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うら若き女性が改造されるシーン



1 名前:BeeFreak [04/10/26 01:29:23 ID:K4X2E2bn]
容量宣言を受けたので新スレです。

前スレ【女子高校生位の子が改造されるシーン】
tv7.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1043884297/

関連サイト
【女性改造人間物語】 319氏、325氏によるSSが保管されているまとめサイト。
remodeledwoman.myfws.com/
【蜂女の館】 508(BeeFreak)による、蜂女改造SSの保管庫。
artofspirit.hp.infoseek.co.jp/

331 名前:BeeF mailto:sage [04/12/03 23:53:02 ID:Abz+QcsN]
>>325
漏れでよければ、書けないことはないですよ。
ただ、女先生の名前がわからないので伏せ字にするか、仮名になってしまいますが、
それでもよろしいですか?

>>328
漏れもそろそろ、PRIMEさんに戻ってきてもらいたいです。
SSを書かれる方の数は、多ければ多いほど賑やかになっていいです。
確か8日で謹慎が始まってちょうどひと月になるはずなので、その頃にでも
SSの続きを引っさげて復活願いたいと思っています。
この書き込みを読んでおられたら、PRIMEさん、そろそろ準備をお願いしますね。

332 名前:325 mailto:sage [04/12/04 00:03:56 ID:Mr7xd7nv]
BeeF様、もちろんOKですよ。むしろお願いしたいくらいです。
別に仮面ライダーの設定にはこだわらないので思うとおりに書いてください。
私はこのスレのSS書きの方にとどまらずに、他のサイトでSSをお書きになっている方で、こういう改造SSを書いてみて欲しい人はいないですかというつもりだったのです。
たとえば、BeeF様のところに投稿された舞方雅人氏とか。
私としては舞方氏あたりにも書いてみて欲しい気はします。
もちろんあくまでたとえばの話ですよ。

333 名前:BeeF mailto:sage [04/12/05 00:40:28 ID:QZM3Bsn4]
>>332
それじゃあ、ちょっと書いてみましょうか。
ただ女先生の名前は、どう付けたって嘘になってしまうので、開き直って「黒沢ゆかり」
にしました(爆)。性格は言うまでもなく、名字さんの方です。
あとドラスの設定とかも本編とはちょっと違いますが、ご愛敬だと思って下さいね。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ずいぶん遅くなったが、ようやく来学期の指導案が仕上がった。あとは教務主任に提出す
るだけだ。
誰もいなくなった職員室で、4年1組の担任である黒沢ゆかりはペンを置き、大きく伸び
をした。
ゆかりは就任3年めの今年、ようやくクラス担任を任されることになった、24歳の新米女
教師である。生来の子供好きで世話好きな性格である上に、人目を惹く美貌の持ち主とあ
って、子供たちの人気も高い。やんちゃ盛りの男子児童たちも、黒沢先生にだけは悪戯の
手が鈍る。クラスの子供たちにとっては、憧れの女神のような存在だ。
ゆかりは立ち上がり、職員室の隅にあるロッカーから懐中電灯を取り出して、見回りの準
備を始めた。用務員が日勤であるこの小学校では、宿直を教職員が順番に義務付けられて
いる。今日はゆかりと、もう一人ベテランの木村先生が宿直当番に当たっていたのだが、
あいにく木村先生が腹痛で欠席したため、今夜はゆかり一人が夜の見回りを行わなければ
ならない。
職員室の鍵をかけ、まず宿直室で湯を沸かす準備をしてから、ゆかりは懐中電灯を片手に、
真っ暗な校舎内を巡回し始めた。
一人での見回りは初めてだ。怖くない、と言ったら嘘になる。しかしもう十数回もこなし
てきた仕事だ。ゆかりはつとめて陽気にふるまい、鼻歌を歌いながら階段の陰やロッカー
の奥などを点検して回った。

334 名前:BeeF mailto:sage [04/12/05 00:41:11 ID:QZM3Bsn4]
ふと、廊下の前方、学校の正面玄関に当たる場所に白い人影が見えた。予期せぬ出来事に、
ゆかりは一瞬、心臓が止まるくらい驚いた。
よく見るとそれは、10歳くらいの少年だった。身体全体に大きなマントのようなものをは
おっている。子供らしくない、冷ややかなまなざしを湛えたその顔に、ゆかりは見覚えが
ない。
「…きみ! 何年何組の子!? こんな時間にいったいどうしたの!?」
ゆかりが問いただすと、少年は妖しい微笑みを浮かべ、十字路になった廊下の陰に姿を消
した。
「こら、きみ! 待ちなさい!!」
ゆかりはあわてて少年の後を追った。忘れ物を取りに来たのだろうか。だったら教室まで
案内しないと、真っ暗な廊下は危険過ぎる。
少年が姿を消した十字路を曲がったゆかりは、いきなり、何物かに首根っこを掴まれて宙
吊りにされた。
「キャッ!」
目を開いたゆかりは、自分の首を掴んでいる者の姿を見て、息を飲んだ。
…それは、人間ではなかった。緑がかった土色の、直立した昆虫のような異形の怪物であ
った。真っ赤な目をらんらんと輝かせ、額からはアンテナのような二本の長い触角が伸び
ている。
先程の少年の姿は、どこにもなかった。代わりに、怪物が少年と同じ色のマントをはおっ
ている。
「…あ…あ…ああ…」
恐怖で言葉を失い、ガタガタと震えるゆかりを、怪物は片手で宙吊りにしたまままじまじ
と見つめた。
「…ちょうどいいや。こいつにしよう。」
怪物が、まるで子供のような澄んだ声でそう言うと、いきなりゆかりを放り出した。
「キャアッ!!」
ゆかりは自由になったが、恐怖のあまり腰が抜けて、立ち上がることができない。ガタガ
タ震えながら、後ずさるのがやっとだった。

335 名前:BeeF mailto:sage [04/12/05 00:42:09 ID:QZM3Bsn4]
怪物は右手を胸の前にかざすと、手のひらに意識を集中させた。一瞬輝いたかと思うと、
手のひらの中に、小さな怪物が出現した。
人型の怪物が、手の中の小さな怪物を床に放した。それはみるみるうちに巨大化し、体長
80センチほどの大きさになった。
それは、髑髏のような腹部を持った、形の崩れた真っ白な異形の蜘蛛であった。長い8本
の肢をせわしなく動かし、床の上をはい回っている。
「…さっき、うっかり“アイツ”にやられてしまったからね。戦闘エネルギーが不足して、
自由に動けないんだ。仕方がないから分身を造ろうと思ったんだけど、材料が足りなくて、
こんなのしか造れない。だから、キミのからだ、材料に使わせてもらうよ。」
人型の怪物が、ゆかりに向かって無邪気な声でそう言った。
材料ですって!? わたしの身体が? ゆかりには、怪物の言葉の意味がつかみかねた。
怪物がゆかりの方を指差したとたん、床の上を這い回っていた怪物蜘蛛が、キイ、と小さ
く鳴いて、ゆかりの方に向かって勢いよく走り出した。
「イヤっ! 来ないで! イヤッ!!」
蜘蛛が自分の方に迫ってくるのを知ったゆかりは、四つんばいになってあわてて逃げ出そ
うとした。だが蜘蛛の方が、はるかに足が早かった。蜘蛛はピョン、とジャンプして、ゆ
かりの右脚の上に飛び乗った。
「イヤァーーッ!!」
ゆかりは必死で脚をブンブンと振り、怪物蜘蛛を払い除けた。床に落ちた蜘蛛は、ギイ!
と一声鳴いて、身体を大きくもたげた。
蜘蛛の身体の前半分が、裂けたかのように大きく開いた。それは巨大な口であった。その
中から息を吐くように、白い霧のようなものが勢いよく噴出された。
それは、目に見えないくらい細い糸の集合体だった。糸は逃げようとするゆかり目がけて
放たれ、彼女の両脚にからまりついた。
怪物蜘蛛は口を閉じ、自ら吐き出した糸をたぐり寄せ始めた。ゆかりの身体が、少しずつ
蜘蛛の方に引きずられてゆく。
ゆかりは必死で踏んばった。爪が裂けて血が流れた。
「イヤっ! 助けて! 誰か助けて!! 誰か!!」
誰も来るはずがなかった。この広い校舎内に、人間はゆかり一人しかいないのだ。どんな
に大声を上げたとしても、外まで悲鳴が漏れることもない。

336 名前:BeeF mailto:sage [04/12/05 00:43:09 ID:QZM3Bsn4]
怪物蜘蛛はゆかりをたぐり寄せると、刃物のように鋭い長い肢をふるい、ゆかりの衣服を
切り裂いていった。
「キャアッ!!」
衣服はたちまちボロボロの布きれとなって舞い散り、雪のように白い柔肌があらわになっ
た。
「…いいかい。そいつはエサじゃないよ。そいつはキミの新しい身体だ。傷付けないよう
に、大事に扱うんだよ。」
人型の怪物が、優しげに蜘蛛に向かって言った。ゆかりは四つんばいの姿勢のまま何とか
逃げ出そうとあがいたが、どうしても脚に力が入らない。
蜘蛛がジャンプして、ゆかりの形の良い尻の上に飛び乗った。あまりのおぞましさに、ゆ
かりは激しく尻を振って蜘蛛を振り払おうとした。だが蜘蛛は8本の肢でしっかりとゆか
りの身体にしがみつき、振りほどくことができない。
蜘蛛が腹部を持ち上げた。腹側の皮膚が裂け、そこから内臓のような無数の蠢く触手が現
れた。触手はゆかりの股間めがけて次々と延びてゆく。
「…ああッ!!」
触手の一部が、女性の大切な部分への侵入を開始した。モゾモゾと蠢く無数の触手が、ゆ
かりの胎内にわけ入り、膣の内部を荒らし回り、子宮の中にまで入り込んできた。
「イヤッ! イヤッ!! やめて! イヤッ!!」
快楽とはほど遠い、凄まじいまでのおぞましさと不快感が、ゆかりの全身を電気のように
貫いた。別の触手の群が、今度はゆかりの肛門から内部に侵入し、直腸の中を激しく掻き
回した。
「…ウグッ…ゲエッ…いやッ…アガァッ…やめて…やめてッ!」
内臓すべてをまさぐられ、こね回されているかのような異様な感覚だった。ゆかりは堪え
がたい苦痛と吐き気に襲われ、四つんばいに固定された身体を激しくよじった。
新たな触手が、ゆかりの顔目がけて延びてきた。触手はゆかりの口から、鼻から、体内へ
の侵入を開始した。
「…ん! んぐッ! …ん! ん! ん!」
もはや、声を出すこともかなわなかった。おぞましい蜘蛛の触手がゆかりの全身に入り込
んで、身体の中をグチャグチャに掻き回しているのだ。触手が這いずり回る口の隙間から、
ゆかりは食物をぶしょぶしょと嘔吐した。鼻水が溢れ出し、目が涙でくもって見えなくな
った。股間は失禁した尿でグシャグシャに濡れている。

337 名前:BeeF mailto:sage [04/12/05 00:44:08 ID:QZM3Bsn4]
やがて、ゆかりの腰に乗った蜘蛛の腹部が、ゆかりの皮膚にズブズブと沈み込むように一
体化し始めた。蜘蛛の頭部が腹部からはずれ、口から伸ばした触手に引き寄せられるよう
にゆかりの後頭部に移動し、長いつややかな髪の上に陣取るとそのまま融合を開始した。
ゆかりの身体は、少しずつ怪物蜘蛛と一体化し始めたのだ。
《イヤぁ!! やめて!! やめてぇ!!」》身体の中に蜘蛛が入ってくるのをはっきりと感じ、ゆか
りは声にならない声で絶叫した。《わたし、蜘蛛になってしまう!!》
人型の怪物が「材料」と言った意味を、ゆかりは今、はっきりと悟った。この蜘蛛は、わ
たしの身体を乗っ取ろうとしているのだ。嫌だ嫌だ。蜘蛛になるなんて絶対に嫌だ。ゆか
りは身体を狂ったように激しく振り、身体に融合しつつある蜘蛛を振り払おうと無駄な努
力を繰り返した。
「…ダメだよ! そんなに身体を揺らしちゃ。今、大事なところなんだから!」
激しく身体を揺すったせいか、ブチッ! という嫌な音がして、ゆかりの右腕が肩からはず
れ、床に転がり落ちた。
《…わたしの! わたしの腕が!! ああッ!》
床に転がった白く細い腕を目にして、ゆかりは絶望の叫びを上げた。
ゆかりと蜘蛛との融合は、どんどん進んでいった。蜘蛛の8本の肢のうち、4本がゆかり
の腹部にまわり、しっかりと地面に肢を下ろして踏んばった。ゆかりの両脚は宙に浮き、
やがて太股の付け根からブチッ! と音を立ててちぎれ、床に転がった。ゆかりの腹部は性
器をあらわにしたまま、蜘蛛の腹部に吸収されるようにその裏側に溶け込んでしまった。
残る4本の肢は、ゆかりの肩に移動した。1本の肢が、さっきちぎれたゆかりの右腕の代
わりに長く伸び、残る3本は鋭い爪のように、肩から宙に向かって伸びていった。
蜘蛛の頭部は、ゆかりの頭の上にしっかりと融合した。ゆかりの額に、蜘蛛の3対6個の
真っ赤な単眼が溶着した。小ぶりな愛らしい唇が、二つに大きく裂け、中から幾つも大き
な牙が現れた。そしてゆかりの脳の働きも、次第に蜘蛛に乗っとられていった。
もはやゆかりは、自らの意志で身体を動かすことができなくなっていた。単眼の下にある
人間の目から、とめどなく涙を流すことしかできないのだ。

338 名前:BeeF mailto:sage [04/12/05 00:45:54 ID:QZM3Bsn4]
…そして、黒沢ゆかりという人間は、この世から姿を消した。後に残ったのは、美しい女
性の頭部と乳房を持った、巨大な異形の蜘蛛であった。
クモ女となったゆかりの脳は激しい絶望のあまり、もはや何も考えることができなかった。
「…誕生おめでとう。ボクはドラス。キミの主人だ。」
子供のような無邪気な声で、人型の怪物がクモ女となったゆかりに挨拶をした。
ゆかりは、堪えがたい空腹感を感じていた。いや、ゆかりではなく、自分の身体を乗っ取
った蜘蛛が感じていたのだ。クモ女は、笑うような無気味な声を上げ、自分の主人である
人型の怪物に向かって空腹を訴えた。
「…融合に、エネルギーを使い過ぎたんだね。いいよ。そこに落ちている、その女の腕と
脚を食べなよ。」
許しを得たクモ女は、さっき身体から切り離された、ゆかりの脚にむしゃぶりついた。
《いやあ! わたしの、わたしの脚がッ!!》
ゆかりは涙を流し、声にならない声で絶叫した。だがクモ女は嬉しそうに、ゆかりの白い
柔らかな太股に牙をくい込ませ、その水分をチュウチュウとすすった。やがて一本の脚が
ミイラのように干からびると、クモ女はもう一本の脚と、そして右腕もむさぼった。
《やめてッ! やめてやめてぇッ!!》
すっかり手脚をむさぼり尽くしたクモ女は、さらなる空腹を主人に向けて訴えた。
「しようがないなあ。明日の朝まで待ちなよ。ここで巣を張って待っていれば、朝には子
供たちがいっぱいやって来る。一人ずつ異空間にひきずり込んで、食べればいいんだから。」
《やめて! 子供たちに手をあげるのだけはやめて!! お願い! お願いだから! やめてェ!!》
ゆかりの懇願を聞く者は、どこにもいなかった。人間の目から絶望の涙を流しながら、ク
モ女は満足そうに笑い、その場に糸を張って巣を作り始めた。
「いいかい。満腹したら、キミの本当の仕事だ。邪魔な“アイツ”を倒して、ヒロシをさ
らってくるんだ。期待しているよ。」
ドラスもまた、満足そうに笑った。                 (本編に続く)

339 名前:325 mailto:sage [04/12/05 01:15:00 ID:9k4EgH4o]
BeeF様ありがとうございました。楽しませていただきました。



340 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/05 09:29:13 ID:JDccVE0B]
>>333-338
ふと思ったが「クモの怪物に身体を乗っ取られ、心は拒絶しながらも子供たちを襲う女先生」
というシチュエーションは、ライスピ2号編とビミョーにかぶるんだよな。

まさか村枝、ZO小説版までリスペクトしてたのかな?

