- 1 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/05/30(土) 01:29:39 ID:qIMycax4]
- 獣人ものの一次創作からアニメ、ゲーム等の二次創作までなんでもどうぞ。
ケモキャラ主体のSSや絵、造形物ならなんでもありありです。 なんでもかんでもごった煮なスレ!自重せずどんどん自分の創作物を投下していきましょう! ただし耳尻尾オンリーは禁止の方向で。 エロはエロの聖地エロパロ板で思う存分に。 獣人スレwiki(自由に編集可能)www19.atwiki.jp/jujin あぷろだ u6.getuploader.com/sousaku あぷろだ2 loda.jp/mitemite/ 避難所 jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1237288452/ 【過去スレ】 1:namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220293834/ 2:namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1224335168/ 3:namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1227489989/ 4:namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1231750837/ 5:namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1236878746/
- 846 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/01(土) 06:19:12 ID:4g4noDGQ]
- 少なくとも私は気にしてないですけど… 女性キャラを描くことがが多いのは
単純に単純な理由だけだろうし(笑) と言うことで、以前から描こうと思ってたツインライオン。実は図書館の少年 とは三にん兄弟でした(笑) ttp://loda.jp/mitemite/?id=295.jpg
- 847 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/01(土) 06:51:26 ID:uRbRrxuQ]
- >>839
葉月ちゃんがケモケモしてて良いですね。 二人の出会いの話もよんでみたい >>846 なんとも気性の違う兄弟w
- 848 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/01(土) 12:08:38 ID:mu9kDVhn]
- >>834
内心まではっきり描かれてなかったミナ、これでよかったのかとガクブルしてたところだ。 そう言ってもらえてホッとした。嬉しいな。 葉月かわいー。ケモいなー。ずっと眺めてたい。 いい雰囲気。部屋の光景が目に見えるようだ。 舞台は現実世界かー。こんなのいたら自分の寿命削ってでも全力で養うよ俺は。 >>846 ライオンズ兄が思ったよりかっけぇ 弟は小悪党っぽさが出てていいねw
- 849 名前:創る名無しに見る名無し [2009/08/01(土) 23:04:41 ID:SZdHy7S9]
- けんす!
- 850 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/01(土) 23:45:32 ID:9vX3E+YI]
- 弟だけケモ学生で兄は違う学校だっけ
- 851 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/02(日) 00:03:30 ID:MBedkNjv]
- 葉月と言われると、「わたるが死んじゃう〜」の葉月を思い出してしまう……
- 852 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/02(日) 05:59:09 ID:sDAmPKXK]
- ワインワイン!
- 853 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/02(日) 13:55:28 ID:6xjnGew+]
- >>801
ttp://loda.jp/mitemite/?id=300.jpg ミナにちゃんと色付けたの初めてでした。というか、何故か私にはミナは難しい… 葉月、描きたいけど、描くと雰囲気を固定してしまいそうで悩み所。
- 854 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/02(日) 15:16:54 ID:VUq+CGns]
- おぉこれは良い。
普段接点のない組み合わせってのもおもしろいな。
- 855 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 00:15:36 ID:IeKDmuvw]
- 。
- 856 名前:創る名無しに見る名無し [2009/08/03(月) 01:55:29 ID:5EquH9Mo]
- で
- 857 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 06:50:28 ID:+4WVGJQX]
- ん
- 858 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 10:08:33 ID:9Djo/NqT]
- で
- 859 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 12:38:25 ID:P9+Mj9h0]
- ん
- 860 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 12:44:52 ID:s1vbaTCB]
- 蒸
し
- 861 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 15:48:53 ID:e3JA1Fvf]
- ttp://loda.jp/mitemite/?id=301.jpg
- 862 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 15:52:26 ID:Dy+yGWYB]
- なんだこれwww
- 863 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 15:53:27 ID:X196Huq7]
- 目そっちかよwww
- 864 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 17:43:46 ID:xm2UPTsu BE:70654098-PLT(15000)]
- >>861 小さなネタも見逃がさないのが素晴らしい。
まるでお絵かき界のイチローだ。
- 865 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 17:51:04 ID:rZvYmg4j]
- >>861
おもくそワロタwwwwコーラとキーボード返せwwww 取るに足らないネタでさえも、しっかりと絵にしてしまう絵師を尊敬するw
- 866 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 19:28:57 ID:SggKM8iC]
- クソッ。振り分けるフォルダが無い
- 867 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 19:48:58 ID:kFDCBuXD]
- 試しに目の位置を変えたらどうなるのだろうか
- 868 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 20:05:37 ID:HsS4FVQE]
- レクロコディウム
- 869 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 20:27:19 ID:jhZ1hDUc]
- >>868
もしかして:レウコクロリディウム
- 870 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 20:57:28 ID:wisAWPIr]
- >>868
【審議中】 _,,..,,,,_ _,,..,,,,_ _,,..,,,_/ ・ω・ヽ/・ω・ ヽ,..,,,,_ ./ ・ω_,,..,,,,_ l _,,..,,,,_/ω・ ヽ | / ・ヽ /・ ヽ l `'ー--l ll l---‐´ `'ー---‐´`'ー---‐´
- 871 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 21:09:39 ID:X196Huq7]
- 【死刑】
゚・ *: : *・ *・ ゜゚・ * : .。. .。.: *゜ * ・゜ ゚・ *: . .。.: *・ ゜゚ ・ * :.. 。. ・ ・*:.。 _,,..,,,,_. _,,..,,,,_ .:* ・゜ _,,..,,,_/ ‘ω‘ヽ/‘ω‘ ヽ.,,,,_ ./ ‘ω‘_,,..,,,,_. l _,,..,,,,_/‘ω‘ ヽ | ./ ‘ω‘ ヽ/ ‘ω‘ ヽ l `'ー--l ll .l---‐´ `'ー---‐´`'ー---‐´
- 872 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 21:09:53 ID:wisAWPIr]
- ああ、あと雑談スレに上がってたからこっちにも貼っておく。
創発板でまとめられたwikiやサイトのアンテナもwikiスレにあったので一応。 121 :創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 21:01:19 ID:Lgpj80r6 雑談中失礼します ただいま創作発表板inWIKI統括計画の立て直しに付いて話し合い中ですので 興味のある方はご参加いただけると嬉しいです namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219908651/
- 873 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 23:12:33 ID:e3JA1Fvf]
- ttp://loda.jp/mitemite/?id=302.jpg
- 874 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/03(月) 23:13:15 ID:Q3JbABw3]
- なんという和み空間
- 875 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/04(火) 00:45:19 ID:ODCtx+TR]
- 葉月を絵にして頂けるとは!和みますぜ。
- 876 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/04(火) 01:16:54 ID:jtuHPXEG]
- >>873
ああ羨ましいなぁー本当に和むなぁこんちくしょー、と思ってしまった。 そういえば、猫って暑い季節なのにくっついて来る事有るけど……あの神経が少し理解出来ない。
- 877 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/04(火) 01:25:15 ID:Lxm3HLpi]
- 猫は体温高いから人間はヒンヤリしたものとでも思ってるのだろう
- 878 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/04(火) 02:05:43 ID:0zcpP307]
- サマーウォーズ見てきた
キングカズマはかなりいいキャラな気がする ttp://www.style.fm/as/02_topics/artwork/artwork_summerwars6.shtml
- 879 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/04(火) 02:08:19 ID:0zcpP307]
- 誤爆した…
いや、案外誤爆ではないかも知れんが…
- 880 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/04(火) 03:33:30 ID:2t9vtAvL]
- 猫って暑いのは割と平気なんだよね
その分とことん寒がりだけど
- 881 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/04(火) 20:02:19 ID:dZ5Yux75]
- >>878
ttp://loda.jp/mitemite/?id=303.jpg
- 882 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/04(火) 20:32:03 ID:m6BUai5L]
- いくらなんでもネタ違いすぎて酷いwww
- 883 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/04(火) 20:32:41 ID:ODCtx+TR]
- ちょwww
ネズミかよ!
- 884 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/04(火) 22:12:40 ID:4mI1PfSi]
- あれ、スフィンクスとブルテリアのコンビの絵ってwikiでみれる?
