- 49 名前:603 mailto:sage [2007/02/18(日) 02:01:29 ID:???]
- 虚空の空間に強烈な光が通り過ぎる。その光はオルテュギアのブリッジにいた人間の目を刺し、視界を遮った。
ほんの一瞬の光の後、レーダーが何かを察知したのか警告音を鳴らす。 「くっ…何が起きた!確認急げ」 黒い長髪の青年が叫ぶ。その声に反応し、数人のクルーが計器を操作しはじめる。 しかし、光によって奪われた視界がすぐには戻らず、こめかみに走る痛みが作業を大幅に遅らせ、 行動に移ることができるまでに数分の時間を要することとなった。 レーダーの反応が示す位置は、先ほどまで反応のまったく無い虚空の空間であり、 それは突如として何がが出現した、もしくは今までこの艦のレーダーに引っかかることなく接近し、 先ほどの光をきっかけとしてレーダーに姿を現したか、である。 戦時中とはいえ、何も無い場所であるだけに待ち伏せという可能性は極めて低い。 ミラージュコロイドを使用した可能性が無いとはいえないが、有るともいえない。 なぜなら、地球連合軍ユーラシア連邦の特務部隊Xとして行動をしている彼らは、その名の通り表に出ることは無いに等しい。 知られていたとしても、現時点ではまだ他の連合所属各国の諜報部が部隊名という尻尾を掴んだ程度に過ぎないだろう。 だとすれば行き着く答えは「何かが出現した」という可能性である。 空間を越えると言ったようなオーバーテクノロジーが存在しない以上これもまたありえないことだが、 レーダーが察知した以上、確かめなければならない。 「周囲に他の反応は無いようです」 「…そうか」 クルーの一人が報告をし、黒髪の青年は少し考え、決断した。 「レーダーの誤作動かもしれんな。だが確かめる必要がある。進路変更だ」 「了解!」 そしてオルテュギアはレーダーの示す位置へと進路を変更する。運命の交差地点へ 【NEXT EPISODE:厄介な拾い物】
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