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現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む63



233 名前:現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む [2019/04/06(土) 08:22:08.82 ID:l1lbk3Qf.net]
>>214

つづき

圏という語の発案者は不明と講演で述べたが,後日 category に圏の訳があてられた経緯を次の記事で知った。
河田敬義,日本数学会編集数学辞典第2版,数学セミナー 1968 年 7 月号
数学辞典は同年6月に刊行された。
4年にわたる編集を率いた河田敬義が苦労談を打ち明けている。
とくにまちまちだった数学の術語の日本語訳に苦心したいう。
原文を引用する。
まず問題になったのは,外国語の述語,たとえば category という言葉が,
従来の論理学の用語とは別の意味に用いられています.
これを外国語のまま ‘category’ とするか,仮名で ‘カテゴリー’ とするか,適当な訳をつけるかという3種類の選択があります.
内部でも議論をし,数学外の人々の意見ももとめました.
全体的の結論として,ローマ字綴りのままは全く採用しないこと,仮名書きは,すでに日
本語として熟しているときにだけ用いて,無暗に新しく作らないこと,結局なるべく適当な訳を作るこ
とにしました.category には ‘圏’ という訳をつけました.
「‘圏’ という訳をつけました」の明示されていない主語は編集委員会であろうか。
河田敬義本人であるのかもしれない。
数学辞典の執筆陣に名を連ねる服部昭,永田雅宜,小松醇郎,中岡稔,菅原正博,松村英之らは訳語「圏」の採用を知っていて,いち早く著作に取り入れたのだろう。
(引用終り)
以上






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