- 49 名前:人間七七四年 mailto:sage [2016/09/01(木) 09:28:23.41 ID:OMaP3/ky.net]
- 今が御侍の世の中だ
(美作国)大庭郡湯原村に住む宗玄という百歳超えの長寿の老人が言うには 今は御侍の世の中だという。 「某(宗玄)が若き時分は、笹向の侍、飯山の侍、一瀬の侍衆は 表裏によく糊を付けた白い布を打ってそこに綿を入れ布子にし、着物にしていた。 備前からの通路が不自由なので朝夕は麦飯と赤鰯しか食べることが出来ず 『誰尊上(目上の人)とは久しく会っていないなぁ』と言えば 『十日以上前に討ち死にして、毛利家に首を取られたよ』と言われて 『(奉公してから)そんなに間がなかっただろう』と聞けば 『奉公して三十日で討ち死にしたらしい』と言われた」 「今の侍は小袖を着て白米飯には肴を添え、その上敵に首を狙われる事もないので 今が御侍の世の中だ」と言ったとかいうことだ。 ――『森家先代実録』
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