- 667 名前:人間七七四年 mailto:sage [2017/03/15(水) 17:53:08.67 ID:FwIHOceO.net]
- ある人が言った
「大久保相模守忠隣、本多上野介正純などは、父祖代々御当家に仕えて大功のある人々の子です。 であるのにその一身が修まらざるによりて、最期には辱められ、彼らに縁のあった大名たちもまた、 名家、あるいは数代の武臣であったのに、多くがこの事によって改易されました。 これは非常に荒い御政務ではないでしょうか。」 これを土井大炊頭利勝が聞いた 「愚かなることを申す者かな。私などは今、武家(将軍家)執事職を兼ね勤めていると言っても、 子孫が君命に背くなら、他の者よりも罪を糾明されてこそ本意である。 またその上で、折が有れば、大久保・本多といった罪を問われた人々に存命の子孫が有れば、 宜しく召し仕わされる事、これが仁政である。 今は、天下創業の御政務である。 だからこそ、先ず御譜代より厳しく戒め置かれているのは天下に恐れられている。 御譜代の者が別してその罪を深くしてこそ、上の後威光が増すのである。 忠隣、正純の父である、大久保忠世、本多正純も、息子に対して泉下で憎んでいるだろう。 仮に存命していれば、共に子を勘当したであろう。 彼らはそういう人物であった。」 そう申されたという。 (武野燭談)
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