- 254 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 mailto:sage [2021/02/23(火) 02:46:58.95 ID:SAxdcf/j.net]
- 釜には、かご状の「バケット」が六つ入り、区分けされて麺がゆでられる。
このバケットを入れ替えることで、 製麺者からみて左から右に、ゆで時間が短い麺から長い麺が並ぶ。 左から2番目のバケットが7、8分ゆでた「かためん」、 左から5番目の約30分が「ちゅうめん」、 左から6番目の約40分が「やわめん」だ。 やわめんが残れば、すぐに水で締め、持ち帰り用のうどん玉にする。 タイマーが数分おきに鳴るがあくまでも目安。 大事なのは食感と触感だ。 30分後の店内を予測しても、ぴたりと当たるわけでもない。 「かためんが思ったより出た」 「ちゅうめんが足りなくなりそう」。 刻々と変化する状況を感じ取って常に先手を打つ。 蛇口から釜に流れ落ちる水の量を調整して湯のたぎり具合を変え、 仕上げ時間を縮めることもある。 かつて、こだわりの製麺者の間で言い争いも起きたという。 「これは、ちゅうめんだ」 「いいや、やわめん」。 若い職人がお客さんから 「これは、やわめんじゃなかっ」と20分説教されることもあった。 それでも創業から半世紀近く、このスタイルを変えることはない。 これほど手間がかかるのに、なぜ麺の硬さを選べるようにしたのだろう−。 「福岡は食べ物、うまいよねぇ」。 県外出身の人たちから、そんなことを言われると、素直にうれしい。 ただ、店の起こりやこだわりを聞かれると、実はよく知らない。 せっかくなので「うんちく」の一つでも語りたい。 ならば福岡の食を、その裏側まで食べ尽くしてしまおう。
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