- 432 名前:クリスマス・キャロル 1/2 mailto:sage [2008/12/18(木) 10:35:46 ID:QckTeYWD]
- 白銀の髪。緋色のコート。トナカイ皮のブーツ。
刺さる視線を振り払うかの様に、フェイク・スノーに遮られた鈍色の街を歩く。 聞き飽きたキャロル。ノイズの混じる鐘の音。 火照る程に高鳴り、胸板が汗ばむ。 「マスター。帰りましょうよぉ。」 裾を掴む子供の声に、俺は足を止める。 「子供じゃなくてパートナーマシナリーですっ。さっきから何をぶつぶつ」 聞き慣れない言葉を話す、異国の子供。 微笑みだけを返し、そっと小さな頭を撫でる。 「いえ、そういうのはいいですから。本当に風邪を引きますからっ。」 どうやら子供扱いが気に入らない様子だ。見れば小さなその顔には、どこか 大人びた奇妙な雰囲気が漂っている。 俺とした事が。レディに対して失礼な振舞いであったようだ。
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