- 260 名前:文責・名無しさん mailto:sage [2024/03/13(水) 11:09:26.77 ID:QnFhQNj00.net]
- 3月13日
「特撮」が初めて注目された邦画は、昭和17年の『ハワイ・マレー沖海戦』(山本嘉次郎監督)だった。真珠湾攻撃を描くため、東宝映画科学研究所の敷地内に造られた海のミニチュアセットは、約6000平方メートルにも及んだ。 ▼特撮を担ったのは円谷英二である。きらめく波頭は水に浮かべた寒天で表現したという。戦闘機の編隊が旋回するシーンはミニチュアの機体を固定し、山の模型を動かすことで撮っている。火薬を用いた海戦は実録に劣らず、米軍が記録映画と間違えるほどの精密な映像だった。 ▼これらの技が円谷の代名詞である『ゴジラ』作品で花開いたことは、多くの映画ファンがご存じだろう。コンピューターグラフィックス(CG)が幅を利かせて久しい特撮の技術だが、創意と情熱のバトンは、わが国の映画人に受け継がれている。 ▼第1作の公開から70年、ゴジラからの粋な贈り物である。映画の最高峰とされる第96回アカデミー賞で、山崎貴監督の『ゴジラ―1・0(マイナスワン)』が視覚効果賞に選ばれた。資金の潤沢なハリウッドに対し、今作は低予算が話題になった。 ▼監督自身がVFX(視覚効果)の技術者として腕を振るい、製作費のスリム化に努めたと聞く。戦闘機を人力で動かし、ゴジラに挑む特撮の模様も動画サイトで見られる。個人の感想ながら、現場の汗のにおいが作中に漂い、戦争を切り口にこちらの涙腺を揺する見せ場もある。 ▼「邦画をなめていた」と、SNSでは上質の物語に好意的な投稿も多い。より多くの製作費が加われば、どんな作品が生まれるだろう。創り手の熱意と献身に任せきりにするのではなく、日本を挙げて映画づくりを後押しすべき時期を迎えているようにも映る。 https://www.sankei.com/article/20240313-AVI334TGNZLO7DKA3YIHM2ZVYA/
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