341 名前:292 mailto:sage [04/12/05 20:59:46 ID:8Z9FA1BR]
>>304
遅レスですが、国籍は特に問いません
・・・というか洋もののコミカルなのも
和もののシリアスなのも(なぜかこのペアになってしまう)
どちらも見てみたい気もしますね・・・

342 名前:BeeF mailto:sage [04/12/06 00:35:17 ID:X7QvAdkO]
>>341
レスありがとうございます。
というか、実はもう、外人を含めた3人の工作員のシリアスな話に向けて、構想を練り始め
ていたところでした。
なかなか構想段階で難儀しているため、発表にはまだ時間がかかりそうですが、そのうちUP
しますので気長にお待ちいただけると嬉しいです。

なお現時点での設定では、女性を誘拐・改造してテロ活動に従事させている悪の組織(既に
どこかで書いたような設定ですが)のアジトに侵入するのは、特務機関XXAM(エグザム)
に所属する3名のプロフェッショナルです。
古武術の名手で射撃のオリンピック選手、元・警官の正義感の塊り「桐島ルイ 24歳」。
香港の犯罪組織「夜龍(イエルン)」によって感情を持たない戦闘マシーンとして育てられた
元・暗殺者「李閃花(リ・シャンファ) 19歳」。
金髪碧眼、アメリカの大富豪の娘でスポーツ万能、知能指数300、人並みはずれた強運の持
ち主「レベッカ・エデルソン 25歳」。
この3人の女性がそれぞれの技能を生かして、小笠原諸島のさらに南にある孤島に作られた
敵のアジトに挑み、結局3人ともそれぞれ違ったシチュエーションで罠にかかり、改造人間
にされてしまうというストーリーになる予定です。
ここまで書いた以上、いずれはUPしますので、よろしく。

343 名前:292 mailto:sage [04/12/06 02:15:48 ID:5v+oqbn3]
>>342
なんか感動です!すでに妄想が広がります

344 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/06 07:11:47 ID:InkgLtRf]
アイゼンボーグの愛タン改造シーン。
ttp://ngn61.kir.jp/aizenborg/00aitachibana6.htm
ttp://ngn61.kir.jp/aizenborg/00ai_saikaizo.htm

345 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/06 21:28:40 ID:5v+oqbn3]
>>344
なんか作り手の異様な熱意を感じる・・・

346 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/06 21:55:30 ID:kSSBPhut]
このスレの住民って、オニャノコが化け物じみた怪人にされるのに萌えるんじゃないの?
単なる機械化サイボーグ手術でも萌えなの?

347 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/06 22:05:08 ID:SylBSg0E]
漏れは怪人化のほうが萌えるなぁ。
機械化だけじゃ物足りないっす。

348 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/06 22:50:24 ID:wfJJ5PuQ]
>>347
単に改造過程に萌えるの?
それとも、改造後の怪人にもハァハァするの?

349 名前:347 mailto:sage [04/12/07 00:07:47 ID:qp6xHEbL]
場合によりけりだが、おにゃのこの雰囲気を残した怪人ならハァハァするなぁ。



350 名前:名無しより愛をこめて [04/12/07 16:44:32 ID:bhmAnTog]
>>1
関連サイト
>>【女性改造人間物語】 319氏、325氏によるSSが保管されているまとめサイト。
>>remodeledwoman.myfws.com/
>>【蜂女の館】 508(BeeFreak)による、蜂女改造SSの保管庫。
>>artofspirit.hp.infoseek.co.jp/
行けなくなってる。




351 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/07 18:06:22 ID:5U4V0P9n]
>>350
両方ともちゃんと行けるけど?

352 名前:350 [04/12/07 18:16:24 ID:xJeYW8T1]
リンクが切れてるだけでした。スマソ

353 名前:名無しより愛をこめて [04/12/07 23:03:56 ID:KTLkjAPQ]
そろそろPRIME氏の復活期待age!

354 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/08 01:57:12 ID:Z1BIZJEc]
      ☆ チン        マチクタビレタ-

☆ チン  〃 ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ヽ ___\(\・∀・)< PRIMEさん、天野姉妹の改造は マダー? チョー期待!
    \_/⊂ ⊂_)_ \_________________________
  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
  |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:|  |
  |  改造手術台   .|/

355 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/09 00:56:00 ID:5xddb4if]
>>354
上に乗っているのは怪人どんぶり少女とか(w

356 名前:名無しより愛をこめて [04/12/09 02:14:58 ID:xHsMF2Il]
講談社版ライダーマガジンのアマゾンの号に載っていた蜂女のメイクシーンに驚愕。
一体どれだけの秘蔵スチールがあるのか。漏れも蜂女ファンの為、彼女のまだ見ぬ姿に思いは尽きない。
そして、岩本良子様の美しさ。ライダー本編での彼女の蜂女への改造シーンが是非、見たかった。
悔しい。


357 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/09 06:18:09 ID:wHdSc/jn]
>>356
知ってると思うけど、公式ファイルマガジンに載ってたのとは別の写真。
ttp://www2.wbs.ne.jp/~c-help/gazo2/hachi2.JPG

TV版仮面ライダーの、女性怪人が登場する回の脚本はそのほとんどが、女性脚本家の
滝沢真理氏がつとめていて(蜂女、クラゲダール、ドクダリアン、ギリーラ等)、
彼女は当然ながら『女性怪人』に思い入れが無いものだから、他の怪人と大差ない
あっさりした描写になってしまっている。(たぶん平山Pが故意にそうしたんだろう)

もしも原作の石ノ森氏のテイストがそのまま生かされていれば、きっと蜂女にも
「元は普通の女性だった」という背景がドラマに生かされていたに違いない。
そして、改造シーンも・・・
(後になってそれを生かそうとしたのがスカイのサソランジンなんだろうが)

358 名前:名無しより愛をこめて [04/12/09 16:53:03 ID:z+c/zgKg]
やはりサソランジンの改造シーンは、このスレのテーマに最もあった名シーンだと思う。
そこで、蠍女に改造される上村美也さんのSSを誰かかいていただけませんでしょうか。
何故、美也が蠍怪人の素体に選ばれ、どのように拉致されたのか。そして、改造シーンはエロ度たっぷりに…。
ただ、改造後の姿はいただけませんので、女性怪人としての魅力を出してもらえるとうれしいです。
オリジナルの設定歓迎です。

359 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/09 17:36:12 ID:xb+Kw+G4]
>>358
>ただ、改造後の姿はいただけませんので、

あれは美しい女性がブサイコな怪人にされるからドラマになるのであって、
改造された身体を見つめて「何て美しいの!」なんて言った日にゃ、
悲劇もへったくれもなくなる罠。



360 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/09 18:51:17 ID:t0/9alBR]
絵心がある方がいれば、サソランジンを今風にアレンジして頂けないだろうか。
美化する必要はないが、女怪人であることが分かるように。

361 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/09 20:09:46 ID:hB5nsKIB]
>>358
確か「ネオショッカーと女性怪人の秘密基地」になかったかな?

>>360
そういう意図でデザインしたのが、クウガのゴ・ザザル・バなんだと思うよ。
あのデザインで満足できないなら、コミックだけど「ザ・グリーンアイズ」(巻来功士)の
刺恵(サソリの尻尾が生えた、下半身まる出し巨乳ボンデージファッションのねーちゃん)
みたいにするしかないんじゃないか?

362 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/09 23:47:11 ID:t0/9alBR]
>>361
「ザザル」が確かにそうですね。
指摘されるまで、人間態のだるそーなお姉ちゃんしか覚えて無かったです。

363 名前:名無しより愛をこめて [04/12/10 01:56:50 ID:tLZuplo+]
>>359
悲劇性に関しては、醜い姿に改造された所にあるのではなく、自らの意思に関係なく無理やり人外の異形に改造されてしまった点にあると思う。
女性怪人としての魅力を充分に発揮する為にも、サソランジンは女のセクシャリティーを維持した形でリニューアルされるべきなのではないだろうか。
美女を改造するシークエンスがある名編の代表として、是非、それは望みたい所なのだが・・・。

364 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/10 03:13:30 ID:iXoWWI78]
サソランジン話が出たので妄想ネタ一つ(あまりエロくはありません)

雪山で遭難した筈の美也がなんであんなヒラヒラしたドレスを着てたのか
・・っていうのは「理不尽スレ」的なツッコミどころとも思えるんだけど、
案外、あの直前ゼネラル・モンスターとの間で、
「ニキータ」の、誕生プレゼントに銃を渡されるみたいなやりとりが
あったのかも、と思ったことがある。

大事な素体(適合者?)ゆえ丁重な治療・看護が行われていた美也。
やがて全快し、ゼネラルモンスターよりドレスを贈られ、
豪華な食卓で全快祝いのワインがふるまわれる
無邪気に喜ぶ美也。そのときゼネラルモンスターの目が
あやしく光り(以下略)

365 名前:364 mailto:sage [04/12/10 03:26:36 ID:iXoWWI78]
恨みの文句が「ネオショッカー!」ではなく「ゼネラルモンスター!」
だったあたりからも、改造前にあの二人に何かあったのかも、
という想像はできるのではないかと思う次第です。
(ついでに言うと、あの断末魔状態のときにはタイムリミットが
切れて脳改造の効果がどんどん出てきていたんですよね?
あのまま殺されずにいたら・・・)

366 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/10 03:37:50 ID:V5605csP]
>>364
面白いけど、城北大学に暗殺に向かった時に着ていたワンピースならば、彼女が
改造された後に与えられた物ではないかい?
たぶんアリコマンドの素体か何かとして捕らえられた、別の女性の衣服と思われ。
少なくとも美也は、改造時は全裸(に見える)にシーツだ。

この時に、美也はなぜかゼネラルモンスターの名前と、自分が改造人間にされそう
になっていることを既に知っていた。
たぶん山で捕らえられ、意識を失う前にそう知らされたのだろう。
「山で遭難した」と言われているが、スカイ4話の放映は10月だから雪山ってわけ
じゃないだろう。むろん夏山でも遭難する時は遭難するが、美也の場合は単に拉致
されて行方不明になったことが「遭難」と報じられただけなんじゃないか?

関係ないが、岬ユリ子とその兄も、登山時にブラックサタンに拉致されたはずだ。
山で遭難し行方不明、というのは改造素体を拉致するための方便としてよく利用
される手段なんじゃないかな?

367 名前:名無しより愛をこめて [04/12/10 04:57:07 ID:tLZuplo+]
>>366
手術台の上で、美也が自分の運命を知っていた事に興味を覚えることに同感です。
この前に美也に何があったのか。
捕らわれた彼女の肉体に対し、改造人間の適性を調べる様々なテストが行われたのではないでしょうか。
その中で、次第に美也は自分の身に起こる事に気付いていったというのはどうでしょう。
また、美也が一人で登山をしていたとは思えません。
同じ女子大の仲間達がいたはずです。彼女達も一緒にネオショッカーに捕らえられアリコマンドにでも改造されたのでは
ないでしょうか。それも美也の見ている前で。
もしくは、仲間(後輩)を守る為に自らを犠牲にした。始めは改造素体となる事などまったく知らずに、
正義感の命ずるままにゼネラルモンスターにその身を差し出したが・・・。
というのも自分的には萌えるのですが。


368 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/10 10:38:32 ID:sEVz6gN/]
>>367
仲間のために自らを犠牲にしたのなら、
「改造人間なんて嫌です!」と叫んだりはしないと思われ。

369 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/10 21:01:07 ID:N0ey3ujW]
オニャノコをゲルショッカー怪人に改造するとしたら、どんなのがいい?



370 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/10 22:06:22 ID:DT8+1OrT]
ナメクジキノコ

371 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/11 09:24:20 ID:X8aVJXUG]
カズノコミミズ(性器限定)

372 名前:名無しより愛をこめて [04/12/11 13:51:11 ID:5SuCI36K]
>>367
女子大の仲間がアリコマンドに改造される・・・
誰かその話書いてください!


