。

女性だけの暴走族「紅蜥蜴」のメンバーを戦闘員に改造したローズジャマーは首領に新たに誕生した戦闘員を見せる。
「首領、ご覧下さい。新たな女性戦闘員が手に入りました」ローズジャマーは得意げに首領に報告する。
暴走族を改造しただけあって女性戦闘員たちは皆凶悪な面構えである。
「うむ、なかなか我がジャマーにふさわしい者たちだ。我がジャマーはこれまで女性戦闘員が少なかった。お前の働きは我がジャマーに多大な貢献をしている」首領は上機嫌で言う。
「だが、まだまだ足らぬ。もっと女性戦闘員が必要だ。お前は白百合女学園の生徒だったな」首領が言う。
「はい。栄光あるジャマーに入る前はそこの生徒でございました」ローズジャマーは答える。
「白百合女学園には大量の女性生徒がいるな。こやつらを我がジャマーの改造人間にするのだ」新たな指令である。
「はっ、私の昔のクラスメートも我が栄光あるジャマーの一員になれると知れば大喜びするでしょう」すでに魂までジャマーに洗脳されたひなのであった。
「よしいけ。ローズジャマー」「かしこまりました。バ〜ラ〜」ローズジャマーは姿を消す。
「今回はお前はなかなか優秀な改造人間を作ったな。だが、また新しい素材が大量に入ってくるぞ」科学者をねぎらう首領。
「光栄にございます。首領様。新しい素材はどんなものか今から期待しております」嬉しそうに笑う科学者。その目からは邪悪な光が放たれていた。


86 名前:PRIME mailto:age [04/11/03 02:13:09 ID:pUXe/+se]
所変わって喫茶店「ブラッカー」。

「はあ、闇に消えた暴走族か」新聞の見出しを読みながらおやっさんが言う。
その記事はあの紅蜥蜴の失踪記事だった。転倒し放置されたままのバイクが転がっている写真が掲載されている。
「それにしてもこれは一体どういうことですかね。神隠し?」羽村啓介は記事を読みながら言う。
「案外ジャマーの仕業かもな」啓介の友人でともにジャマーと戦っている川島貴司の言葉だ。彼はICPOの秘密捜査官である。
「まあジャマーも暴走族も社会にとってはマイナスな存在ですから消えてくれるのは大いにありがたいことですけどね」啓介が言葉を返す。
「そういうことだな。あれ、ウエハースがない。啓介、ちょっと買ってきてくれないか。」おやっさんが啓介に言う。
「わかりました。じゃあちょっと言ってきます」啓介はバイクに乗ると朝の町に飛び出していった。

87 名前:名無しより愛をこめて [04/11/03 12:17:05 ID:6sHczBAj]
  _  ∩ おっぱい改造!
( ゚∀゚)彡  おっぱい改造!
 ⊂彡

88 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/04 08:16:42 ID:Iey6krB+]
「新怪談残虐非道 女刑事と裸体解剖鬼」(2003)って映画はどうよ?
ttp://office-yurika.web.infoseek.co.jp/
マッドサイエンティストが美女を誘拐して次々と改造してしまう。
改造シーン(↓)
ttp://office-yurika.web.infoseek.co.jp/zan-g/17.jpg

ま、改造された結果がゾンビメイドだったり箱女だったりするので何だが。

89 名前:PRIME mailto:age [04/11/05 00:57:49 ID:S6fq8CB5]
前スレの325さんはファイターFのモデルをイナズマンFに求めていたんですね。
ちなみに自分はファイターFのモデルは「トランスフォーマー 超神マスターフォース」のゴッドジンライのイメージで描きました。
ゴッドジンライは日本人の青年ですが、結構熱いキャラでした。だから私はファイターFを熱血漢というイメージで描いたんです。
それは「改造人間の力、そして人間の心を見くびったな」というファイターFのセリフでもおわかりいただけると思います。
でもゴッドジンライって言っても10数年前のキャラだからどのくらいの人が覚えているかな。

90 名前:PRIME mailto:age [04/11/05 01:12:23 ID:S6fq8CB5]
では続きを。

「早苗、急ぎなさい!」「お姉ちゃん、何で早く起こしてくれなかったのよ」朝の天野家では朝早くから大騒ぎである。
天野早苗は高校生だが、今日は寝坊をしてしまったのだ。姉の千鶴に急き立てられながら慌てて支度をする早苗。
早苗は朝食もそこそこに家を飛び出した。とその時。「キィーッ!」早苗は出会い頭にバイクとぶつかりそうになった。
「キャア!」「あ、危ないな」バイクの声の主は啓介だった。
「あっ、啓介さん」「何だ、早苗ちゃんじゃないか。どうしたんだい、そんなに慌てて」
「寝坊しちゃって遅刻しそうなの。ねえ啓介さん、バイクで送って」虫のいい頼みごとをする早苗。
「困ったなあ。俺はおやっさんに言われてウエハースを買いに行く途中なんだ」
「そんなのお姉ちゃんに頼めば良いじゃない。どうせお姉ちゃんブラッカーに行くんでしょう?」
「まあ、今日はバイトでブラッカーにいくからね」女子大生の千鶴はそう答える。
「じゃあ千鶴さん、早苗ちゃんを送っていくよ。ウエハースのこと頼んでいい?」申し訳なさそうに言う啓介。
「まあ、啓介さんの頼みなら仕方ないわ…」不承不承ながら頼みを聞き入れる千鶴。
「話はまとまったわね。じゃあ啓介さん、お願いね」早苗はちゃっかりバイクの後部座席に乗り込む。
「早苗ったらもう。じゃあ啓介さん、悪いけど早苗のことお願いします」千鶴は妹のことを啓介に頼む。
「じゃあ早苗ちゃんいくよ」啓介はエンジンの回転数を上げてバイクを飛ばす。
千鶴は半ば不満そうに二人を見送る。
「私だって啓介さんのバイクの後部座席に乗りたいのに…」

91 名前:PRIME mailto:age [04/11/05 01:54:51 ID:S6fq8CB5]
「おはよう」「おはよう」白百合女学園高校では生徒たちが朝の挨拶をお互いに交わしている。
晴れ渡った青空に乙女たちの明るい声。清々しい光景だ。
そこに啓介のバイクが学園前に着く。ぎりぎり10分前セーフだった。
「啓介さん、ありがとう」校門前で早苗は啓介に御礼を言う。
「早苗ちゃん、今度からちゃんと早起きしないとダメだぞ」啓介は幼い子供にいうように早苗を諭す。
「もう、そういう事はお姉ちゃんからいつも言われているわ。啓介さんまで私を子ども扱いしないで欲しいわ」少しむくれる早苗。
啓介は苦笑いをして顔をそらす。だが次の瞬間啓介の顔から苦笑いが消えた。(あの子は…)
そこにやってきたのは石川ひなのだった。啓介は彼女の顔を見て思い出した。あの親父狩りの少女たちを。
(あの子は確か不良少女グループのリーダー。ここの生徒だったのか)
啓介の思いとは裏腹に早苗はひなのに声をかける。「石川さん、おはよう。ここ最近休んでいたけどどうしたの?」
しかし、ひなのはチラリと二人を見てそっけなく言う。「あら天野さん、おはよう」
ひなのは啓介のほうもチラリと見てそのままその場を去っていった。
「早苗ちゃん、あの子は?」啓介は早苗に聞いてみる。
「クラスメートの石川ひなのさん。なんかお高くとまっている感じで私は生理的に好きになれないの。さっきだってこっちから声かけたのに。」
早苗は不満そうに言う。どうやら彼女とはそりが合わないみたいだ。
「それに彼女、色々悪い噂もあるし。後彼女のお父さんって闇金融の帝王なんだって」早苗は啓介にそう話す。
「なんか色々裏のありそうな子だなあ」啓介はそういうが真意は別にあった。
(さっきすれ違った時彼女からジャマーのにおいがした。彼女はひょっとしてジャマーの手先か?)
羽村啓介もまたジャマーに改造された人間である。だが彼は脳改造直前に脱出し正義の戦士として戦っているのだ。そんな彼は本能的に彼女をジャマーではと疑ったのだ。
しかし、早苗は特に何も考えていないようだ。「じゃあね、啓介さん」早苗は走り出す。
啓介は漠然とした不安を抱えながら早苗を見送った。

92 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/05 02:37:10 ID:6st48GJv]
皆さまお久しぶりです。最近仕事が忙しくて、思うようにSSが書けません。
書きたい話はいっぱいあるのですが。
構想中のものはどれも長い話になりそうなので、今日はとりあえず、短めの話をUPするこ
とにいたします。
(PRIMEさんの今日のSSのUPは、もうおしまいですよね? もしも重なってしまったらご免
 なさい)

今回“ズゥ”Zooという組織によって蜂女に改造されてしまうのは、桂木美緒ちゃん15歳と
桂木梨緒ちゃん18歳の美人姉妹です。
そして、最後にもうひとつお楽しみが…。



