- 403 名前:現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [2012/09/09(日) 05:59:09.90 ]
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つづき 抜粋 mathsoc.jp/publication/tushin/1001/tamagawa2.pdf [ホッジ・アラケロフ理論] エフェクティブモーデル予想, abc 予想などのディオファントス幾何の重要未解決問 題は, スピロ予想を通じて, 楕円曲線のモジュライ空間の代数体の整数環上のセクション の研究と解釈でき, すなわち, 代数体の整数環上の(一般化された)楕円曲線の研究と 解釈できます. この解釈により, このような大域的対象に対する望ましいホッジ理論が あれば, ディオファントス幾何へのアプローチができることが期待できるため, 望月さ んは, そのような理論の構築を目指し, 代数体上の楕円曲線の内在的ホッジ理論である, ホッジ・アラケロフ理論を完成させました. より具体的に言うと, 楕円曲線のp 進ホッ ジ理論では, 楕円曲線のp 進テイト加群が中心的対象でしたが, これを有限個の等分点 だけ考えることにより離散化し, 等分点集合(位相幾何的ないしエタール的な対象)に, 楕円曲線の普遍拡大上の関数(ドラーム的な対象)を制限することにより, ある種の大 域的な比較同型をダイナミックに構成・証明しました. また, これに伴い, 数論的小平・ スペンサー写像という斬新な対象も発見されました. ディオファントス幾何への応用を 見据えた望月さんのこの大理論の完成は, 内外にインパクトを与え, また, 純粋に楕円曲 線のホッジ・アラケロフ理論自体も, G. Kings ら岩澤理論の研究者などから注目されて います. これらの結果に関する膨大な(複数の)論文は, RIMS プレプリントより入手可能で あり, また, 望月さん本人によるコンパクトな概説[4] も出版されています.
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