1 名前:132人目の素数さん [2006/11/23(木) 21:57:04 ] Kummer ◆g2BU0D6YN2氏が代数的整数論を語るスレです。 前スレ science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/
152 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 13:50:05 ] 問題 p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在するような素数 p で 100 以下のものを全て求めよ。
153 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/09(土) 14:11:35 ] >>152 (a,b) p (0,1) 5, (2,3) 29, (1,6)41, (3,4) 61, (4,3) 89 ただ計算しました。
154 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14:31:13 ] >>153 正解です。 計算方法を書いておきます。 a^2 + 5(b^2) ≦ 100 より 5(b^2) ≦ 100 となり b^2 ≦ 20 よって b ≦ 4 となる。 b = 0 のとき a^2 は素数でないから b = 0 は除外する。 すると、a^2 + 5 ≦ 100 より a^2 ≦ 95 よって a ≦ 9 0 ≦ a ≦ 9 1 ≦ b ≦ 4 のとき (a, b) = a^2 + 5(b^2)の値を計算した結果を以下に書く。 数字の横に * が付いてるのはそれが素数であることを示している。
155 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14:32:09 ] (0, 1) = 5* (0, 2) = 20 (0, 3) = 45 (0, 4) = 80 (1, 1) = 6 (1, 2) = 21 (1, 3) = 46 (1, 4) = 81 (2, 1) = 9 (2, 2) = 24 (2, 3) = 49 (2, 4) = 84 (3, 1) = 14 (3, 2) = 29* (3, 3) = 54 (3, 4) = 89* 続く
156 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14:33:10 ] (4, 1) = 21 (4, 2) = 36 (4, 3) = 61* (4, 4) = 96 (5, 1) = 30 (5, 2) = 45 (5, 3) = 70 (5, 4) = 105 (6, 1) = 41* (6, 2) = 56 (6, 3) = 81 (6, 4) = 116 (7, 1) = 54 (7, 2) = 69 (7, 3) = 94 (7, 4) = 129 (8, 1) = 69 (8, 2) = 84 (8, 3) = 109* (9, 1) = 86
157 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 14:43:39 ] >>153 今、いま気付いたけど、a と b が一部反対になっています。
158 名前:132人目の素数さん [2006/12/09(土) 14:59:44 ] p=(a+1)^2+5a^2,a^2+5(a+1)^2
159 名前:132人目の素数さん [2006/12/09(土) 15:00:44 ] p=5b^2 mod a =a^2 mod b
160 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/09(土) 15:11:24 ] 何か高校数学で出てきそうな問題ですね。 敢えて難しい定理を用いて解けという出題意図なのかと思った。
161 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:18:02 ] p を Q(√(-5)) で完全分解(>>106 )する素数とする。 p ≠ 5 である。 p = a^2 + 5(b^2) が有理整数解 (a, b) をもつための条件を求める。 まず a^2 ≡ p (mod 5) つまり Legendre の記号(前スレ3の746)を使えば (p/5) = 1 である。 1^2 ≡ 1 (mod 5) 2^2 ≡ 4 (mod 5) 3^2 ≡ 4 (mod 5) 4^2 ≡ 1 (mod 5) だから p ≡ 1 (mod 5) または p ≡ 4 (mod 5) である。
162 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:28:53 ] 一方 p は Q(√(-5)) で完全分解(>>106 )するから、 >>105 より (-5/p) = 1 である。 (-5/p) = (-1/p)(5/p) であり、 平方剰余の相互法則(前スレ3の751)より (5/p)(p/5) = 1 である。 >>161 より (p/5) = 1 だったから (5/p) = 1 よって (-1/p) = 1 である。 (-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから (p-1)/2 は偶数である。 よって p ≡ 1 (mod 4) となる。 >>161 の p ≡ 1 (mod 5) または p ≡ 4 (mod 5) と組み合わせて p ≡ 1 (mod 20) または p ≡ 9 (mod 20) である。
163 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:33:32 ] >>162 >(-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから これは平方剰余の第一補充法則と呼ばれている。 前スレ3の747の 4) (a/p) ≡ a^{(p - 1)/2} (mod p) から直ちにでる。
164 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:38:37 ] >>160 簡単な計算ですが、こういう計算が初等整数論では重要な場合あります。
165 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:41:33 ] >>161 >p ≠ 5 である。 p ≠ 2 でもあることに注意しておく。
166 名前:132人目の素数さん [2006/12/09(土) 15:49:04 ] p=a^2+b^2 mod 4 =a^2-b^2 mod 6
167 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 15:50:48 ] >>162 の結果 p ≡ 1 (mod 20) または p ≡ 9 (mod 20) を満たす 100 以下の素数を求めてみよう。 100以下の整数 ≧ 1 で 20k + 1 の形のものは 21, 41, 61, 81 20k + 9 の形のものは 29, 49, 69, 89 これ等のなかで素数なのは 29, 41, 61, 89 これは >>153 と 5 を除いて一致する。
168 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 16:57:51 ] >>167 から次の予想をするには支持データ数が足りないだろう。 しかし、この予想は正しいことを後で証明する。 予想 p を 5 以外の有理素数とする。 p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在するためには、 p ≡ 1 (mod 20) または p ≡ 9 (mod 20) が必要十分である。