なんのコンビだったかわすれて痒い
- 885 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/04(火) 22:15:29 ID:LPofJQCy]
- 確かオードリーだったような
春日がブルテリアのアレだよな? >>881 俺が好きなコンビきたw
- 886 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/05(水) 03:10:40 ID:VuJbx5qv]
- バカルディの頃からおもろかったよなー
- 887 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/06(木) 01:38:57 ID:TNVA+ogE]
- はづきちの私生活が気になる。
休日はジャンク屋めぐりとか。
- 888 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/06(木) 01:55:02 ID:tWh0EaxY]
- NEO CUBE でググるとはづきちは幸せになれるかもしれない
- 889 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/06(木) 02:01:47 ID:EQazxMZY]
- >>888
持ってるww なんか東急ハンズで売ってるものが好きそう
- 890 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/06(木) 11:08:54 ID:N9QbeQCp]
- 跳月「これ! これ磁石なんですよこれ! これすごくないですかこれ! 磁石ですよ磁石!」
百武「あー、跳月さん! おもちゃ持ってきちゃだめですよ! それとも新しい教材ですか?」 白倉「なんスかそれ! めっちゃつぶつぶっス! うは、うねうねッス!!!」 シロ(理系うるせえ) 校長「仕事しろよ・・・」
- 891 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/06(木) 15:48:25 ID:pF0FrU4E]
- だれだよ
- 892 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/07(金) 06:18:13 ID:hOanmZDk]
- 傾いてもなおさんさん照りの太陽にもまけず、たくさんの色鮮やかな花が咲いている。
心地よい土の香りを含んだ風が、すずやかに風鈴を鳴らす。まだ緑色のススキが柔らかにゆれる。 明るい夕暮れ。途切れることのないセミの声に包まれて、麦藁帽子の子供たちが駆けて行く。 「あちー」 ひとりごちても一人。 店頭には秋に向けた花の苗が並べられる。 季節を先取りした空間の中で、黒豹獣人の巨漢は、その巨体には似合わないオレンジ色のエプロンを身につけて作業している。 剪定と枯葉の処理が終わり、はさみを片付けると、古いパイプ椅子にギシと座る。 溜息を細く吹き、人肌に温まった不味い缶コーヒーを口に含む。 見上げた空の入道雲を見つめていると、自分がゆっくりと流れているような、そんな錯覚におちいる。 規則的にゆっくり首を振る扇風機ごしに時計を見やると、まだ十分明るくとももう夕飯時。 太ももがだるい。今日もこうやって、なにごともなく一日が終わっていく。むなしいようなむせ返るほどの平和。 ふと、自分がなぜ花屋になったのか謎に思う時もある。 汗と筋肉に挟まれてただひたすらにぶつかっていたラガーマンの黒豹が今、その太い手で掴むのは草花。 「おばんでございます」 「はいっ!」 ついうとうとしてしまい、気づくと目の前に浴衣の美しい猫人がたたずんでいた。 清楚な、それでいて鮮やかな紫陽花の模様が、草花の中にいても凛と映える。 丁寧に髪をまとめ上げた毛並みのつややかな女性、その泣きぼくろは官能的ですらあった。 風に揺れる尾と、なめらかな体。 清流のような涼しい印象にとらわれた。 これが、ひとめぼれ。 45歳独身の黒豹、じっくりヴェルダン 「あの」 「……あふっ!」 「大丈夫ですか?」 「すいません、いらっしゃいませ!」 勢いまかせに立ち上がると、パイプ椅子が音を立てて倒れてジョウロを派手にひっくり返した。 その水しぶきが自分の尾とサンダル履きの素足にもろにかかる。 その拍子にチラリと見えた猫人の華奢な素足に、頭が血に上る勢いだった。 「あちゃっこりゃっ、ども申し訳ないっ!」 「なんだか、驚かせてしまって、すいません」 猫人は両手を口に当てて申し訳なくうろたえている。 ものごし柔らかでしなやかで、微笑んだ可憐な表情とあいまって、たおやめぶりな猫人である。 何を考えているんだ、すっかり自分も慌ててしまって、 なにをすればいいかわからず、自分の毛皮とは裏腹に頭の中は真っ白だった。 ほんの数秒の長い沈黙。セミがはやし立てカラスがあざける。どこかで遠雷が呆れた。 「あの、カサブランカの球根って、ありますか?」 「はい、あの、いえ」 「やっぱり扱ってませんか?」 「いいえ、その、カサブランカは一般に春植えですので秋の終わりぐらいから入荷いたします。今は置いてないんです」 「あら、そうなんですか! てっきり秋に植えるものだとばかり」 「お嬢さん、ガーデニングですか」
- 893 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/07(金) 06:19:17 ID:hOanmZDk]
- おくての自分が、自分から話題を振っていることに驚いた。
これは、おおきな第一歩かもしれないかも、しれない。 無表情を装いたいが、はち切れんばかりに高鳴る心臓が血潮をたぎらせ、思わず顔面が緩んでしまいそうだ。 「はい。実は仕事で生け花とかフラワーアレンジメントをやっていまして、ちょっと自分でもお花を育てて見たくなって」 「なるほど」 「でも、よく売られている花は少し派手でございましょう……うちの庭にはちょっと会わなくて、それでユリをやってみようかと」 「わ、和風の庭なんでしょうか?」 「あ、はい」 行き過ぎた質問だったかも、しれない。やってしまった! あせっている自分に焦る。 背中に汗が流れる。こんなにむずむずするのは何年振りであろうか。尾を、ものすごく、振りたい。 「和風の庭でしたら、秋はリンドウやキキョウ、こちらのキクなんかもおすすめです」 「あら! 私ったらぜんぜん見ていなかったわ、てっきり派手なお花だとばかり。 紫で、かわいい」 「もし庭仕事大変だなと思ったら、その、出張もいたしますので!」 「いいえ、主人と息子がいるので」 「そ、そうですか。 あの、小さめのオニユリでしたら今つぼみをつけている苗もありますけれど」 「ユリにもたくさん種類があるんですね。 もう、生け花に使う花以外はサッパリで、お恥ずかしい」 「はい」 はい、じゃねえよ自分……あたふた、という擬音が聞こえそうなほど足ががたがたしそうである。 いままで自分は自分で自分を寡黙で落ち着いた男だと勘違いしていた。 ちがう、動かないんじゃない、動けなかったんだ。 傍目から見た自分はどう映っているだろうか。挙動不審だろうか。四捨五入すると半世紀なのに、なんでこんなに恥ずかしいほど、うぶなのか。 「いろいろ教えて頂きありがとうございます。 それでは、また」 「またのご来店、お待ちしております!」 「ではごきげんよう」 「ありがとうございました」 いつもどおりの営業スマイルで見送った。 気が付けば橙色の空。一番星があかるくきらめく。 黒豹獣人は早々とシャッターを閉めて、エプロンをつけたまま畳の上の万年床にもぐった。 暑いのにもかかわらず汗だくになりながら目をつぶると、自然と涙があふれてきた。 「結婚、してたんだ」 名前すら聞けなかった綺麗な女性。 脳裏にしっかり焼きついた可憐な紫陽花。 もう、会いたくないと心のどこかで弱い自分が音もなく叫んでいた。 「こどもさんも、いたんだ」 巨漢がじめじめ泣いている。異様な光景に時折扇風機が心配そうにこちらをふりかえり、風を送る。 その励ましですら痛々しく悲しい。ティッシュ箱からはみでたやわらかいチリ紙がむげに揺れた。 黒豹はがっちりと丸くなり、行き場のない思いを布団の外に出した尻尾に伝えてクネクネした。 夏バテだ。 「あちー」 暑さに耐えかねて、布団をひっくり返し仰向けになった。 ふいに、エプロンをつけたまま布団で感傷に浸っているのが馬鹿らしくなってきた。 窓の外は、もう夜だった。 部屋の明かりもつけずに、自分は何をしているのかと。 蚊が入ってきている。 風呂に入って、はやめに寝よう。そうしよう。 黒豹獣人はものぐさに立ち上がると、エプロンをくしゃくしゃに脱いだ。
- 894 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/07(金) 08:59:33 ID:4ZNKE8QR]
- ナガレのかあちゃん綺麗だったもんなw
- 895 名前:創る名無しに見る名無し [2009/08/07(金) 15:03:01 ID:fFKwQEoN]
- なにこれおっさんきもい
- 896 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/07(金) 19:36:55 ID:YNbyejMU]
- >>893-894
初恋はその日の内に泡と消えた……切ないな。 黒豹の店長、めげるんじゃないぜ? 出会いはまた訪れるって。
- 897 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/08(土) 02:52:48 ID:nH4q/fTk]
- ・・・
- 898 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/08(土) 08:09:30 ID:ppyXuewl]
- 基本的にこのスレ、年齢高いキャラが萌えw
- 899 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/08(土) 21:54:14 ID:uzoJ6NpU]
- >>898
そ、それはババアも萌え属性にうわなにをするやめ(ry そういえば、今wiki見て気づいたんだが6スレ目の漫画が保管されてない のは仕様?
- 900 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/08(土) 23:37:23 ID:XIhw7Qig]
- コレッタに萌えないと申すか
- 901 名前:わんこ ◆TC02kfS2Q2 mailto:sage [2009/08/09(日) 02:08:22 ID:6gHG7ala]
- 英先生の人気に嫉妬。
初めて、英先生メインで書かせて頂きました。
- 902 名前:いつでも笑って〜林間学校のはじまり〜 ◆TC02kfS2Q2 mailto:sage [2009/08/09(日) 02:09:44 ID:6gHG7ala]
- 「海だあ!」