373 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:42:27 ID:ilXaiyaM]
どうも。最近仕事が忙しくて、SSを書いてる暇がなく困っているBeeFです。
それでも何とか、以前約束しておりました、>>292さんのリクエストにお応えしての「女
工作員」ものを書き終えましたのでUPさせていただきます。
今回“バズゥ”(BUZZ=虫の羽音)という組織によって蜂女に改造されてしまうのは、桐島
ルイちゃん25歳、レベッカ・スウェンソンちゃん26歳、それに李閃花(リ・シャンファ)ち
ゃん19歳の、3人の美しき工作員です。
長い話ではありますが、お楽しみいただければ幸いです。

374 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:43:41 ID:ilXaiyaM]
嵐が近いのか、鉛色の雲が重く垂れこめていた。
北回帰線に近いこの海域でも、冬の太平洋の波はやはり荒い。不揃いなサンゴ礁が切れ込
んだこの島の北端には、激しい波が叩きつけるように打ち寄せていた。その見上げるよう
な断崖の下、海の中から黒い3つの影が現れ、波から逃れるように岸壁にへばり着いた。
「…みんな無事?」
真っ先に上陸した、リーダーらしい人影が、水中メガネと腰に巻きつけた機械を外しなが
ら、他の2人に呼びかけた。ウェットスーツのフードを外すと現れたのは、濡れてクシャ
クシャになってはいたが、長く美しい金髪だった。ウェットスーツに包まれているのは、
見事なボディラインの悩ましい豊満な肉体。澄んだ青い目をした、20代半ばの絶世の美女
だった。
「…異常なし。」
「装備は全て無事。万事オーライよベッキー。」
手際よくウェットスーツを脱ぎながら、同時にそう答えたのは、まだ10代らしい小柄なシ
ョートカットの少女と、長身にロングヘアーの20代半ばの女。どちらもハッとするような
美貌の東洋人女性だ。
「よーし。これまでのところは上出来ね。海中に超音波探査器があったとしても、さっき
外したソニックジャマーがソナー音波を撹乱してくれたはずだから、連中はまだ、わたし
たちの存在に気付いてないはずだわ。」
身体にピッタリ密着した黒のボディスーツの上から、様々な器具の付いたホルスターやベ
ルト類を幾つも固定しながら、金髪の女性が言った。

375 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:44:17 ID:ilXaiyaM]
「これからが正念場よ。各自別行動を取り、任務を遂行すること。作戦開始時刻は現在、
○七五○。作戦終了予定時刻は一七○○。この時刻に、この島の上空を回収用の輸送艇が
通り過ぎる手筈になっているわ。島の北端、獅子が鼻と呼ばれる岬に個人用の飛空バック
パックが3個投下されるから、必ず回収するように。救出した人質がいる場合は事前に信
号弾を上げること。」
二人の東洋人女性が同時に頷く。
「そして…これがいちばん大事なことだけど、今回の任務で無事生還できる可能性は30%
以下。これは今までの任務もそうだったから気にしなくていいけど、もしも連中に身柄を
拘束されたら、100%確実に改造人間にされてしまうわ。だからもしも捕まった場合は、
迷わず奥歯に仕込んだプラスティック爆弾で自決すること。万一、仲間が改造されてしま
った場合は、ためらわず殺すこと。一瞬の迷いが命取りになるわ。」
「ベッキー。」長い黒髪の女性が金髪のリーダーに尋ねた。
「もしも、3人とも生還できなかった場合はどうなるの?」
「明朝9時に、予定通りアメリカ海軍による核攻撃が始まるわ。果たしてそれで“バズゥ”
を壊滅させることができるのか。それとも、それが新たな悲劇の幕開けとなるか…それは
神のみぞ知る、ね。」

376 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:46:50 ID:ilXaiyaM]
日本領土の最南端に近い、無人島“神ノ鳥島”。8キロ沖に停泊した工作船から、無数の
機雷をかいくぐってこの島に到達したばかりのこの3人は、各国政府が協力して極秘裏に
結成した特務機関XXAM(エグザム)の、諜報部員であった。メカニックに強いリーダ
ーのレベッカ・スウェンソン、26歳。射撃と武術の達人、桐島ルイ、25歳。そして香港の
犯罪組織・夜龍(イエルン)の元・暗殺者という異例の過去を持つ李閃花(リ・シャンファ)、
19歳。組織きっての腕利き諜報部員である彼女たちは、いま世界中をパニックに陥れてい
る謎の組織、昆虫人間帝国“バズゥ”の本拠地に、それぞれ任務を携えて侵入しようとし
ているところなのだ。
3日前、彼女たちは突然、組織のボスである“ダイモン”の前に呼び出された。スクリー
ンに黒いシルエットしか映さない謎の男。“ダイモン”とは古代ギリシアの守護神の意味
であるが、同時に悪魔(デーモン)の語源でもある。裏の世界のあらゆる情報に精通して
いるこの男が果たしてどちらなのか、彼女たちは判断しかねている。
3人が揃ったのを確認すると、“ダイモン”は単刀直入に切り出した。黒いシルエットの
背後に次々と新聞記事や写真を映しながら、今回の指令の背景を淡々と説明してゆく。
「よく来てくれた。諸君らもご承知の通り、世界は現在、今から2週間前に突如出現した
昆虫人間帝国“バズゥ”によって激しく混乱している。“バズゥ”は一般の女性を拉致し、
全身の細胞に昆虫の遺伝子を組み込んだ改造人間“インセクトサイバー”に仕立てて様々
なテロ活動に従事させる、謎の組織だ。10代半ばから20代の、若く美しい女性ばかりが誘
拐され、わずか半日後には改造人間に変えられて、テロの片棒をかつがされている。なぜ
女性ばかりを改造するのかは謎だが、残念ながら現代の医学では、改造された女性たちを
元の身体に戻すことはまったく不可能だ。」
長い黒髪の諜報部員、桐島ルイがギリギリと歯がみした。彼女もまた、高校時代の親友が
インセクトサイバーに改造された経験の持ち主なのだ。

377 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:48:04 ID:ilXaiyaM]
「9日前に日本のテレビ局占拠によって姿を現わしたこの組織は、わずか5日間で首都東
京の全機能を麻痺させた。この間に拉致改造された被害者は優に6千人を越える。さらに
3日前、今度はアメリカ、イギリス、ロシア等先進12か国に対して一斉に、女性拉致とテ
ロ活動が始まった。ホワイトハウス襲撃等による国家機能の麻痺と、交通・通信規制によ
る被害総額は、少なく見積もっても全世界でざっと700兆ドル。拉致改造された被害者の
総数は、既に1万人近いものと推測されている。」
それは、文明世界の崩壊と言っても良い惨状だった。改造人間たちは国家中枢の襲撃と同
時に、報道機関の制圧を徹底して行った。インターネットによる情報網だけはかろうじて
まだ生きていたが、大手通信社やケーブルテレビネットワークは、テロ活動によって既に
ほとんど壊滅状態になっている。
「2日前のホワイトハウス襲撃で、アメリカ大統領はからくも難を逃れたが、補佐官と大
統領夫人が命を落とした。復讐にはやる大統領の命令で、アメリカ全軍に対して“バズゥ”
本拠地を意地でも突き止めろとの命令が出されていたが、今日の未明になって、それが判
明したとの情報が入った。」
3人の前のスクリーンに、日本近海の海図が映し出された。
「“バズゥ”のインセクトサイバーたちは、テロが終わると地中に溶けるようにして消え
るか、あるいは空に突然出現する黒雲の中に姿を消す。米軍はこの黒雲の中に“バズゥ”
の空間転移装置があると推測し、同日同時刻に別の場所に黒雲が出現した形跡が無いかど
うか、地上偵察衛星で世界中を調査した。もしもあるとすれば、そこに転移した可能性が
高いからだ。調査の結果、米軍が連中のアジトとして最も可能性が高いと判断したのが、
日本の南方洋上にあるこの、神ノ鳥島だ。」

378 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:48:55 ID:ilXaiyaM]
スクリーンに映し出されたのは、テーブルのような形状の小ぶりの島の写真だった。
「周囲7.2キロ。まあまあの大きさだが、過去に人間が入植した形跡がない無人島だ。その
理由は、島全体が高さ50メートルの断崖で囲まれているためと、島の北東端の海中から火
山性のガスが噴出しており、硫化水素を含んだ猛毒の霧が島全体を覆うことがあるためと
思われる。そのため島の周囲のサンゴ礁の生育が悪く、港を作れる条件が整っていない。」
「秘密組織のアジトとしては、うってつけと言うわけね。」金髪のレベッカが言った。
「そうだ。本拠地が判明してまもなく、アメリカ大統領は、この島に対する核攻撃を海軍
に命じた。既に北太平洋上にはニミッツ級原子力空母“ビルクリントン”が待機し、水爆
を搭載したB?2スピリット3機がスタンバイしている。」
「そんな! 他国の領土に核を使用するなんて!」ルイが驚いて叫んだ。
「日本政府の内諾は、既に取りつけているらしい。だが、アメリカ政府内でもこの攻撃命
令に対し、疑問の声が上がっている。ひとつには、拉致改造された被害者を巻き添えにす
ることに対する懸念からだ。ホワイトハウス襲撃の際捕縛され、現在ニューヨークのシン
シン刑務所に収容されている3体のインセクトサイバーの中に、グレアム上院議員の娘が
含まれていることは知っていると思うが、この上院議員が中心となって、改造被害者の家
族たちが現在、『改造被害者は自らの意志で犯罪を犯した訳ではないため罪を問うべきで
はない』という運動を展開中だ。極めて強力なマインドコントロールを施された彼女たち
を、果たして罪に問うことができるかどうかは、法律学者たちの間でも意見が分かれてい
る。テロの被害者の中には『そもそも人間でなくなった者に人権を認めるべきではない』
という強硬意見を出す者までいて、まさに混乱状態だ。このように議論が定まらない中で、
彼女たちを一斉に葬り去ろうという大統領の判断は、まことに軽率と言われても仕方がな
い。グレアム上院議員が時期大統領選の有力候補と見なされていることもあって、政府内
には未だ慎重意見が根強い。」
諜報部員たちは思わずうなって考え込んだ。ルイだけはうん、うんとうなずいている。

379 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:50:31 ID:ilXaiyaM]
「そしてもうひとつは、連中に対し核攻撃が本当に有効なのか、疑問視する声が上がって
いるからだ。非公式の情報だが、3日前にロサンゼルスで海兵隊がインセクトサイバーと
交戦した際、カリホルニウム核弾頭弾が極秘に使用されたがあっさり退けられたとの報告
が入っている。もしも連中に対し核兵器が効果無いのであれば、アメリカは他国に対して
核を使用したという、歴史上の汚点だけを背負うことになる。だからこそ、米軍は核攻撃
を行う前にもっと多くの情報が必要だと考えているのだ。」
「わかったわ、ボス。無人島に侵入してその情報を得て来るのが、今回の私たちの任務な
のね。」
「そうだ。諸君らに与えられる任務の内容は3つ。ひとつ目はアジトの全容の解明と、核
攻撃が行われた際の効果のほどの確認。ふたつ目は拉致被害者の状況確認と、改造技術の
解明、そして可能であれば被害者の救出。そして3つ目が、これまで全く姿を現わしたこ
とのない、“バズゥ”を背後で操る支配者の正体解明だ。」
3人の美しき工作員たちは、一斉にうなずいた。
「だが注意してくれたまえ。インセクトサイバーたちは頭部こそ人間の女性だが、そのボ
ディは想像を絶する能力を秘めている。人間相手のようなわけにはいかない。これまでに
確認されたインセクトサイバーは8種類。ひとまず順に、その能力を確認してみよう。」
スクリーンに、次々と女性の姿が映し出された。頭部はいずれも美しい女性だったが、ボ
ディは全身タイツをまとったかのような奇妙ないでたちで、羽根や触角などを備えている。
それは衣裳ではなく、改造された彼女たち自身の肉体なのだ。その証拠に、彼女たちの下
腹部にはいずれも剥き出しになった女性器が確認できる。



380 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:51:30 ID:ilXaiyaM]
「まず、いちばん多く確認されているのがこの《シャドウアント》と我々が名付けている
黒いタイプだ。一般的な成人男性の100倍程度のパワーを備え、また自らの影の中に溶け
込むように消える能力を持つが、飛行能力や遠距離攻撃の手段は持っていない。まあ、戦
闘員のような位置付けと考えていいだろう。」
「次が《アレストスパイダー》。登山用ナイロンザイルの数十倍の張力に耐える強靱な糸
を口や指先から出す、捕縛用の改造人間だ。《マリオネットモスキート》は、十本の指か
ら伸ばした管で血を吸った人間を自由に操ることができる、洗脳用の改造人間。この2種
類は特殊工作用のインセクトサイバーと言えるだろう。」
「次に、《パウダリングモス》は空中を浮遊しながら、麻痺毒や腐食毒、さらには高火力
のガンパウダー(火薬)までも広範囲に撒き散らす毒蛾型の改造人間だ。同じく、幻覚剤を
含んだ鱗粉を撒き散らす蝶型改造人間が《ドリームバタフライ》。《ヒプノシーケイダ》
は催眠音波を発する蝉型の改造人間。この3種類は飛行能力と、広範囲に作用する特殊能
力を持っている反面、単体での戦闘能力は著しく低い。」
「逆に戦闘能力が高いのが、両腕を鋭利な刃物に変えて高速度で飛来する《ビヘッドマン
ティス》だ。首切りカマキリの名の通り、戦車の砲身すら一瞬にして輪切りにしてしまう。
また《アームドスコーピオン》は長い尻尾の先に毒針を持つ他、両腕を次々と武器に変形
させて攻撃するサソリ型の改造人間で、飛行能力こそ持たないが攻撃力だけでなく、防御
力にも優れた万能タイプだ。」

381 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:52:36 ID:ilXaiyaM]
「そして、最も恐ろしいのがこの蜂型改造人間《アサルトビー》だ。高機動の飛翔能力を
持ち、厚さ10センチの鋼板をも貫く針を胸から連続して発射する。戦闘機キラーの異名を
持つ恐ろしい改造人間だ。胸の針は麻痺毒や溶解毒、洗脳薬などの発射にも使えるらしく、
一体で一個師団を充分壊滅させることのできる戦力を持っている。この8種類以外にも、
我々がまだ見たことのない改造人間が存在するかも知れない。さて。」
ここで、ダイモンはひと呼吸置いた。
「今回の任務だが、諸君ら女性工作員にとっては極めて過酷なものだ。一体で最新鋭戦車
を凌駕する戦力を持つ改造人間たちの群れに潜入しての調査。しかも身柄を拘束されれば
即、恐ろしい改造手術が待っている。だから今回の任務は強制ではなく、あくまで自由意
志での参加を求める。拒否しても、諸君らには何らの不利益もないことを保証しよう。い
かがかね諸君。まず、ルイ?」
ルイはすかさず答えた。
「行きます! 改造人間にされた人たちを元に戻す方法を、私がきっと見つけてきます。」
「閃花?」
「任務なら…行きます。」
「レベッカ?」
「愚問よね、ボス。わたしが今まで任務に失敗したことがあったかしら?」
「よろしい。作戦の開始は3日後。敵との交戦は可能な限り避け、任務の遂行に専念して
もらいたい。その他の情報は追って伝える。以上だ。成功を祈る。」