169 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:02:14 ] 命題 A を Dedekind 整域、K をその商体とする。 I, J を A の分数イデアル(前スレ2の677) とし、 IJ = A とする。ここで IJ は集合 { xy; x ∈ I, y ∈ J } で生成される K の A-部分加群である。 このとき J = { x ∈ K; xI ⊂ A } である。 証明 L = { x ∈ K; xI ⊂ A } とおく。 IJ = A だから J ⊂ L である。 よって IJ ⊂ IL である。 L の定義より IL ⊂ A だから IJ ⊂ IL ⊂ A となる。 IJ = A より IL = A となる。 IL = A の両辺に J を掛けて JIL = J JIL = (IJ)L = L だから L = J 証明終
170 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:09:57 ] 証明からわかるように >>169 の命題の仮定で A は Dedekind 整域で ある必要はなかった。
171 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:17:11 ] 問題 A を Dedekind 整域とする。 P ≠ 0 を A の素イデアルで a ≠ 0 を P の元とする。 このとき (a) = PI となるイデアル I がある。
172 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:24:57 ] 問題 A を Dedekind 整域、K をその商体とする。 P ≠ 0 を A の素イデアルとし、P^(-1) = { x ∈ K; xP ⊂ A } とおく。 P^(-1) は A の分数イデアルで PP^(-1) = A である。
173 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:26:53 ] 問題 A を Dedekind 整域、K をその商体とする。 I ≠ 0 を A のイデアルとし、I^(-1) = { x ∈ K; xP ⊂ A } とおく。 I^(-1) は A の分数イデアルで II^(-1) = A である。
174 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:31:31 ] 問題 >>173 において I は A の分数イデアルとしてもよい。
175 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:32:01 ] 問題 A を Dedekind 整域とする。 I ≠ 0 と J ≠ 0 を A のイデアルとし、I ⊂ J とする。 このとき I = JL となるイデアル L がある。
176 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:35:15 ] 命題 A を Dedekind 整域とする。 A の分数イデアル全体は乗法に関して群になる。 証明 >>174 より明らか。
177 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:40:01 ] 定義 A を Dedekind 整域とする。 A の分数イデアル全体は乗法に関して群になる(>>176 )。 この群を A のイデアル群と呼び I(A) と書く。
178 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:43:57 ] 定義 A を Dedekind 整域、K をその商体とする。 K の元 x ≠ 0 に対して xA は分数イデアルである。 この形の分数イデアルを単項分数イデアルまたは主分数イデアルと 呼ぶ。
179 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:46:12 ] 定義 A を Dedekind 整域とする。 A の主分数イデアル(>>178 )全体は乗法に関して群になる。 この群を A の主イデアル群と呼び P(A) と書く。
180 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:49:51 ] 定義 A を Dedekind 整域とする。 A のイデアル群 I(A) を主イデアル群 P(A) で割った剰余群 I(A)/P(A) をA のイデアル類群と呼び Cl(A) と書く。
181 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 21:57:13 ] A を Dedekind 整域とする。 前スレ2の 541 よりイデアル類群 Cl(A) は標準的に A の Picard 群 Pic(A) に同型であることを注意しておく。
182 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:27:17 ] 問題 A を Dedekind 整域とする。 A の任意の分数イデアルは I/J の形に書ける。ここで I, J は A のイデアルで I/J は I(J^(-1)) を表す。
183 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:32:29 ] 問題 A を Dedekind 整域とする。 A の分数イデアル M に対して M = I/J とする。 ここで I, J は A のイデアルである。 このとき N(I)/N(M) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。
184 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:35:12 ] 訂正 >>183 >このとき N(I)/N(M) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。 このとき N(I)/N(J) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。
185 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:39:49 ] 定義 A を Dedekind 整域とする。 A の分数イデアル M に対して M = I/J とする。 ここで I, J は A のイデアルである。 >>182 よりこのようなイデアルは存在する。 >>183 より N(I)/N(J) は M = I/J となる I, J の取り方によらない。 N(I)/N(J) を M のノルムと呼び N(M) と書く。 明らかに、この定義は M がイデアルのときのノルムの拡張になっている。
186 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:48:05 ] A を Dedekind 整域とする。 A のイデアルのことを A の分数イデアルと区別して整イデアル ともいう。 しかし、このスレでは通常、単にイデアルと呼ぶことにする。 定義(前スレ2の677)からイデアルは、分数イデアルでもある。
187 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 22:52:57 ] 2次体 Q(√m) においては、誤解のない限り、Q(√m) の整数環 Z[ω] の 分数イデアルのことを Q(√m) の分数イデアルとも言う。