潮風薫る田舎道に、大きな甲高い声がこだまする。揺れる尻尾を押さえきれず、バスの窓から乗り出そうとする一人のイヌの姿を見て、 英語教師・英美王はいつも学園でやっているように、小さな影に苦言を呈する。 「先生!バスから顔を出したら危ないですよ!」 「はーい!わかってまーす。はなぶちゃちぇんちぇー」 まるで親から叱られた小学生のようなとぼけた返事に、車中の高等部の生徒一同が声をあげて笑い、尻尾を揺らす。 それでも数学教師・サン・スーシは叱られたことを気にもせず、夏の空から誘われる興奮を抑え切れなかった。 遠くでセミが鳴いている。 そう、林間学校の季節が今年の夏もやって来た。生徒たちは海で遊び、自然に親しみ、そして恋に…と、この行事に全力を注ぎ、 また教師陣は期間中に設けられた学習時間を利用して、生徒たちの気分転換で学力アップを望む、ということに全力を注ぐ恒例行事である。 街の喧騒を離れて、静かな浜辺の旅館へと一同は向かう。バスの中ではそれぞれの夏にかける意気込みがちらほらと。 「ウチはこの夏、どこにも行けそうにないから林間学校に青春をかけるぜ!」 「学習時間さえなければなあ」 「ホントかな…出るって…」 目的地の旅館の車中、生徒たちは心弾ませながら、まだかまだかとざわつき始めていた。 細い田舎道を通り抜け、巨体は広場へと抜け出す。ここの旅館でしばらく佳望学園の生徒はお世話になる。 遊び盛りの若人を乗せて、バスは旅館の門の前でゆっくりとその足を止めた。 古い民家を改装した趣あるたたずまいを見せる旅館は、佳望学園の生徒教師らを懐広く迎えてくれる。 バスの中でも心地よい木の香りが届いてくるのではないかと、生徒一同古い建物に食い入るように見ている。 人間で言ったら人生の何もかもを知り尽くした余生を楽しむご隠居が、第二の人生を歩みだしたと言ったところか。 貫禄が漂う旅館は孫の顔を久しぶりに見た老人のように、優しく声を返してくれるようにも見えた。 バスが止まるとガイド席で猪田先生のポケットからくしゃくしゃになったメモ紙を取り出して、汗を掻きながらメモを読み上げる。 メモ紙には猪田先生が書いたであろう小さな字で、びっしりとこの旅での注意事項が書かれていた。 「今回、サン先生のお知り合いの方からの計らいで、この旅館を使わせて頂いています。 みなさん、旅館の方に失礼のないように」 「はーい」 「特に、サン先生はふすまを破ったり、屏風を壊したりしないように」 思いのよらない英先生の付け加えにバスが揺れる。 しかし、既にサン先生はバスから降りて、いつの間にか麦わら帽子に虫取り網、浮き輪を携えて旅館に走っていた。 そして、こけた。 今年も夏が、始まる。
- 903 名前:いつでも笑って〜林間学校のはじまり〜 ◆TC02kfS2Q2 mailto:sage [2009/08/09(日) 02:10:46 ID:6gHG7ala]
- 大広間での猪田先生からのお話に、旅館の方のごあいさつ、クラスごとの注意事項…と、一通りのお約束を済ませた生徒たちは、
それぞれ各自の荷物を持って宿泊部屋に入ってゆく。古い建物は、ミシミシと音を立てて大勢の若い客たちを満足そうに歓迎した。 生徒たちは二階の階段を上り、班別に振り分けられた部屋に入ってゆく。 懐かしいふすまを開ける音、畳の柔らかい香り、そして窓一面に広がる青い世界。 「うおおお!この部屋、景色が目にしみるぜ!」と、雄叫びを上げる利里。 「この窓から滑空したら、最っ高かもね!」と、手を組んで目を輝かせる朱美。 「こんな部屋で養生したら、どんな病気もすぐに完治するッスね!」と、保健委員。 それを聞いて「……」と、ヒカル。 それぞれ言葉は違えど、生徒たちは部屋に笑顔で感動。 一方、教師たちの宿泊するのは『楓の間』と『椛の間』という、窓のない一階にある座敷だ。 男性教員は『楓の間』、女性教員は『椛の間』に集い、初日の行動予定である、浜辺での自由時間までそれぞれくつろいでいた。 「…そら先生は、寝かせときなさいね。夜空が楽しみって言ってたからね」 椛の間の隅に、昼の弱い百武そら先生の小さな身体が転がる。中央では姿勢よく英先生が正座している。 「ふう…」 「英先生、どうしました?お疲れで?」 「いや。泊瀬谷さん、なんでもない」 お茶を入れながら英先生を心配する泊瀬谷先生は、もしや昨晩からの仕事で疲れたまま、この林間学校に臨んでいるのでは?と、 耳を折りたたむ。潤んだ瞳に英先生のお茶を味わう姿が映る。だが、「心配ない」と安心さまいと英先生は軽く答えた。 「昔を思い出してね」 「そうなんですか」 「まったく…、サン先生ったら」 きょとんと首をかしげる泊瀬谷の横では、百武そら先生は引き続きタヌキ寝入りをしていた。 いや、タヌキ寝入りではなく本当に寝ているのかもしれない。それもそのはず、寝言と言う、そら先生の呟きが聞こえるのだ。 「うーん…、夏の大三角形が見えるね…。白鳥座に乗りたいよー」 わたしだって、空を飛んでみせることが出来るはず。そんな時代も、わたしにもあったのね… と英先生、そら先生の寝顔を見ながら旧友の言葉を思い浮かべた。 そら先生の声を掻き消さんばかりの大声が、『楓の間』から聞こえてくる。 「お坊ちゃま?大叔父さまのお怒りをご理解できないの?」 「自分は、自分で自分の伴侶を見つけた次第です!大叔父さまには関係のないお話です」 「この青二才!ウチの敷居を二度と跨ぐな!!!」 旧家のお屋敷の雰囲気に飲み込まれたのか、昼ドラごっこに興じる帆崎、猪田そしてサン先生の姿。 掛け軸を背に、恰幅よく座る猪田先生は大叔父さま。その脇にちょこんとサン先生が女形よろしくおばさまになりきり、 血気溢れる若き世間を知らない、とある家の跡継ぎを帆崎が熱演していた。 舞台背景は昭和初期の田舎のお屋敷、封建社会色濃く残る家制度と言ったところであろう。 学園祭でやれば拍手喝さいだが、そもそも演じる場所が間違っている。余りの迫力と熱演に、昼寝をしていたそら先生が起きてしまった。 「うーん、オリオン座が昇るにはまだ早いよお」 「お静かになれませんの?先生方!」 英先生が勢いよく楓の間のふすまを空けて、カットのカチンコを鳴らす。本番はおしまい、そして今日の芝居の反省会。 そら先生は英先生をやんわりとたしなめるが「生徒に示しが付かないから」とお構いなく、仲良く男連中は廊下に正座させられたのであった。 「さ、次は浜辺での自由時間ですよ。先生たちもご準備を」 「待ってました!!」 足をしびれさせながら張り切るサン先生をよそに、英先生は椛の間に戻った。 (…やっぱり、似てるのかしらね…) サン先生の小柄な身体に重なる、もう一つの体。
- 904 名前:いつでも笑って〜林間学校のはじまり〜 ◆TC02kfS2Q2 mailto:sage [2009/08/09(日) 02:11:37 ID:6gHG7ala]
- ××××××××××××
「次は体育の時間ですから、皆さん準備を」 「待ってました!!」 夏色に染まる桜女学院中等部。担任の萩野が次の授業を伝えると同時に、クラスいちばんの元気ものの神楽が飛び跳ねる。 さっきまで身体に似合わない大きな尻尾をもたげさせえていたのにもかかわらず、体育と聞いて水を得た魚のように、 神楽は目を輝かせて体操服に着替える。一方、美王は未だトントンと教科書を片付けていた。 美王の顔は、若さのわりには少し憂いた表情をしていた。 「美王は体育、苦手?」 「うん、あまり得意じゃないな」 「そっかあ。天は二物を与えずってね。美王に運動までこなされたら、わたし天の神さまに猛抗議しちゃうかも」 「そんな。わたしは勉強も得意じゃないし…」 「すーがくだけは、でしょ?」 美王がブラウスのボタンを外し始めた頃には、神楽は既に体育のスタンバイOKであった。 ブルマから生えた大きな尻尾の毛並みはこの日いちばんに美しかった。 「よーし!きょうの体育はバスケだって!3組に勝ったら萩野センセからアイス奢ってもらおうね!!」 「やったー!よし」 クラス全体が雄叫びが上がる中、ゆっくりとブルマに足を通す美王であった。 教壇に立ち、クラスメイトの前で拳を上げる神楽、元気もので、みんなの中心に自然となることが出来る彼女に美王は、少し嫉妬した。 ×××××××××××× 「ぼくと遠泳で勝てたら全員にアイスを奢ってあげるよ!!」 「あまり思いつきで言葉を出さないでくださいよ、サン先生」 「はは…。それは冗談として…」 松林の控える浜辺で、海の自由時間での注意事項をサン先生が伝えていた。横には帆崎先生が呆れて立っていた。 「という訳で、海に入るときは十分気をつけて…解散っ!」 歓声とともに生徒が散る。 康太と雅人は海に飛び込み、クロールで技を競う。 卓は朱美の足に捕まり、海原の上空を颯爽と散歩した。 鎌田と甲山は松林の日陰で寝ていた。 モエとハルカ、そしてリオは渚でビーチボールと戯れようとしていた。 ティーン誌の読者モデルにでもなった気分で波打ち際を駆けはねるモエ。足が波で濡れることを気にしているハルカ。 そして地道にリオは、キコキコとエアポンプでビーチボールに命を吹き込む。 モエとハルカは、スクール水着姿でお互いのプロモーションを自慢しあう。 「折角だから、かわいいビキニで来たかったよね。クラスの男子をどぎまぎさせたかったのに!」 「学校の行事だもんね、モエ。今度、みんなで行くときは水着の見せっこだよ。ね、リオ」 自慢するほどのない胸と水着しかないリオは、無難な顔で黙って空気を入れ続けた。これ以上、首を突っ込むのは自滅行為。 触らぬ神に祟りなし。だが、恐れを知らぬ芹沢モエは、リオを元気つけようと笑ってポンとメガネっ子の背中を叩く。 「リオはさあ、明るい系の色でフリルの付いたかわいいヤツとか、ちょー似合うと思うんだけど!」 「そうだよね。今度、一緒に買いに行こうよ!湊通りのアウトレットにいいお店が出来たんだって!」 (やめて!わたしは、人さまに見られるためのバディじゃないんです!)と、メガネの乙女は無邪気な夏の雲に祈る。
- 905 名前:いつでも笑って〜林間学校のはじまり〜 ◆TC02kfS2Q2 mailto:sage [2009/08/09(日) 02:12:41 ID:6gHG7ala]
- その頃、木陰にシートを敷いてサン、英、泊瀬谷先生らが、文字どおり陰ながら生徒を暖かく見守っていた。
英先生は泊瀬谷から勧められたイヌハッカのハーブティを味わいながら、遠い空を眺める。 「英先生、どうしました?」 「うん。わたしにも、あんな頃があったのかな…ってね」 「見てみたいなあ、英先生の高校のときの写真」 「お恥ずかしい」 ニヤニヤとサン先生はシートに転がった。泊瀬谷先生は生徒たちをじっと体育座りで見ている。 仕事なんか忘れて、昼寝でもしたい気分だ。海風が心地よすぎて、ちょっとまどろむ。 この時間がいつまでも続けばいいのに、との泊瀬谷先生の思いは風で吹き飛ばされてしまった。 「きゃあ!!」 サン先生の麦わら帽子が泊瀬谷先生の顔目掛けて飛行する。 「ほら!モエ、いくよっ。そーっれ!」 「リオ!!風向きが!!」 リオのサーブでビーチボールが風に吹かれて、昼寝していた甲山目掛けて飛んでゆく。 三人が追い駆けるが、マイペースなビーチボールは風に流され松林の方向へ。 「うおっ!いてえ!」 「なに?怪人が現れただと!!」 ビーチボールは甲山の角に弾かれて、さらに高く舞い上がり松林に消えて行った。鎌田はいもしない怪人を探していた。 結局、ビーチボールは松の木の枝で一休みしながら、女子三人を見下ろしながらくつろいでいた。 残念ながら、これでは女子三人には取れそうにもない。モエが足元の小石を投げてみたが、無駄な行為に終わった。 松の木も松ヤニを搾り出して、ビーチボールの味方をしている。三人そろって、上を見上げることしか出来ない。 と、松林から小さな影が現れる。その名は、ご存知サン・スーシ。 「どした?可憐な女子高生三人組」 「あの…」 「話はわかった!よーし。先生、頑張っちゃうぞ!」 一人のイヌが松に飛び掛り、よじ登る。みなさんは、イヌが木に登るところを見たことがあるだろうか。 しかし、サン先生は常識を覆すことに命を懸けるようなヤツだ。あれよあれよと言っている間にビーチボールの引っかかった枝まで サン先生はたどり着いた。得意気に歯を見せるサン先生を英先生は黙って見ていたのだった。 (やっぱり…似てるのかな…あの子と)
- 906 名前:いつでも笑って〜林間学校のはじまり〜 ◆TC02kfS2Q2 mailto:sage [2009/08/09(日) 02:13:33 ID:6gHG7ala]
- ××××××××××××