93 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/05 02:37:50 ID:6st48GJv]
午前1時の港の倉庫。人気の途絶えた鉄とコンクリートの山のその上を、月光に照らされ
ながら二つの影が何度も激しく激突していた。
ひとつの影は、銀色に輝く仮面とアーマーをまとった戦士。やや小柄なその姿は、アーマ
ーの中身がどうやら少年であることを感じさせる。
もうひとつの影は、女性のシルエットを持った異形の者。背中から4枚の透明な羽根を生
やし、蜂を摸したマスクを被っている。しなやかな女性のラインもあらわなそのボディは
濃いブルーに包まれ、ふくよかな双つの乳房は黄色と黒の同心円模様で彩られている。宙
を華麗に舞うその動きは、そのボディが衣装やアーマーではなく、彼女自身の皮膚である
ことを示している。
「死ねぇッ!! カイゼリオン!」
蜂のような女が、空中に停止したアーマーの少年に向かって突進する。
「スティンガー・ニードル!!」
蜂女は伸ばした手のひらから、鋭い針を撃ち出した。アーマー少年は巧みにそれをかわし、
蜂女に接近するとパンチをふるった。「カイザー・ナックル!!」
間一髪でパンチをかわした蜂女は、少年の後ろに回り込み、自らの乳房を両手で掴んで少
年の方に向き直った。
「ポイゾナス・シャワー!!」蜂女の乳房から、無数の細かい毒針が発射された。アーマー少
年は身体を猛スピードで回転させてそれをはね返す。「カイザー・スピン!」
回転を続けながらアーマー少年はジャンプし、ドリルのように宙を舞って蜂女に肉迫する。
蜂女はまたも間一髪でそれをかわし、少年から間合いを取った。
「おのれ、カイゼリオン! このままではすまさない!!」息を切らせながら蜂女が叫ぶ。
「もう諦めるんだな、“ズゥ”の獣人兵士! お前たちの悪事は、この俺が必ず打ち砕く!!」
「うるさい!! “ズゥ”なんか関係ないわ! わたしはただ、妹の仇を討ちたいだけよ!!」
「…妹だって!?」カイゼリオンと呼ばれたアーマー少年は、驚いて構えを解いた。
「そうよ! 2日前にお前が倒した蜂女を覚えているでしょう!? あれはわたしの妹、ミオ!
そしてわたしは、ミオの仇を討つために蜂女になった、姉のリオ!!」
蜂女は、マスクの内側で明らかに号泣していた。そして彼女の脳裏に、それまでの想い出
が走馬灯のように駆け巡った。

94 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/05 02:39:35 ID:6st48GJv]
…そう、わたしの名前は桂木梨緒。18歳。3歳年下の妹、美緒と二人、下町のアパートで
ひっそりと暮らしていた。
地方都市で両親と4人、幸せに暮らしていた私たちの一家を不幸が襲ったのは、今から3
年前のことだった。突然の交通事故が両親の命を奪い、他に身寄りのなかったわたしたち
姉妹は、世間の荒波の中に突然投げ出されてしまった。
わたしは高校を中退し、中学生の妹を養うために働かなければならなかった。といっても
地方都市では、中卒の娘にできる仕事など限られている。わたしたちは残されたわずかな
保険金を元に東京に出、安アパートで二人暮しを始めた。
都会の真ん中で、二人ぼっちになったわたしたち姉妹。妹の美緒は、わたしにとってかけ
がえのない肉親であり、自慢の妹だった。わたしはなんとしても、妹の夢だけはかなえて
やりたかった。
妹の夢は、ヘアデザイナーになること。それには、高校と専門学校をどうしても卒業させ
てやらねばならない。
わたしは幸運にも、あるフリーのカメラマンのアシスタントとして雇ってもらうことがで
きた。カメラマンといっても人が考えるような派手な仕事ではない。博物館や考古学研究
所に雇われて、土器や埋蔵史料をひたすら撮り続ける地道な仕事だ。体力が必要だし、休
みはほとんどない。撮影が終わった後もフィルムの整理やラボへの発注などに追われ、家
に帰るのは連日0時を回ってからだった。だがその分、給料は良かった。交通遺児奨学金
と合わせれば、妹を高校に進学させるのに充分な稼ぎを得ることができた。
わたしたち姉妹はそうやって、都会の片隅でひっそりと暮らしていた。そう、あの忌まわ
しい日までは。

95 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/05 02:41:10 ID:6st48GJv]
妹の理緒が、下校途中に突然失踪したのは、今から10日前のことだった。
蒸発? 心当たりなどまるでない。事故? 事件? 目撃者は誰もいない。
わたしは狂ったようになって、連日妹の行方を捜し回った。妹がいない世界など、わたし
には考えられない。妹が死んでしまうようなことがあったら、この世にわたしが生きてゆ
く意味などない。わたしにとって妹は、自分の存在のすべてであり、生きる意味のすべて
だった。
捜し回ること一週間。妹の行方は、ようとして知れなかった。相変わらず警察も何ひとつ、
手がかりを掴めてはいないようだ。その日も足を棒のようにして歩き回り、疲れ切ったわ
たしは布団に身を投げ出し、泣きながら眠りについた。


ふと、気配を感じてわたしは飛び起きた。部屋の中に誰かがいる。
「キャッ!」聞き慣れた声を耳にし、わたしは反射的に声のした方に腕を伸ばした。細い
腕を掴んだわたしは、急いで電灯のコードを引っ張った。とたんにあたりが明るくなった。
「いやぁ、見ないで!! お姉ちゃん!」「み、美緒っ!?」
わたしが掴んでいたのは、妹・美緒の腕だった。だが、その妹の身体は…
「見ないで!! お願い!! わたしの身体を見ないで!! お願い、お姉ちゃん…!!」
「美緒、その身体…いったい…!?」
妹の姿は、実に奇妙なものだった。顔こそ愛らしい美緒のものだったが、全身はなめし皮
のような質感の濃いブルーの皮膚で覆われ、手は白い手袋、脚は白いブーツ状になってい
た。それは明らかに衣服ではない、妹自身の皮膚であった。妹の乳房は、蜂の腹部のよう
な、黄色と黒の同心円状の模様で覆われていた。その乳房はまるで別の生き物ででもある
かのように、絶えず艶めかしい蠕動を繰り返していた。そして妹の背中からは、薄黄色の
透明な羽根が4枚、生えていた。

96 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/05 02:41:48 ID:6st48GJv]
美緒は唖然としたわたしの手を振りほどき、両手で胸を押え、うずくまってすすり泣きを
始めた。
「…お願い…お姉ちゃん…わたしを、美緒を許して…!!」
わたしは我に返り、妹に寄り添って肩を抱きしめた。どんな姿になっていても、美緒は美
緒だ。わたしの可愛い妹だ。
「美緒、何があったの? 辛い目に遭ったの? 良かったら、お姉ちゃんに話して。あなたが
どんな目に逢っても、お姉ちゃんは美緒の味方だから…」
美緒は堰を切ったようにワッ!と泣き出し、わたしの胸に顔をうずめた。わたしはしっか
りと、美緒の身体を抱きしめた。こんなに小さい、細い身体だったんだ。泣きじゃくる美
緒の身体を抱きしめ、わたしは美緒の背中を愛撫した。背中から生えた4枚の羽根が、細
かく震えている。
「…お姉ちゃん、ごめんなさい。わたし、もう人間じゃないの。」
美緒は泣き濡れた真っ赤な目でわたしを見つめ、震える小さな声でそうつぶやいた。
「わたし、改造されたの。一週間前、“ズゥ”にさらわれて、ベスティオイド(獣人兵士)に
改造されてしまったの。わたしはもう、人間じゃない! 蜂なの!! 蜂女なのよ!!」
美緒はそう言って、再び泣きじゃくった。わたしは呆然となっていた。美緒が何を言ってい
るのか、よくわからなかった。いや、理解したくなかったのだ。妹が、あの可愛い美緒が、
まさか蜂女に改造されてしまったなんて!
ポロポロと、わたしの目からも涙が溢れて止まらなくなった。わたしには、美緒の身体を
きつく抱きしめてやることしかできなかった。
「美緒、可哀想に。辛かったのね。でももう、お姉ちゃんが一緒よ。お前がどんな姿にな
っても、お姉ちゃんが一緒にいてあげる。お姉ちゃんが守ってあげる。お前はお姉ちゃん
の、たった一人の妹なんだもの。」

97 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/05 02:42:32 ID:6st48GJv]
美緒は、腕を伸ばしてわたしの身体を引き離した。「ダメ! ダメなのよお姉ちゃん!」
美緒は床に転がっていた、ヘルメット状のマスクを拾い上げた。
「わたしは今から、闘わなければならないの。カイゼリオンと。」
「…え? 何、闘うって? …カイゼリオンって、誰?」
「わたしたち“ズゥ”の企みを潰して回っている、正義のヒーローなの。そしてわたしは
悪の改造人間なの。今からわたしたちは、港の第3倉庫でカイゼリオンを迎え撃つことに
なってるの。でも…きっと勝てない! カイゼリオンはとても強いの! わたしじゃ、カイゼ
リオンには勝てない!! わたしはもうすぐ、悪の改造人間としてカイゼリオンに殺されること
になるの。だから…最後に…お姉ちゃんの顔を見ておきたかったの! わたしの最後の…想
い出に。」
美緒は、マスクを装着した。口の周囲を除いて頭部全体を覆うヘルメット状のマスクで、
それを着けた美緒は、巨大な蜂そのままの姿になった。
「どうして! どうして闘わなきゃいけないの! 美緒、逃げて! 逃げなさい!!」
「だめ。わたしは“ズゥ”の命令には逆らえないの。さよなら…お姉ちゃん。いつまでも
幸せに…。」
そう言って美緒は、羽根を広げて開いた窓から飛び出して行った。

「美緒ッ!!」わたしは窓に駆け寄った。月光の中、飛んでゆく美緒の姿が見える。
わたしはパジャマのまま、部屋を飛び出した。アパートの自転車置き場には、仕事のため
に買った原付が停めてある。わたしは原付に飛び乗り、急いで美緒の後を追った。港の第
3倉庫。美緒は確かにそう言っていた。早く! 早く! 早く行かないと美緒が殺されてしま
う!