188 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:09:53 ] 問題 2次体 Q(√m) のイデアル I ≠ 0 に対して、I^(-1) = [r, s + tω] と 書ける。ここで r, s, t は適当な有理数である。 I を標準基底 [a, b + cω] で表したとき、r, s, t を a, b, c から 求めよ。
189 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:13:47 ] 問題 2次体 Q(√m) の任意の分数イデアル M は M = [r, s + tω] と 書ける。ここで r, s, t は適当な有理数である。
190 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:17:13 ] 問題 2次体 Q(√m) の分数イデアル M を M = [r, s + tω] と 表したとき、N(M) = rt であることを証明せよ。 ここで r, s, t は適当な有理数である。
191 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:20:17 ] 問題 2次体 Q(√m) の分数イデアル L, M に対して、 N(LM) = N(L)N(M) となることを証明せよ。
192 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:22:02 ] 訂正 >>186 >定義(前スレ2の677)からイデアルは、分数イデアルでもある。 定義(前スレ2の677)から0でないイデアルは、分数イデアルでもある。
193 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:44:30 ] 定義 A を Dedekind 整域とする。 A のイデアル類群(>>180 ) Cl(A) = I(A)/P(A) の各剰余類を A の イデアル類と呼ぶ。 A が2次体 Q(√m) の整数環のとき、誤解の恐れがない限り A のイデアル類を Q(√m) のイデアル類と呼ぶ。
194 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:51:58 ] 問題(高木の初等整数論) 2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω] が 同じイデアル類に属すとする。すなわち I = ρJ となる ρ ∈ Q(√m) があるとする。 このとき θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおくと、 θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。
195 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/09(土) 23:58:11 ] 問題(高木の初等整数論) 以下のように >>194 の逆が成り立つ。 2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω] に 対して、θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおく。 θ = (pψ + q)/(rψ + s) となるとする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。 このとき ρ = rψ' + s とおくと I = ρJ となる。 さらに N(ρ) = ±(a/k) である。
196 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 01:55:54 ] (a, b)/(c, d) は第一行が a, b で第2行が c, d である 2次の正方行列を表すことにする。 C を複素数体とし、GL_2(C) を C 上の2次の正則行列のなす群とする。 つまり C の元を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で ad - bc ≠ 0 となるもの全体のなす群である。 GL_2(C) は C ∪ {∞} に一次分数変換として作用する。 g = (a, b)/(c, d) で z ∈ C ∪ {∞} のとき g(z) = (az + b)/(cz + d) である。 ただし、c ≠ 0 のとき g(∞) = lim [z → ∞] (az + b)/(cz + d) = a/c とする。 c = 0 のとき g(∞) = lim [z → ∞] (az + b)/d = ∞ とする。 SL_2(R) を実数体の元を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で ad - bc = 1 となるもの全体のなす群とする。 同様に SL_2(Z) を有理整数を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で ad - bc = 1 となるもの全体のなす群とする。
197 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/10(日) 02:00:58 ] モジュラー
198 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 02:07:27 ] 問題 SL_2(R) の元 g = (a, b)/(c, d) と z ∈ C に対して g(z) = (az + b)/(cz + d) とおく。 ただし、cz + d ≠ 0 とする。 このとき Im(g(z)) = Im(z)/|cz + d|^2 である。
199 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 02:40:49 ] H を複素上半平面とする。 即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。 >>198 より SL_2(R) は H に作用する。 問題 g ∈ SL_2(R) で g(z) = z となる z ∈ H が3個以上あれば、 g = ±1 である。
200 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 02:51:55 ] >>199 より PSL_2(R) = SL_2(R)/{±1} は H に忠実に作用する。 SL_2(Z)/{±1} をモジュラー群と呼ぶ。
201 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/10(日) 08:37:25 ] ガイシュツかも知れんが… pが奇素数のとき 次の不等式を示せ. Σ[r=1,p-1] { (r^2)/p - [r^2/p] } = (p-1)/2, (p≡1 (mod 4)) Σ[r=1,p-1] { (r^2)/p - [r^2/p] } < (p-1)/2, (p≡3 (mod 4)) ( [x] は Gaussの記号 ) messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1835554&tid=bdpbja1jiteybc0a1k&sid=1835554&mid=603 出題(不等式)