美王にとっては退屈な体育の時間が始まった。一方、神楽はグラウンド狭しと駆け回る。 夏の風に吹かれて、グラウンドの大樹の木葉が揺れながら、思春期真っ只中の彼女らを見守っていた。 きょうの体育はグラウンドでバスケットボールのクラス対抗戦。小さな身体の神楽にとって、すばしっこく動き回る運動は、 得意中の得意であった。神が与え誌才能かもしれない。神楽がボールを掴む、ドリブルしながら相手をかわす。 どれをとっても、神業としか言うしかない。ここまで神に愛された娘を見たころがあるだろうか。 「美王!パス!それっ!!」 「え、ええ!!」 相手チームに囲まれた神楽は、美王にボールをパスしてゴールへ託す。腕を天に伸ばし、ゴール目指して力いっぱいボールを投げる。 長身の美王から青空に放たれたボールは、籠から放たれた小鳥のように美しかった。 しかし、ここはゲームの最中。感傷的な雰囲気に浸る暇はない。ざわざわ、と生徒一同が天を仰ぐ。 待てど待てども、ボールは帰ってこない。おかしい、何かがおかしい。 「いけない…。引っ掛かった?」 「みたいだねえ」 美王が幾ら悲しげな顔をしても、大樹の枝に引っ掛かったボールは落ちてくることはなかった。 ゆすっても、小石を投げても暖簾に腕押し、ぬかに釘。 「仕方ないね、先生を…神楽???」 「よーし。わたし、頑張っちゃうぞ!」 気が付くと、美王の目線よりも上に神楽はいた。 気が付くと、神楽の尻尾が美王の頭をかすめた。 大樹の上から甲高い声がする。するすると枝を難なく伝って、ボールが引っ掛かった場所まで 神楽が登って行っていたのだ。クラスメイトが止めようにも、神楽の行動は案ずるよりも早い。 「木登りの苦手なリスって、聞いたことある?」 ボールをクルミのように両手で抱え、ポンと神楽は軽く投げる。吸い込まれるように、ゴールの網に入っていった。 ぱらぱらと両チームから拍手が起こる。 「へへへ!これって何点ぐらいのシュートかな。美王、分かる?」 「…分からないね」 木の枝に腰掛けた神楽は、夏の風を受けながら高みの見物をしていた。 が、体育の授業の後のこと。神楽はボールを抱えて、瞳を濡らしながら校舎の隅で座っていた。 「気にしないで」 「うん…」 付き添うように美王が神楽の側に立つ。その姿はさっきまで木によじ登っていた神楽とは全く違う、小さなか弱い生き物。 「ほら、体育の吉沢のことなんか気にしないの。神楽はみんなの為と思ってやったんでしょ」 「うん。でも、吉沢が…」 「ま、吉沢も『木から落っこちたらどうするんだ』って、言ってたからって、意地悪で怒ってたわけじゃないわ。 わたしも神楽が無事に降りてきてホッとしてるし。神楽を止めたってムダなことは十分承知だからね」 「はは…」 「ほら、笑って」 神楽の頬を一滴の光るものが伝わると同時に、白い歯を見せながらニコリと微笑み返す。 ちらと美王は小さなリスを一瞥すると、足元の小石をコツンと蹴った。 「でさ…、美王。知ってる?」 「何?」
- 907 名前:いつでも笑って〜林間学校のはじまり〜 ◆TC02kfS2Q2 mailto:sage [2009/08/09(日) 02:14:25 ID:6gHG7ala]
- ××××××××××××
「ほら!木登りの苦手なイヌって聞いたことある?」 「あの、サン先生。イヌってそもそも木登りが…」 「あー!あー!聞こえない!聞こえない」 ビーチボールが引っ掛かった松の木の枝から、サン先生は叫びながらモエ、ハルカ、リオを見下ろす。 ポンとビーチボールをサン先生が投げると、ニュートンの法則よろしく地上に落下して、リオの足元に転がった。 転がるビーチボールをリオは追い駆けて、掴み取るが羽毛に寝た付くものを感じた。 「ありがとうございます。でも、先生。松ヤニだらけです」 「ぼくは大丈夫!お風呂に入れば無問題!」 「ボールが、です…」 ―――夕食前のふわふわっと身体が宙に浮く時間。 サン先生は一足先に体中に付いた松ヤニを落とすために風呂に入ってきたところだった。 そよ風吹けば、夢の世界へと誘われても自然な心地よい疲れ。元気の固まりのサン先生も例外ではなかった。 一緒に風呂に入った帆崎先生も右に同じ。 「あーあ。一年分、遊びつかれたよ」 「でも、サン先生。夕食の後には学習時間ですよ」 「あー!あー!聞こえない、聞こえない!」 楓の間には、掛け軸を背後にふんぞり返る猪田先生がいた。 猪田先生は昼ドラごっこの続きをする気まんまん、この一瞬のために考えたセリフをここぞとばかりに大砲のような声で熱演した。 「尚武!この縁談は無かったことにするぞ。でなければ、分かっておるだろうな!わが、佳望家の名を守るんだな!」 「猪田先生、何やってるんですか?夕食の準備ができますよ、もうすぐ」 「ええ?ちょ、ちょっと!お、おばさまも切歯扼腕なので、は…?」 「あー、お腹すいたあ…。帆崎センセに猪田センセ、行きますよ」 「わー!サン先生まで!!」 一人相撲を取って赤っ恥をかいた猪田先生を呆れて見ていたのは、英先生だった。 いつも、わたしの側には小さなヤツがいる。 種族も性別も違うけど、一緒にいるだけで心配かけて、笑って暮らせるヤツがいる。 「英先生、どうしました?」 「いや、ちょっと昔のことを」 ジャージに着替えた泊瀬谷先生は英先生の顔をくるっと覗き込む。 にこりと泊瀬谷先生は笑顔を見せると、つられて英先生も笑う。 「ほら!すごいすごい!!夏の大三角形がこんなに見えるなんて!」 夜になって元気いっぱいのそら先生の声を聞きながら、笑顔で英先生は夕食に向かう。 今年も、夏が始まる。 おしまい。
- 908 名前:わんこ ◆TC02kfS2Q2 mailto:sage [2009/08/09(日) 02:17:45 ID:6gHG7ala]
- 林間学校のおはなしは夜に続く…つもり?
>>818を見てからの妄想でこんなお話を書いてしまったのは反省している。 そろそろあのお嬢さまの出番の時期ですな…。投下はおしまいです。
- 909 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/09(日) 03:01:34 ID:jI26MdG0]
- GJ!
季節感満載センチメンタル満載ですね。 あれはデネブアルタイルベーガー♪
- 910 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/09(日) 03:53:46 ID:4ZPG5tRR]
- おおお、神楽が動き始めましたね。いいなぁ、いいなぁ。
あまり設定を小出しにするもんじゃないなと反省しつつ… 西神楽(にし・かぐら) 上から長女の聖和(せいわ)、長男の悟了(ごりょう)、神楽、妹の瑞穂 (みずほ)の4にん姉弟。 バスケ部所属。小回りが利く上にシュートの精度が高く一年時から準レギュ ラー。背が低いことがコンプレックスで、当然面白く思わない先輩等からは そこを突かれて落ち込むことも。 でも、嫌なことは長いこと覚えていない、 リスだから。基本元気、大食い(笑) 昨日は「バットデテクタ」を入手。 夕方に外を飛ぶコウモリ達の声を聴いて みました。 いやいや、これは楽しいですね。 こんなに冗舌だったとは。 珠美の様な大型の果実などを食べるコウモリはエコーロケーションをしないそ うで… ttp://loda.jp/mitemite/?id=310.jpg 明後日から帰省なのでお嬢様が出てこれるかどうか…
- 911 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/09(日) 04:31:20 ID:h7UTTUSD]
- お嬢様方は避暑にお出かけになられるのですね。
お気を付けて行ってらっしゃいませ。 執事の大浦さんにスレの戸締まりをお願いしといてくださいw バットデテクタって何だろと思って調べてみた。 これの水中バージョンが欲しいなぁ、ドルフィンスイムする時に使ってみたい。
- 912 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/09(日) 14:29:06 ID:vUtYCGIT]
- >>908
>林間学校のおはなしは夜に続く…つもり? wktkが…wktkが止まらねえ!!
- 913 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/09(日) 17:42:31 ID:bDcze4hD]
- おぉ林間学校来た。みんなそれぞれに楽しく過ごしてるのがなんかいい。
なるほど神楽はこんな感じかー。一枚絵から想像してこう動かせるってのはすごいな。 英先生が深まってきたね。ぶっちゃけ生徒より教師のがネタ多いよねケモ学。
- 914 名前: ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/09(日) 22:58:42 ID:xyQVLiPi]
- 臨海学校なんて行った事無かったなぁとか思いつつ俺が通りますよ……。
今回は暑い夏の夜を涼しくする話を投下します。 結構長いので暇な方は投下支援をお願いします。
- 915 名前:納涼百物語会! ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/09(日) 23:00:33 ID:xyQVLiPi]
- どんよりとした曇り空によって、月の光すら届かぬ深い深い闇が世を支配する深夜の佳望学園。
定時制も既に終わっている時間帯にも関わらず、学園のある教室には、 火を付けられた数本の蝋燭を中心に輪になって座る教師と生徒達の姿があった。 「私の話はこれで以上です」 その言葉と共に、イヌの少女は目の前の蝋燭の火を吹き消した。 周囲をか細く照らす数本の蝋燭の内の一本が消えた事で、教室はその闇の色を濃くする。 その闇の深さに畏怖したのか、誰とも付かぬ唾を飲みこむ音が小さく響き渡った。 「はい、95話目のお話、芹沢さん、ありがとうございました」 「モエの話、怖かったなぁ……」 「まさかそんなオチで来るとは予想してなかったよー」 神妙な面持ちをした泊瀬谷先生の礼の一言を切っ掛けに、 細々と周囲を照らす蝋燭の周りに座った生徒たちが口々に感想を漏らす。 その感想はどれも、先ほど蝋燭を吹き消したモエの語った話に関する物。 そう、彼らがこんな深夜に学園に集まったのは他でもなく、高等部の夏休み恒例『納涼百物語会』の為である。 この『納涼百物語会』の歴史は意外に古く、その始まりは今からおよそ三十年以上も前に時代が遡る。 最初は数人の生徒が彼方此方から集めた怖い話を持ち寄って、教師に内緒で百話分話し合うだけの内容だったのだが、 時代が流れるうちに参加人数が増え、何時しか安全の為の監視役として教師も加わって、今のスタイルへ落ちついた。 会の大まかな流れとしては、参加者達は予めくじ引きで順番を決め、 その順番通りに怖い話を語った後、蝋燭を一本吹き消し、それを百本目まで繰り返す。と言うシンプルなスタイルである。 語られる話の内容は実際にあった出来事から、友達の友達から聞いた話に都市伝説、はてや作り話等、多種多様で。 どう見ても明らかな与太話に笑いあったり、または全身の毛も逆立つ恐ろしい話にお互いに抱き合ったり、 今やこの『納涼百物語会』は夏の夜を涼しくするよりも、生徒たちの親睦を深める行事となりつつあった。 そんな、生徒たちが各々取っておきの怖い話を携えて臨んだ今年の『納涼百物語会』も佳境を迎える中、 和気藹々と会を進行して行く様子を、何処か面白くないといった感じで見る一人の少年の姿があった。 (なんだよ……芹沢の話、ネットで見た事のある話じゃん) 如何考えても彼女の話はネットの受け売り、全然恐ろしくも面白くもない。 そう、頭の中でぼやきつつ、卓は教室の中心で揺らめく蝋燭の明かりをぼんやりと眺めた。 彼がこうなってしまうのも無理もない。何せ、卓は50話目の段階で既に自分の話を全て語り終わってしまい。 今や他のクラスメイト達の話を聞くだけの状態となってしまったのである。ぶっちゃけ、卓は暇だった。 これで他のクラスメイト達の語る話がどれも面白い(或いは恐ろしい)内容ならば、卓はこうはならなかったのだが。 生憎、その殆どが何処かの本やネットなどの受け売りであったり、 たまにオリジナリティのある話かと思えば、オチが直ぐに読める話だったり、 酷い物となると、ここで話すべき内容なのかと思わず突っ込みたくなるような笑い話だったりと、 そんな話を10話20話と立て続けに聞かされたら、卓の心が冷めてしまうのも無理もないだろう。 (でも、面白くないからと言って、途中で帰るなんて出来やしないしな……) そんな微妙な立場に立たされた卓は、窓の外の曇り空を眺めながら、ただ、溜息を漏らすしかないのであった。 「それじゃあ次は……」 「あ、私の番です」 「では、永遠花さん。96話目、宜しくお願いします」 次の語り部となったのはモエと仲の良い永遠花。 泊瀬谷先生に促されて立ちあがった彼女は周囲をゆっくりと見回すと、意を決したように話し始める。 「あれは、2週間ほど前、買い物の帰り道の事でした……」 (今度は永遠花か……この子の事だからお涙頂戴系、かな?) 何処か冷めた眼差しで眺める卓を余所に、永遠花は尻尾をゆっくりと揺らしながら語り始めた。
