- 54 名前:SPICE 蜘蛛の絲宿直噺2 mailto:sage [2020/10/30(金) 04:36:57.89 ID:vby6V/OM.net]
- >>53
本作の上演を決めた経緯、そして意気込みを、次のように語った。 「政府は、劇場の収容人数に関する規制を緩和しました。それでも舞台に大人数を出せる時期ではありません。 だから私一人で5役やらなきゃいけないんです(笑)。舞踊劇なので台詞は少ないです。再開後の歌舞伎座で、早替りの先陣を切るなら澤瀉屋かなと思いました。 今までは『梓弦』で行っていましたが、四天王や蜘蛛四天など大人数が登場します。そこで山城屋や、おじの猿翁がやった『蜘蛛の絲宿直噺』にしました。 こちらは元から少ない人数で演じられているからです」 取材会では「お客を入れようと思うなら、伊佐山、大和田、渡真利、中野渡頭取(いずれもドラマ『半沢直樹』の登場人物)の早替りをやったらいい。江戸時代ならやっていたでしょうね」と、ジョークも口にしていた。 写真:『蜘蛛絲梓弦』傾城薄雲=市川猿之助(平成27年7月歌舞伎座) <■早ければよい、というものではない> 次々と移り変わる役を、猿之助は、一体どのような気持ちで演じているのだろうか。 「(違うお芝居の)役を習った時、山城屋のおじさま(坂田藤十郎)に、演じる時の気持ちについて伺いました。 すると『気持ちなんかあらへん。お客さんは、役じゃなくて役者を待っているんだから。ハイ、皆さん、私、坂田藤十郎が出てきましたよ、と 自分で出ていく』とおっしゃいました。そこからポッと芝居に入る。新劇にはない、歌舞伎ならではの発想ですよね」​ 役作りには、「自分を役に近づけるタイプ」と「役を自分に引き寄せるタイプ」があると言い、澤瀉屋は後者であるとも語った。 「どちらのアプローチも、役になりきるのは大前提。なりきった上で、とことんなりきるのか、自分をみせるのか。 山城屋のおじさまは、とことん役になりきった上で突き抜けて、自分を見せていた。究極ですよね、大尊敬しています」 早替りの舞台裏には、吹き替えの俳優や、着替えをサポートするメンバーが控えている。 「人が密集するので気をつけたい」と述べた上で、早替りのポイントを2つの視点から語った。
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