- 53 名前:コピペ [03/10/06 01:58]
- 位相空間Xの開集合U上の実数値連続関数全体をΓ(U)とする。
Γ(U)は自明に可換環(したがって加法に関してアーベル群)となる。 VをUに含まれる開集合とする。 制限写像: r[U, V]: Γ(U)→Γ(V)が自明に定義される。 r[U, V]は環の準同型になっている。 この制限写像はU ⊃ V ⊃ W のとき結合律を満たす。 この対応 U →Γ(U) と制限写像: r[U, V]の組を X上の実数値連続関数のなす層という。 同様にXが微分可能多様体であれば微分可能関数のなす層が 定義される。さらにベクトル場や微分形式のなす層が定義される。 層はもっと一般的に定義されるが、ここで述べた例が最も典型的 な層の例である。もっと一般に開集合Uにたいしてアーベル群 Γ(U)が定義されて、さらに準同型r[U, V]: Γ(U)→Γ(V)が定義 され結合率が満たされるときこれを前層という。 これを層と言わないで前層というのは、上の例の層が満たす 局所性を必ずしも満たさないからである。局所性というのは、 各点の近傍における情報で大域的な情報が決まることを言う。 つまり: U が開部分集合U_iの族の和集合となっていて、各U_iに 対してΓ(U_i)の元f_iが与えられていてるとする。 任意の添え字i, jに対して、制限写像Γ(U_i) → Γ(U_i ∩ U_ j) とΓ(U_j) → Γ(U_i ∩ U_ j)が定義されているが、この写像 によるf_iとf_jの像が一致すると仮定する。 このときΓ(U)の元fが一意に存在して、fの Γ(U) → Γ(U_i) による像がf_iとなる。 この性質を満たす前層を層と言う。 前層から自然に層が構成出来る。 もっと述べることは当然あるが、このへんでやめとこう。
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