- 916 名前:納涼百物語会! ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/09(日) 23:01:54 ID:xyQVLiPi]
-
その時、私は頼まれていた物を思った以上に安く買えて、ホクホク顔で自転車に跨り帰宅している最中でした。 しかし、ある場所に来た所で、私は思わず自転車を止めてしまいました。 ……生馬川の築堤の道にある踏み切り、知ってますよね? 毎月の様に自殺者が出ると有名な、 まるで築堤の上にぽつんと置かれているような、何処か寂しいイメージを感じさせるあの踏みきりです。 私は昔からそこが苦手でした。ネコの本能というのでしょうか、何故かここを通っては行けない様な気がしてならないのです。 しかし、その時は買い物の荷物も重かった事もあって遠回りする気にもなれず、仕方なしに其処を通る事にしたんです。 まあ、そう電車がしょっちゅう来る訳でもないし、一回通るくらいなら大丈夫かなと気楽に考えて。 しかし、それでも今まで苦手であった事もあって、私はなるべく素早く踏み切りを通りすぎようとした……その時です。 突然、ブレーキを掛けた訳でもないのに自転車が踏み切りの真中で動かなくなったのです! 余りにも唐突な事に、私は半ばパニックになりながらも踏みきりから脱出するべく必死に自転車を動かそうとしました。 しかし、まるで接着剤か何かでタイヤを地面に固定された様に、自転車はビクとも動きません。 そうしている内に、あろう事か踏み切りのアレがカンカンと鳴り始めたのです。 いけない、電車が来る。早く踏み切りから出ないと! 身に迫った危険を前に、私は何とか脱出しようと努力するのですが、自転車は動きません。 成す術も無く周囲を見まわした私は、ふと、ある物に気付きました。 それは、自転車の後カゴを掴む、私と同じネコ族の物と思しき肘から先の部分だけの手でした。 多分、これが後カゴを掴んでいる所為で自転車が動かないんだ。 そう気付いた私は咄嗟に、手にしていた買い物袋を後カゴを掴んでいる手へ何度も叩きつけました。 するとどうやらそれによって手が怯んだらしく、後カゴを掴む手の力が緩んだのを感じました。 無論、その機会を見逃す私じゃありません。空かさず思いっきりペダルを漕いで踏みきりから脱出。 直後、私の直ぐ後ろを電車が猛スピードで通りすぎていきました。……間一髪、危ない所でした。 何とか助かった事に、私は安堵の溜息を漏らしながら電車が過ぎ去った踏み切りへ目をやると、 踏みきりの真中で、片腕、片足のない顔が半分崩れたネコの女の人が立っていました。 『……もう少しだったのに』 そう、彼女は憎憎しげに私へ睨みつけながら呟くと、空気に溶けていく様に消えていきました。 ……恐らく、未だにあの踏み切りに自殺者が絶えないのは、彼女の仕業ではと私は思っています。
- 917 名前:納涼百物語会! ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/09(日) 23:02:36 ID:xyQVLiPi]
-
「それより一番怖かったのは、その後、散々手に叩き付けていた買い物袋の中を確認する時でした。 私の話はこれで以上です」 ぺこりとお辞儀して、永遠花は目の前の蝋燭の火をフッと吹き消した。 (いや、永遠花の話、滅茶苦茶怖えぇぇぇっ!! なにこのスリリングな話!? しかも声真似上手いし!? つーか、あんな目にあってながら、心配するのは買い物袋の中身かよ!? というか、その踏切ってあそこだろ? もう絶対にあそこを通りたくなくなっちまったじゃないかっ!!) 永遠花の話にビビリまくった卓の正直な感想だった。 「はい。96話目の話、永遠花さん、ありがとうございました」 数秒の間を置いて泊瀬谷先生が永遠花へ座る様に促す。 なるべく冷静に取り繕っている泊瀬谷先生ではあるが、今、彼女がビビっている事は膨らんだ尻尾で丸分かりであった。 「それでは次は……因幡さん、97話目、宜しくお願いします」 「分かりました」 それでも何とか冷静を保っている泊瀬谷先生の呼びかけに、委員長こと因幡 リオが立ちあがる。 そして、気を落ち着けようとしたのか耳を揺らして深呼吸をした後、語り始める。 「この話は今から数ヶ月ほど前、委員会が終わった後、帰宅している最中に起きた出来事です」 (つ、次は真面目のまー子の委員長の話か……) 卓は永遠花の話に若干ビビっていた心を何とか立て直し、再び話に耳を傾ける。 そして、周囲を静寂が包む中、リオは静かに語り始めた。
- 918 名前:納涼百物語会! ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/09(日) 23:03:34 ID:xyQVLiPi]
-
その日、委員会が予想以上に長引いた事で、私が下校する頃には日も落ちかけているところでした。 グラウンドで遊んでいた生徒達の姿もなく、部活動を行っている部員達の姿もない夕暮れの学園は不気味なまでに静かで その不気味さに私の足も心なしか早足になっていました。 そんな時、『もう良いかい?』と、小さな声が私の長い耳に聞えました。 それから数秒の間を置いて、『まぁだだよ』と言う声も聞えました。 声の質からして小等部辺りの子でしょうか。 もう下校の時間だというのに、まだ校内でかくれんぼをしている子が居る様でした。 当然、委員長である私はまだ遊んでいるであろう子へ注意するべく、声の主を探し始めたのですが……。 しかし、声が聞えた場所を幾ら探しても、隠れている子はおろか鬼役の子すらも見つかりません。 私が妙なものを感じ、首を傾げていると、 『もう良いかい?』と、また声が聞えてきました。それも、私が先ほど探していた場所とは全く違う場所から。 そして、数秒の間を置いて『まぁだだよ』の声。無論、それも先ほど聞えた場所とは全く違う位置から。 ……明らかに変でした。 先ほどの声はさっき声が聞えた場所とは大分離れた場所から聞えており、 もし、その場所へ移動して声を出すなら、移動する時は必ず私の視界に入ってもおかしくない筈なのです。 しかし、誰かが移動する様子なんて私は見ていません。……なら、この声は何? そう私が思ったその矢先。 『 も う 良 い か い ? 』 声は、私の直ぐ後ろから聞えてきました。 それも、先ほどまでの小等部の子が出すような可愛らしい声ではなく、地獄の底から聞えてくるような野太い声で。 私がわき目も振らずその場から逃げ出したのも当然の事でした。 今思うのですが、もし、あの『もう良いかい?』の後に、私が『もう良いよ』と返していたら……。 それを考えるだけで、私は全身の毛が毛羽立つのです。
- 919 名前:納涼百物語会! ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/09(日) 23:04:15 ID:xyQVLiPi]
-
「対して怖くない話でしたが、私の話はこれで以上です」 言って、リオは目の前の蝋燭を吹き消した。 (いや、ちょ、対して怖くないって嘘付けぇぇぇぇぇぇっ!! 滅茶苦茶怖ぇじゃねえか!? 何? どんどん近付いて来る訳じゃなく、前触れも無しに直ぐ後から聞えてくるなんて反則だろ!? しかも、リオの声真似も凄く上手かったからより怖さ倍増じゃねぇか!! ああ、もう夕暮れ時の下校は一人で行きたくねぇよ! 畜生!) リオの話に対する、卓の正直な感想だった。 無論、その想いは周りの皆も同じだったらしく、感想を語り合う事無くただ、シンと静まり返っていた。 「は…はい、97話目のお話、因幡さん、ありがとうございました!」 そのまま十秒程の沈黙の後、ようやく泊瀬谷先生が震えた声でリオへ礼を言い、座る様に促す。 見れば、膨らんでいた泊瀬谷先生の尻尾は既に股の間へと隠れていたりする。 「え、えっと…次は…」 「あー、俺だぞー」 「じゃ、じゃあ、竜崎君、98話目、お願いします」 若干涙目になりつつある泊瀬谷先生の呼びかけに、尻尾揺らして元気よく立ち上がる利里。 そして何故か何も無い方向を一瞬だけ一瞥した後、皆の方へと向き直って話を始める。 「アレは確かそうだなー、俺がまだ小等部だった頃にあった話だったかな?」 (あ…今度は利里か…良かった、こいつの話なら安心して聞けそうだ) 次の語り部が親友の利里だと知った卓は、心の中で安堵の溜息を漏らした。 忘れっぽい上に純粋な性格の利里の事、そう大して怖い話をしてこないだろう、とたかをくくったのだ。 そんな卓を余所に、利里は何時もの調子で語り始めた。
- 920 名前:納涼百物語会! ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/09(日) 23:05:29 ID:xyQVLiPi]
- 実は言うと、俺の家は玩具屋をやってるんだ。東佳望三丁目の、竜崎玩具店って所。
家が玩具屋だから一杯玩具があって羨ましいと皆も思うだろ? けど、現実はそう甘くは無いんだ―。 俺の父さん、商売に対しては真面目な人だったから、俺がうかつに商品に触ろう物なら即座にゲンコツだ。 だから、父さんが怖かった俺は、家に一杯ある玩具を指の爪咥えて見てるしか出来なかったんだー。 そんな俺を不憫に思ったんだろうなー、俺の母さんが父さんに頼んで家の倉庫から玩具を持ってきてくれたんだ。 確か、その玩具はスイッチを入れると頭をピカピカと光らせながら歩くロボットだったのを憶えてる。 それは売れ残りの玩具だったんだけど、今まで指の爪咥えて玩具を見てるだけだった俺にとってはすっごく嬉しかった。 とうぜん、俺は毎日の様にそのロボットで遊んでたよー。あ、無論、大事に遊んでたぞ。壊したら父さんが怖いからなー。 ……その玩具で遊び始めてヘンな事に気付いたのは、それから1週間辺りだったかな? ヘンな事と言うのは、そのロボットをキチンと玩具箱にしまってても、何時の間にか玄関の前に転がってるんだ。 その所為で、父さんから大事な物はしっかり仕舞ってろと何度もこっ酷く叱られてさー、本当に理不尽な気分だったよー。 挙句にさ、そんなに大事に出来ないならと、父さんにロボットを隠されちゃってさー、もうその時は泣きまくったよー。 ……でもな、父さんが念入りに隠した筈のロボットが、翌日にはまた玄関に転がってた。 それで父さんも流石に変だと思ったんだろうなー、その日の夜、父さんは俺と一緒に玩具を見張る事にしたんだー。 勝手に動き出さない様に電池を抜いた上でロボットを部屋の真中に置き、それを俺と親父が物陰に隠れて見張ってた。 そして夜中の2時くらいになった頃だったかな? なんと驚いた事に、電池を抜いた筈のロボットが勝手に動き出したんだ。頭をピカピカ光らせながらな? そして、何かに操られる様にロボットは玄関の方へ。無論、俺と父さんは直ぐ様、ロボットを止めようとした。そしたら…… 『こ れ は 僕 の だ ! 触 る な !』 ロボットがいきなり振り向いて、何時もの角張った顔と違う鬼のような形相で俺と親父へ叫んだんだ。 それは俺の聞き間違いじゃなかった。その場にいた親父も確かに見て聞いたんだからな。 それで恐ろしくなった俺と父さんは父さんの部屋のベットに逃げ込んで、結局、朝まで震えるしか出来なかったよー。 後で聞いた話だとな、そのロボットは本当なら、ある家の子供のプレゼントになる予定の物だったんだー でも、プレゼントされる直前でその子供が事故で死んじゃってな、結局渡されずに倉庫に仕舞いこまれたんだとさー。 多分、その子供の幽霊はロボットを独り占めしたかったんだろうなー。俺もその気持ちが分かるなーと思うよ。 それで結局、俺は父さんから代わりの玩具を貰い、ロボットはお寺へ預けられる事になったんだー。 多分、今も、あの子はそのロボットで遊んでるんだろうなー?
