- 455 名前:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [2012/09/17(月) 08:38:11.71 ]
- >>454
つづき www.ms.u-tokyo.ac.jp/~yasuyuki/sem.htm セミナーの準備のしかたについて 河東泰之 抜粋 セミナーの準備のしかたは個人ごとに自分にあったやり方でやればいいので,別に特定のやり方を押し付けるつもりはありませんが,一つの例としてやり方を説明します. まず,当然書いてあることを理解することが第一歩です.書いてあるのはすべて,なぜなのか徹底的に考えなくてはいけません. 「本に書いてあるから」とか「先生がそう言うから」などの理由で,なんとなく分かったような気になるのは絶対にアウトです. そして「全部完全にわかった」という状態になるまで,考えたり,調べたり,人に聞いたりするのをやめてはいけません. まだ準備は終わりではなく,始まったばかりです. 本を閉じてノートに,定義,定理,証明などを書き出してみます.すらすら書ければO.K.ですが,ふつうなかなかそうはいきません. それでも断片的に何をしていたのかくらいは,おぼえているでしょう.そうしたら残りの部分については,思い出そうとするのではなく,自分で新たに考えてみるのです. そうして,筋道が通るように自分で再構成する事を試みるんです. これもなかなかすぐにはできないでしょう.そこで十分考えたあとで,本を開いてみます.するといろいろな定義,操作,論法の意味が見えて来ます. これを何度も,自然にすらすらと書き出せるようになるまで繰り返します.普通,2回や3回の繰り返しではできるようにならないでしょう. さらにそれができるようになったとしましょう.今度は,紙に書き出すかわりに頭の中だけで考えてみます. 全体の流れや方針,ポイントは頭の中だけで再現できるものです. このようにして,何も見ないでセミナーで発表できるようになるんです. 数学の論理は有機的につながっていて,全体の構造を理解していれば,正しく再現できるようになります. 以上のような準備をきちんとするには当然,膨大な時間がかかります.1回の発表のために50時間くらいかかるのは,何も不思議ではないし,100時間かかっても驚きはしません. 実験系統の院生は,朝から晩まで(あるいは晩から朝まで)実験しているんですから,数学だってたっぷり時間をかけないと身につかないのは当然です.
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