- 410 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 [2007/03/08(木) 12:42:00 ID:Xl0UGtkr0]
- >>406の続きをどうぞ。
車外に漂う微かな匂いから、鬼の虎パンを思い出した牛太郎。 鬼までもう間近と思うと、どうしても気が急いてしまったようです。 山道に差し掛かったとき、つい、アクセルを踏みすぎたようで、 愛車ボル○がスピンし、路肩に脱輪して動けなくなってしまいました。 「クチャクチャクチャ。あかんわ。クチャクチャクチャ。」 好物のさいぼしを口にほおばりながら、牛太郎はゆっくりと車から出てきました。 携帯電話が通じないところですが、牛太郎には持ち前の大声があります。 この場所から、大声を出せば、宮津あたりまで聞こえるかもしれません。 しかし、大声をあげてしまうと、当然、鬼にも感づかれます。 「この白いスーツを汚したくないが、しゃあないか。」 牛太郎は、脱輪した箇所に向かうと、持ち前の怪力で車を持ち上げました。 何とか、脱輪はクリアできましたが、せっかくの白いスーツを汚してしまった牛太郎。 「戦闘意欲を失ってしもた。鬼にも会いとうない。いったん戻ってクリーニングするか。」 なんと、牛太郎は、白いスーツの汚れを落とすために、元来た道を戻り始めたのです! 「隣保でクリーニングしてもろたらええかな。このあたりに隣保館はないやろか?」 牛太郎は、カーナビをいじり始めましたが、「隣保館」では検索できませんでした。 現代のカーナビの「エタバージョン」には、隣保館、食肉市場、公衆銭湯、全国の指定地区ぐらいは ふつう登録されているものですが、エタ仕様にはなっていなかったのです。 「ボル○の店員はあかん。フタツとヨツの違いぐらい、わからへんのか。」 牛太郎は、少々、カチンときました。
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