- 921 名前:納涼百物語会! ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/09(日) 23:06:16 ID:xyQVLiPi]
- 「これで俺の話は以上だぞー」
言って、利里は鼻息で蝋燭を吹き消した。 (ごめんなさいごめんなさいごめんなさいどうせ怖くないだろうとたかをくくってた俺が悪かったですごめんなさい。 つーか、話す一瞬前にあらぬ方を見てたけど、その時、何見てたんだ利里!?) 土下座する様に床に突っ伏した卓の、余りにも正直過ぎる心の中での感想だった。 「は…はは、はい! きゅ、98話目のお話、りゅ、竜崎君、あ、ありがとうございました!」 水を打ったかの様な静寂の後、完全に声を震わせた泊瀬谷先生が利里へ座る様に促す。 最早、泊瀬谷先生の身体中の毛皮と言う毛皮は恐怖によって逆立っていた。 「え…えーと、えとえと、次の人は…」 「あ、もう俺の番だったか?」 「そ、それじゃあ塚本君! 99話目、お願いしますね!?」 泊瀬谷先生の今にも逃げ出したい気分を必死に堪えながらの呼びかけに、塚本がよっこらせっと立ちあがる。 そして、塚本は気だるそうに溜息を漏らすと、面倒臭そうに尻尾を揺らしながら話を始めた。 「あー、たしかアレは、新しく中古車を買ったオジキに起きた話だったな…」 (つ、次はおバカで有名な塚本か……流石にこいつは恐い話はしてこないだろう……つか、そう願いたい) 身体中から吹き出る冷や汗を必死に拭いながら、卓は次の語り部である塚本へと願った。 しかしそれと同時に、卓の冷静な部分は、この願いが叶わぬ物だと現実的に感じ取っていた。 そんな卓の願いなんぞつゆ知らず、塚本は後頭をぼりぼりと掻いて語り始める。
- 922 名前:納涼百物語会! ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/09(日) 23:07:14 ID:xyQVLiPi]
-
その車はとにかく出物だった。物は数年前の人気車種、走行距離2万km未満、オーディオ・クーラーつき。 この内容で値段は何と一万五千円、税金やら保険などその他諸々入れても合計10万ぽっちと言う破格の値段の車だった。 無論、オジキはその車が2台以上の事故車の無事な部分を組み合わせて作った、所謂ニコイチ・サンコイチを疑ったよ。 けど、何処を調べてもそんな形跡は無く。調べれば調べるほどその車が事故歴もない新品に近い車だと分かるだけだった。 俺も一度、オジキのその車に乗せてもらった事あるんだがよ。 本当に一万五千円で売ってた物とは思えないくらいに内装も綺麗で、走りも何ら問題がないんだわ。 でも、その時、俺がこの車に対して気になった事が二つだけあった。 一つは、芳香剤をやたらとガンガンに効かされている事。オジキが言うには、これは買った当初からだったらしい。 そして二つは、CDやラジオなどのオーディオを使うと、どんな時に使ってもプツプツと雑音が入る事。 まあ、所詮は一万五千円で売っていた代物だし、それくらいは当然だと、オジキも大して気にしなかった様だった。 ……でも、それから三日くらいして、オジキは突然その車を手放しちまった。 その手放した理由についてなんだが。ここからがオジキから聞いた話なんだけどよ? その日もオジキは特に宛ても無く、その車で近くの峠道を流していたそうなんだ、時折、走り屋を煽ったりしながらな。 まあ、そんな調子で3時間くらい走りまわって疲れたオジキは、峠にあるパーキングエリアで休む事にしたんだと。 けど、その時は夜中の2時、当然店なんてやってない。無論、峠の真中だから暇を潰せる場所なんて有る筈も無い。 だからやる事とすれば、自販機で買ったコーヒーでも飲みながらオーディオの音楽を聴く事くらいだ。 オジキがオーディオをつける。ノリの良い音楽に混じって聞えてくる何時もの雑音。 周囲が静かなもんだから、オジキはついついその雑音に耳を傾けてみたそうなんだ。 そして暫く聴いてみて、ようやくオジキは気付いた。それはただの雑音じゃないって事が。 ……よくよく聴いてみると、その雑音はかなり低い物なんだけど、明らかに人の声なんだよ。 そして、声は音楽に混じって、途切れ途切れに『アツイ、クルシイ』と言っていた。 寒気と同時に、一気に全身の毛皮が逆立つ物を感じたオジキは、即座にオーディオの電源を切った。 けど、オーディオの電源を切ったにも関わらず、『アツイ、クルシイ』と声は聞えてくる。それもオジキの直ぐ横、助手席から。 おまけに、芳香剤の匂いに混じって、何とも言えない焦げくさい臭いまでしてくる。 オジキが言うには、何と言うか煙草に火をつけようとしてうっかり毛皮を焼いてしまった時の様な酷く嫌な臭いだったそうだ。 嫌な予感を感じながらも、オジキはまるで操られたかの様に声のする助手席へ振り向いた。 ――其処に奴が居た。……そう、何の種族すらも判らない位に全身が黒焦げに焼け爛れた奴の姿が。 オジキは悲鳴を上げる事すら出来ず、そのまま気を失った。 翌日、通りかかったポリ公に叩き起こされたオジキは当然、その車を運転する気にはなれず。 結局、自分を叩き起こしたポリ公に懇願してパトカーで家まで送ってもらったそうだ。 後でその車を売った中古車屋を締め上げた所、その中古車屋はトンでもない事を白状し始めた。 実はその車、なんと最初のオーナーが借金かなんかの原因で車内で焼身自殺を図ってたらしいんだわ。 けど、火が弱かったのかそいつは死に切れず病院に運び込まれ、『熱い、苦しい』と苦しみながら三日後に死んだ。 で、そいつが焼身自殺を図った車は、焦げた助手席と内装の部分だけを交換して借金取りがうっぱらったんだと。 まあ、それでそのいわく付きの車は彼方此方のオーナーを転々と渡り、そしてオジキの手に渡ったそうな。 無論、オジキはそんないわく付きなんぞイラネと中古車屋に突っ返したのは当然の事だな。 ああ、そう言えば聞いた話だと、その車、今も中古車屋の片隅に置かれているらしいぜ? 気になるなら夕陽丘三丁目の中古車屋に行ってみな? 運がよければ聞けるかもしれないぜ? そう、『熱い、苦しい』とうめき続ける、自殺者の怨嗟の声がな……?
- 923 名前:納涼百物語会! ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/09(日) 23:09:40 ID:xyQVLiPi]
- 「俺の話はこれで以上だぜ?」
言って、塚本は目の前の蝋燭をフッと吹き消した。 明かりとなる蝋燭の火が最後の一本になった為か、教室は殆ど暗闇に支配されつつあった。 (え、えと、何でこう言う時に限って何で本当に怖い話を話すんだ!? 塚本、おまえ、本当は頭良いだろ?! それにその中古車屋の場所をさらりと言うなよ! 気になって見に行くバカが必ず出るぞ! 特に利里とか) 最早恐怖で涙目になりつつある卓の本気で素直過ぎる感想だった。 「ふ、ふぁい、きゅきゅ99話目のお話、つ、つかもと君、ありゅがとうごじゃいましたぁ!」 泥沼の其処の様な深い沈黙の後、泊瀬谷先生が身体の震えの余り台詞を噛みまくりながら塚本に座る様に促す。 全身の毛皮を逆立て尻尾を丸め更に涙目な泊瀬谷先生は、物音がすれば今にも悲鳴を上げて逃げ出しそうだった。 「え、えとえとえっと、ちゅ、ちゅぎの人は誰でしたっけ?」 「あ…ぼくでしたね…」 「え、あ、ひ、ヒカ…犬上君? なら最後のお話、おねがいしましゅ!」 最早半分ほど言葉になってない泊瀬谷先生の呼びかけにスッ、と立ち上がったのは犬上 ヒカル。 一本の蝋燭の火のか細い光だけが暗闇を照らす中、ヒカルのふさふさの白い尻尾だけが妙にはっきりと見えた。 そして、俯き気味のヒカルは静かに、最後の百話目となる話を語り始めた。 「皆さん、この学校の七不思議の一つに有る、『紅い尻尾』の話はご存知でしょうか?」 (最後のトリはよりによってヒカルか……こいつ、口下手だけど恐い話が得意そうだからな…… 本当、お願いだからもうこれ以上怖いのは勘弁してくれよ? 只でさえ何か出そうな雰囲気なんだから!) ガタガタと恐怖で震える身体を必死に抑えつつ、卓は最後の語り部で有るヒカルへと祈る。 その卓の眼差しの先で俯き加減に佇むヒカルは、何故か酷く存在感がないようにも見えた。 そして、全員が息を飲む中、『納涼百物語会』最後の話が語られ始めた……。
- 924 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/09(日) 23:16:18 ID:bDcze4hD]
- しえーん
- 925 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/09(日) 23:17:17 ID:bDcze4hD]
- 支援
- 926 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/09(日) 23:20:03 ID:kVd8fWNx]
- こんな時間に覗きに来てみればwwwwww
普通に怖い件wwwwwww
- 927 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/09(日) 23:22:00 ID:bDcze4hD]
- もしかして支援入るの遅かったか…?