98 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/05 02:43:07 ID:6st48GJv]
わたしは信号を次々と無視し、港へと急いだ。原付の速度は呪わしいくらいに遅かった。
早く! 早く! 心ばかりがあせる。冷汗が頬を伝って流れる。早く、急がないと!
やがて港の倉庫群が目に入った。その上空で、激しくぶつかり合う2つの影がある。
わたしは原付を乗り捨て、その真下へと駆け寄った。地面には、黒づくめの男たちの死体
が幾つも転がっている。おそらく戦闘員だったのだろう。わたしは上空の影に向かって叫
んだ。「美緒ぉーーーッツ!!」
銀色の影が、急に激しい光を放ち始めた。「カイザァーッ!グラヴィトーーン!!」
光り輝く影が、もうひとつのブルーの影目がけて突進した。ふたつの影が重なったとたん、
凄まじい閃光がひらめいた。
「キャアァァーーーーッツ!!」悲鳴とともに、ブルーの影が地表めがけて落下した。地面に
叩きつけられた影は、プスプスと音を立てて焦げている。
「美緒っ!!」わたしは地面に落ちた妹に駆け寄った。美緒はわたしの姿を認め、一瞬、微
笑んだ。そして……。美緒の姿が明るく輝いたかと思うと、もうその場から蒸発して消え
てしまった。
「美緒ォォーーーッ!!」
わたしはその場にへなへなと座り込み、顔を覆って泣いた。闘いに勝った銀色の影は、倉
庫の上に立って勝ちどきを上げた。「灼光戦士!カイゼリオン!!」
その姿を、わたしは涙にくもった目でにらみつけた。許さない。わたしは決して許さない!
妹を、可愛い美緒を殺したあの銀色の影を!
わたしのすぐそばに、動く影が目に入った。わたしは反射的にその影に駆け寄り、そいつ
を押えつけた。後手に締め上げたそいつは、傷ついた、黒ずくめの戦闘員だった。
「お前は“ズゥ”の戦闘員ね。わたしを、お前たちのアジトに連れてゆきなさい!!」

99 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/05 02:43:53 ID:6st48GJv]
「何物だ貴様! いったい何の用だ。」
“ズゥ”のアジトは、何と動物園のある総合公園の地下にあった。地下道の黒い扉の前で、
門番の戦闘員たちがわたしたちを呼び止めた。
「わたしは、さっきカイゼリオンに殺された蜂女の姉よ。わたしはカイゼリオンが憎い。
わたしに、カイゼリオンを倒す力を与えて!」
戦闘員たちはヒソヒソと話し込み、ひとりが扉の奥に消えた。しばらくすると、燕尾服に
シルクハット、目にはモノクル(片眼鏡)をはめたうさん臭い風体の陰気な男が現れた。
「私は“ズゥ”のテイマー(調教師)、ミスターQだ。君かね、カイゼリオンと闘いたいとい
う勇敢な少女は?」
「そうよ。私の妹はカイゼリオンに殺された。わたしは妹の仇を討ちたい! お願い!! わた
しを妹と同じ姿に改造して! わたしは蜂女になって、この手でカイゼリオンを倒したい!」
ミスターQはじろじろと私の身体を見つめ、フフッと笑った。
「なるほど、妹さん同様、実に美しい娘さんだ。しかも勇敢ときている。いいだろう。君
を“ズゥ”のベスティオイド(獣人兵士)、蜂女の第2号として改造してあげよう。さあ、こ
ちらに来なさい。」
わたしは、ミスターQの後についてアジトに足を踏み入れた。

「…さあ、着ているものを全て脱いで、この手術台の上に横たわりなさい。」
科学者らしい、白い戦闘員がわたしを促した。今さら何を迷うことがある? 妹のいない世
界に、未練など何もない。今の私がするべきことはただ一つ、妹の復讐だ。そのためには
人間の身体を捨てることなど惜しくもない。わたしは震える手で衣服を脱ぎ捨て、手術台
の上に乗った。心臓がバクバクと音を立てる。戦闘員が、冷たい手でわたしの両手両脚を
手術台に固定した。
ミスターQが現れて、手術台のわたしを上から覗き込んだ。
「ほう、君はまだ処女のようだな。実に美しく可憐な肉体だ。だがこれから、君はもっと
美しい身体へと生まれ変わる。蜂の遺伝子を全身の細胞に組み込んで、蜂の能力を備えた
ベスティオイドに改造されるのだ。」

100 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/05 02:44:47 ID:6st48GJv]
戦闘員が、わたしの両腕に注射針のようなものを突き立てた。そこから、得体の知れない
液体がわたしの体内へと注ぎ込まれる。むず痒いような不快感がわたしの全身を襲った。
「う…ああっ…あ、あ、ああ…」
「遺伝子活性化光線、照射!」
わたしの身体に覆いかぶさるように、手術台の無影灯のようなものが降りてきた。色とり
どりの明かりが明滅し、わたしの身体を包んでゆく。キラキラしたものがわたしの周囲を
舞っているかのように感じられ、目の前がかすんで何も見えなくなった。全身を襲う不快
感は、次第に充実した幸福感へと変わっていった。
「あ…あ…ああ…気持ち…いい…」
そして、わたしの意識はそこで途切れた。

「さあ、目覚めるがいい、蜂女第2号よ。」ミスターQの声に、わたしは目を覚ました。
わたしは急いで自分の身体を確かめた。濃いブルーの皮膚、蜂の腹部のような蠕動する乳
房。美緒と同じ姿だ。「これが…わたし…?」
「お前は工作要員だった蜂女第1号よりも、より戦闘向けにチューニングしてある。カイ
ゼリオンと比べても、戦闘能力に遜色はないはずだ。」
「…ありがとう。必ず、この身体でカイゼリオンを倒してみせるわ。」
「それは頼もしい。だが忘れてはいかんよ。君はもう、“ズゥ”の改造人間ベスティオイ
ドだ。“ズゥ”に逆らうことはできん。カイゼリオンを倒した後は、一生我々のために働
いてもらうよ。」
「いいわ。妹の仇を討ったら、あとはどうなろうと構わないから…」
「結構、結構。それじゃあ、君に憎っくきカイゼリオンのことを教えてあげよう。灼光戦
士カイゼリオンの正体は、矢作(やはぎ)瞬、16歳の高校生だ。半年前、未来から送られて
きたカイザーディスクに偶然触れ、カイゼリオンに変身する力を身につけた。それと同時
に、未来社会を支配する我々“ズゥ”を壊滅させて歴史を変えるという、馬鹿げた使命を
与えられたというわけだ。フン。未来の愚かなエンジニアたちの、悪あがきというわけだ
よ。」
「…わかった。じゃあ、その矢作瞬とやらは、どこにいるの?」

101 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/05 02:45:46 ID:6st48GJv]
カイゼリオン=矢作瞬は、都内のアパートで妹と二人暮しだった。私たち姉妹と同様、両
親を幼い頃に亡くしていたからだ。親の資産が充分あったのか、親戚の援助があるのか、
働くこともなく1つ年下の妹とともに高校に通っている。
わたしは正攻法でゆくことにした。妹を拉致し、人質にしてカイゼリオンをおびき寄せる。
下校する妹=矢作恭子を確認すると、わたしは彼女の前に歩み出た。目の大きい、小柄で
可愛らしい少女だった。
「矢作…恭子さんね?」「そうですけど…何か?」
恭子は明らかに不審そうにしている。それはそうだろう。季節は夏だったが、わたしは大
きなコートを羽織っていた。何しろわたしの身体は蜂女なのだ。人目にさらすわけにはい
かない。
「ちょっと、わたしと一緒に来てもらうわ。」
わたしはそう言って、乳首から麻酔針を素早く打ち出した。恭子はハッ! と一瞬目を見開
いたが、そのまま力なく倒れていった。わたしは彼女の身体を抱き留め、そばに待ち構え
ていた戦闘員の車に運び入れた。事はあっけないほどうまく運んだ。“ズゥ”がなぜ今ま
でこれをしなかったのか、不思議になるくらいだ。
戦闘員のひとりに、矢作瞬のアパートに伝言を残してくるよう命じると、わたしと他の戦
闘員はかつて美緒がカイゼリオンと闘って破れた、港第3倉庫へと車を走らせた。決戦の
地として、そこ以外の場所は考えられなかった。
矢作恭子の身体を倉庫の屋上に立てられた十字架に縛り上げ、目隠しをさせ、その身体に
超振動フォノン爆弾をくくり付けた。これは、わたしが破れそうになった時の最後の手段
だ。
戦闘員たちを配置し、準備をすべて整えた。時刻は午後10時。カイゼリオンに指定した時
刻は午前0時だ。
十字架に縛られていた恭子が、息を吹き返した。「ここは…どこ!?」キョロキョロと首を
振る。目隠しされているので不安なのだろう。
「安心なさい。カイゼリオンを無事倒せたら、あなたは解放してあげるわ。」
「え…お兄ちゃん? …お兄ちゃん! 来ちゃだめ!! 来ちゃだめよ!!」