382 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:53:42 ID:ilXaiyaM]
3日前“ダイモン”から与えられた任務を思い起こしながら、XXAMの工作員桐島ルイ
は、朝霧に包まれた神の鳥島北岸の断崖を登っていた。不思議なことに、この島の上空に
は海鳥の姿がまったく見えない。島全体を覆うこともあるという、火山性ガスのせいだろ
うか。植物の生育も概して悪く、島の最高峰アサヨ岳の北東面はほとんど禿げ山になって
いる。
岩肌に張り出した、ツルツル滑る植物の根を掴みながら、ルイはようやく断崖の上に達し
た。そこは、亜熱帯性の木々が繁茂する森だった。風向きの関係からか、このあたりの植
物の生育はそれほど悪くない。ルイは背の高い草の影に身を隠しながら、島の中央部目指
してゆっくりと進んだ。
“バズゥ”が彼女たち三人の侵入に気付いているかどうかはわからないが、島のあちこち
には侵入者を察知するセンサーや、監視カメラが無数に設置されているに違いない。まっ
たく見つからずにアジトまで辿り着けるという保証は無い。それでも、インセクトサイバ
ーとの交戦は極力避けなければならない。
ルイは、琉球骨法と劈掛(ひか)八極拳の達人である。相手が人間ならば、どんな大男にも負
ける気はしない。だが銃弾を跳ね返す頑丈な外骨格に覆われ、一撃で人間を屠る武器を持
つインセクトサイバーが相手では、いくら武術の達人といっても分が悪すぎる。接近戦を
身上とする骨法や八極拳では、相手にすらならないだろう。だが、遠距離攻撃を得意とす
る劈掛拳ならば、相手の不意をついて一撃を与えることは??おそらく一撃が限界であろ
うが??不可能ではないだろう。一撃必倒、それがインセクトサイバーと闘う際の絶対条
件であった。一撃で倒せなければ、こちらが反撃に耐えられない。もっともインセクトサ
イバーの外骨格に対しては、ルイの会心の一撃をしても、蚊が刺したようなダメージしか
与えられない可能性がある。しかしながら、彼女たち工作員には今回、絶対的な不利を覆
す、とっておきの武器があった。

383 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:54:29 ID:ilXaiyaM]
ルイは空気のわずかな乱れを感知するカレントセンサーを片手に、用心しながら歩を進め
た。神経を研ぎ澄まし、周囲の全てに気を配りながら、ブーツが草に擦れる音も極力立て
ずに進んでゆく。
突然、カレントセンサーに2つの反応が現れた。ルイは急いで手近な木に音もなくよじ昇
り、樹上に息を潜めて敵の出現を待ち構えた。
真っ黒な人影が2体、ルイのいる方向に歩いてきた。手には何も持っていないが、周囲を
キョロキョロ見回しているところを見ると、哨戒中なのだろう。真っ黒なボディからする
と、おそらくシャドウアントと呼ばれる戦闘員と思われるが、日本やアメリカで確認され
た戦闘員が改造前の素顔をそのまま露わにしていたのに対し、ルイの目の前にいる2体は、
顔面がすっかりマスク状のもので覆われ、目だけをギラつかせている。
ルイは、ふと奇妙なことに気がついた。インセクトサイバーたちのボディは、衣裳ではな
く改造された素肌のはずである。しかしながら目の前の2体の戦闘員は、どうやら黒い全
身タイツ状の衣裳をまとっているようなのだ。
《どうしてかしら? ここが亜熱帯のせい?》ルイは首をひねったが、その時ふと良いアイ
ディアが浮かんだ。彼女たちのボディが衣裳ならば、それを奪えば戦闘員に変装できるの
ではないだろうか?
ルイは、右手に拳銃を取った。愛用のワルサーPPKではなく、小ぶりの奇妙な形の銃だ。
そして左手には、丸い弾のようなものを握った。
戦闘員たちが足元まで接近するのを辛抱強く待ち、タイミングを見はからって右手の銃を
前方遠く目掛けて撃った。

384 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:55:48 ID:ba+nVxex]
キュルルルルルル!!
かん高い奇妙な音が宙を突っ切って飛んだ。敵の注意をそらせるホイッスル・バレット(鏑
弾)だ。それと同時に、ルイは左手の弾薬を勢いよく地面に叩きつけた。たちまち、もうも
うたる煙幕が周囲を包み込んだ。
ルイは木から飛び降り、低い姿勢から身体をムチのようにしならせて、一体目の戦闘員に
真横から脚払いを食らわせた。いくら頑丈な改造人間と言えども、その体重は人間と変り
がない。不意を突かれれば転倒する。前のめりになった戦闘員の額めがけて、ルイは渾身
の“穿掌”を繰り出した。
「はァっ!!」
ルイの手のひらが戦闘員の額にヒットした途端、パーン!という炸裂音がはじけ、戦闘員
は額から煙を上げて倒れた。その音に振り向いたもう一体の戦闘員の前に、ジャンプした
ルイが飛び降り、後方に大きく身体をしならせながら、戦闘員の額めがけて両の手のひら
を同時に叩き込んだ。「やぁッ!!」
激しい炸裂音と共に、2体目の戦闘員も煙を上げて倒れた。ルイの手袋に仕込まれていた
のは、対インセクトサイバー用の秘密兵器、サイバーバスターであった。
「あらら? ずいぶんあっけなかったわね。」
頑丈なボディを持つインセクトサイバーたちにもひとつだけ、弱点と呼べる箇所がある。
それは、触角が生えた額の根元であった。サイバーバスターは強力な超音波パルスを改造
人間たちの知覚神経に与え、神経伝達を遮断するという武器で、神経の集中する額に直接
ヒットすれば、どんな改造人間でも一瞬にして卒倒させることができる。ルイたち3人の
工作員の手袋とブーツにはこのサイバーバスターが仕込まれ、攻撃と同時に発動するよう
調整されていたのだ。

385 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:56:41 ID:ba+nVxex]
ルイは、気絶した2体の改造人間たちを引きずって、木の陰に隠れた。完全に気絶してい
ることを確認してから、そのボディを検分した。2体とも華奢で小柄な女性で、胸や腰の
発達も未熟である。まだ10代前半らしい。頭部を覆うマスクを苦労して剥ぎ取ると、愛く
るしい東洋人少女の顔が現れた。額には改造人間らしく、触角が生えている。
ルイは自分の額のゴーグルを下ろし、脇に付いたダイヤルを調節した。背中のバックパッ
クに内蔵された小型スーパーコンピュータに収納された、“バズゥ”の拉致被害者たちの
データベースにアクセスしたのだ。たちまち、目の前にある少女の顔が分析され、その素
性がゴーグルの裏側に表示された。
「竹内さくら、13歳。大友絵美、12歳。…ひどいわ。まだ中学生じゃないの!」
こんないたいけな少女たちを改造人間に変えてしまう“バズゥ”の非道さに、ルイは改め
て怒りが込み上げるのを感じた。
「ゴメンね。いつか必ず、あなたたちを人間に戻してあげるからね。」
ルイはそう詫びて、2人の中では身体が大きい竹内さくらの全身タイツを脱がせ始めた。
タイツは見たことのない非常に薄い生地だったが、極めて伸縮性に富み、しかも強靱だっ
た。
「…あれ? これは…どういうことなの!?」
タイツを脱がせながら、ルイは思わず頭をひねった。何と、タイツの内側に隠れていたさ
くらのボディは、全身が真っ青な皮膚で覆われ、乳房が黄色と黒の同心円模様で彩られた、
蜂型改造人間《アサルトビー》のものだったからだ。
もう一人のタイツも脱がせてみた。こちらは《マリオネットモスキート》だった。
《どういうことだろう。改造された後で、黒タイツを着て訓練していたのかしら?》

386 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:57:57 ID:ba+nVxex]
インセクトサイバーたちは、どんな環境の元でも全裸で行動できるよう、肉体を調整され
ているはずだ。なぜわざわざ、改造した身体の上からタイツを着なければならないのか、
どう考えてもわからない。とりあえず悩むのはやめて、ルイは自分のボディスーツの上か
ら、蜂女・竹内さくらが着ていた全身タイツをまとおうとした。
おかしい。なぜかタイツに拒絶されるかのように、脚が通らない。色々試行錯誤してみた
結果、服を着たままではこのタイツは着用できないということに気付いた。
ルイははたと困ってしまった。様々なギミックを備えた作戦行動用ボディスーツを、ここ
で破棄するのは惜しい。だがタイツに着替えなければ、戦闘員に偽装することはできない。
意を決したルイは、ボディスーツを黙々と脱ぎ始めた。ブラジャーも、ショーツも脱ぎ捨
てて生まれたままの姿になった。そうしないと、タイツによって拒絶されてしまうのだ。
全裸になったルイの身体が、タイツの中にピッタリと包み込まれた。身長168センチのル
イはさくらよりも20センチ近く高かったが、このタイツはまるでルイのためにあつらえた
かのごとく、彼女の身体にピッタリとフィットした。
《ああッ…何だろうこのタイツ! 着ているだけで、身体が、ほてるように気持ちいいわ!!》
まるで全身を誰かに抱きしめられているかのような快感に襲われ、ルイは自分の乳房と股
間を押さえたまましゃがみ込んでしまった。乳首が勃起して固くなり、股間が潤んでくる
のが自分でもわかる。ルイはそのまましばらく、太股を擦り合わせ、二の腕を撫でまわし
ながら、不思議な恍惚に酔っていた。
《…いけないいけない! 何をしてるのよルイ。任務を忘れちゃダメでしょう!》
我に返ったルイは、自分を叱咤しながら立ち上がった。タイツの上からバックパックやホ
ルスター、サイバーバスターが仕込まれた手袋などを身につけ、頭部を覆う黒いマスクを
被って戦闘員を装ったルイは、2体の少女サイバーたちを木の陰に隠したあと、島の中央
部目がけて歩きだした。全身を蝕む、奇妙な快感に絶えず悩まされながら。

387 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:58:58 ID:ba+nVxex]
工作員3人の中で最年少の李閃花(リ・シャンファ)は、島の周囲をぐるりと回り、海蝕
洞(波によって穿たれた洞窟)を探した。“バズゥ”のアジトが地下にあるのなら、必ず
下水の排水口が海に向かって存在するはずだと考えたのだ。もちろん、そんなものを目立
つところに作るはずがない。あるとすればそれは、隠れた洞窟の中に違いない。閃花の読
み通り、3つ目の海蝕洞の中に下水口は発見できた。
異様な匂いが漂う狭い通路を、閃花は用心しながら進んだ。下水道から標的に侵入するの
には慣れている。だが注意を払わないと、少しの物音でも遠くまで大きく響く空間だ。幸
い、下水はほとんど流れていない。足元が不快な水音を立てる心配は無さそうだ。
ふと、左手のカレントセンサーが反応を示した。閃花は身を引き締め、前方に拡がる闇を
キッと見据えた。
突然、閃花目がけて何かが飛んできた。動物的な本能で、それを素早くかわす。続いて2
発目、3発目。かわし切れなかった3発目を左手の手甲で受け流そうとした閃花は、無数
の糸のようなものが左腕にからみつき、きつく締め上げるのを感じた。
「…捕まーえた。」
前方の闇の中から現れたのは、黒いボディに黄色の縞が入った長い手脚を持った、スレン
ダーな美少女だった。妖しくセクシーに腰を振りながら、閃花の方にゆっくりと近づいて
くる。年の頃は17歳くらい。黒髪をボブカットにし、目鼻立ちのはっきりした東洋人であ
る。閃花の左腕にきつく巻きついた糸は、少女の十本の指先から伸びていた。捕縛用改造
人間、アレストスパイダーの一体らしい。
閃花は、右手でゴーグルのダイヤルを回した。目の前のインセクトサイバーの素性が即座
に分析され、表示される。笠井真奈美17歳。日本人。女子校の修学旅行で東京にやって来
た際、観光バスごとクラスメートと共に拉致されたらしい。

388 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 02:59:41 ID:ba+nVxex]
「ずっと、誰かが来るのを待っていたの。もう逃げられないわ。あなたは、これからわた
しと同じ改造人間になるのよ。」
「……」
妖しい微笑みを浮かべながら、糸を少しずつたぐり寄せ、アレストスパイダーが接近して
くる。閃花は少しもあわてず、蜘蛛女が自分の間合いに入って来るのを待った。
充分な距離に近づいたのを見はからって、閃花は拳銃を取り出した。
「無駄よ。わたしたちに銃は効かないわ。」
「…やってみなければ、わからない。」
蜘蛛女はクスリと笑った。閃花は無表情のまま、引き金を引いた。ただし、蜘蛛女に対し
てではなく、自分の左腕から伸びる蜘蛛の糸目がけて。
ボウン! 猛烈な臭気とともに、白い煙が上がった。それはただの銃弾ではなく、蛋白質を
溶かす強力酵素弾だった。糸がゆるんだ途端、閃花の身体は宙に舞った。
驚く蜘蛛女の目の前に着地した閃花は、蜘蛛女の眉間目がけて攻撃を繰り出した。
香港の犯罪組織“夜龍(イエルン)”の暗殺者であった閃花の闘法、殺手飛舞(サァソフ
ェイウー)は、インドネシアの暗殺武術シラットを空中戦に特化する形で発展させた、独
自の闘法である。接近戦に長けたシラットとは異なり、身体のバネを生かした遠距離から
の攻撃を得意とし、鷹翔飛舞、萬蜂飛舞、蝴蝶飛舞など幾つもの型を持つが、どれもシラ
ット同様の一撃必中即離脱を特徴としている。

389 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:00:36 ID:ba+nVxex]
あでやかに宙を舞った閃花が蜘蛛女に加えた一撃は、鋒針(フェンジェン)と呼ばれる長
さ15センチほどの鋼鉄の針だった。どんなに強固な外骨格であれ、接合部には必ず耐久力
の弱い部分がある。閃花は最も装甲が弱いと思われる、まぶたの上の急所めがけて、機械
のように正確に鋒針を突き刺したのだ。
「ギャァアアアアアッ!!」
まぶたから大脳の奥深く、鉄の針を打ち込まれ、蜘蛛女は激しい悲鳴を上げてのけぞった。
閃花は素早く飛びのき、充分な間合いを取って第二撃に備えた。だが、その必要はなさそ
うだった。
「イヤ! やめて! 改造人間なんてイヤだぁ! 助けて、助けてママ!」
蜘蛛女は頭を抱えて身体を激しく痙攣させ、泣きながら悲鳴を上げている。どうやら閃花
の一撃でマインドコントロールが一部解け、改造された際の記憶が甦ったらしい。
「やめてェッ! 改造されるのはイヤだぁッ!あッ!アアッ!」
汚水にまみれ、のたうち回って苦しむ蜘蛛女に、閃花はゆっくりと近づいた。
「…可哀想に、ずいぶん苦しんで。でも、もう、それも終わり…」
閃花は無表情のままそう言うと、蜘蛛女のまぶたに刺さった鋒針を掴み、渾身の力を込め
てグサッ!と押し込んだ。
蜘蛛女は白目を剥き、口から泡を吹いて、動かなくなった。
閃花は鋒針を蜘蛛女の脳から抜き取ると、ハンカチで拭い、肱のホルダーに再びしまい込
んだ。こと切れた蜘蛛女に一瞥を加えると、閃花はそのまま何もなかったかのように、下
水道の奥を目がけて再び歩み始めた。



