- 470 名前:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [2013/03/15(金) 05:31:48.15 ]
- つづき
幾何学においては、位相幾何学の嚆矢となったオイラーの多面体定理(ただしオイラーは証明を与えていない)や「ケーニヒスベルクの橋の問題」が特に有名である。 特性類の一つであるオイラー類は本質的にこのオイラーの多面体定理によって特徴付けられるものである。 「ケーニヒスベルクの橋の問題」は一種の一筆書きの問題だが、これに取り組んでオイラーは一筆書きの可能になる必要十分条件を求めた。 それに因んで今日では一筆書きのできるグラフはオイラーグラフと呼ばれる。これはグラフ理論の起源となった。 物理学では、ニュートン力学の幾何学的表現を解析学的に修正して、現代的なスタイルに変更することになった。 彼は1736年に初めて力をはっきり定義し、解析的形で運動方程式を与えた。 そしてそれ以後、この定式化に基づいて振動弦の問題を論じ、また地球の章動の研究において運動方程式による3体問題の定式化を行った。 そして1755年には流体力学の基礎方程式(オイラーの連続方程式と運動方程式)を導いて体系化し、 さらに1760年には剛体の力学を論じ、剛体に固定した運動座標系を導入してオイラーの運動方程式を得、これを発展させた。 剛体の方位を規定する3つの角は「オイラーの角」と呼ばれる。 だが、彼は1760年代までニュートンの重力理論を容認できず、デカルトの充満理論、エーテル理論に固執した。その他、変分法に関する業績も多い。 ライプニッツによって定義された関数を初めてy=f(x)の形で表したのもオイラーである。 オイラーは人類史上最も多くの論文を書いた数学者であったと言われ、彼の論文は5万ページを超える全集にまとめられているが、その全集は未だに完結していない。
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