102 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/05 02:46:46 ID:6st48GJv]
約束の午前0時に、矢作瞬は現れた。思ったよりも小柄な少年だ。「妹を…返せ!」
「返してあげるわ。あなたが、わたしと闘うならば!」
わたしはコートを脱ぎ捨てて、蜂女の姿をさらした。ヘルメットを被り、戦闘態勢を取る。
「かかれ、戦闘員たち!」
矢作瞬は、小さなディスクをかかげて腕を大きく回しながら叫んだ。
「カイザーッ!アクセス!!」
閃光がきらめき、瞬の姿は銀色の戦士・カイゼリオンへと変貌した。
わたしは羽根を広げてジャンプし、カイゼリオン目がけて針を撃ち出した。
「スティンガー・ニードル!!」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

「…妹だって!?」カイゼリオンが驚いたように叫んだ。
「そうよ。わたしの妹は、わたしの可愛い美緒は、2日前あなたに殺された。いい子だっ
たのに! 何もしていないのに! あなたが、あなたが殺したのよ!!」
わたしはカイゼリオンに飛びかかり、背中に回って首を絞め上げた。
「違う! 俺は“ズゥ”のベスティオイドを倒しただけだ! 悪の手先を倒しただけなんだ!」
「わたしの妹が悪だっていうの!? 操られていただけなのよ! ほんとは、優しいいい子だっ
たのよ。なのにどうして! 殺されなければならなかったの!! 命で償わなければならないよ
うなことを、あの子がしたって言うの!?」
「だから、悪いのは“ズゥ”なんだ。“ズゥ”の手先なら、俺は闘わなけりゃいけないん
だ!」
「そう? それであなたは正義の味方ってわけ? 正義の味方なら、何もしてない者を殺して
もいいって言うわけ!? そんな正義の味方、わたしは認めない! 妹を殺して守れる正義なん
か、わたしは欲しくない!!」
カイゼリオンは明らかに動揺していた。わたしはカイゼリオンの首を閉めながら、カイゼ
リオンの脇腹に手を当てた。アーマーの継ぎ目を狙って、スティンガー・ニードルを撃ち
出した。
「ぐわあああああッ!!」



103 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/05 02:48:55 ID:lC3F3Rlp]
「妹が味わった苦痛は、こんなものではないわ。さあ、もっと苦しみなさい。」
わたしはスティンガー・ニードルを二発、三発とカイゼリオンの身体に撃ち込んだ。
カイゼリオンは激痛に身をよじらせたが、急に大声で叫んだ。「カイザーッ!シャイン!!」
とたんにカイゼリオンの身体がまばゆい光で覆われた。不意をつかれて、一瞬、わたしの
腕の力が緩んだ。その隙を見逃さず、カイゼリオンは背負い投げの要領でわたしを投げ飛
ばした。「キャアアッ!」
「カイザーッ! ブレイド!」カイゼリオンが右手を高く掲げると、光の剣が出現した。
「蜂女! 確かに俺はお前の妹を殺してしまったかも知れない。お前たち姉妹を不幸にして
しまったかも知れない。だけど、そうしなきゃもっと沢山の人間が不幸になったに違いない
んだ! 未来世界では、“ズゥ”の支配下に置かれて多くの人々が苦しんでいるんだ! だか
ら俺は、闘い続けなきゃならない! 俺にはすべての人が幸せになれるベストの選択肢を選
ぶことはできないけど、俺にできる限りのベターな道を選ぶしかないんだ。わかってくれ!!」
「わからない!! そんなこと!!」
「この…わからずやァッツ!!」カイゼリオンは剣を振りかざし、わたし目がけて突進してき
た。わたしは反射的に両手を前に突き出し、ステインガー・ニードルを連続で撃ち出した。
カイゼリオンは、12発のスティンガー・ニードルをすべて剣でなぎ払い、わたしの前で剣
を一閃した。
「ギャアアアアアアッツ!!」わたしの脇腹が裂け、青い血が吹き出した。
わたしは傷を押さえながら、力を振り絞って倉庫の屋上の十字架まで飛んだ。矢作恭子の
目隠しを取り、カイゼリオンに向かって叫んだ。
「聞け! カイゼリオン! お前の妹には、フォノン爆弾をくくりつけてある。これ以上抵
抗したら、妹の命は保証できないわ!」
カイゼリオンの動きが止まった。わたしは後を続けた。「そのままおとなしく、わたしの
スティンガー・ニードルを受けなさい。あなたが死んだら、妹は逃がしてあげる。約束す
るわ。でもあなたがちょっとでも妙なそぶりを見せたら、妹の命は保証できない!」

104 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/05 02:49:46 ID:lC3F3Rlp]
カイゼリオンの右手の剣が消えた。両手を横に広げ、わたしの攻撃をおとなしく受ける姿
勢を取った。「…お、お兄ちゃん!?」
「覚悟ができたようね。さあ、食らいなさい! これがわたしの妹の受けた痛みよ!!」
わたしは、スティンガー・ニードルを次々とカイゼリオンの関節目がけて撃ち込んだ。
ブスッ! ブスッ! 「グワッ!!」「お兄ちゃんッ!!」
カイゼリオンのアーマーの継ぎ目から、赤い血がにじみ出た。まだだ。まだまだだ。美緒
の受けた苦しみは、こんなものではない。
その時、十字架に縛られた矢作恭子が、大声で叫んだ。
「お兄ちゃん! 闘って! お兄ちゃんが闘わないと、みんなが不幸になるのよ! わたしの
ことなら構わないで! もう、これ以上足手まといにはならないから。さよなら…お兄ちゃ
ん。みんなを幸せにしてね…。」
わたしはハッとなった。舌を噛み切るつもりなのだ。わたしは急いで恭子の頬に平手打ち
した。「キャッ!」恭子は気を失った。
わたしは、恭子の身体からフォノン爆弾を外し、自分の身体にくくりつけた。
…なんということだろう。さっきの恭子の言葉に、憎い仇の妹の言葉に、わたしは美緒の
面影を感じていたのだ。
わたしは、満身創痍のカイゼリオンに向かって叫んだ。
「カイゼリオン! お前の妹を殺すことは、わたしにはできない! だから、わたしはお前と
心中する!!」
わたしはフォノン爆弾を抱き、信管を外すとカイゼリオン目がけて突進した。
「カイザーッツ!! スピィーーーンンッッ!!」
最後の力を振り絞り、カイゼリオンは自分の身体を高速回転させた。わたしの身体はその
回転に弾かれ、宙に舞った。
フォノン爆弾が炸裂する瞬間、わたしは、美緒の幻を見た。
《…お姉ちゃん。わたしがヘアデザイナーになったら、お姉ちゃんがお客さま第1号だよ。》
《…お姉ちゃん。いつもわたしのために遅くまでお仕事ありがとう。》
《…お姉ちゃん。わたしは世界でいちばん、お姉ちゃんのことが大好きだよ。》
わたしの頬を涙が伝った。そして、わたしの身体はまばゆい光に包まれた。

105 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/05 02:50:46 ID:lC3F3Rlp]
空高くフォノン爆弾が炸裂し、悲しき蜂女の復讐は終わりを告げた。
だが、蜂女の言葉は身体の傷以上に、矢作瞬の心に大きな傷跡を残した。
《俺の闘いは、本当に正義だと言えるんだろうか? 犠牲者の上にしか成り立たない正義な
んて、
“ズゥ”の連中がやってることと大差ないんじゃないか? 誰か教えてくれ! 正義っていっ
たい、何なんだ!? 俺の闘いの意味は、いったい何なんだ!?》
いくら逡巡を続けても、答は出てこなかった。ふと我に返った瞬は、妹・恭子をすっかり
忘れていたことに気付いた。「すまん恭子ッ! 今縄をほどいてやるぞ!」
だが十字架の上に、矢作恭子の姿はなかった。あわてて周囲を見回したが、恭子の姿はど
こにも無い。
「恭子!? どこだ!? どこにいったんだ! 恭子ォーーーッ!!」

