- 290 名前:十年 mailto:sage [2010/02/14(日) 17:45:49 ID:EUF4yHst]
- 私が生まれた時には祖父母も健在で、そのうちに弟二人が生まれた。
その頃が父にとって一番幸せな時期だったかも知れない。 祖父母が他界し、私や次男が進学して家を出て行ってからは 実家をあまり気にしていなかった。 私が25歳、三男がまだ18歳の時父が他界した。 都会に就職していた私はどうしようかと思ったが、死を予期していた父が三男を 口説いていたのだろう、すんなり跡を継いでくれた。 私の実家には少しの畑と、一家で食べて少し供出できる程度の水田があった。 父が他界するのと同じ時期に、その水田が国道として買い上げられた。 そこまでは良かったが、母がそのお金で都会に出て行った親戚(母の実家)の 水田等を買うと言い出した。 おいおい何をするんだ、お金のことじゃなくて誰が耕作するんだい!? と言うことで、GWに十連休を取って私が手伝いに行く羽目になった。 父が他界してすぐ今の嫁と知り合い、一年後に結婚、その一年後に長男誕生。 私は大抵家族で実家に帰っていたのだが、ある時一人で帰ってしまった。 弟は友達と夜遅くまで遊んでいるし、質素倹約を旨とした父と違って 「稼ぎに追いつく貧乏なし」の母は夜の世界へ… まぁ、夜の世界と言っても温泉旅館の皿洗いだが、一人でテレビを見ながら 晩酌して待ってる私も何日も続くと堪らなくなった。 「晩年のオヤジはずっとこんな生活をしていたのか!?」と思ったとたん 涙があふれて止まらなかった。 幸せの絶頂の私とあまりにもかけ離れていた父とのギャップと言うか、 自分が幸せであることを実感させられたからと言うか… この出来事が十数年後の私を厄介な事に巻き込むのである。 私の嫁は家事が好きで働きに出るのは嫌いらしい。 ある晩、子供のことで帰りが遅くなった。 一人でテレビを見ながら晩酌をしていた私は、映画かドラマに集中している時 突然、涙が溢れ出して止まらなくなった。 なんだこれはと心配になったが、これが>>289でも起きた「泣き上戸」だ。
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