390 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:01:51 ID:JOhLxWhr]
3名の工作員のリーダーであるレベッカ・スウェンソンは、沢沿いに島の中央を目指して
いた。いくら断崖に囲まれたテーブル状の島とはいえ、流れ出る川はある。断崖の裂け目
に小さな沢を見つけたレベッカは、チョロチョロと水が流れるその沢に沿って歩き出した。
歩きはじめてすぐ、改造人間たちが残した踏み跡が見つかった。
「How lucky I am! わたしってば何て運がいいの!このまま行けば、アジトの入り口に辿
りつけるはずね。」
沢伝いの道は、障害物が少なく見通しが良い。おそらくルイや閃花よりも早く、アジト内
部に侵入できるだろう。
彼女たち工作員に与えられた3つの使命のうち、改造手段の解明と拉致被害者の救助はル
イが、“バズゥ”支配者の正体解明は閃花が、それぞれ主に担当する手筈になっていた。
レベッカの主な任務は、アジトの規模全容と兵力、耐久力の解明である。アジト内部をく
まなく調査する必要があり、そのためには他の2人よりも早く、アジト内部に侵入しなけ
ればならない。
そこでレベッカが打った手段は、一見無謀とも思えるものであった。あえて敵の前に身を
晒し、正面から乗り込んでゆく。どうせ島中に仕掛けられたセンサーによって、彼女の潜
入は遅かれ早かれバレてしまうはずだ。それならば逆に目立つ行動を取り、敵が自らアジ
トの扉を開くように仕向ければいい。自分ひとりが身を晒せば、ルイや閃花が無事アジト
に潜入するための陽動にもなる。“バズゥ”が自分たちを殺すはずがないことを、レベッ
カはよくわかっていた。インセクトサイバーの素体にするべく、自分たちから門を開いて
くれるはずだ。アジトに乗り込んだ後で騒ぎを起こし、それに乗じて姿を隠せば良い。
見通しの良い沢道は、敵から見つかりやすくなる反面、こちらからも敵の襲撃を察知しや
すいというメリットがある。レベッカの左手のカレントセンサーは既に、沢の前方左右に
生えた木々の上に、それぞれ2体の改造人間が待ち受けていることを察知していた。いく
ら影に溶け込んで隠れても、カレントセンサーからは逃れられない。

391 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:02:28 ID:JOhLxWhr]
レベッカは何事もないかのように、そのまま沢道を進んだ。彼女のボディスーツの両肩に
は、奇妙なアンテナのようなものが伸びている。時折、パチッ、という火花が彼女の頭上
に閃めく。
レベッカが敵の真下に達したとたん、4つの黒い影が彼女目がけて舞い降りてきた。レベ
ッカは思わずニヤリ、と笑った。
《来た来た来た来た……来たッ!》
バリバリバリバリバリッ!! 黒い4つの影がレベッカに触れようとしたとたん、凄まじい音と
ともに彼女の頭上を白い電光が走り、4つの影を射貫いた。はじかれたように白煙を上げ
て地上に叩きつけられる影。
「はあッ!」
レベッカは素早く飛びのき、メリケンサックのように両のこぶしにはめたサイバーバスタ
ーを、倒れた4体の改造人間の額めがけて次々と打ち込んだ。わずか数秒の後、レベッカ
の周囲には美しい女性の頭部を持った4体のシャドウアントたちが、痙攣しながら転がっ
ていた。
「どう? わたしの新発明、電磁銀雷(マクスウェルズ・シルバー・ハンマー)の味は?」
レベッカはショルダーパッドを開き、ウズラ卵大の使用済みバッテリーを取り出して投げ
棄て、新品と交換した。彼女の肩から伸びたアンテナは、彼女の周囲に電磁フィールドを
張り巡らし、侵入者に80万ボルトの強烈な電撃を見舞わせるためのものだった。
《わたしってば運がいい! こんな見事な実験、研究室じゃ到底できないものね。》
技術者としても超一流の腕を持つレベッカは、この他にも様々な発明品を身につけている。
サイバーバスターや、彼女たちを無事に島まで運んだソニックジャマーもまた、彼女の発
明による新兵器であった。

392 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:03:14 ID:JOhLxWhr]
レベッカはアメリカの大富豪の令嬢で、若干9歳でマサチューセッツ工科大に入学した天
才である。IQは300。16の博士号を持ち、取得したパテントは優に千件を超える。スポ
ーツも万能で、B98・W62・H98のスーパーモデル級ナイスバディ。北欧系の名字が示
す通り、ゆるやかなウェーブのかかった見事な金髪と、澄んだ青い目が魅力的な絶世の美
女だった。加えて、快活で人当たりの良い性格。ついたあだ名が“ミス・パーフェクト”。
そのミス・パーフェクトが諜報部員を職業として選んだのは、ひとえに「自分のあり余る
才能を遺憾なく発揮できる場」を求めてのことであった。それ以来、レベッカは人並み外
れた強運に守られながら、与えられた全ての任務をそつなくこなしてきた。もっともその
強運というのは、彼女の卓越した観察眼と洞察力のたまものに他ならなかったのだが。
気絶したシャドウアントたちをそのままにして、レベッカは沢道をさらに進んだ。彼女の
期待に反して、改造人間たちの歓迎はそれ以降は無かった。木々が次第にまばらになり、
標高273メートルのアケヨ岳の中腹に差しかかる頃、巨大な岩の陰に、アジトに通じるら
しい金属の扉が現れた。
「…なんだ。お出迎えは無しか。」
中からインセクトサイバーたちが大挙して出て来るのを期待していたレベッカは、残念そ
うにそうつぶやいた。扉が中から開かないのならば、外から無理やりこじ開けるしかない。
だがチタン合金のような材質で作られたその扉は、彼女の持つプラスティック爆弾では到
底破壊できそうになかった。
レベッカは工具で扉の脇にあった制御盤の蓋を力づくで開き、左腕に篭手のごとく取りつ
けられているコンソールのカバーを開いて、制御盤とコードで接続した。コンソールはバ
ックパックの中にある、小型スーパーコンピュータに繋がっている。コンソールのキーボ
ードを右手で叩きながら、レベッカは扉を制御しているアジトのシステムコンピュータへ
のハッキングを開始した。腕づくで開かないのなら、開くように命令するまでだ。

393 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:03:53 ID:JOhLxWhr]
《…ダメだわ。思った通り、見たことも無いアーキテクチャーが使われている。宇宙人の
テクノロジーだという噂は本当かも。もう! わたしってば何て運が悪いの!》
何度チャレンジを繰り返しても、システムへのアクセス権は取得できなかった。途方に暮
れていたレベッカはしかし、カレントセンサーが急に反応を示したのを見逃しはしなかっ
た。
「!」
バリッ! 電磁銀雷が閃き、勢いよく伸びてきたムチ状の何かをはじき飛ばした。レベッカ
はコンソールから素早くコードを引き抜き、岩陰にサッと身を隠した。
藪の中から姿を現わしたのは、全身が赤い全身タイツのような皮膚で覆われた、大柄な黒
人の美女だった。ふくよかな胸を持った、筋肉質の堂々とした体躯。股間に開く大輪の花
びらを恥ずかしげもなく露出したその姿は、まるで野生の女神のようであった。尻からは
長いムチのような尻尾が伸びている。さっきレベッカを襲ったのもこの尻尾らしい。イン
セクトサイバーの中でも最も戦闘力と防御力に優れた、アームドスコーピオンである。
《…わたしってば、やっぱり運がいいわ! このままじゃ、らちが明かなかったものね。》
レベッカはゴーグルのダイヤルを操作して、目の前の改造人間の素性をサーチした。ミラ
ンダ・ジョンソン、26歳。陸上界のトップアスリートである。
《一般人よりも瞬発力がありそうね。ちょっとやっかいな相手かも。》
サソリ女は胸を張りながら、岩陰のレベッカに向かって落ち着いた声で呼びかけた。
「何をコソコソ嗅ぎ回っているんだ? 下等な人間め。早くお前も、我々インセクトサイバ
ーの仲間入りをするがいい。」
サソリ女の手首が徐々に変形し、長い鎌のような形になってゆく。両の手首を互いに組み
合わせると、刃渡り1メートル近い巨大なハサミが完成した。
レベッカは胸のホルスターから、愛用の拳銃を取り出した。シグ・ザウエルP230。だが装
填されているのは、普通の弾丸ではない。
レベッカは右手に拳銃を構えて、岩陰からゆっくり姿を現わした。左手で腰のベルトをま
さぐり、何かを取り出す。
サソリ女は、あきれたようにフッ、と鼻を鳴らした。
「やめておけ。私に銃は効かん。」

394 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:04:55 ID:JOhLxWhr]
その言葉が終わらないうちに、レベッカは銃を撃った。2発。3発。サソリ女はハサミを
振り上げ、余裕でそれを跳ね返そうとしたが、1発がハサミのすき間をかいくぐり、サソ
リ女の顔を直撃した。
「…グ、グワあッ!」
シュウシュウと煙を上げるサソリ女の顔。両手のハサミを解除したが、あわてているので
元の形にはなかなか戻らない。レベッカが撃ったのは改造人間たちの皮膚を溶かすことが
できる、強力酵素弾だった。もちろん銃弾に詰められた少量の酵素弾では、たいしたダメ
ージを与えることはできない。だが目潰しとしての役は充分に果たす。
サソリ女の尻尾が、レベッカ目がけて襲いかかってきた。レベッカは素早くそれをかわし、
左手のチェーンウィップ(鎖鞭)を放って尻尾をうまくからめ取った。レベッカはそのまま顔
を覆って苦しむサソリ女の正面に移動し、振り上げた片足を、渾身の力でサソリ女の額め
がけて振り下ろした。
「やあッ!!」
かかと落としが決まると同時に、ブーツに仕込まれたサイバーバスターが発動した。
パアン! 鋭い炸裂音とともに、サソリ女は地面に倒れ伏した。
「…ふうッ。ざっとこんなもんね。」
ふと思いついたことがあり、レベッカは気絶したサソリ女を引きずって、扉の前に再び座
り込んだ。コンソールを扉と接続した後、サソリ女の背中を支えて扉の前に立たせた。
『…同志と確認。扉を開きます…』
小さな少女のような愛らしい音声が響き、あっさりと自動扉が開いた。
「やっぱりこうなっていたのね。サソリさん、扉まで開けてくれてアリガト! さっきのシ
ステムの反応で、ハッキングの目星もだいたいついてきたわ。」
レベッカはサソリ女を扉の外に放り出すと、薄暗いアジトの内部に乗り込んでいった。

395 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:05:46 ID:JOhLxWhr]
それよりも少し後、ルイはアジトの正面扉に近い場所に辿りつき、周囲を伺っていた。
いくら戦闘員の衣裳を奪ったといっても、ホルスターやバックパックを身につけたその姿
はちょっと目立ち過ぎる。それに、顔全体を覆う黒いマスクがどうにも息苦しい。不快と
いうわけではない。逆にマスクを着けているだけで顔が熱くほてり、例えようのない快感
に苛まれるのだ。このままじゃいけない! 快感をふっ切るようにマスクを剥ぎ取ったルイ
は、戦闘員に偽装したまま潜入するのを諦めた。だがボディスーツを脱ぎ捨ててしまった
以上、奪ったタイツを着たままで行動を続けなければならない。
そのタイツは、工作員常用のボディスーツ以上に、軽く丈夫で動きやすい素材でできてい
た。暑さ寒さも感じない。これまで見たことのない素材だったが、工作員の衣装としては
最高のものに思われた。
《これを着たまま持って帰ってやろう。ベッキーもきっとよろこぶぞ。》
固く閉ざされた正面扉に辿りついたルイは、付近をくまなく捜索した。岩に偽装した、空
調の吹き出し口を発見した。グリルを外して内部を確認する。通風管は一辺50センチほど
の矩形だった。人間が通るのに充分な広さがある。
「よし!」
ルイは通風口に潜り込み、真っ暗な送風ダクトの中を、腹這いになって進んでいった。ダ
クトは上へ下へと不規則に折れ曲がっていたが、工作員の訓練を積んだルイにとっては何
でもない。途中、何箇所か巨大な送風扇に行く手を遮られたが、ある時は迂回し、またあ
る時は送風扇を解体しながら、進路を切り開いていった。
ルイはただ、闇雲に動き回っていたわけではない。迷路のようなダクトの中をどれだけ進
んでも、彼女は常に自らの現在位置を正確に把握していた。東西南北の方向、自分のいる
現在地点の標高、それらを踏まえながら、ルイはアジトの内部構造を自分の身体で理解し
ようと努めていたのだ。ルイの目的地は、拉致された女性たちが収容されている場所と、
改造手術室であった。それらはおそらく、深い階にあるに違いない。ルイは目星を付けた
場所を目指して、可能な限り急いだ。

396 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:07:26 ID:avGwDP0O]
戦闘員のタイツをまとったルイの身体は、相変わらず奇妙な感覚に苛まれていた。ほてる
ように熱くなったかと思うと、むず痒い感覚に包まれる。じんじんとした痺れが全身を襲
ったかと思うと、不意に感覚が無くなって自分の身体とは思えなくなる。特にふくよかな
両の乳房が、きつく締め付けられるような、誰かに絶えず揉みしだかれているような、不
思議な感覚を強く感じていた。
「あッ…!!」
全身が、今度は強烈な快感に襲われた。ルイは歩みを停めて全身を固くし、その快感に必
死で耐えた。乳首が固くなり、股間は自ら分泌した蜜で既にグショグショになっている。
数分後、ようやく快楽の嵐が去り、ルイは顔を真っ赤にほてらせながらヨタヨタと進み始
めた。
《やっぱり、このタイツは普通じゃないわ。早く別の衣装を手に入れて脱ぎ捨てないと!》