“ズゥ”の地下アジトにある改造手術台。その上に、矢作恭子の身体は固定されていた。
「…やめて! 放して!! お願い!!」
ミスターQが、無気味な笑みを浮かべた。
「蜂女は役に立たなかったか。まあいいだろう。おかげでカイゼリオンの思わぬ弱点を知
ることができた。この妹こそ、カイゼリオンにとってのアキレス腱だ。今から役に立って
もらうことにしよう。科学者たちよ! この娘を蜂女第3号に改造せよ。対カイゼリオンの
秘密兵器に仕立てあげるのだ!!」
「いや、いやよ、改造人間なんていや! 助けて! お願い!」
「改造手術、開始!」
手術台に縛られてガタガタ震えている恭子に、遺伝子活性化光線が照射される。
「いやだ! いやッ! やめて! やめてェーーッ! イヤだァーーーーッッッツ!!」
                                 (おわり)

106 名前:名無しより愛をこめて [04/11/05 07:26:02 ID:RKM6CXFs]
      ☆ チン        マチクタビレタ-

☆ チン  〃 ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ヽ ___\(\・∀・)< PRIMEさん、朝寝坊悪女、天野早苗タンの改造 マダー?
    \_/⊂ ⊂_)_ \_________________________
  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
  |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:|  |
  |  改造手術台   .|/

107 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/05 11:29:41 ID:vSkbZXI1]
す、凄い文字数だ。

108 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/05 11:33:24 ID:g4BZjONL]
>>107
前スレ読んでみ。もっと驚くからw
artofspirit.hp.infoseek.co.jp/threadlog.html

109 名前:名無しより愛をこめて mailto:age [04/11/06 01:41:34 ID:MpfEZ9tB]
>>106
早苗ちゃんって悪女かなあ。啓介や千鶴ちゃんをだしに使うちょっとちゃっかりした女の子程度の認識しか俺にはないけどね。

110 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/06 15:56:48 ID:qRFpjdIi]
>>109
女はみんな魔物なのだよ。

111 名前:PRIME mailto:age [04/11/07 01:48:37 ID:rOS5TR5Q]
>>BeeFreakさん
新しいSS読ませていただきました。コミック版仮面ライダーXの「サソリジェロニモの逆襲」に話が似ているなって言うのが読んだ直後の感想です。
さて今回のヒロイン梨緒ですが、個人的には感情移入できませんでした。妹を殺された悲しみはわかるとしてその妹を殺したヒーローを逆恨みして妹を改造した悪の組織に自ら魂を売るとは…。
妹を改造した悪の組織に殴り込みをかけたところを捕まって洗脳されて改造されたのならまだわかりますが、自ら悪魔に魂を売った時点で彼女の運命はもう決まっていたのですね。
ただヒーローの妹を殺さなかった(殺せなかった)ということはわずかに彼女に良心が残っていたのでしょうか?
そしてヒロインの妹の改造シーンでの物語の終了。この後どうなるのかと色々想像してしまいます。
個人的にはこの後の続きが見たい一作です。
色々生意気言ってすみません。

112 名前:PRIME mailto:age [04/11/07 01:50:00 ID:rOS5TR5Q]
>ヒロインの妹の改造シーンでの物語の終了。

あれはヒーローの妹の改造シーンでの幕切れの間違いです。すみません。




113 名前:名無しより愛をこめて [04/11/07 02:34:18 ID:HPyT/mCd]
=======================================
       ★コテハンの皆様へ★

まだ<ex7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1099759026/
に書き込んでいないコテハンさんは、いますぐカキコしてください。

・いつもいる板
・自己紹介
・そのほかなにかあれば

2chのすべてのコテハンを集める壮大なプロジェクトです。ご協力お願い致します。
※なお、これを機にVIPに棲みつくのはご遠慮いただきたく思います。
=======================================

114 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/07 04:07:34 ID:CbrlXlFx]
>>111
PRIME 様
SSの感想、さっそくありがとうございました。
感想をいただけるとは思っていなかっただけに、嬉しいです。
サソリジェロニモに限らず、怪人の家族がヒーローに復讐する話ってよくありますよね。
あれの女の子バージョンを書いてみたわけです。

さて、自ら悪魔に魂を売ったヒロインに共感できないとのことですが、私は梨緒ちゃんに
はこの選択肢しか無かったと思っています。
と言うのは、第一に、梨緒と美緒の姉妹は自分たちの力だけで苦労して生きてきたので、
梨緒ちゃんの性格は口先だけの甘言や理想論を信じない、本当に自分たちの力になってく
れるものだけを信じる、自分の目で見たものしか信じないという、極めて現実主義的なも
のになっています。
その梨緒ちゃんが、妹が改造されたところは自分の目では見ておらず、ヒーローに殺され
るところは実際にその目で見てしまったわけです。もともと正義と悪の闘いなどの認識が
無かった梨緒ちゃんにとっては、妹が改造されてしまったことはいわば「天災」みたいな
もので、妹を殺したヒーローこそ、自分たちの敵であるという認識になっているのです。

それに、蜂女に改造された時点で、妹の美緒ちゃんの意識は完全に“ズゥ”側のものにな
っています。美緒ちゃんは、お姉ちゃんと一緒に生きられない身体になってしまったこと
は姉に対しすまないし恥ずかしいことだと思っていますが、蜂女に改造されたこと自体は
別に恨んでいないし、むしろ改造してもらえたことを“ズゥ”に感謝しています。
私の文章力が無いので、そのあたりはうまく伝わっていないのだと思いますが。
ですから、妹と強いシンパシーの関係にあった梨緒ちゃんにとっては、妹に出会った時点
で『“ズゥ”=妹の仲間、“カイゼリオン”=妹と自分を引き裂く悪魔』という認識が出
来上がってしまっているのです。
だから「悪魔に魂を売った」という表現は、梨緒ちゃんにとっては心外なものでしょう。

115 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/07 04:09:03 ID:CbrlXlFx]
梨緒ちゃんがヒーローの妹を殺さなかったことですが、もともと梨緒ちゃんは恭子ちゃん
を殺すつもりは毛頭ありませんでしたよ。ヒーローを苦しめるために利用しようとは思っ
ていましたが、彼女を苦しめるつもりはありませんでした。
だから、ヒーローを苦しめることが彼女を苦しめることになるのだと気付いて、彼女は恭
子ちゃんを利用することはやめ、ヒーローとの心中を選んだわけです。
だから、別に「彼女の心の中に一片の良心が残っていた」とかそんなじゃなくて、蜂女に
改造されても梨緒ちゃんは、ずっといい子だったわけです。

ラスト、ヒーローの妹が蜂女に改造されてしまったわけですが、この恭子ちゃんも美緒ち
ゃんと同様、改造されると同時に洗脳され、“ズゥ”側の人間になってしまいます。
つまり、兄=ヒーローを愛しているし大事に思っていることに変わりはないのですが、兄
のしていることは間違っている、何とかして兄の考えを変え、“ズゥ”の邪魔をさせない
ように仕向けなければならない、という価値観に、骨の髄まで染められてしまっています。
彼女は改造されたことを隠して、兄の元に返されますが、その後はヒーローの活動を邪魔
するために暗躍します。そして正体が兄にバレた後は、命に代えても兄の行動を止めよう
と積極的にヒーローの妨害をするようになります。
もちろん、ヒーローはいくら改造されてしまったとはいえ、健気な妹を殺してしまうこと
ができず、苦悩することになります。
しかし、一度改造されてしまった者は、もう二度と元には戻れません。たぶん恭子ちゃん
はシャドームーンのように、兄に殺されるラストを迎えることになるのでしょう。恭子ち
ゃんは兄の行動を止められなかった自分の不甲斐なさを呪いつつ、“ズゥ”万歳!と叫ん
で死ぬのでしょうね。

PRIMEさんには、どうしようもなく不条理に感じられるかも知れませんが、私は正義のヒ
ーローの闘いとは、それくらい悲痛で孤独なものなのだと思います。

自分の作品について言い訳をするのは恥ずかしいことですね。
スレ汚しになって申し訳ありませんでした。
PRIMEさんの「ローズジャマー」編、いよいよ盛り上がりですね。期待いたしております。

116 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/07 07:56:41 ID:/Li7/rYG]
「萌える改造シーンとかありますか?」
salami.2ch.net/sfx/kako/988/988109260.html

117 名前:名無しより愛をこめて mailto:age [04/11/07 23:41:46 ID:ogzHCSZy]
コミック版仮面ライダーXの「サソリジェロニモの逆襲」って何?