- 928 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/09(日) 23:23:40 ID:xyQVLiPi]
-
それは深夜の2時ちょうど、ある場所で『ふさふさの尻尾は何処にある? この場所さ』と唱えると。 『ぼくの尻尾…』と言う声とか細い共に、尻尾を血で紅く染めたイヌの少年の霊が現れ、こう問い掛けてきます。 『ぼくの尻尾は何処?』 この時、何も答えなかったり、正解の答えを言えなかったりすると、彼に尻尾を引き千切られてしまうのだそうです。 無論、尻尾が無い種族の場合はお尻にある尾底骨を引き抜かれてしまう、と言う恐ろしい怪談です。 ……実はこれ、かつてこの学園で本当に起きたある事件が元となって作られた話だったりするのです。 昔々、佳望学園の高等部に、純白の長い尻尾をもつイヌの少年が居ました。 彼のそのふさふさの尻尾は他の生徒が羨むくらいに美しく、彼自身も自分の尻尾を自慢に思っていました。 自慢気に自慢の尻尾を振る彼の姿が学園の中では良く見られたそうです。 ある日の休日、学園の中で友達と遊んでいた彼はかくれんぼの最中、 工事中の幕をくぐった先で見なれない物が置かれているのに気が付きました。 それは金属製の壷を斜めに傾けた状態で金属製の台に固定したような奇妙な物体でした。 当時の佳望学園は木造の旧校舎から新校舎への建替えの真っ最中、恐らくは工事をしている人が置いたのでしょう。 これはイヌのサガと言う物なのでしょうか、彼はこの見慣れぬ物体に対して強い興味を抱きました。 取り敢えず匂いを嗅いでみたり、揺らしてみたり突っついてみたりと彼は色々とやってみた後。 彼は何を思ったか、自慢の尻尾を壷のような物の中へ入れて見たのです。 そう、壷のような物の正体が何なのかを知らずに……。 ―――悲劇の幕は機械の音と悲痛な悲鳴から上がりました。 それに気付いた彼の友人が駆け付けて見ると、其処には地に倒れ伏し、悲痛なうめきを漏らす彼の姿がありました。 『ぼくの尻尾が、ぼくの尻尾が』と漏らす彼の尻尾は途中から失われ、其処から血が止めど無く溢れ出していました。 その時、尻尾のあった場所から溢れ出る血の所為か、今の彼は紅い尻尾を生やしている様に見えたのだそうです。 そして、彼の側にはゴウンゴウント唸り声を上げる壷の様な物。 そう、彼が尻尾を入れて見た壷の様な物、それは工事に使われる可搬型のコンクリートミキサーだったのです。 恐らく、彼が尻尾を入れる前に、突付いたり揺らしてみたりした事で誤作動を起こしたのでしょうか、 彼が尻尾を入れると同時に、コンクリートミキサーは与えられた職務を全うすべく中の物を掻き混ぜ始めたのです。 その中の物がコンクリートではなく彼の尻尾だったとしても……。 その後、騒ぎを聞きつけた教師の通報によって、彼は病院に運ばれたのですが、 傷口から悪い菌が入ったのでしょう、可哀想に彼は高熱にうなされたまま死んでしまったのです。 そう、意識を失う最後まで『ぼくの尻尾が、ぼくの尻尾が』と言いながら……。 しかし、こんな痛ましい事故が起きたにも関わらず、 工期が差し迫っていた事もあって工事は中断される事も無く、何事も無かったかのように続けられ、 その上、事故を起したコンクリートミキサーも、少し点検された程度でそのまま使われ続けたのです。 ……そして、新校舎が完成した後、それから数ヶ月もしないうちに、冒頭で話した噂が流れ始めました。 新校舎のある場所は彼の尻尾の血肉が混ざったコンクリートを使っている、と言う根拠の無い噂と共に。 因みに、皆さんは知ってますか? 彼の亡霊が現れると言われ、同時に彼の尻尾が混ざったコンクリートが使われているとも言われている場所。 その場所は高等部の3階の左端から3番目にある教室……そう、今、ぼく達が居るこの教室なのです。 ひょっとすれば、今、ここで呪文を唱えれば彼が現れるかもしれませんね? そう、『ふさふさの尻尾は何処にある? この場所さ』 と。
- 929 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/09(日) 23:26:15 ID:bDcze4hD]
- しえ
- 930 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/09(日) 23:26:27 ID:vUtYCGIT]
- しえん
- 931 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/09(日) 23:30:50 ID:bDcze4hD]
- 支 援
- 932 名前:納涼百物語会! ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/10(月) 00:01:33 ID:qOSmM0F0]
- 「ぼくの話は以上です」
言って、彼は最後の蝋燭の火を吹き消した。 百本目の蝋燭が消えた事で、深夜の教室は光一つすらない完全な暗闇に包まれた。 生徒も教師も、皆、沈黙を守り通していた。何時もならば騒がしい生徒ですらも、今は只、押し黙るだけであった。 そう、何か物音を立てたら最後、何か恐ろしい物が現れるんじゃないかと言う根拠の無い不安によって。 聞える音とすれば、風に揺れるカーテンが鳴らすカタカタと言う音だけ。 「ー――――っ!!」 その暗闇を打ち消す様に、不意に灯される教室の蛍光灯。 女子生徒達数人がそれに驚き、思わず甲高い悲鳴を上げる。 「ちょ、皆さん!? お、落ちついてください! 私が蛍光灯を点けただけですから!」 その悲鳴に慌てて声を上げたのは泊瀬谷先生。 どうやら彼女は皆が押し黙る状況にしびれを切らし、側にあった蛍光灯のスイッチへ手を伸ばしたのだろう。 怯える生徒達を必死に宥める教師を横目に、その場の誰もが様々な感情を入り混じらせつつも安堵の溜息を漏らした。 「しっかし、今回の『納涼百物語会』の最後辺り、怖い話が目白押しだったなぁ」 「そうそう、私はリオの話が怖かったかな? 最後の『もう良いかい?』のくだりが一番怖かったわ」 「いえ、永遠花さんの話が怖かったと思いますよ?」 「塚本、お前、あんな長い話をキチンと覚えていられたんだな? 感心したぜ?」 「へッ、俺に掛かれば怖い話の一つや二つ訳ねぇっての来栖」 「ねえ、塚本君。なんかポケットからメモが落ちたよ? ひょっとしてこれ、カンペ?」 蛍光灯の見なれた明かりによって、恐怖に染まっていた心も落ち着きを取り戻したのか、 生徒達が口々に百物語の感想を並べ始める。 「卓ー、俺、今回の話を覚えるのすっごく苦労したぞー! どきどきだったぞー!」 「あ、ああ、そうだったな、お前の話、充分怖かったぜ」 「おお、それは良かったぞー!」 尻尾を振り上げて喜ぶ利里に少し苦笑いを浮べた所で、卓ははと有る事に気がついた。 しかし、卓がそれを言い出す前に、恐らく同じ事に気付いた泊瀬谷先生が不思議そうに声を上げる。 「……あれ? ヒカ…犬上君は?」 「え? 犬上だったら……あれ? 居ねぇ? 何処行ったアイツ?」 と、周囲を見やる塚本、ここで生徒達全員がヒカルの姿が無い事に気付き、 まるで静かな水面に小石を投げ打ったかの様に生徒達の間からざわめきが広がり始めた。
- 933 名前:納涼百物語会! ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/10(月) 00:02:29 ID:qOSmM0F0]
-
――――と、その矢先。こちらへ掛けこむ足音と同時に教室のドアが開いた。 「やっとついた! 皆、遅れてゴメン!」、 教室のドアを開けて入ってきたのは、皆が探していたヒカルだった。 彼は余程急いで来たのだろう、舌を垂らしたマズルから荒い息を漏らしていた。 「もう、行く直前になって父さんに用事を頼まれちゃってさ…とにかく、遅刻してゴメン。百物語はもう終わっちゃった?」 『…………』 「……あ、あれ? 皆、何で黙るのさ……?」 驚いたように硬直する皆を前に、ヒカルは不安に駆られて思わず耳を伏せる。 この時、この場のヒカルを除く誰もが気付いた事であろう、 ヒカルは今さっき到着した。なら先程、百物語の百話目を話していたヒカルは一体……? それに気付いた皆はほぼ同じタイミングで、百話目を話していたヒカルの立っていた場所へゆっくりと視線を向ける。 ……其処には、紅い血溜まりだけが残っていた。 余りにも信じられない物を前に、毛並みを逆立てて沈黙するその場の全員。 (ただし、今しがた来たばかりで事情が飲みこめていないヒカルは除く) 水を打った様に、シン、と静まり返る教室。夏にも関わらずひんやりとした空気が流れ、古い蛍光灯がジジジと音を立てる。 そして―――― 『ぼくの尻尾……』 その静寂に滑りこむ様に、何処からか響く悲しげな声。 『うわぁぁぁくぁwせdrftgyふじこlp; !?!?』 当然、それによってその場の全員の恐怖のボルテージが一気にMAXとなり、 皆、全身の毛を逆立てて悲鳴を上げながら土石流の如き勢いで教室から逃げ出したのであった。
- 934 名前:納涼百物語会! ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/10(月) 00:04:05 ID:xyQVLiPi]
-
【それから数分後】 百物語後の怪異によって生徒も教師も全員逃げ出し、誰も居なくなった教室。 蛍光灯が虚しく教室を照らす中、唐突に教卓がごとりと音を立てて動く。 「ふぃ〜、もう大丈夫かな?」 教卓が二度三度動いた後、其処からひょっこりと顔を覗かせたのは、佳望のトリックスターことサン・スーシ。 ご機嫌に尻尾を振る彼は、何故か頭に白の長髪のカツラを付け、その上に髪と同じ色の付け耳を装着し、 更にその側には先の部分にスニーカーを付けた竹馬まで転がっていた。 「まさかここまで上手くいくとは思っても無かったよ。仕込に苦労しただけあったね」 言って、サン先生は手にしたレコーダーと床の血溜まり?を見やる。 そう、『納涼百物語会』の百話目からの怪異は、このサン先生の仕込んだ手の込んだ悪戯だったのだ。 流れとしては先ず、予めくじ引きに細工をする事でヒカルが百物語の一番最後になるように仕向け。 その後、サン先生はヒカルの父へヒカル本人を会に遅刻させる様にこっそりと頼み、最初の仕込みは完了。 当日、会が始まる1時間前にヒカルに似せた変装をしたサン先生が教卓の下へ隠れ、ある程度会が進行するのを待つ。 そして、蝋燭の光が殆ど無くなり暗くなった所で気付かれない様に参加者達に紛れ、その時が来るを待つ。 後は怖い話をしたサン先生が最後の蝋燭を吹き消し、真っ暗闇になった所で紅いインクを床に垂らして再び教卓の下へ隠れ、 そして遅刻したヒカルが来るタイミングを見計らって、レコーダーから録音した音声を流す。と言う算段。 ここまでした苦労の甲斐あって、悪戯は面白いくらいに成功した。 悲鳴を上げて逃げ出す生徒の顔を思い出すとホントに笑いが止まらない。お陰で尻尾の振りも絶好調だ。 この仕込に協力してくれたヒカルの父には、後で何かしらの礼をしておこう。 そう考えながら、サン先生は身長を誤魔化す為に履いていただぼだぼのズボンを脱ぎ、何時ものサイズのズボンへ履き直す。 「…あ、でも、巻き込んじゃったヒカル君と泊瀬谷先生にはちょっと悪いコトしちゃったかな?」 ポツリと漏らすサン先生の独り言に答える者は無く、代わりに気の早いコオロギの鳴き声を立てた。 と、其処でサン先生ははとある事に気付き、ピンと尻尾を跳ね上げる。 「いっけね! 床に垂らしたインクを拭かなきゃ! これで拭き忘れたらぼくの悪戯だってバレバレじゃないか」 慌ててサン先生は後処理用に持ち込んでいた雑巾で床の紅いインクをふき取り始める。 幸い、床がリノリウム張りな上にインクが水性だった事もあり、殆ど後を残す事無くふき取る事が出来た。 何とか後始末が出来た事にサン先生はホッと胸を撫で下ろし、尻尾をゆっくりと揺らした。
- 935 名前:納涼百物語会! ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/10(月) 00:05:10 ID:qOSmM0F0]
-
『ぼくの尻尾…』 「―――っ!?」 安心した矢先、不意に聞えた声にサン先生は思わずぎくりと硬直し、全身の毛を逆立てた。 そして、暫くキョトキョトと周囲を見やった後、声の正体に気付いたサン先生はやれやれとばかりに溜息を漏らす。 「……な、なんだ、レコーダーの声か……ビックリさせるなぁ、もう……」 無論のこと、また鳴り出さない様にレコーダーの電源を切るのを忘れない。 もう、最後の最後でぼくまで驚かせちゃって、このレコーダーは持ち主のぼくに似て罪な奴だなぁ。 などと心の内でレコーダーに対する愚痴を漏らした矢先。 『ぼくの尻尾は何処?』 ―――再び聞える悲しげな声。 「…………」 サン先生は背筋が凍りつく物を感じていた。 レコーダーの電源はしっかりと切ったのだ。当然、声なんて出す筈が無い。 それ所か録音した音声は『ぼくの尻尾…』の一つだけ、それ以外を録音している筈が無い。 いや、そもそも、さっきの声は背後から聞えたような……? もうこの時点で声の正体は大体想像がついているのだが、それでも嫌な想像が思考をうめ尽くす。 そして、サン先生は全身の毛がざわざわと毛羽立つ嫌な感覚を感じながら、恐る恐る後ろへ振り返った。 声の正体を確かめる、と言うよりも、思考をうめ尽くす不安を紛らわす為に。 「うぎょわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」 ……そして、深夜の学園にサン先生の悲鳴が響き渡った。 その後、たまたま見回りをしていたベンじいが悲鳴を聞きつけ、教室に駆け付けて見ると。 其処には全身の毛を逆立てて気を失ったサン先生の姿があった。 無論のこと、それによって『納涼百物語会』の怪異がサン先生の仕業だと判明し、 結果、サン先生は幽霊よりも恐ろしい英先生の説教をみっちりと受ける事になったのだった。 ただ……一つだけ、不可解な事がある。 それは悲鳴に気付いたベンじいが教室に駆け付けた時。 気絶しているサン先生の尻尾は何故か大量の赤いインクにまみれ、さながら噂の『紅い尻尾』の様になって居たと言う。 そう、あの時、サン先生は悪戯に使ったインクは全て使い切り、一滴も残していないにも関わらず……。 『ぼくの尻尾は何処?』 ―――――――――――――――――――――涼、じゃなく了――――――――――――――――――――――
- 936 名前:納涼百物語会! ◆/zsiCmwdl. mailto:sage [2009/08/10(月) 00:08:18 ID:qOSmM0F0]
- 以上です。
投下する際、キャラ崩壊してないかで常にガクブルだったり。 それと、途中で投下が止まった時は避難所を覗いてみてください。 多分、さるってしまって代理投稿を望んでいる作者の姿があると思うので……
- 937 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/10(月) 00:27:49 ID:pPXB1HHH]
- うわすまーん! 携帯で代理できなかったー
うん怖いな普通に。 誰よりびびってるはせやんかわいいよはせやん。 卓って一見冷めてるようでも案外純粋な奴だなw これ端から見てると怖がってるのが尻尾とか耳とかでわかりやすいんだろうな
- 938 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/10(月) 00:32:40 ID:7gwTR66P]
- 全部オリジナル?
