- 351 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 [2007/02/19(月) 12:46:11 ID:MRVe9VHc0]
- >>344のつづきをどうぞ。
エタの雲助のカゴ屋の世話になることに決めた牛太郎。 快調に坂を駆け上がっていくカゴ担ぎに、牛太郎は訊きました。 「あんたら、出はどこや?凶都市内に実家があるんか?」 すると、前にで担いている雲助はこう言いました。 「俺は、伏見のもんや。6人兄弟の4番目やが、兄弟みな伏見から出とるわ。」 これを聞いた牛太郎は驚き、「みんな何の仕事しとるんや?」と尋ねたところ、雲助はこう言いました。 「一番上の兄は、怪童で事務やっとる。2番目の長女は、役所で働いているわ。3番目の次女は焼肉屋に嫁いどる。 で、次男の俺がタクシーやろ。すぐ下の弟は和太鼓づくりの職人。一番下の弟は左官や。」 「みんな真面目やないか。カタギばかりなんて、えらいのう。親父はんは?」 「いま、兄と住んどるが、元教師や。」 これを聞いて牛太郎は納得した顔をして、今度は後ろで担ぐ雲助に同じ質問をすると・・・。 「俺は不苦血山の出で、4人兄弟の長男でタク運やっとるが、カタギは俺だけや。 すぐ下の妹は組のもんに嫁いでしもたが、下の弟2人は、いま服役しとる。」 「そうか。そうか。俺も服役経験があるねん。男に生まれたからには、服役の一度や二度せんとな。」 雲助2人といろいろ話しているうちに、カゴは頂上に着きました。
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