118 名前:PRIME mailto:age [04/11/08 02:21:15 ID:NX3UDX4/]
>>BeeFreakさん
自分のくだらない書き込みに真摯なレスをしてくださりありがとうございます。
同時に私の書き込みでもし気分を害されたのなら申し訳ございません。あなたのSSを一読した後直感的に感じたことを書き込んだものなのであまり深く考えないで下さい。
こうやって見ると私のSSなんて奇麗事ばかり並べた上滑りなものですね。現実の戦いは明るくかっこいいものではありません。戦いにあるのは残酷な現実とそしてあらゆるものの破壊。
どうやら私はもっと修行すべきですね。今のSSを書き終えたら少し修行しようと思います。

後前スレの母親改造ですが、自分はモデルとして新潟地震で車に閉じ込められた母親と男の子を推薦します。
不謹慎な話で恐縮ですが、あのニュースを聞いたとき直感的にモデルにふさわしいと思ったもので…。

119 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/08 13:09:58 ID:6GJDTSYd]
文体は丁寧だが最低のサイコ野朗だ
ヘドが出る

120 名前:名無しより愛をこめて [04/11/08 18:11:28 ID:YsPwEi7K]
>>118
最後の2行は余計だったな。
あんたのこと大嫌いになったよ。

121 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/08 23:06:05 ID:wSomSPZL]
>>118
“ああいう”命がけの母性を発揮した親を改造するというシチュエーションは考えただけでドキドキしますが、
事件の印象からしてまだ日が浅すぎます、もうちょい待ってから使ったほうがいいネタかと。

122 名前:PRIME mailto:age [04/11/08 23:13:31 ID:LLwToC+V]
>>119さん
>>120さん

不愉快な思いをさせて申し訳ございません。確かに死んだ人をネタにするなんて軽率でした。
死んだ女性やその坊やにも、そしてこのスレを見ておられるすべての人々にも申し訳ないことをしたと思います。
何の罪もなく死んだ人を冒涜することは決して許されないことです。
自分はそんなつもりはなくても結果的に死者を冒涜した私がどう罵られようと返す言葉がありません。
この件に関しては自分も何らかのけじめをつけないといけません。
丸投げと批判される事覚悟で言わせてもらえば、まずは謹慎して皆さんからの沙汰を待ちます。そしてどんな処分も甘んじて受けるつもりです。
謝ってすむ問題ではありませんが重ねてお詫びします。どうもすみませんでした。




123 名前:名無しより愛をこめて mailto:age [04/11/09 11:56:35 ID:oOeEQR2i]
まあPRIME氏の処分はここのスレ主であるBeeFreak氏に決めてもらうのが一番じゃないかな?
俺はBeeFreak氏に全部任せる。

124 名前:名無しより愛をこめて [04/11/09 13:02:02 ID:wcxzmTuT]
123=PRIMEなことがバレバレなわけだが


125 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/09 13:03:17 ID:BlQspRIa]
>>123
ここってBeeFreak氏マンセースレだったの?
じゃあ情報交換したいだけの俺は去るわ。

126 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/09 13:15:20 ID:Y6IP5xS/]
>>125
お前、何か情報持ってたっけ?

127 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/09 13:50:54 ID:BlQspRIa]
>>126
お前みたいにクレクレいってるだけの人生も楽しそうだな。
うらやましい。

128 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/10 00:27:32 ID:heSoR+YZ]
うーん。漏れはただスレが新たに必要になったので立てただけで、スレ主なんてことは
ないと思っているのですが…。
スレ主無しに、みんなでスレを盛り上げてゆくのがベストだと思います。

で、PRIMEさんなのですが、このスレのような妄想の世界に、現実の悲劇を持ち込んで
しまったのは確かに軽率で思慮が足りなかったと思うのですが、別に悪気があってした
わけじゃないし、本人も反省しておられるようなので、漏れとしてはしばらく謹慎され
て(ひと月くらい?)、ROMに徹されれればよろしいのではないかと思います。
それでも許せない、という方もおられるかも知れませんが、PRIMEさんがいなければこ
のスレがこんなに続くことはなかったと思うので、その功績に免じて勘弁してあげてい
ただけないかとお願いいたします。

PRIMEさんも謹慎されている間に、どうかSSの続きを書き溜めておいて下さい。
小出しにされて他のレスにまぎれてしまうより、一気に吐き出された方が読む方も楽だ
し、スレもすっきりすると思います。
で、もうこのスレには書き込みたくない、でもSSの続きだけは発表したい、ということ
であれば、漏れのところ(wild_fire@infoseek.jp)にメールしていただければ、ま
とめサイトの方に転載させていただきます。

とりあえず、後で角が立たないように皆でうまく融通し合って、このスレを維持しまし
ょう。
甘いことを言ってるようですが、あくまで個人的意見です。
他の方のご意見も聴かせていただければと思います。

129 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/10 07:34:19 ID:z01C2kqA]
過去ログ発掘。下の過去ログの223と244に、悪の組織に誘拐されて
凄まじい性の快楽のなかで改造されてゆく処女のSSがあるよん。

「女仮面ライダーは実現不可ですか」
salami.2ch.net/sfx/kako/990/990672891.html

130 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/10 16:33:40 ID:tEAxz7J5]
改造人間ものじゃないけど、美少女強制機械化改造ものの基本サイト貼っとくね。

人形姫
ttp://dollprinses.at.infoseek.co.jp/
機械化淑女プロジェクト
ttp://cool.nasite.net/~mlp/
妄想ドカン
ttp://cone.sakuratan.com/dokan/

131 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/10 16:39:41 ID:XeTT7Z1m]
節操の無い奴がいるな。蜂娘祭に書いてたかと思うと今度は蜂女の館か・・・

132 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/10 17:34:21 ID:MeUZd88q]
この場合の節操って何?



133 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/10 19:29:37 ID:w9xeXj7U]
また蜂娘祭関係者か
どこに投稿しようが勝手だろうが
バカジャネーノ


134 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/11 00:11:46 ID:Py8OUJrZ]
>>PRIME 様。
まる一日経ちましたが、異論が出ないようなので、PRIME様の沙汰につきましては
スレ民の皆さまも「しばらくのご謹慎」ということで納得されたものと存じます。
しばらく寂しくなりますが、充分に英気を養って、再び復活されますことを期待
しております。

>>131-133
今回「蜂女の館」に、「蜂娘祭」ほかでもご活躍の舞方雅人氏のSSを掲載させて
いただきましたが、別に舞方さんは「蜂娘祭」の専属でも何でもないので、どこに
作品を発表されても構わないと思いますよ。
今回「蜂女の館」での掲載となったのは、人妻が主人公なので「蜂娘祭」での掲載
が難しいものと判断なされたからです。2ちゃん本スレから生まれた「蜂女の館」は、
前スレが“母親改造”で盛り上がったのを見てもわかる通り、改造されるのにの年齢
制限を設けていませんからw。「蜂娘祭」よりも受け入れやすかったのです。
なお「蜂女の館」でのSS掲載は、広く募集することにしましたので、どなたでも
ご参加いただければと思います。よろしくお願いいたします。

135 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/11 01:01:51 ID:gXAwDGTw]
>>119
>サイコ野朗

どうやったら「野郎」を「野朗」に変換できるのかい(笑)

136 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/11 10:05:42 ID:UwDnoxfg]
揚げ足取り乙

137 名前:名無しより愛をこめて [04/11/11 12:12:40 ID:1x/eldBZ]
age

138 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/11 15:47:36 ID:UJKpbAD6]
名無しで書き込む事を謹慎とはいわない。

139 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/12 09:58:08 ID:hj93DE/B]
オニャノコ改造の、上限年齢と下限年齢について、おまいらの意見を聞かせていただきたい。

140 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/12 10:03:54 ID:CGff0a2K]
>>135
野朗でぐぐると結構出るね
PRIMEさん

141 名前:名無しより愛をこめて [04/11/12 17:31:21 ID:1rW46ptr]
下限22歳上限28歳。もちろん素体によって違うが。

142 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/12 17:59:52 ID:z4Nd1L5V]
上限39歳下限10歳(ただし10〜18歳までは戦闘員のみ可)


職人様方、戦闘員化処理(あえて改造でなくて)もっと書いて〜書いて〜。



143 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/12 18:04:51 ID:KmyZtthS]
3〜40

144 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/11/12 19:31:30 ID:Sog44fiv]
提案なんだけど、皆で理想の改造素体と、女怪人のアイデアを出しあって、
それで職人さんにSS書いてもらうってのはどう?

145 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/13 03:13:02 ID:UQWXELTN]
BeeFreakです。また新たなSSを書いてしまいました。
今回は何と、ゴシックホラー仕立てです。謎の館に迷いこんだ8人の男女が、次々と罠に
かけられてゆきます。でもなかなか思うように怖くなってくれませんでした。
今回、秘密結社メギドによって蜂女に改造されるのは、朝倉咲也ちゃん19歳、葉月るみち
ゃん19歳、川瀬綾奈ちゃん18歳、それに西澤裕美子ちゃん21歳の、女子大生4人です。
なお、登場する館の構造がわからないと楽しみが減ると思いますので、間取り図を作って
おきました。(↓)をご参照下さい。
artofspirit.hp.infoseek.co.jp/madori.gif

またも長文のSSで申し訳ありません。しかも、なかなか改造手術が始まらないのでやきも
きされる方もいらっしゃるかも知れませんが、どうかお許し下さい。
漏れは特にリクエストがないと、こういうふうに毛色の変わったものを書き始めてしまい
ます。正統派の美少女改造ものがお好みの方は、リクエストを下さるとありがたいです。
それでは。ゆっくりお楽しみ下さい。