202 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 12:11:48 ] 問題 SL_2(R) の任意の元の固有方程式は以下の3種類である。 1) (X - 1)^2 = X^2 -2x + 1 2) (X + 1)^2 = X^2 +2x + 1 3) (X - λ)(X - 1/λ) ここで λ ≠ ±1
203 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 12:24:46 ] 問題 >>202 の 3) のタイプの行列 g は、さらに二つのタイプに分けられる。 a) λ は実数 この場合 |Tr(g)| > 2 である。 b) λ は実数でない この場合 |λ| = 1 であり、|Tr(g)| < 2 である。
204 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 12:30:47 ] 定義 SL_2(R) の元 g は |Tr(g)| = 2 のとき放物型という。 |Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。 |Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。
205 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 12:39:49 ] ここで、線形代数の復習をしよう。 問題 K を代数的閉体とする。 K の元を成分とする n 次の正方行列 A は三角行列に相似である。 つまり、n 次の正則行列 P があり PAP^(-1) が三角行列になる。
206 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/10(日) 12:44:08 ] >>kummerさん もしかして保形関数(保形型式)の話しをやるのですか?
207 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 12:47:30 ] 問題 K を代数的閉体とする。 A を K の元を成分とする n 次の正方行列とする。 A の固有多項式を (X - λ_1)... (X - λ_n) とする。 ここで, λ_1, ... λ_n の中に同じものがあってもよい。 f(X) を K の元を係数とする次数1以上の多項式とする。 このとき f(A) の固有多項式は (X - f(λ_1))... (X - f(λ_n)) である。
208 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 12:51:44 ] >>206 今はしないです。後でするかもしれないですが。 ここではモジュラー群の基本事項をやるだけです。
209 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 13:12:05 ] 問題 K を代数的閉体とする。 A を K の元を成分とする n 次の正方行列とする。 A がべき零、つまり A^m = 0 となる有理整数 m ≧ 1 があるためには A の固有値がすべて0であることが必要十分である。 さらに、このとき A^n = 0 となる。
210 名前:132人目の素数さん [2006/12/10(日) 14:40:15 ] 訂正 >>204 >定義 >SL_2(R) の元 g は > >|Tr(g)| = 2 のとき放物型という。 >|Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。 >|Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。 定義 SL_2(R) の元 g, g ≠ ±1 は |Tr(g)| = 2 のとき放物型という。 |Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。 |Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。
211 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 15:37:08 ] 問題 g ≠ ±1 を SL_2(R) の元とする。 g^m = 1 となる有理整数 m > 1 があるためには g の固有値 λ がすべて λ^m = 1 かつ λ ≠ ±1 を満たすことが 必要十分である。
212 名前:132人目の素数さん [2006/12/10(日) 15:40:57 ] 万一、命題の証明や問題が間違っていた場合は、それを指摘することも 演習とするw こちらも間違えることは当然ある。
213 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 18:16:11 ] 問題 >>198 より SL_2(R) は複素上半平面 H に作用するが、この作用は 推移的である。つまり、H の任意の2点 z, w に対して w = g(z) となる g ∈ SL_2(R) がある。
214 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 18:25:38 ] 問題 SL_2(R) の複素上半平面 H への作用(>>198 )において、虚数単位 i の 安定化部分群 { g ∈ SL_2(R) ; g(i) = i } は 特殊回転群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。 ここで g^t は g の転置行列である。
215 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 18:29:31 ] 問題 g ∈ SL_2(R) で g(z) = z となる z ∈ H が1個以上あれば、 g = ±1 か g は楕円型(>>210 )である。
216 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 18:35:55 ] 問題 SL_2(R) の位数有限の元は ±1 か楕円型(>>210 )である。
217 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 18:37:30 ] 問題 g を SL_2(Z) の元で楕円型(>>210 )とする。 g の特性多項式は X^2 + 1 X^2 + X + 1 X^2 - X + 1 のどれかである。
218 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 18:40:47 ] 問題 g を SL_2(Z) の元で楕円型(>>210 )とする。 g の位数は 3, 4, 6 のどれかである。
219 名前:132人目の素数さん [2006/12/10(日) 18:48:51 ] きゃは!おもしろい。
220 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 19:07:38 ] 定義 2次体 Q(√m) において、αを任意の整数、β を 0 でない任意の整数 とする。 このとき、α = βγ + δ、 |N(δ)| < |N(β)| となる整数 γ、δ が 常に存在するとき Q(√m) は、ノルム Euclid 的であるという。
221 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 19:11:26 ] 問題 2次体 Q(√(-1)) はノルム Euclid 的である。