そうだったらこれだけの話を書くアンタが怖いわwwwwwwwwww
- 939 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/10(月) 01:16:33 ID:24cOV8Xu]
- 面白かった!
- 940 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/10(月) 05:46:01 ID:Rs8UB+e9]
- 臨海学校と百物語、作者方のキャラへの愛を感じます、力作乙です!!
しかし、これ読んだら出先でトイレにいけなくなる予感、マジ勘弁してw サン先生の手間暇かけた半端無い仕込みっぷりとオチに吹く。 臨海学校、自分は山の中で出張授業みたいな事やってました、海いきたかった……。 三泊四日でしたが、宿舎の暑さと飯の不味さは忘れられません。 夜は枕投げと布団プロレス、深夜の猥談に暴露大会と色々盛り上がった記憶がw 一番早く寝た奴は黒マジックで顔面お絵描きの刑、あれは漫画の中だけの話かと思ってたw
- 941 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/10(月) 08:06:28 ID:po7hWOgg]
- ttp://loda.jp/mitemite/?id=313.jpg
中古でスキャナ買ってきたので、担いで帰ることにしました。
- 942 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/10(月) 08:15:15 ID:67ILD1tP]
- 恐怖を感じたときはぶわっとなるんだろうね
- 943 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/10(月) 08:21:08 ID:pPXB1HHH]
- うわっ怖えw
なんか珍しいな 忘れがちになるけど本来はこういう役回りなんだよね英先生
- 944 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/10(月) 12:54:30 ID:jWu9JedC]
- さんだーぁすとらーーいく!!!!!
- 945 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/10(月) 12:56:46 ID:jWu9JedC]
- ごめんなさい誤爆した。
お目汚し失礼しました
- 946 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/10(月) 18:04:44 ID:Qs/E1qAi]
- どんな誤爆だよと小一時間w
- 947 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/10(月) 21:49:55 ID:41zHhypS]
- せっかく林間学校に来たのだからと女子達のビーチバレーにいのりんが
ダイエットがてら強制的に参加させられその後つまづいたいのりんの巨体によって 砂浜の城がブチ壊されアッー ttp://loda.jp/mitemite/?id=315.jpg
- 948 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/10(月) 22:23:17 ID:mw3ihD8r]
- >>944誤爆だって拾うぞ。
ttp://loda.jp/mitemite/?id=316.jpg 台風から逃げてきたらこっちは暑い。パソコンが悲鳴を上げる。スキャナは持ってきたも のの使い慣れた紙と鉛筆と消しゴム忘れて慌てて文具屋へ。 嗚呼ビールが旨い。 >>947 なんだか来栖って将来何か成しそうな気もしますねぇ。
- 949 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/10(月) 22:25:11 ID:rAs+xfBH]
- 女子の水着姿と乳揺れ目的にビーチバレー観戦するも
汗だくになりながら頑張るいのりんと動くたびにたぷんたぷん揺れる腹を見せ付けられる展開と申すか というかなんなんだ来栖その凝りようは 間違いなく美術5だな
- 950 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/10(月) 23:41:50 ID:jWu9JedC]
- ずっと気になってたんだが、
来さんと塚本の身長ってどっちが上?
- 951 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/11(火) 15:48:39 ID:jWCwcJc+]
- 来さんの身長は角を含むのか?
>女子の水着姿と乳揺れ りんごたんの出番ですと?
- 952 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/12(水) 17:09:31 ID:10XnHzOB]
- ttp://loda.jp/mitemite/?id=319.jpg
※やはりこの液晶は色味がわからない…
- 953 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/12(水) 17:14:34 ID:7dsvQvLJ]
- カwwwニwww
- 954 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/12(水) 17:21:20 ID:XZT7UoG5]
- いのりん逃げてぇえええええ
- 955 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/12(水) 18:32:30 ID:EF5XN3GQ]
- 英先生、ごもっともすぎます……
そしていのりん逃げろ
- 956 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/13(木) 22:19:37 ID:9j0lS/Ef]
- >>935
ttp://loda.jp/mitemite/?id=327.jpg ※尻尾赤いです。
- 957 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 01:31:14 ID:6zKwvPd3]
- >>956
悪戯者の末路(?)かww
- 958 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 16:48:11 ID:rL7GqPSx]
- 職員室を勝手に想像してみたの巻
窓がわ 廊下がわ 壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁 壁 社会科 芸能教科 窓山野■■大稲荷 牛沢■■水島 窓猪田■■獅子宮 ヨハン■□(ごちゃごちゃしてる) 壁 ↓(マタタビのニオイがする染み) 壁 語学科 ● 理科 窓帆崎■■泊瀬谷 百武■□(磁石やら地球儀やら) 窓 英 ■■佐藤 白倉■■跳月 壁 壁 教頭&数学科 窓八木■■サンスーシ □□(来客用or生徒指導用) 窓 □□(デスクトップPC) 壁 壁 □□(お茶汲み用) ↓至コピー室 壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁扉扉壁壁壁 (校長は校長室、シロ先生は保健室、べんじいは神出鬼没) ・・・あれ、こんなに少なかったっけ、教師陣って。
- 959 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 16:50:32 ID:hfXNiuJ0]
- 文字化けが大量になっているかと思ったww
きっとマンモス学校だから、作品になってないだけでもっと教師もいるに違いないんだよ!
- 960 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 16:53:43 ID:OuPkaIYJ]
- 初等〜高等まで一緒になってるとこだしねぇ
同じ教科の教師がいることも考えりゃ3,4倍はいそうだが まぁそんな事いい始めたら出てきてない生徒が何人いるか(ry
- 961 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 18:27:14 ID:HBlJ65kt]
- 小中高で教員室が別なのが普通だけど、そこまでこだわると面倒だしね
理科準備室みたいに各教科ごとの拠点が別にあると妄想
- 962 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 19:22:11 ID:rL7GqPSx]
- >>958
ID一緒なら俺の弟
- 963 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 19:23:21 ID:rL7GqPSx]
- きたこれ! 御免なさい失礼しました。
- 964 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 20:15:47 ID:X1r/ZCCl]
- なんだ兄弟二人そろってケモナーか
- 965 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 20:24:16 ID:MGJfPMzt]
- 兄弟で話が通じるだけも羨ましいよw
- 966 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 20:27:53 ID:6zKwvPd3]
- そろそろ次スレの時期ですな。
そう言う訳で次スレのテンプレ案 獣人総合スレ 7もふもふ 獣人ものの一次創作からアニメ、ゲーム等の二次創作までなんでもどうぞ。 ケモキャラ主体のSSや絵、造形物ならなんでもありありです。 なんでもかんでもごった煮なスレ!自重せずどんどん自分の創作物を投下していきましょう! ただし耳尻尾オンリーは禁止の方向で。 エロはエロの聖地エロパロ板で思う存分に。 荒らしには反応せず相手せず、完全無視が一番安全です。 獣人スレwiki(自由に編集可能)www19.atwiki.jp/jujin あぷろだ u6.getuploader.com/sousaku あぷろだ2 loda.jp/mitemite/ 避難所 jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1237288452/ 【過去スレ】 1:namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220293834/ 2:namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1224335168/ 3:namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1227489989/ 4:namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1231750837/ 5:namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1236878746/ 6:namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1243614579/ これで特に問題がないなら立ててくる。
- 967 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 20:45:53 ID:rL7GqPSx]
- お、良いと思われます。お願いしますです。
- 968 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 21:29:42 ID:8hawFMGl]
- ttp://loda.jp/mitemite/?id=328.jpg
- 969 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 21:46:07 ID:Yf9Ykejs]
- お嬢様と大浦執事(バトラー)が来る頃合になったな
- 970 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 21:49:04 ID:6zKwvPd3]
- 次スレ、立ててきた
namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1250254058/l50 お嬢様、大浦さん、後は任せました
- 971 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 22:01:31 ID:hMQKF7O+]
- おぉ、間に合うのかお嬢様!?
- 972 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 22:05:37 ID:MNBshj0H]
- Eタイプのクーペとはまたマニアックな
- 973 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 23:05:07 ID:8hawFMGl]
- ttp://loda.jp/mitemite/?id=329.jpg
- 974 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 23:48:39 ID:8hawFMGl]
- ttp://loda.jp/mitemite/?id=330.jpg
- 975 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 23:52:34 ID:OuPkaIYJ]
- お嬢様が可愛すぎるどうしよう恋をした
- 976 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/14(金) 23:54:40 ID:Yf9Ykejs]
- 操られてるwww
- 977 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/15(土) 00:20:01 ID:z4V56O6F]
- 上から見た大浦さんがなんだかダンディ
- 978 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/15(土) 04:09:22 ID:h4lMaowU]
- 思ったw なんか胸板厚いなw
- 979 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/15(土) 08:55:22 ID:cDkeC1UI]
- まさかダミー?
- 980 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/15(土) 10:51:14 ID:Ufq/ahzU]
- ttp://loda.jp/mitemite/?id=331.jpg
- 981 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/15(土) 13:04:19 ID:JTON7nTB]
- なんと黒幕は妹様だったのか!!(アイレム風に)
元ネタ:ttp://www.irem.co.jp/contents/gallery/aprilfool_07/iremgakuen/final_battle_high.wmv
- 982 名前:創る名無しに見る名無し mailto:sage [2009/08/15(土) 20:46:43 ID:z4V56O6F]
- 大浦執事はどうやって姉君の方を観察してるんだろうw
|
|