146 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/13 03:14:03 ID:UQWXELTN]
突然の嵐だった。
それまで雲ひとつなかった空が、何の前ぶれもなく闇に包まれた。そして轟雷とともに、
激しい驟雨が襲ってきた。
海水浴を楽しんでいた8人の男女は追われるようにして、高台にある館めがけて必死で駆
け上がった。激しい水しぶきで、足元すら見えないような凄まじい雨だ。ほうほうのてい
で館の玄関に辿りつき、玄関前に張り出した幌の下に非難した8人は、肩で息をしながら
もようやく人心地をつけることができた。
「全員そろってるか!?」アロハシャツを着た石倉翔吾が、素早くメンバーの数を確認した。
大学ではヨット部に所属する体格のいいスポーツマンで、“大将”とあだ名される、この
メンバーのリーダー格である。「とりあえず、ここで雨宿りさせてもらおう。」
「畜生! 何が《雨の確率10%》だよ。」大きなビーチパラソルで女の子たちをかくまいな
がら走ってきた、長身の元木夏彦が悪態をつく。ワイルドで大ざっぱな性格だが責任感の
強い男だ。さすがのビーチパラソルもこの豪雨の中全力で走ったため、骨が何箇所か折れ
てひしゃげてしまっている。
「咲也ちゃん、これありがと。」パーカーをはおる暇もなくビキニのままで走ってきた西
澤裕美子が、被ってきたビーチマットを朝倉咲也に手渡した。裕美子ははちきれそうなボ
ディの大人びた美女で、面倒見のいい性格のためみんなから“ママちゃん”と呼ばれてい
る。元木夏彦とは恋人同士だ。一方の朝倉咲也は“姫”とあだ名される、一流国立大に通
う知的美人。ドラえもんのごとく、彼女のバッグに入っていないものはおよそ無いと言わ
れるほど、何事にも用意が良くそつがないのが彼女の長所だ。赤いサマードレスをぐっし
ょりと濡らした咲也は、日傘の水を切りながら裕美子に向かって答えた。「ね、ゆみちゃ
ん、みんなの荷物を一箇所に固めて、そのマットで守ってくれない?」
荷物といっても大したものはない。みんな軽装だった。男女別に2台の車に便乗してきた
彼らは、着替えやほとんどの荷物を車に残したまま海岸に出てきたからだ。

147 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/13 03:15:03 ID:UQWXELTN]
クシュン! 最年少の大学1年コンビのひとり、葉月るみがくしゃみをした。裕美子と同じ
く上衣を取り出す暇がなく、ワンピースの水着にタオルのみの姿だ。くったくの無い明る
い性格で、みんなの妹分として可愛がられている存在である。コンビのもう一方、水着の
上から花柄のペアワンピースを着た川瀬綾奈が心配そうに彼女の背中をさする。大人しい
眼鏡の少女で、幼なじみのるみにいつもくっついて行動している。内向的な彼女がこのグ
ループの中にいるのも、るみに強引に引っ張られたためだ。
「…このままじゃみんな風邪をひいてしまうな。早く身体を乾かさないと。」身体を拭い
たタオルを絞りながら、藤原和樹が心配そうにつぶやいた。彼は咲也に負けないインテリ
で頭も切れるが、人当たりのいい男だ。名前の“和樹”が“わき”と読めるため、子供の
ころから“ワッキー”や“ワッケイン”とあだ名されているが、今は“ワクさん”と皆に
呼ばれている。
「…もう少し小やみになったら、俺が走って車を取ってくるよ。こんなとこに連れて来た
責任があるからな。」相良遼一が皆に向かってすまなさそうに言った。口数は少ないが、
時折り鋭いことを言い、また突拍子も無いことをしでかす男だ。夏彦や和樹が荷物からT
シャツを取り出してはおろうとしているのに、彼は海パン一枚で荷物すら持っていない。
遼一はこのグループ旅行の企画人であり、一同が現在滞在しているのは、彼の母方の祖父
の家だった。極度のおばあちゃんっ子であることが昨夜みんなにバレてしまい、それ以来
皆からずっとからかわれている。
「別にお前のせいじゃない。無理するな。」翔吾がフォローを入れた。雨はますます強く
なる一方だ。500メートルほど離れた場所に停めた車になど、とてもたどり着ける状態で
はない。浜辺を自由に使えるのをいいことに、車からあまりにも離れ過ぎたのだ。

148 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/13 03:16:04 ID:UQWXELTN]
大学も学部もバラバラのこの8人は、彼らの住む市が昨年秋に主催した、国際文化交流フ
ェスティバルのボランティアで知り合った仲だ。海外から招かれた芸術家と共に合宿しな
がら、地域住民とともに巨大な作品を作るというこのイベントは、参加ボランティアたち
の距離を一気に縮めてくれた。すっかり意気投合した8人はそれからも時々、こうして休
日を一緒に楽しんでいる。
今年の夏、彼らは遼一の母方の実家近くにあるという穴場海水浴場を目指して、2泊3日
の日程で遊びにやって来た。この「舞ヶ浜海水浴場」は、バブル時代には周囲にペンショ
ンが幾つも建ち並ぶほどに繁盛したらしいが、都会からの交通が不便なため現在は寂れて
しまった場所だ。追い打ちをかけるように、今年6月の豪雨災害で途中の県道が通行不能
となり、観光客はすっかり途絶えてしまった。それでも設備が整った隣の海水浴場にはま
だ客の姿もあるのだが、シャワーや更衣室の設備がないこの浜辺は、彼ら8人のプライベ
ートビーチと言っても良い状態だった。
そのプライベートビーチで、彼らは真夏のひとときを満喫していた。突然の豪雨が彼らを
襲った、つい数分前までは。
グワーン!! バリバリッ!耳をつんざく轟音が周囲に響いた。「キャアッ!!」るみと綾奈が耳
を押さえてうずくまった。すぐ近くに雷が落ちたらしい。
「やべぇ。どんどん暗くなってきやがった。」夏彦がいまいましそうに言った。
「ちょっと!? いくら何でも暗過ぎやしない? まだ4時前なのに、まるで日が暮れた後みた
いじゃない!?」
咲也の指摘通り、周囲は5メートル先も見えないくらい真っ暗だ。雷はひっきり無しに鳴
り響き、8人はますます心細くなってきた。

149 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/13 03:17:04 ID:UQWXELTN]
館の入り口にもたれていた綾奈が、急に叫んだ。「あの、この扉、開いてますよ!」
皆は一斉に彼女の方を見た。綾奈がドアの取っ手をひねると、ギギーと音がして、重い扉
が内側に向かって開いてゆく。だが、中は真っ暗で何も見えない。
「…ねえ。中でちょっと休ませてもらわない? このままじゃみんな風邪ひいちゃうわ。」
裕美子が提案した。一同は、思わず顔を見合わせた。
彼らが雨宿りしているのは、海水浴場を見下ろす高台の上に立つ、瀟洒な洋館だ。どうや
らバブル時代に建てられその後廃業した、ペンションのひとつであるらしい。かなりがっ
しりと作られた本格的な洋館で、扉の造作ひとつとっても物々しい。その荘重な雰囲気と、
内部の暗さのために、彼らには中に入ることが躊躇われたのだ。だがこのままでは、らち
があかないことも事実だ。
「とりあえず、身体が乾くまで中に入りましょうよ。」裕美子が皆をせっつく。
「勝手に中に入ったら、家宅侵入罪になるんじゃないのか?」夏彦が不安そうに訊ねる。
「厳密に言えばそうなんだが、俺たちもこんな状態だからな。緊急避難で大目に見てもら
えると思うよ。」和樹が自身無さそうに答えた。
「悩んでいても仕方が無い。しばらく休ませてもらおう。」翔吾が結論を下した。
「ごめん下さーい! ちょっと失礼しまーす!」
こうして、彼ら8人はこの洋館の中へと、足を踏み入れた。それが、巧妙に仕組まれた悪
魔の罠であることに気付かないまま。

150 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/13 03:18:03 ID:UQWXELTN]
全員が館の中に入ったとたん、ギーッ、バタン! という音とともに、扉が勢いよく閉まっ
た。周囲は完全な闇に包まれた。
「キャッ!」るみと綾奈が悲鳴を上げた。他の者も、驚きのあまり思わず息を飲んだ。裕
美子は綾奈たちの方に駆け寄った。「大丈夫よ。ドアが閉まっただけだから。」
咲也が急いで携帯を取り出し、バックライトでドアノブを照らした。夏彦が取っ手を掴ん
で押し下げようとした。だが取っ手は堅く、びくともしない。
「おい! 開かないぞ! どうやら閉じ込められたらしい!」
「古い建物で、鍵が錆びてるんじゃないか?」
「わからん。ともかく出られそうにないんだ!」
夏彦は必死でドアを蹴り、取っ手を渾身の力で押し下げる。一同は心の中に不安が這い上
がってくるのを感じた。ドアの向こう側ではまだ嵐が荒れ狂っているらしく、窓をガタガ
タ鳴らす音だけが響いてくる。
と。突然、周囲が明るくなった。
「!」不意を突かれて、一同は目を丸くした。見ると遼一が、電灯のスイッチをひねった
らしい。
「電灯、生きてるぜ。」
「…どういうことだ? このペンション、廃屋じゃなかったのか?」和樹が首をひねった。
「ねえ! 見てこのシャンデリア!」
咲也が目を輝かせて、ホールの中央目がけて駆け出した。
「ドーム工房のデザインよ。それにこの、アール・ヌーヴォー風の階段の手すり。純ヴィ
クトリア調の仕上げじゃない! このラダーバックの椅子はマッキントッシュよ。すごい
わ!」デザイン学を志している咲也は、喜びを押さえられないといった表情でホールの中
をくるくると回った。

