- 745 名前:本当にあった怖い名無し mailto:sage [2007/09/04(火) 15:26:11 ID:sctcFJ4Z0]
- 雪の一夜_1
もう随分前の事になるけど、中学を卒業した時、卒業記念に長野へ一人旅をした。 まだ世間知らずで旅慣れない俺は、何故かその目的地に美ヶ原高原をえらんだ。 三月の美ヶ原だよ、確かスキー場はあるらしいが、中学生が三月に行っても楽しいところじゃない。 今考えると、どうしてそんな所を選んだのか、多分、名前に誘われたんじゃなかろうか。 しかもその日、長野に着いたら雪だった。 バスは走っていたけど、峠の辺りはもう、吹雪に近かった。 結局、バスはそれ以上進めなくなり、これならば、歩いたほうが早い、という運転手の言葉に従って。 おれは目的の旅館の少し手前のトンネルの中で降ろされた。 膝上まで雪につかりながら、旅館を目指して歩いた。 幸い、迷うほどの距離ではなく、俺は間もなく旅館に着いた(正確にはユースホテルね。) あらかじめ予約をしていたので、すぐに部屋に通された。だが、館内は電気も点けられていず、 どうやら、客は俺一人のようだ。
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