- 450 名前:主人Side(4/4) mailto:sage 376 [2008/12/24(水) 22:21:02 ID:X/uv6mz6]
- 「助かるんだよな?」
「これでどうにか……」安堵の表情を浮かべる。「稼働限界までには間に合うはずです」 いきなりコンソールからけたたましくアラームが鳴り響く。 『警告! 警告! 未知のウィルスを検知しました。 データリンクを切断します。……自動切断に失敗しました。 記憶データ及び、データベースに異常が発生! 直ちにリンクを切断してください」』 「何だよこれ……?」呆然とコンソールを見つめるメディカルスタッフ。 「一体どうしたって言うんだ?」俺は状況を理解出来ないでいた。 「……データの消去が開始されました」メディカルスタッフが呆然とする。 「データの消去? 何故だ!? 判るように説明してくれ!」 「……ウィルスに感染していた様です。記憶データとデータベースのデータが消去され始めています」 「つまり?」 「データが無けれ新しいボディがあったとしても、どうする事も出来ません。 ……あなたのパシリは助からない」 「……? 助からない……?」言っている内容を理解出来ない。「まさか? そんな事あるはず無いだろ……」 「いえ、もう、手の施し様がありません……」そう言ってコンソールを取り外す。 システムの稼働限界が刻一刻と迫る。併せてデータの消去も進む。 「あれ、ご主人。何かすごく眠くなってきちゃいましたよ。 メンテナンスも終わったし、明日の為に早めに休みますね」 「眠るな。起きていろ!」 「すみません、私の為に明かりまで消してもらって。 明日のミッション、楽しみですね。 すみませんが、先に休ませてもらいます」 焦点の定まらない瞳が、虚空を見つめる。 「一緒にミッションへ行くんだろ……。 お前が楽しみにしていた事だ。あんなに喜んでたじゃないか? それを行かずにどうするんだ?」 「ご主人、お休みなさい……」 その一言を最後にシステムが停止する―― - 終 -
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