- 376 名前:名無しオンライン mailto:sage [2008/12/05(金) 00:34:18 ID:DIT8Qas5]
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――私、思ったんですけど、パシリとして失格ですね……。 ご主人の言うことは聞かないし、自分勝手でわがままだし。 いつも叱るご主人のこと『キライ』だって言っていたけど、 本当は、ご主人の事が大好きです。 ほら、好きな人に意地悪しちゃう男の子いるじゃないですか。 ――多分、それと同じなんだと思います。 そう言う子って、好きな娘の気持ちを引きたくて、いろいろとちょっかい出しちゃうじゃないですか。 ご主人だってそう言う幼少の頃があったんじゃないんですか? ――え? いい迷惑? ひどいですね。 私、ご主人の事が、好きで好きで、どうしようもない位、好きなんですよ。 本当なら、ご主人の役に立ちたい。そう思ってます。 けど、私、ドジだから、合成もうまく出来ないし、店番だってろくに出来ないんですよ。 何の取り柄も無い様に成長させたご主人が、いけないんですからね。 ――あ、ご主人、何処へ行くんですか? もうちょっと私の愚痴を聞いてくださいよ。 今日だって、ミッションに一緒に行きたいって言ったのに、どうして連れて行ってくれなかったんですか? 前から言っていたのに、いつも『今度な』って言って、何時になったらその『今度』って来るんですか? もう待てないですよ。 明日のミッションは、一緒に連れてってくださいよ。 ――え、本当ですか? 一緒に連れて行ってくれるんですか? やった! うれしいです! こうなったら、今から身体をほぐしておかないといけませんね。 うーん、最近、外に出る機会が無かったから、身体がなまってる様ですね。 身体が言うことをきいてくれないです。 大丈夫ですよ、ご主人。明日までには万全の状態にしておきますから、いつでも声をかけてくださいね。 ――おとなしくしていろ? 何言ってるんですか、ご主人が連れて行ってくれるって言うこと、滅多に無いんですから、 今までドジした分、挽回させてください。 ――あれ? 誰か来たみたいですね。 あ、ご主人が行かなくても私が出ますよ、って。 もう、いつもだったら接客なんてしないはずなのに、おかしなご主人ですねぇ。 あれ、もう戻ってきたんですか? ん? 後ろの人はどなたですか? あぁ、私のメンテナンスしてくれる、メディカルスタッフさんですね。 もしかして、私の状態を知っていて、呼んでくれていたんですね。 さすが、ご主人ですね。自分のパシリの事は何でもお見通しですね。 ――あれ、ご主人。何かすごく眠くなってきちゃいましたよ。 メンテナンスも終わったし、明日の為に早めに休みますね。 ――すみません、私の為に明かりまで消してもらって。 明日のミッション、楽しみですね。 すみませんが、先に休ませてもらいます。 ご主人、お休みなさい……。 - 終 -
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