前方から、ブオンブオンと鳴る風の音に混じって、女性の悲鳴が聞こえてきた。
《あそこね!》
ルイは悲鳴のする部屋を探し出し、天井の送風グリルのすき間から、部屋の内部を覗き見
た。
「…やめて …お願いです…お願いだから許して下さい!」
「…助けて! あなた! 助けて! イヤあああッ!!」
「イヤだーッ! イヤだイヤだ! 誰か助けてェッ! お願いッ!」
泣き叫ぶ全裸の女性が何人も、手術台のようなものに手足を縛られたまま、手術台ごとベ
ルトコンベアーに乗せられて運ばれてゆくところだった。彼女たちの行く手には、ぐぉん
ぐぉんとうなる巨大な機械がトンネルのように待ち受けていた。女性の一人が機械に飲み
込まれると、中から強烈な光がまたたき、悲痛な女性の悲鳴が聞こえる。それが終わると、
3箇所ある出口のいずれかから、女性を乗せた手術台が吐き出されてくる。
機械を操作していたシャドウアントのひとりが、ひとつ目の出口から出てきた20代の東洋
人女性に近寄って、冷たく言い放った。
「残念だったわね。あなたは改造不適格と判断されたわ。我らが偉大な支配者の栄養とな
れることに感謝なさい!」
ベルトコンベアーの先は、奈落の底へと通じていた。東洋人の女性は手術台に乗せられた
まま、凄まじい悲鳴を上げて暗闇の奥へと落ちていった。
「……キャアアアアアアッッッ!……」

397 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:08:33 ID:avGwDP0O]
ふたつ目の出口から、今度は18歳くらいの白人女性が出てきた。ブルネットの髪のとびき
りの美女だ。別のシャドウアントが彼女に向かってこう言った。
「おめでとう。あなたは“バズゥ”のインセクトサイバーとして選ばれたわ。これから改
造手術を受けて、わたしたちの仲間に生まれ変るのよ。」
「イヤあッ! イヤッ!やめて! 助けて! 改造人間なんてイヤだぁッ!」
白人女性を乗せた手術台はそのまま、隣の部屋に続く穴へと消えていった。
《どうやらここは、改造素体の選別室なんだわ。あの向こうに、改造手術室があるのね。》
ルイは怒りがふつふつと胸の奥に込み上げてくるのをこらえながら、周囲をよく観察した。
囚われの女性たちを助けたいのはやまやまだが、部屋の中にはシャドウアントが9体、護
衛のアームドスコーピオンが3体もいる。飛び出していって勝てる相手ではない。ルイは
じっと、チャンスの時を待つことにした。
3つ目の出口から出てきた20歳前後の金髪の白人女性は、さらに別の機械の中へと運ばれ
ていった。プシュウウ!という音が響き、機械から出てきた女性の身体は、ルイが遭遇し
た戦闘員と同じ、黒いタイツを全身に着せられていた。顔をマスクですっぽり覆われたま
まウッ、ウッとすすり泣く女性に向かって、シャドウアントがこう告げた。
「あなたは、インセクトサイバーの“候補”として選ばれたわ。今から24時間、その改造
タイツをまとってこの島で過ごしなさい。そのタイツの裏側には、素体を選別改造する特
殊なナノマシンが散布されているの。タイツが発する選別刺激にみごと身体が応えること
ができたならば、あなたの身体はタイツによって予備改造され、インセクトサイバーの一
員となれるわ。後で本改造を受けるために、ここに戻ってらっしゃい。もしもタイツに選
ばれなければ、タイツに全身を蝕まれて狂い死にするまでよ。」
黒タイツを着せられた女性は、手術台から解き放たれ、シャドウアントの一体に連れられ
て嗚咽しながら部屋を出ていった。
この一部始終を見て、ルイは激しいショックを受けた。
《何ですって! 改造タイツ!? それじゃあ、これを着たままでいるとインセクトサイバーに
改造されちゃうって言うの?》

398 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:09:22 ID:avGwDP0O]
ルイは、あわててタイツの首回りをはだけてみた。薄暗いダクトの中ではよくわからなか
ったが、肌の色がすっかり変色していた。特に乳房の回りが奇妙な模様になっている。ル
イは顔面蒼白になった。早く、早くこのタイツを脱がなければ! 改造人間にされてしまう!
だが肩幅がやっと通る程度の狭いダクトの中では、バックパックやホルスターを外してタ
イツを脱ぐのは不可能だった。ルイはあわてて、タイツを脱げる広い空間を探しにダクト
の中を進んでいった。気があせるばかりで、身体は遅々として前に進まない。
ようやく、無人の部屋が見つかった。送風グリルを外し、前転しながら通風口から身を乗
り出し、部屋の中央に飛び降りた。バックパックとベルトを外したルイは、あせる手でタ
イツを脱いでいった。そして、そこに現れた自らの身体を見て、愕然となった。
《な、何よ、この身体!》
ルイの皮膚は、全身がすっかり濃い青色に染まっていた。手脚の先は白く、両の乳房は黄
色と黒のはっきりした同心円模様になっている。このタイツの元の持ち主だった蜂女と、
まったく同じ姿だ。
ルイはポロポロと涙をこぼしながら、皮膚の表面を激しくこすっみた。ひょっとして色が
剥げないかと期待したのだ。だがどれほどこすっても、皮膚の色は変らなかった。よく見
ると、皮膚表面の感触が既に人間のものとは異なっている。ラバーのような弾力性を持っ
た緻密な質感だ。簡単には傷がつきそうにない。全身のうぶ毛だけでなく、脇や股間の毛
がすっかり消失し、ぐっしょりと濡れた性器があらわになっている。そして何よりもルイ
を驚かせたのは、手足の指の変化だった。白い長手袋状に変化した手先は関節部のシワが
まったくなくなり、指先の爪が消失していた。もちろん、指紋も無くなっている。足の指
は一体化し固くなって、まるでブーツの底のように変化していた。あわてて額に手をやっ
たルイは、自分の額に大きな触角が生えているのに気付いてさらに呆然となった。

399 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:10:01 ID:avGwDP0O]
蜂女に変化したのは、表皮だけなんだろうか。どうやらそうではなさそうだった。ルイは
自分の乳房が、自分の意思とは関係なく淫らに蠕動するのを感じていた。身体の側面、脇
の下から太股にかけて、幾つも小さな穴が並んでいた。その穴はルイの呼吸とともに、開
いたり閉じたりを繰り返していた。
《何よこれ! 昆虫の気門じゃないの!?》
どうやら彼女の肉体は、既にかなりの部分がインセクトサイバー化しているようだった。
ルイは混乱して、もはやその場に立っていられなくなった。しばらくその場にしゃがみ込
み、心の中を暴れ回る激情に身を任せて嗚咽を繰り返していたが、やがてブンブンと首を
振って立ち上がった。
《いけないいけない! いつまでも泣いてちゃダメ! 人間を改造できるのなら、必ず元に戻
す手段もあるはずだわ。それを探せばいいのよ。そう! わたしがこの島に潜入した目的は、
それを探すことなんだから!》
自らを叱咤激励して、ルイは全裸の上にバックパックとホルスター、ベルトを装着した。
見張りがいないかよく確認してから、部屋の扉を開けて廊下へと出ていった。改造されて
しまった肉体は、もはや寒さも暑さも感じない。それはありがたいことだった。
《この状態でいちばん気をつけなければならないのは、仲間にバッタリ出会うことね。ど
こから見ても、今のわたしは改造人間だもの。特に閃花に出会ったりしたら、たちまち攻
撃されるに決まってるわ。》
ルイは、先程の部屋の隣にあった改造手術室を目指して、注意深く進んでいった。



400 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:10:49 ID:avGwDP0O]
レベッカは既に、インセクトサイバーたちの群をくぐり抜けて、アジトの中央コンピュー
タ室に侵入していた。左腕のコンソールを開き、ケーブルを端末に接続したまま、必死で
ハッキングを繰り返している。
これまで見たことのない、特殊なアーキテクチャーのコンピュータだった。扉の開閉に苦
労した時とは異なり、既にアクセス権は手に入れたものの、どうしてもイニシアティヴを
握ることができない。とりあえずサーチプログラムをインストールし、システムの反応か
らカーネルの構造を解析して、データの収納アドレスを突き止めようと何度も試みたが、
拒絶されるばかりでさっぱり前に進まない。やっとのことでアクセスしたデータも、天文
学的な規模の暗号化が施されており、解読は不可能な状態だった。
《参ったな…こんなこと、始めてだわ。私ってば、今日はなんて運が悪いのかしら。》
レベッカはふと、システムの外側にある奇妙な単体プログラムの存在に気付いて、それに
アクセスしてみた。とたんに目の前の巨大ディスプレイに、ひとりの少女の姿が映し出さ
れた。
不思議の国のアリスのような、クラシックなエプロンドレスをまとった、10歳くらいのプ
ラチナブロンドの少女だった。少女のまとうドレスは赤と黒と緑の混ざった、極彩色で彩
られている。少女の背景も、ドラッグで悪酔いしたかのような極彩色のサイケデリック模
様で覆い尽くされていて、見ているだけで目が痛くなりそうだった。
「…お姉ちゃん、だれ?…」
少女は明らかに、レベッカに向かって尋ねていた。レベッカはあわてて、バックパックの
スーパーコンピュータを使ってプログラムの素性を解析した。
『仮想人格プログラムの可能性、70%。予想される役割、システムナビゲータ。』
どうやらこの少女は、コンピュータを扱う者を補助する、ナビゲータプログラムらしい。

401 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:11:45 ID:avGwDP0O]
レベッカは思わず微笑んだ。
《考えてみれば、ここに拉致されてきたのは女性ばかりで、コンピュータに弱い人も多い
でしょうからね。ナビゲータを用意しているのは、ある意味当然かもね。》
「わたしはベッキーよ。あなたは、一体だあれ?」
「わたしは、アリス。アリス・ザ・キャタピラー(芋虫のアリス)。」
「そう。じゃあアリス、あなたの役割はなあに?」
「わたしは、案内役。わたしがいる、この世界への案内役。」
「あなたの世界って、一体どんなところ?」
「この島のすべて。虫になった、たくさんのお姉ちゃんたちが眠っていたり、わたしたち
みんなのママが眠っていたりするの。」
レベッカは内心しめた! と思った。私ってば運がいい。このプログラムをうまく利用すれ
ば、システム内部へのアクセスが可能になりそうだ。
「じゃあアリス? わたしをあなたの世界に、案内してちょうだい。」
「だめ。お姉ちゃんは、まだ虫じゃないもの。」
「どうして、虫じゃないってわかるの?」
「だってお姉ちゃんは、この島に入りこんだ、3人のお姉ちゃんのひとりなんでしょう?」
レベッカは驚いた。このプログラムは、自分たち3人の工作員のことを知っている。
「…どうしてそんなことがわかるの? あとの2人がどこにいるかも、あなたは知っている
の?」
「この島のことなら、わたしはぜんぶわかるの。お姉ちゃんも、他の2人のお姉ちゃんも、
もうすぐ虫になるのよ。」
「わたしたちは、けっして虫にはならないわ。悪いけど。」
少女はクスクスと笑った。
「もう遅いわ。お姉ちゃんたちのひとりは半分、虫になってるもの。そしてベッキーお姉
ちゃんも、今すぐにここで虫になるの。」

402 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:13:31 ID:bOEawPhY]
レベッカはハッとした。急いでゴーグルのダイヤルを回し、拉致被害者データベースにア
クセスする。あった! イヴェット・アルノー。10歳、フランス人。プログラムじゃない!
改造人間だ!!
レベッカは急いで、コンソールの非常スイッチを押した。アクセス解除と共に、強烈な電
気パルスがケーブルを伝わって、システムコンピュータに物理的な攻撃を加える。
パァン!! 炸裂音とともに、ディスプレイが煙を上げてダウンした。
レベッカはふらつきながら立ち上がった。頭が痛い。あの少女の背景のサイケデリック模
様を見てから、頭がズキズキする。洗脳パターンだ。油断した。すっかり騙されてしまっ
た。いや、初めて出会うプログラムへの好奇心が、注意力を押し殺してしまったのだ。
「ウフフフフッ…アハハハハハッ…」
コンピュータ室の高い天井のどこかから、さっきの少女の笑い声が響く。レベッカは激し
い頭痛をこらえて、最後の切り札をホルスターから取り出した。22口径ハイパーブラスタ
ー。小型のエネルギー・パックを用いた、小型高出力のレーザー・ガンである。インセク
トサイバーの外骨格を撃ち抜けるかも知れない、唯一の武器であった。
アゲハ蝶のような極彩色の羽根を広げて、さっきの少女が天井から舞い降りてきた。ふく
らみ始めたばかりの胸、まだ未発達のボディも、極彩色の縞模様によって覆われている。
ドリームバタフライ。催眠を得意とする特殊工作用改造人間だ。
「…お姉ちゃん。そんなことをしてもムダだよ。お姉ちゃんはもう、わたしのとりこなん
だから。」
レベッカは、ハイパーブラスターの銃口を少女に向けた。どんなに幼くたって改造人間だ、
容赦はいらない。頭痛をこらえながら狙いを定めて、レベッカは引き金に指を当てた。
だが、彼女の手はひとりでに動き出した。ハイパーブラスターの銃口は、彼女の側頭部へ
と向けられた。抵抗しようとしても、身体がまったく言うことを聞かなかった。
「…あ…あ…あ!やめてッ!」
レベッカは、自分の頭目がけて、ハイパーブラスターの引き金をゆっくりと引いた。

403 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:14:19 ID:bOEawPhY]
はッ! レベッカは我にかえった。気がつくと彼女はまだ、コンソールのケーブルをシステ
ムコンピュータにつなぎ、アクセスを試みている最中だった。すべては、彼女が見た幻覚
だったらしい。
彼女の後ろに、蝶の羽根を持った少女がいた。
「さあお姉ちゃん。着ている服をぜんぶ脱いで。隣の部屋に、特別に改造手術台を用意し
てあるわ。」
レベッカの身体はひとりでに立ち上がり、身につけたコンソールやバックパック、ホルス
ター等を外し始めた。
「…ダメ! ダメよ! ダメだったら!!」
口は動くが、身体はまったく言うことを聞かない。レベッカの身体は黙々とボディスーツ
を脱ぎ、ブラジャーを外した。98センチの豊満な胸がぷるん、とあらわになった。
「い、イヤよ。改造されるのはイヤ! イヤだったらイヤ!」
レベッカは、レースのついた黒のショーツを脱ぎ捨て、生まれたままの姿になった。
「ふうん。きれいな身体だねお姉ちゃん。でももうすぐ、わたしと同じインセクトサイバ
ーに生まれ変るんだよ。」
隣の部屋に通じるドアが開いた。レベッカはゆっくりと、そちらに向けて歩み始めた。
彼女は覚悟を決めた。改造されるくらいなら自爆する方がマシだ。ああ、わたしってば何
て運が悪いんだろう。でも仕方がない。舌の先で奥歯のキャップを外し、プラスティック
爆弾の起爆スイッチを力いっぱいに噛みしめた。
・・・
何も、何も起こらなかった。レベッカの歯が、スイッチの手前で止まってしまったのだ。
「…あががが…あがが…」
もはや、レベッカは自分の意思で口を動かすことすら、できなくなっていた。
「ダメだよぅベッキーお姉ちゃん。せっかく生まれ変れるチャンスなんだから。ほら、も
っと嬉しそうな顔をして。改造手術が終わったら、きっと生まれ変わったことに感謝する
んはずよ。そうそう。改造手術って、とおぅっても気持ちいいのよ!」
《いやぁ! 助けて! 誰か! 助けて!! お願い!!》
レベッカの心の叫びは、誰にも届かなかった。蝶の羽根を持った少女に付き添われたまま、
彼女の真っ白な裸体は、改造手術室の中へと消えていった。