222 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 19:28:38 ] >>196 以降は志村の Introduction to the arithmetic theory of automorphic functions を参考にしている。
223 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 19:38:09 ] 定義 複素上半平面 H の点 z に対して g(z) = z となる楕円型(>>210 )の元 g ∈ SL_2(Z) が存在するとき、z を楕円点という。
224 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:15:43 ] 問題 g を SL_2(Z) の位数4の元とする。 Z[g] は2次の全行列環 M_2(Z) の部分環として 2次体 Q(√(-1)) の整数環 Z[√(-1)] に同型である。
225 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:19:09 ] 問題 g を SL_2(Z) の位数4の元とする。 Z[g] の元を Z^2 に左から作用させて Z^2 を Z[g]-加群とみなす。 このとき Z^2 は階数1の Z[g]-自由加群である。
226 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:26:08 ] 問題 g を SL_2(Z) の位数4の元とする。 g は (0, -1)/(1, 0) または (0, 1)/(-1, 0) に SL_2(Z) 内で 共役である。 なお、記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。
227 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:38:31 ] 問題 g を SL_2(Z) の位数3の元とする。 Z[g] は2次の全行列環 M_2(Z) の部分環として 2次体 Q(√(-3)) の整数環 Z[ρ] に同型である。 ここで、ρ = (-1 + √(-3))/2 = exp(2π√(-1)/3) である。
228 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:44:33 ] 問題 g を SL_2(Z) の位数3の元とする。 Z[g] の元を Z^2 に左から作用させて Z^2 を Z[g]-加群とみなす。 このとき Z^2 は階数1の Z[g]-自由加群である。 ヒント: 2次体 Q(√(-3)) の整数環 Z[ρ] は前スレ3の233から ノルム Euclid 的(>>220 )である。
229 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:46:53 ] >>225 >>228 Z^2 の元は列ベクトルとみなす。
230 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:49:42 ] 問題 g を SL_2(Z) の位数3の元とする。 g は h = (0, -1)/(1, -1) または h^2 = (-1, 1)/(-1, 0) に SL_2(Z) 内で共役である。 なお、記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。
231 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 21:59:55 ] 問題 g を SL_2(Z) の位数6の元とする。 g は -h = (0, 1)/(-1, 1) または -h^2 = (1, -1)/(1, 0) に SL_2(Z) 内で共役である。 ここで h = (0, -1)/(1, -1) である。
232 名前:132人目の素数さん mailto:sage [2006/12/10(日) 22:07:22 ] >>201 ・p≡1 (mod 4) のとき x^2 ≡ -1 (mod p) を満たすxがある。(-1 は平方剰余) よって、{k,p-k}の対は 共に平方剰余 または共に非剰余。 x^2 ≡k, y^2≡p-k (mod p) なる x,y をとると、 r=x,p-x ⇒ (r^2)/p - [(r^2)/p] = k/p, r=y,p-y ⇒ (r^2)/p - [(r^2)/p] = (p-k)/p, 辺々たせば =1. 平方剰余は (p-1)/2 個, すなわち (p-1)/4 対あるから、 これは与式左辺のp-1項を尽くしている。
233 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 22:14:02 ] 定義 複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群 { g ∈ SL_2(R) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218 )。 この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を この楕円点の位数という。
234 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 22:24:58 ] 問題 複素上半平面 H の楕円点 z の位数(>>233 ) は2または3である。 位数2の楕円点は √(-1) に SL_2(Z) の元の作用で移る。 位数3の楕円点は (-1 + √(-3))/2 = exp(2π√(-1)/3) に SL_2(Z) の元の作用で移る。
235 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 22:52:20 ] 定義 複素上半平面 H の部分集合 D が以下の条件を満たすとき SL_2(Z) の 基本領域と呼ぶ。 1) D は H の連結開部分集合である。 2) D の任意の異なる2点は SL_2(Z) の作用で同値ではない。 3) H の任意の点は D の閉包のある点とSL_2(Z) の作用で同値である。
236 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 23:01:33 ] D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。 D が SL_2(Z) の基本領域であることを示すのが次の目標である。
237 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 23:24:23 ] SL_2(Z) の元 S, T を S = (1, 1)/(0, 1) T = (0, -1)/(1, 0) で定義する。 S(z) = z + 1 T(z) = -1/z である。
238 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 23:35:48 ] 問題 S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される SL_2(Z) の 部分群を G' とする。 複素上半平面 H の任意の点 z に対して { Im(g(z)) ; g ∈ G' } は 最大値をもつ。
239 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/10(日) 23:50:28 ] 補題 z を複素上半平面 H の点で |z| < 1 とする。 このとき |T(z)| > 1 である。 ここで、T = (0, -1)/(1, 0) である。 証明 自明である。