151 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/13 03:19:40 ID:BFUHMBnm]
一同の前には、2階まで吹き抜けになった、巨大なホールが広がっていた。壁も床も、重
厚な茶褐色の木で造られている。彼らの正面には、2階へ昇る幅の広い階段があり、昇り
切った場所から手前に向かって、幾つもの円柱に支えられるかたちで2階の廊下が「門」
の字形に延びている。円柱のひとつひとつに取りつけられた照明も、凝った造りだ。ホー
ルの両脇には幾つも木の扉が並んでいるが、どれも荘重な造りで、重々しい雰囲気をかも
し出している。
「すごいわ。確かにこれはお金かかってる!」裕美子もしきりに関心した様子だ。
正面階段の右端に、西洋の甲冑が置かれている。金色に輝く、かなり豪華なつくりの鎧だ。
「…何だか、薄気味が悪いね。」るみが綾奈に同意を求めた。話しかけられた綾奈の顔も
何だか引きつっている。
その会話を小耳にはさんだ夏彦がスタスタと歩み寄り、鎧を小突いた。「なんだるみちゃ
ん、鎧が怖いのか?」そして鎧の顔面を覆う、面頬を押し下げて中を覗き込んだ。
「おーい。誰かいませんかー? …ほらね、中はカラッポだよ。」そう言って笑った。
和樹はしゃがみこんで、床を指でなぞった。そして翔吾に話しかける。
「ほら。チリひとつ指につかない。ここはやっぱり廃屋じゃないぞ。」
「人がいるかも知れない、ってわけか。」翔吾は大声で、奥に向かって叫んだ。「すみま
せーん!! どなたか、いらっしゃいませんかー!! 」だが、一向に返事は返って来ない。
翔吾はとりあえず、ホールの中央に一同を集めた。
「どうやら誰もいないみたいだが、いつ人が戻ってくるかわからない。叱られないよう、
軽はずみな行動はするなよ。まず身体を乾かし、休む場所を見つけよう。2人一組で行動
するんだ。パートナーとは決して離れないこと。そしてお互いの声が聞こえるよう、部屋
の中に入るときは、必ずドアを開けっぱなしにすること。」
一同は頷いた。
「それじゃあ、2階の左側は姫さんとワクさん、右側は遼ちゃんとるみちゃんで調べてく
れ。1階の左側は夏やんとママちゃん。右側は俺と綾ちゃんだ。何かあったらすぐに大声
で知らせること。じゃあ調査開始だ。」

152 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/13 03:21:04 ID:BFUHMBnm]
皆が散り散りに去った後、翔吾は綾奈を連れて、1階右側の扉を開けて中に入った。照明
を点けると、中は丸いテーブルが幾つも並んだ広い空間だった。どうやら食堂らしい。丸
いテーブルの上にはクロスが掛けられ、皿が並べられている。まるで宿泊客がいるかのよ
うに。
翔吾たちはゆっくりと中に歩み入った。食堂の右側、館の入り口に近い側には大きなグラ
ンドピアノが置かれている。ピアノのさらに奥は、椅子が円形に配置された、8角形のサ
ンルームになっているらしい。左側の奥には、巨大な暖炉がしつらえられていた。彼らの
正面、扉が並ぶ壁の反対側は、庭に面しているらしく大きなガラスサッシが並んでいる。
外はどうやらテラスになっているようだ。
綾奈が、ふと大変なことに気付いた。
「石倉さん…ねえ石倉さん。雨、降ってないですよ!」
「何ッ!?」翔吾はあわててガラスに駆け寄った。さっきまであれほど荒れ狂っていた嵐が、
何事も無かったかのように治まっている。ガラス扉のロックを外して開け放った。何と、
テラスには雨に濡れた痕跡すら無いではないか。2人は狐につままれたように呆然と空を
見上げた。空は星ひとつ見えない暗黒の空間だった。そして彼らの前方に拡がる空間も、
やはり漆黒の闇であった。
「…どういうことだ。まだ午後4時前のはずだぞ!?」
綾奈が、急に腕を抱えてガタガタと震え出した。「どうした綾奈ちゃん?」
「…石倉さん…ここ…何かいます…」
石倉の顔は蒼白になった。「何だ? 何がいるんだって?」
綾奈は首を振った。「わかりません。…でも、何かいるんです。」綾奈はそういうのがや
っとだった。
翔吾はガラス扉を閉じ、綾奈の肩を抱いて椅子に座らせた。「いいか綾奈ちゃん、気をし
っかり持て。不安がそんなふうに錯覚させてるんだ。何もいやしない。何もいやしないよ。」
翔吾は、綾奈に何度も念を押した。まるで、自分自身に言い聞かせるように。



153 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/13 03:22:03 ID:BFUHMBnm]
夏彦と裕美子が足を踏み入れた、いちばん左側奥の部屋は、何と浴場の更衣室だった。や
はりこの建物はペンションであるらしい。
「ほぉっ。ここは女風呂だぞ。俺、女風呂に入るのは初めてだぜ。」
夏彦は笑いながら浴室に足を踏み入れた。さすがに湯船には湯は満ちておらず、からっぽ
だった。「へえ、本格的なサウナまでついてやがる。」
「夏彦! キョロキョロしてないで、タオルか何か探すのを手伝ってよ! 更衣室なら何かあ
るはずよ。」
そう言って裕美子は、洗面台の下に並んだ扉をひとつひとつ、開けて内部を確かめて回った。
「変ね。なんでこんなものがあるのかしら?」
そう言って裕美子が取り出したものは、蜂蜜のガラス瓶だった。どういうわけか扉の中に
は、蜂蜜の瓶がギッシリと詰め込まれている。
「なぁ裕美子! 今度どこかの温泉で、家族風呂を借りないか? 露天風呂がいいな。青空の
下で、一度お前とヤリたいんだ。」
「もう! 何言ってるのよこんな時に!」裕美子は顔を赤らめて抗議した。彼女が夏彦の方
に振り向いたその時、外壁の高い位置に付けられた小さな窓が目に入った。そして彼女は、
窓の向こうにいた“そいつ”と、目が合ってしまった。
「キャッ!」裕美子は短い悲鳴を上げた。あわてて浴室から夏彦が飛び出してきた。
「どうした! 何があった!?」
裕美子はガタガタと震えながら、窓の方を指差した。
「あ…あれ…あれ…」
「何もいないじゃないか。」
「…いたのよ! あれが…あれが!」
「あれって何だよ? さっぱりわからないぞ。」
「目よ! ギラギラとした目。こっちを覗いてたのよ!」
「覗きか? 近所の出歯亀か何かか?」
「違うの! あれは…人間じゃない! 人間の目じゃなかったわ!」
「じゃあ、タヌキか野良猫だろう。お前、言ってることが支離滅裂だぞ。」
裕美子はへなへなとその場に座り込み、首を何度も横に振った。
「違うの…あれは…あれは!」

154 名前:BeeFreak mailto:sage [04/11/13 03:23:04 ID:BFUHMBnm]
2階には、客室が幾つも並んでいた。咲也と和樹の二人は、左側の客室をひとつひとつ調
べて回ることにした。幸い、どの扉にも鍵はかかっていないようだった。
「ステキ! 部屋の調度もビクトリア調だわ。ほら、暖炉まである!」咲也は本来の目的を
忘れて、調度品を調べるのに夢中だ。和樹は部屋に設えられたユニットバスをのぞき込み、
ハンガーにタオルがかかっているのを発見した。
「こりゃありがたい。姫さん、タオルを集めるのを手伝ってよ。」
ランプシェードを調べていた咲也は残念そうに立ち上がったが、それでも手際よく次々と
部屋を回ってタオルを集め、和樹に手渡していった。
階段から見て一番奥、入り口側に近い部屋に入った時、 咲也は奇妙なものを見つけた。
ツインベッドの片方、布団の中央が、やけに盛り上がっているのだ。
「ちょっと藤原君、これ見て。」急いで和樹を呼び寄せた。
「…布団の中に、誰か隠れてるんじゃないか?」
「やめてよ。そんなはずないじゃない。」そう言って、咲也は掛布団をさらりとめくった。
そこに…現れたものは…
黒い、得体の知れない塊りだった。
その塊りはザワザワと蠢き、波が引くように崩れて、周囲に広がっていった。塊りの一部
は、黒い粒々となって布団を手にした咲也の腕にまで這い昇ってきた。
「ヒイッ!!」咲也は声にならない悲鳴を上げ、狂ったように激しく腕を降ってそいつを振り
払った。そして絶叫しながら部屋から飛び出していった。「イャアアアアアアッ!!!」
それは、黒い蟻の群れだった。そして蟻の群れがいずこともなく散らばっていった後には、
黒い、ひからびたミイラがベッドの中央に残されていた。






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