404 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:15:32 ID:bOEawPhY]
その頃、閃花はアジトの中枢区画に潜入し、内部構造を確かめながら移動を繰り返してい
た。彼女の主な任務は、“バズゥ”支配者の正体解明だった。だがどの区画にも、手がか
りになりそうなものはなかった。
シャドウアントを一体捕らえ、脳に鋒針を突き刺して尋問を試みた。閃花は鍼の極意も心
得ている。相手が人間ならば、これでペラペラ喋るはずであった。だがインセクトサイバ
ーの神経組織は人間のものとは異なるのか、脳が壊れただけで何ひとつ聞き出すことはで
きなかった。
ひょっとしたら、改造人間たちも自分たちの主人について、何も知らないのかもしれない。
それでも、彼女たちに命令を伝える経路がどこかにあるはずだ。いったいどこで、改造人
間たちは指令を受けとっているのだろう?
やむを得ず、閃花は上層に移動した。インセクトサイバーたちがたむろする場所を見つけ
れば、きっと手がかりが得られる。多少危険だが、仕方が無いだろう。
階段の陰に身を隠した閃花の後ろから、彼女を呼ぶ声が聞こえた。
「閃花、閃花!」
閃花は拳銃を抜いてキッ! と振り向いた。まさか、このわたしが後ろを取られるなんて。
険しい目でにらむ閃花の前に現れたのは、別行動を取っているはずのレベッカであった。
「閃花。無事で良かったわ。」
「…レベッカ。どうして合流するの。一網打尽にされないよう、別行動を取る手筈よ…」
「緊急自体なのよ閃花。ルイが連中に捕まって、改造されちゃったの。もう、ホントに運
の無い子なんだから!」
「ルイが…」
「そう。この先の改造手術室にいるわ。アサルトビーに改造されて、格段に手強くなって
いる。私だけじゃあ歯がたたないわ。だからお願い。手を貸して! あの子を楽にしてあげ
なければ!」

405 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:16:29 ID:bOEawPhY]
「…わかった。」
レベッカの案内で、閃花はその階を先に進んだ。ふと、閃花はレベッカに問いかけた。
「レベッカ。どうして、香水がいつもと違うの。」
「…え? ああ今日はね。気分を変えてみたい時ってのもあるじゃない?」
「…そう。」
その答えを聞くや否や、閃花はレベッカの額めがけて強烈なパンチを繰り出した。
パアン! サイバーバスターが炸裂し、レベッカは地に沈んだ。
「工作員が、香水をつけるはず、ないじゃない…」
気絶したレベッカの姿が、徐々に別のものに変っていった。虹色に輝くボディを持った、
20代前半の東洋人の女性だった。背中には、玉虫色をした甲虫の羽根が生えている。
見たことのない、新タイプのインセクトサイバーだった。別の人間に化けることができる
改造人間。姿だけでなく、口癖や身振りのちょっとした癖まで、完璧にコピーしている。
腑に落ちなかったのは、インセクトサイバーが、閃花たち3人のことを既に知っていたこ
とだ。誰かが既に“バズゥ”の手に落ちたに違いまるまい。それがルイなのかレベッカな
のか。いずれにせよ、それまでの仲間もいったん改造されてしまえば明らかに敵だ。決し
て容赦してはならない。閃花はレベッカに化けたインセクトサイバーが案内しようとした、
改造手術室の前に立ち、用心しながらその扉を開いた。

406 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:17:18 ID:bOEawPhY]
急造の改造手術室の中央、レベッカの身体は円形の手術台の上に、大の字に固定されてい
た。彼女の両側には、明滅する色とりどりのランプが一列に並び、奇妙な音を立てている。
3体のシャドウアントが手際よく、レベッカの脇、脇腹、太股、そして乳房といった、全
身の性感帯に電極を固定していった。乳首の奥めがけて、鋭い痛みとともに長い針がブス
リと差し込まれた。股間の秘唇が広げられ、皮を剥かれたクリトリスに電極キャップが被
せられた。
「い…いやよ…やめて…やめてってば!」
蝶の羽根を持った少女の合図と共に、全身の電極に鋭い刺激が走った。たちまち凄まじい
ばかりの快感がレベッカの肉体を襲い、彼女は全身を激しく痙攣させて悶えた。
「ア! ア! ア! やめて! やめてお願い! アアッ!!」
ガクガクと身体を震わせ、口から泡を飛ばしながら、レベッカは腰をくねらせて悶え狂っ
た。手術台の両脇にある遺伝子活性化光線も、激しい明滅を繰り返した。
シャドウアントが二人がかりで、レベッカの腰を押さえつけた。蝶の少女が太さ5センチ
ほどの蠕動するノズルを取り上げ、すっかり濡れそぼってグショグショになっているレベ
ッカの秘孔に、ズブリと押し込んでいった。
「アアッ! 痛いッ…アッ…アッ…アアアッ…アウッ…アウッ…!」
膣の最奥まで挿入されたノズルは、激しく蠕動しながら、レベッカの胎内に何かを次々と
注ぎ込んでゆく。気も狂わんばかりの快楽に、レベッカは腰を浮かせてリズミカルに振り
ながら、悩ましい嬌声を上げてあえぎ、よがり、悶えるのだった。
「…あん…あうん…はうん…んッ…んッ…あうンッ…はうッ…はうッ…はああんッ…」
26歳のレベッカは、もちろん処女ではなかった。だが彼女はここ15年以上も、男性と交わ
ってはいなかった。
9歳にして大学に入学した天才少女レベッカ・スウェンソンは、その人形のような美貌で
他の学生たちに可愛がられる一方、激しい嫉妬を一身に受けた。負けん気の強い少女は、
見下されないために大人ぶろうと努力した。彼女は大人の恋愛に混ざろうとし、幼女趣味
の男子学生のひとりに処女を捧げ、肉体関係を持つに至った。だが知識は豊富でも、人生
経験のほとんど無い少女には、大人の生々しい性愛は過酷なものだった。

407 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:18:18 ID:bOEawPhY]
自分が愛されていると信じてはいたが、その実、彼女は単なる可愛いペットに過ぎなかっ
た。やがてレベッカは妊娠し、さらに中絶を繰り返した。そして10歳になった時には、彼
女はもう一生、子供を産めない身体になっていた。身も心も深く傷付いたレベッカは、以
後男性に対して心を閉ざし、恋愛を自らに禁じた。もっとも、ミス・パーフェクトに釣合
う男性など、この世のどこにも存在しなかった。ナイスバディの絶世の美女に成長したレ
ベッカを、男性たちはみな憧れのまなざしで見つめたが、声を掛ける勇気のある男性はほ
とんどいなかった。
哀れなレベッカは性の喜びを知らぬまま、年老いてゆく運命だったのかも知れない。だが、
その運命はこの日、大きく変転した。
子宮の奥に改造ナノマシンを注入される改造セックスによって、レベッカは、とうとう女
としての歓びに開眼した。もはや彼女には、思考する力は残されていなかった。ただただ
性欲に飢えた一匹の牝となり、少しでも快楽をむさぼり尽くそうと腰を振りながら、至高
の快楽にあえぎ狂っていた。
「…はうッ! …はうッ! …ああッ…あッ…あッ…あうッ! …あうッ! アアアッ!…」
《これが…これが改造手術なの!? …ステキ!…なんてステキなの!! …わたし、改造人間に
されているのね…何て、何て幸せなの! …もっと、もっとわたしを改造して!! …ああッ!!
…わたしってば、何て運がいいんだろう! こんな素晴らしい思いができるなんて! 最高
よ、サイコー!!》
レベッカの身体が、次第に青い色に染まってきた。乳房の周囲に、黄色と黒の同心円模様
が、くっきりと浮き上がってきた。
そして半時間後。手術台の上に横たわっているのはもはや諜報部員レベッカ・スウェンソ
ンではなく、“バズゥ”の命令通りに動く、蜂型改造人間の最新作であった。

408 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:19:09 ID:bOEawPhY]
部屋に残っていたインセクトサイバーたちを一通り倒し、蜂女の姿のルイは、改造手術室
の設備をひとつひとつ確かめていた。改造された身体を元に戻す方法を見つけるためだ。
《ダメだわ。さっぱり仕組みが理解できない。これは何とかして、ベッキーに事情を説明
して見てもらわないと。けど、果たして今のわたしの姿を見て、信用してもらえるのかし
ら?》
ルイが途方に暮れていたその時、手術室の扉がバタンと開き、外から黒い影が飛び込んで
来た。
「閃花!?」
突然のことにルイは驚愕した。いや、驚いたのは閃花も同様だった。互いに見つめ合う一
瞬の呼吸の後、両の拳にサイバーバスターをはめた閃花が、ルイ目がけて襲いかかってき
た。
反射的に飛びのくルイ。
「違う! 違うのよ閃花! わたしは、改造されたわけじゃないの!」
閃花はいったん距離を取り、再びジャンプして着地した足を軸に旋転脚を放つ。身体を大
きくムチのようにしならせて、鋭いキックが飛んでくる。だが改造されたルイの肉体には、
それほどダメージを与えることができない。
「話を聞いて! 閃花! わたしは敵じゃないのよ!」
いくらルイが頑丈なボディになったとはいえ、本気になった閃花の戦闘力はかなりのもの
だった。次第にルイは、壁際に押されてゆく。必死でガードしているが、額にサイバーバ
スターを食らえばそれでおしまいだ。閃花のことだから、必ず自分にとどめを刺して、楽
にしようとするだろう。
とうとうルイは、壁際に追い詰められてしまった。閃花が肱のホルダーから、鋒針を取り
出した。本気で必殺の一撃を放つつもりらしい。
ルイは迷った。今のわたしなら、閃花を倒すことができるかも知れない。でも、そんなこ
とをしたら閃花が…!
閃花が呟いた。「さよなら…ルイ。」

409 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:19:54 ID:bOEawPhY]
その時だった。ルイの背中の壁がクルッと回転し、ルイは突然隣の部屋へと投げ出された。
回転扉は再び元のように閉じ、ガンガンと閃花が壁を殴る音だけが響いてくる。
薄暗い部屋の床に倒れて呆然となったルイの前に、別の人影が現れた。
「…怪我はない、ルイ?」
「…ベッキー!?」
その声は間違いなく、レベッカ・スウェンソンだった。だが立ち上がって彼女の姿を見た
ルイは、再び呆然となった。
「えへっ。わたしも、ドジっちゃった。」
レベッカの肉体は、真っ青なボディに、黄色と黒の同心円模様の乳房を持った、蜂女のも
のだった。額からは真っ赤な触角が、背中には黄色い透明な羽根が生えている。ルイと同
じ姿、いやルイ以上に、インセクトサイバー化された姿だった。
「…じゃあ、ベッキーもあのタイツを?」
「そういうこと。今日は何て運が悪いの、わたしたち。…でも安心して。きちんとした改
造手術の設備さえあれば、元の身体に戻れるわ。」
「ほんと!?」
「任せて。でも、さっきの手術室は閃花に知られてしまったから、もう使えないわね。」
「それなら大丈夫よ、ベッキー。このフロアには改造手術室があと2つあるの。いちばん
小さくて警備が手薄だったのがさっきの部屋。もっと設備が整った部屋が他にあるわ。警
備は厳重だけど、今のわたしとあなたがいれば、きっと突破できるはずよ。」
「よし、それでいくわ。」
レベッカは悪戯っぽくウィンクした。ルイもサムズアップでそれに応えた。だがルイは、
陰でレベッカが妖しい笑みを浮かべたのには、ついに気付くことがなかった。



410 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:20:47 ID:bOEawPhY]
それから10数分後。一度に30人を改造できる巨大な手術室の中を、2体の蜂女が暴れ回り、
あっと言う間に制圧してしまった。床に倒れた十数体の改造人間たちを一箇所に集めて片
づけた後、レベッカが肩で息をするルイに向かって優しく言葉を掛けた。
「ルイ。あなたから先に手術台に乗りなさい。人間への再改造はすぐに終わるわ。」
ルイはバックパックやベルトを外し、勧められるままに手術台の上に横たわった。レベッ
カはルイの手足を、手術台に次々と固定していった。
「どうして、手足を固定するの?」
「暴れて、手術台から転げ落ちたりしないようによ。」レベッカはクスリと笑った。
次いで手際よく、レベッカはルイの全身の性感帯に、電極を取りつけていった。手術台の
両脇に遺伝子活性化光線の照射装置をセットし、機械のスイッチを入れた。
「…あ…何よこれ…何…この気持ちいいの…あ…あッ…ああッ…アッ…アッ…」
ルイは身体を硬直させて、身体を貫く奇妙な快感に抵抗した。レベッカは改造ノズルを取
り上げ、ルイの股間の秘裂を押し広げて秘芯の位置を確認した。
「あら? ルイ、あなた…まだ処女だったの?」
ルイは顔を真っ赤にした。「わ、悪い!?」
レベッカは微笑んだ。
「そうじゃないわ。処女だったら、最初から至高の快楽を味わえるわけだから、幸せだな
ぁって思ったのよ。もっとも、完全な蜂女になった後は、そんな快楽が毎日味わえるんだ
けどね。」
その言葉を聞いて、ルイの心臓は凍りついた。
「え…ベッキー! いま、何て言ったの!?」
「あなたはこれから、本改造を受けて完全な蜂女に生まれ変るのよ。」
そう言ったレベッカの顔は、優しく微笑んでいたが、悪魔のような邪悪さに溢れていた。
「ベッキー! あなた、一体!?」
「わたしはもう、ベッキー・スウェンソンじゃないわ。“バズゥ”のために奉仕するイン
セクトサイバー、改造人間・蜂女なの。」
そう言ってレベッカは、妖しく微笑みながら大きく羽根を広げ、空中に浮き上がった。

