- 796 名前:神様仏様名無し様 [2006/09/11(月) 06:17:22 ID:Ws9s+/nm]
- まずは野球とは関係ない話からする。
営業サラリーマンの佐々木治(仮名。私。昭和50年生まれ。さ いたま市在住)は、お得意様との商談をうまくまとめ、同僚と 腹を出っぱらかして肉を詰め込み、酒を飲みに飲んだ。 「なあ、佐々木よ。お前、あの商談をまとめるなんて、大した 男だなぁ。」 この時、佐々木は有頂天だったと思いますよ。 ところが男の運命なんて一年先どころか、一時間先が分からな い。 その帰り道、佐々木は酔ったまま一人で電車に乗り、ついうと うとやらかした。 詳しい展開は省略するが、ふと目を覚ますと、車掌の次のよう なのアナウンスが耳に飛び込んできた。 「次は新八柱ーー。」 佐々木は30余年を生きているが、こんな駅名を耳にしたのは 、駅名アナウンス至上、この時しかない。我らサラリーマンに とって背筋が凍りつく瞬間である。 思わず電車から飛び降りたが、ネオンひとつない街である。 時々、水商売風の女学生が通るくらいだ。 佐々木は一人で夜を明かすためのファミレスを探すために、歩 きに歩いた。 ここで読者はこう思われるのではないのか。 「駅前の地図を見るとか、タクシーの運ちゃんに聞くとかした ほうが確実なのではないのか。それよりなにより、今の時代、 携帯という便利なものがあるじゃないかーー。」 夜中の12時半から2時半まで、新八柱の街を歩きに歩いたの は、営業サラリーマン至上、この時の佐々木しかいない。 しかしファミレスは見つけられず、佐々木は結局タクシーに乗 り込んだ。 「松戸までーー。」 佐々木はなぜ運ちゃんに松戸と言ったのか。理由は明快である 。歩いている時、松戸まで6`という看板を見たのである。6 `ならばタクシー代も安いし、なにより松戸というのは常磐線 の快速が止まる駅である。快速が止まるくらいならば、深夜営 業のファミレスはいくらでもあるだろうーー。そう思ったのだ 。 しかし、松戸の東口・西口ともに営業しているファミレスは1 件もない。常磐線の快速が止まるんだと、千葉県内ではでかい 顔をしている松戸駅でも、この程度なんですよ。 佐々木は結局、松戸のネットカフェに入り、血の小便を流す思 いで、総毛という総毛を立てて、現在この原稿を書いているの だ。 最後に一言。タクシー代は1620円。これは、当時の大卒サ ラリーマンの月給の約3ヶ月分である。「たったこれだけの値 段なら、せこいことせずに、はじめからタクシーに乗り込むん だったなぁーー。」(佐々木治)
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