- 384 名前:人間七七四年 mailto:sage [2016/12/06(火) 16:38:17.05 ID:wFpqOVTa.net]
- ある時、伊達稙宗は飯尾尾張という武士を、相馬家への使者として遣わした。
この飯尾というのは伊達家において武勇の名があり、燐郡に隠れ無き者であった。 しかし相馬に到着すると、当主の相馬盛胤は病に伏しており、このため飯尾は、盛胤の嫡子であり 稙宗の娘婿である相馬顕胤の御前に召された。 この時、顕胤は味噌を調える下屋にいたため、その場所にて飯尾と対面した。 相馬家の家臣たちがあえて飯尾をこの場所に通したのは、こう考えたためだった 『飯尾は伊達にて武勇の名を得たること、燐郡にまで隠れ無き名誉の者である。 であれば彼は、相馬の大将は未だ幼いが早くも弓箭の心懸けがあり、味噌等にまで御心を 付けておられる、と感心するであろう。合戦を心がけるには、味噌は第一の物だからであり、 丁度ここに居られたのは幸いである。』 そうして対面は無事終わり、飯尾は伊達に帰ると、稙宗にこう報告した 「殿は姫様をお捨てになられましたぞ!今度婿殿を見てまいりましたが、自身で味噌の奉行を していました。あのような体では、相馬の大将としていかがかと思います。」 そう尽く悪口をして、顕胤を貶めたのである。 (茶話記異?改選集)
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