411 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:21:41 ID:bOEawPhY]
「ちくしょう! 放して! 放してよ! ここから放して! お願い!」
「ダメよ。あなたはこれから、蜂女に生まれ変わるのよ。」
ルイは目の前が真っ暗になった、やがて覚悟を決めて、奥歯のプラスティック爆弾で自爆
しようと試みた。だが、どういうわけか爆発が起こらない。
「無駄よ。あなたが身につけた改造タイツには、爆発物を取り除く力があったの。」
ふわりと着地したレベッカが、ルイの秘唇を押し広げ、膣孔目がけて勢いよく改造ノズル
をブスッ! と挿入した。鮮血が飛び散り、ルイの処女膜が破られた。
「…痛い! 痛い痛い痛い! やめて! 痛いッ! …アッ! …アアッ…あッ…あッ…」
破瓜の鋭い苦痛に続き、凄まじい快楽がルイの全身を押し包んだ。生まれて初めて味わう
性の快楽に、ルイは身体を激しく痙攣させて悶えた。
その時。
バタン!! 大きな音とともに、手術室の扉が開いた。一瞬我に返ったルイが見たものは、鋭い
目つきで対峙する、レベッカと閃花の二人だった。
恐いまなざしでレベッカをにらみつけながら身構えている閃花の両の手には、3本ずつの
鋒針が握られていた。確実にとどめをさすつもりなのだ。一方のレベッカは妖しく笑いな
がら、両腕と羽根を広げて閃花を挑発している。レベッカの乳首がピクピク痙攣している
のは、毒針の発射準備をしているのだろう。
不意に、閃花がジャンプした。レベッカは閃花の一撃を間一髪でかわすと、床を大きくポ
ン、と蹴った。たちまち床に大きな穴が開き、レベッカは着地した閃花もろとも、奈落の
底へと落ちていった。
その光景を、ルイは夢見心地で眺めていた。二人が地下に消えると、ルイはもう、二人の
ことを考えるのはやめた。今はただ、この快楽を味わっていたい。全身を包むこの素晴ら
しい快感を、とことんまでむさぼりたい。ルイにはもう、インセクトサイバーに改造され
ることの嫌悪も恐怖もなかった。改造手術! 何て素晴らしいんだろう。わたしは今、改造
手術を受けて蜂女にされてゆく。ああっ、幸せ。もっと、もっとわたしを改造して! 蜂女
にして! お願いッ!
「…ああン…ああン…はうッ…はうッ…ステキ! …ステキよ! …アアッ…アアッ!」

412 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:22:34 ID:bOEawPhY]
真っ暗な空間の中で、閃花は意識を取り戻した。蜂女に改造されたレベッカの姿は、もは
やどこにも見当たらない。フラフラと立ち上がった閃花は、この空間に出口はないのか、
五感を集中させて捜し回った。だが、どこまで歩いても壁に到達しない。この空間がどれ
だけの広さがあるのかすら、うかがい知ることはできなかった。
レベッカは既に、完全な蜂女に改造されてしまっていた。ルイもあの分だと、既に改造さ
れているのだろう。もはや残された工作員は、自分ひとりだ。何としても、最低限の任務
は果たさなければならない。そのためには、何とかしてここから脱出しないと。
不意に、目の前に人影が現れた。レベッカでもルイでもない。30代半ばの、偉丈夫の男性
だ。
「…黄(ウォン)…師匠…?」
それは、香港の犯罪組織・夜龍(イエルン)の幹部のひとりであり、閃花を一流の暗殺者
に育てた男、黄輝鳳(ウォン・ファイフォン)であった。
「…閃花。元気だったか?」黄は、閃花に向かって微笑んだ。
閃花は身構えた。
「…馬鹿め。黄師匠はとっくの昔に死んだ。お前は偽者だ。さっきのレベッカと同様、改
造人間が化けた偽者だ!」
「…偽者かどうか、そなたの拳で確かめて見るがいい。」
「上等!」
ジャンプした閃花は黄の前に着地すると、素早く旋転脚を繰り出した。それがかわされる
と、そのまま一回転しながら後ろ旋転脚に切り替え、一撃を黄に放った。
黄はクロスした両腕で閃花の蹴りを受け止めた。気合いとともにそれを跳ね返すと、体勢
を崩した閃花目がけて、掌底の激しいラッシュを見舞った。
両腕でガードしながら、たちまち押されてゆく閃花。一瞬の隙をついて足払いを仕掛けよ
うとしたが、逆に軸足を払われ、肱の強烈な一撃を脇腹に受けた。
「…ウ…グッ…」
「どうした。まだ来るか閃花!」
脇腹を押さえながら立ち上がった閃花は、ポロポロと涙を流しながら黄に訴えた。
「師匠! …なぜ、なぜ今頃になって、現れるのですか!?」

413 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:23:12 ID:bOEawPhY]
黄輝鳳は、閃花にとっては拳の師匠であると同時に、大恩ある存在だった。華僑の名家に
生まれた閃花は、両親の死後12歳の時に、一族の後継者争いに巻き込まれ、叔父に全財産
を巻き上げられたあげく売春窟に身売りさせられた。毎晩、野卑た男たちに肉体をむさぼ
られる地獄の毎日から救い上げてくれたのが、彼女の才能を見いだした黄だったのだ。
地獄の生活の中で感情を失っていた閃花は、3年間の修行を経て、超一流の暗殺者へと成
長した。感情を持たぬ戦闘マシーン。それが閃花の評判だったが、閃花は黄にだけは人間
らしい感情を露わにした。黄は閃花にとって師匠以上の、まさに神のような存在であり、
自分の存在意義の全てであった。
「閃花。そなたは、私の最後の言葉を忘れたのか?」
忘れるはずがない。夜龍が壊滅し、炎に包まれた館の中で、虫の息の黄は閃花の手を握り
締め、こう言ったのだ。
『…復讐は考えるな。そなたは、もう自由だ。』
「閃花。今のそなたは自由になったと言えるのか! 暗殺者から諜報部員に転身したものの、
相変わらず心を閉ざしたままの日々。そなたには、もっと明るい未来が待っていたはずだ
ぞ!」
閃花はボロボロ涙をこぼしながら、拳をギュッと握り締め、こう訴えた。
「しかし師匠! わたしには、わたしには、こんな生き方しか、できそうにありません!」
黄は閃花の肩に手を掛け、優しく諭した。
「なあ閃花。そなたは一度死んだのだ。死んだつもりで、やり直せばいいのだ。新しい自
分に生まれ変わって、自らの心を解き放つのだ。」
「師匠! でもわたしには、どうやれば生まれ変わることができるのか、わかりません。」
「閃花。ならば私に、身を預けてみるか? 今日、今までのそなたは死ぬ。そして、新たな
自分に生まれ変わるのだ。」
「…はい、師匠!わたしは、師匠にわたしの全てをお預けいたします!」
閃花はそう言って、黄の胸に飛び込んでいった。黄は閃花の華奢な肩を、優しく抱きしめ
た。チクリ! 何かが閃花の首筋を刺した。
「ウッ…!」
閃花は、黄に抱きしめられたまま、意識を失った。

414 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:24:04 ID:bOEawPhY]
…そこは、そう広くもないありふれた部屋の中だった。閃花は、虹色に輝くボディを持っ
た甲虫型改造人間、イミテートジュエルビートルの一体に抱きかかえられていた。その背
後には、ドリームバタフライと、ヒプノシーケイダが二体ずつ控えていた。都合5体のイ
ンセクトサイバーたちのコラボレーションによって、“バズゥ”は閃花をようやく手中に
納めたのであった。
「…まったく! 苦労させる子だわ。」
乳首から催眠針を放ったのは、蜂女に改造されたレベッカであった。レベッカはクスリと
笑って
イミテートジュエルビートルから閃花の身体を受け取り、改造手術室へと運んだ。
全裸にされた閃花が、改造手術台に大の字に固定されてゆく。全身の性感帯に電極をセッ
トされ、電気パルスで充分に潤った閃花の膣孔めがけて、レベッカは改造ノズルを挿入し
た。
「ウッ…アアッ…アア…ハァ…ハァ…ハァ…アウッ!…アウッ! …アアウッ!」
たちまち顔を紅潮させて、閃花は改造手術の快楽に飲み込まれていった。
閃花の隣の手術台では、完全な蜂女として生まれ変わったルイが、妖しく微笑みながらゆ
っくりと身を起こした。自分の膣孔奥深く挿入された改造ノズルを、ゆっくりと引き抜き、
したたり落ちる粘性の液体を舌を伸ばしてからめ取った。心ゆくまで改造ノズルの先端を
しゃぶったルイは、艶めかしく乳房を揉みしだきながら立ち上がり、羽根を大きく広げた。
「…ウフフフフッ。わたしは、“バズゥ”の改造人間・蜂女。ウフフフフッ!」
改造手術を受けている閃花の乳房に、黄色と黒の同心円模様がうっすらと現れた。閃花は
腰を激しく振りながら、全身をくねらせて改造手術の快楽に身を委ね、新しい自分へと生
まれ変わっていった。
「…あン…あン…あううン! …はあッ!…はあッ! …あううッ! …ああンッ!…」

415 名前:BeeF mailto:sage [04/12/12 03:24:45 ID:bOEawPhY]
同じ日の午後5時。予定通り神の鳥島の上空を通過しながら、飛空バックパックを投下し
ようとした輸送艇は、島の中央から凄まじい勢いで上昇してくる、3つの物体に遭遇した。
「…な、何だあれは! は、は、蜂女だぁッ!!」
機長と操縦士はパニックになった。飛行中の輸送艇は、3体の蜂女によって取り囲まれて
いたのだ。一体は金髪、一体は長身の黒髪ロングヘアー、そしてもう一体はショートカッ
トで小柄な蜂女だった。
蜂女たちは自分の乳房を両手で掴むと、乳首を輸送艇の方に向けた。鋭い針の群れが一斉
に放たれ、輸送艇の外壁は文字通り蜂の巣になって、爆発炎上し太平洋に落下した。

その直後。北太平洋上に停泊していた米国海軍のニミッツ級原子力空母“ビルクリントン”
は、突然現れた黒雲にすっぽりと覆われた。黒雲の中からは激しい怒声、悲鳴、銃声が響
いていたが、やがて完全に沈黙した。

それから1時間後。午後7時。世界中のTV放送は、謎の電波によって全てのチャンネル
が乗っとられてしまった。TV画面に映し出されるのは、どのチャンネルをひねっても、
美しい3体の蜂女の姿だった。
蜂女たちは、冷たい声で人々にこう宣告した。
「全ての人類に告ぐ! 我々は、昆虫人間帝国“バズゥ”。人類の上に立つ者だ。今から24
時間以内に、全人類は我々“バズゥ”に対し全面降伏せよ。素直に降伏するならば、我々
の奴隷としてこの地球上に生存することを許可しよう。もしも拒むならば、大虐殺がお前
たちを待っている。既に我々は、米国の原子力空母を襲撃して水爆を手に入れた。我々に
敵対するいかなる兵力も、我々は即座に手中にすることができる。一切の抵抗は無駄であ
る。繰り返す! 明日の午後7時までに、全人類は我々“バズゥ”に対し全面降伏せよ!」
全世界で、凄まじいパニックが巻き起こった。だがそれは、これから始まる地獄絵図の、
ほんのプロローグにしか過ぎなかったのだ。
                                  (おわり)

416 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/12 03:53:16 ID:v4IjhHHK]
ワンパターン

417 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/12 06:05:03 ID:Ry68ZUsq]
確かにそうだが、偉大なるワンパターンでは?

418 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/12 12:18:36 ID:uVwmAMQt]
「オニャノコ登場」→「罠にかかる」→「改造手術」→「怪人化」

この大枠は変えられないんだから、ワンパターンになるのは仕方無いだろ?

419 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/12 19:21:47 ID:7fl0pbUj]
お試しでつ
ttp://akm.cx/2d/img/9163.jpg



420 名前:名無しより愛をこめて [04/12/12 22:17:34 ID:7evtg2y9]
>>419
待望の絵師さんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
禿しくGJ! 特に胸のハートマークがカワ♥イイ。

>>416-418
BeeF氏のSSは、結果が見えているお約束展開の中で、そのディテール描写を楽しむべき
ものだと個人的に思うので、ワンパターンうんぬんを議論しても始まらないと思う罠。

421 名前:名無しより愛をこめて [04/12/13 02:46:56 ID:5NjueLx4]
だけど人類破滅のオチ方向ばかりじゃチョット・・・

422 名前:292 mailto:sage [04/12/13 03:38:00 ID:g2/S4XlD]
Beefさま
遅くなりましたが、堪能しました
お疲れさまです

423 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/13 04:00:17 ID:DuYO7dxz]
>>420
そのディテール描写とやらも…。

424 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/13 05:10:50 ID:xtUCDffo]
BeeFさんの「改造ノズル」も悪くないけど、個人的にはやっぱ白い柔肌に冷たいメスが襲う・・・
てのが萌え(つーてもグロは勘弁なので、この辺の匙具合は難しいが)。

自分ではSS書きもしない癖に文句だけ一丁前ですんません・・・
絵なら少し描けるのでその辺で参加してみようかなと思ったり。

425 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/13 09:44:01 ID:o+b6ufg9]
このスレ専属のSS職人さんに飽きてきたのなら、
ネット上から萌えるおにゃのこ改造SSを漁ってきて貼って欲しい。

426 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/13 18:13:50 ID:03w34PKE]
>>425
良質な物件を知っているがお前の態度が気に入らない(AA略

427 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/13 18:46:51 ID:gAuz5mIz]
蜂女とバトル中に穴に落ち、脱出したいんだが互いに傷を負っていて単体では脱出不可。
敵同士、さーどうする?

なんてシチュをキボンヌ。

428 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/13 19:06:50 ID:tMkmenlW]
それじゃスレタイ無関係やん

429 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/13 19:47:13 ID:6UlVXPN0]
じゃ、傷を負った怪人と一緒に穴に落ちたのは普通の女性で、怪我は負わなかったが自力で脱出は出来ず。
助かるために一時的に蜂女になるよう提案され、初めは拒否するが結局同意し共に脱出。
元の怪人は穴から出るとコソコソと逃走。
一人残されて途方に暮れた女は正義の味方を発見して助けを求めるが、
怪人と誤解されたまま抵抗も出来ず正義の味方に飛び蹴りされてあぼ〜ん。

なーんてな。



430 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/13 20:04:46 ID:gAuz5mIz]
んだって、ムカデ男とは穴に落ちたくはないもの。
蜂女だから一緒に穴に落ちたいのだ。

431 名前:名無しより愛をこめて mailto:sage [04/12/13 22:53:05 ID:KS5nlkGG]
>>424
今度は絵師さん候補キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
ぜひともうPお願いします!!

>個人的にはやっぱ白い柔肌に冷たいメスが襲う・・・
前スレ525氏のSSがそれなんじゃないかと思ったりする。
改造後はグロくなるけど。






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