240 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 00:03:58 ] 問題 S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される SL_2(Z) の 部分群を G' とする。 >>238 より 複素上半平面 H の任意の点 z に対してある g ∈ G' があり Im(g(z)) が最大値となる。 w = S^n(g(z)) とおく。つまり w = g(z) + n である。 |Re(w)| ≦ 1/2 となるように整数 n をとる。 このとき |Im(w)| ≧ 1 である。 つまり、w は D~ = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } の点である。
241 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 00:45:26 ] 訂正 >>239 を次の問題に置き換える。 問題 z を複素上半平面 H の点で |z| < 1 とする。 w = -1/z とおく。 このとき Im(w) > Im(z) である。
242 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 07:33:58 ] >>205 , >>207 , >>209 は、ここでの話題とあまり関係ないかも しれない。 他にもそのような問題があるかもしれないので、問題を解くのは 必要性がはっきりした時点にしたほうがよいかも知れない。 もちろん、解くのはなんら問題ない。
243 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 10:25:47 ] 訂正 >>214 >特殊回転群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。 特殊直行群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。
244 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 10:26:43 ] もといw 特殊直交群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。
245 名前:132人目の素数さん [2006/12/11(月) 18:51:32 ] クンマー、ディリクレ
246 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 19:45:09 ] 問題 H を複素上半平面とする。 即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。 D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。 z ∈ D なら Im(z) > (√3)/2 である。
247 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 20:16:43 ] 問題 z を |z| > 1 である任意の複素数とする。 |z + 1|^2 > 2(Re(z) + 1) である。
248 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 20:34:48 ] 問題 H を複素上半平面とする。 即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。 D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。 z ∈ D なら |z + d| > 1 である。 ここで d は |d| ≧ 1 である任意の実数である。
249 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 21:13:22 ] 補題 H を複素上半平面とする。 即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。 D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。 g を SL_2(Z) の元、z を D の点とし w = g(z) とおく。 g = (a, b)/(c, d) とする。 この記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。 即ち w = (az + b)/(cz + d) である。 Im(w) ≧ Im(z) なら c = 0 または ±1 である。 証明 >>198 より Im(w) = Im(z)/|cz + d|^2 である。 Im(w) ≧ Im(z) より Im(z)/|cz + d|^2 ≧ Im(z) となる。 よって Im(z) ≧ Im(z)|cz + d|^2 となる。 Im(z) > 0 だから |cz + d| ≦ 1 となる。 y = Im(z) とおくと、cz + d の虚部は cy である。 よって |cz + d| ≦ 1 より |cy| ≦ 1 となる。 よって |c| ≦ 1/y となる。 一方、>>246 より y > (√3)/2 である。 よって |c| ≦ 2/√3 < 2 である。 よって c = 0 または ±1 である。 証明終
250 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 21:16:16 ] 問題 H を複素上半平面とする。 即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。 D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。 D の任意の異なる2点は SL_2(Z) の作用で同値ではない。
251 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 21:22:18 ] >>240 と >>250 より D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } は SL_2(Z) の基本領域(>>235 )である。
252 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [2006/12/11(月) 22:29:32 ] 訂正 >>233 >定義 >複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群 >{ g ∈ SL_2(R) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218 )。 >この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を >この楕円点の位数という。 定義 複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群 { g ∈ SL_2(Z) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218 )。 この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を この楕円点の位数という。