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129 名前:名無しさん@1周年 [2018/11/11(日) 21:58:16.75 ID:fNeCz9DO0.net]
シュテファン・ツヴァイク著 「昨日の世界」1 (みすず書房刊) 「一九一四年、戦争の最初の頃」より
www.msz.co.jp/_cover/front/05034_big.jpg

それにまた、ほとんど半世紀の平和のあとで、一九一四年における大衆の大多数は
いったい戦争について何を知っていたであろうか。
彼らは戦争を知らず、ほとんど戦争のことを考えたこともなかった。
戦争はひとつの伝説であり、まさしくそれが遠くにあることが、
戦争を英雄的でロマンティックなものとしたのであった。

彼らは戦争をあい変らず学校の教科書や画廊の画のパースペクティヴで眺めていた。
金ぴかの軍服を着た騎兵のまばゆいばかりの突撃。いつも壮烈に心臓の真直中を射抜く致命的な弾丸。
出征の全体が高らかに鳴り響く勝利の行進であった。――
「クリスマスにはまた帰って来ますよ」と、一九一四年八月に新兵たちは笑いながら、
母親たちに叫んだのであった。

村や町で誰が「現実の」戦争のことをまだ覚えていたであろうか。
せいぜい二、三の老人が、今度の同盟国であるプロシャと一八六六年に戦ったことがあった。
しかしそれは、何とすみやかな、血なまぐさくない、遠い戦争であったことか。
三週間の出征、そうすればもう息もつかぬうちに、たいした犠牲者も出さずに終っていた。
ロマンティックなものへの足ばやな遠足であり、荒々しい男らしい冒険――
このように一九一四年における戦争は、単純な人々に思い描かれていた。

若い人々は、自分たちが一生のうちにこのすばらしくも
刺激的な出来事を体験する機会を逸しまいか、
と正直な不安をさえ感じていたのである。
それゆえ彼らは烈しく旗の下に押し寄せ、それゆえ彼らは自分たちを屠殺台に運ぶ
列車のうちにあって歓呼し、高唱したのである。
全帝国の血管を通って、荒々しく、熱気を帯びて、赤い血の波が流れていた。






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