- 618 名前:587 mailto:sage [2006/11/20(月) 23:50:07 ID:???]
- >>616
「すんまへーん!あれっ?先生おらんみたいやな」 「うん…。あの…もう大丈夫だから…」 「そうか?遠慮せんでええんやで?」 「んもう大丈夫だってば!」 「なんやつまらんの〜!」 トウジの言葉と保健室の少し独特な匂いが不思議と僕を落ち着かせてくれた。 「足めっちゃ擦り剥いとるなぁ。とりあえず水で濡らしときや」 「うん、ありがとう」 「…すまんかったな。ワシがあない事言わんかったらよかったな…」 「トウジのせいじゃないよ!僕がヘマしただけだから」 「せやかて…」 「心配症だなぁ。後はほんと大丈夫だからもう戻りなよ!」 「…わかった。じゃあ授業終わったらまた来るな!」 去っていくトウジの姿を見ながら思い返した。 真っ先に僕を心配してくれたこと。おぶってくれた背中の温もり。差し延べてくれた手。 そう、全てはこれがきっかけだった。
|
|