- 114 名前:糞コテ回想録リターンズ(その2) [2018/02/27(火) 08:02:16.39 ID:9OVasFiY.net]
- >>92 続き
「マチ子先生、、あ、危ない!」その時炎に煽られていた建物の外壁が崩れ落ちて来た。 早田はとっさに女性店長をかばって道端に伏せさせ、彼女を守るためにチェコ軍の ミリタリージャケットで包み込んだ。 「早田君!」「先生、どんなところで再開しようと先生は先生ですよ。是非は問いません。」 火災現場は混乱の極み、阿鼻叫喚の様相を呈していた。頭から血を流してうずくまるもの、 体中煤だらけで咳き込んでいるぴらぴらのドレスを着た若い女の子、、。死んだように 横たわって辛うじて息を継いでいるスーツ姿の安リーマン、、。 「皆さんのなかにお医者様はいらっしゃいませんか。」オレンジ色の防護服を着た、額から 血を流しているレスキュー隊員が大声で呼びかけ回っている。 「私が行きましょう。」マチ子先生を安全な路肩に避難させて、早田はスックと立ち上がっ た。 「あなた、お医者様ですか。」 「いかにも、私がミリタリードクター早田です。医師には応召義務がありますからね。 この現場のトリアージはお任せください。おい!そこ。彼は軽症だ、あちらの方を優先 して!」 「どうやら、あなたに任せて大丈夫そうですね。」レスキュー隊員は全権を早田に委任する こととし、挙手の礼をするとその場を一旦去って行った。 マチ子先生は、生き生きと現場を統括している早田に目を見張っていた。 「早田君、昔とは全然違うわ、、。田舎の環境でいじめられっ子で悶々としていていた 昔が嘘みたい、、、」(続く)
|
|