- 735 名前:人間七七四年 mailto:sage [2017/04/15(土) 20:11:15.64 ID:5urH6aPk.net]
- ウィリアム・J・ブースマ「ギヨーム・ポステル 異貌のルネサンス人の生涯と思想」より、ギヨーム・ポステルについて
西欧の言語はもちろん、ヘブライ語、アラビア語など様々な言語を習得し、 すべての言語はヘブライ語に由来するといった本を記述し、比較言語学の創設者の一人とされ、 フランス王フランソワ1世に数学や言語学を教授し、 イエズス会に入り、自分が翻訳した聖書で世界中をカトリックに改宗させようとし、 カバラ思想によってプロテスタント的な千年王国思想を広めようとし、 ある女性を「新しいエバ」、彼女によって生まれ変わった自分を「第二のカイン」、とみなし、 なんだかんだで異端審問にかけられ、「狂気」の判決を受ける、 という波乱万丈の人生を送ったギョーム・ポステルであったが、その日本観。 日本は自然理性の一種のユートピアであり、 ・日本人は3つの偶像を崇めているが、それは三位一体を認めたためである。 ・神の前でとりなしてくれる処女なる母(脇から出産した摩耶夫人?)を崇拝し、彼女の息子釈迦の伝説を守り伝えている。 ・日本人は一神教徒でもあり、賞罰を伴う死後の生を信じている。 ・共同生活に基づいた一種の修道院制度を実践し、断食、祈祷、説教をする。 ・長子相続制と君主による宗教的共同体の統率の有効性を堅く信じている。 そのため、日本人が現に行っていることをイエスの名においてなしさえすれば、彼らは「世界でもっとも完全な人間」となる。 こうして神は東方を善行のうちにとどめ、東方以上に完全な生き方はない。 かたやキリスト教という至高の教義が今に至るまで支配してきた西方には、キリスト教徒としての完全さや純粋さはほとんどど残っていない。 西欧批判のためにユートピアとして持ち上げられているとはいえ、日本仏教とキリスト教の類似点の指摘や 長子相続制と君主の権威主義という、エマニュエル・トッドがドイツと日本の共通点として挙げている指摘が見えて面白い ツッコミどころ満載なので悪いスレに投稿
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