- 1 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/04/12(水) 03:05:09 ID:???]
- そろそろ旬になりそうなこのカップリング
トウジとシンジのあつい友情を語るも良し トウジとシンジの倒錯した愛を語るも良し トウジとシンジの爛れた情欲を語るも良し みんなLTS株を買っておけ 絶対得するから
- 361 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/01(金) 22:12:24 ID:???]
- ミサトさんの言葉は図星も図星で、昔の僕じゃ本当に考えられないことで…
「これって、トウジのおかげなのかな」 「ん?なんか言うたか?」 「あ、うぅん!なんでもない」 笑って誤魔化すと、トウジはちょっと納得いかない顔をする。 「ごめん」 「謝らんでもええわい」 申し訳なくて謝ったら、頭をくしゃくしゃされた。 「イジワル…」 「誰がイジワルや」 「そういうことをするトウジ!」 僕は頭をくしゃくしゃするトウジから逃げた。 嫌だったわけじゃない。だから、悪戯っぽく笑ってみせる。 「ちょっ、くぉら、待たんかい!」 「早くしないと間に合わないよ!」 そんなこと言い合いながら、僕等は駅まで走った。 「えっと、9:30か…あと5分くらいだね」 「なら売店でなんか買っていこうや」 「お弁当作ってきたんだけど」 「ちゃうちゃう。朝飯や朝飯」 そう言うとトウジは売店に行ってしまう。 仕方なく、僕は二人分の切符を買って、売店で店員のおばさんと話しているトウジを横目で見ていた。 プルルルルルル 『まもなく3番線に9:30発の…』 「トウジ、早くしないと!」 「せ、せやかて…ちょっと待ってぇな!」
- 362 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/01(金) 22:15:34 ID:???]
- 売店で急いで買い物をして、トウジは僕と階段を駆け上がった。
列車が到着する音が聞こえる。 「乗ります!ワシら乗ります!」 大声を上げて、僕より後に来たのに、トウジは先に行ってしまった。 「ま、待ってトウジ!」 「はよせんかい!」 無理だよ。 トウジが早すぎる… トウジが列車に乗り込んだ。 ドアが、閉まる。 「トウジ!」 僕が叫ぶと、トウジの手が延びて、僕を引き寄せた。 「あっ…」 「アホ…遅いわ」 引き寄せられてそのまま抱き締められた。 列車は、ゆっくりと走り出す。 「遅いから罰や、もう少しこうさせぇ」 トウジに抱き締められてドキドキした。 トウジも顔を赤くしてて、でもやめる気なないみたい。 幸い、僕達の乗った列車には誰も乗ってなくて… 僕はその時、ずっとこうしていたいと思った。
- 363 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/01(金) 22:20:47 ID:???]
- リアルタイムで見れた
いいねぇ、可愛いねぇ
- 364 名前:348 mailto:sage [2006/09/02(土) 02:13:40 ID:???]
- 「シンジ、ちょっと手伝ってほしいんだけど」
「あ、ケンスケ。何?」 「倉庫から新しい掃除用具取ってこいって頼まれてさー。いいだろ?」 「うん」 放課後、トウジよりも早くシンジに話しかけることに成功したケンスケは、呆然とするトウジを横目に シンジと倉庫へ向かった。 「…ちょうどよかった。ケンスケに聞きたいことあったんだ」 「へ?俺に?」 「うん…。トウジさぁ、最近なんか変だと思わない?ケンスケなら知ってるかなって…」 「…………」 シンジがトウジの気持ちに気付いてないのはいいことなんだろうけど、本当に全く気付いてないのも 凄いな、とケンスケは絶句した。 (ここまでお子ちゃまとはね…。だったら今日の弁当は一体どういう意味なんだ?) 「う〜ん…その前に俺も聞いていい?」 「え?…うん」 「シンジってさ、誰かを好きになったことある?」 「は、はぁ!?何だよそれ!?」 「関係あることだから答えてほしいんだけど」 「??……ない…よ…多分…」
- 365 名前:348 mailto:sage [2006/09/02(土) 02:14:57 ID:???]
- 「やっぱり…」
「やっぱりって何だよ…」 ケンスケは大きくため息をついた。 ここで本当のことをシンジに伝えるのは簡単だけど、それはトウジへの裏切りになってしまう。 でもシンジのこの鈍感さにケンスケは同情して、少しヒントを与えることにした。 「あのな、シンジ。恋をすると、誰でも今のトウジみたいになるもんなんだぞ」 「え…」 シンジの胸がちくりと痛む。 ひどく衝撃を受けているのに、妙に冷静になっていく自分がいた。 「じゃあ、トウジ…好きな人いるんだ……」 「ま、そーゆーこと」 「………」 明らかな作り笑いをして黙り込んだシンジに、ケンスケも黙ってしまった。 (シンジ…マジかよ…) 本人さえまだ気付いていないシンジの気持ちを見抜いたケンスケは、やっぱり見守るだけに徹しようと 再び決心した。
- 366 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/02(土) 12:35:32 ID:???]
- GJ!
- 367 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/02(土) 19:48:10 ID:???]
- 乙
投下速度早くていいね
- 368 名前:348 mailto:sage [2006/09/03(日) 03:40:26 ID:???]
- 掃除用具を抱えて教室に戻った2人を、トウジが待っていた。
「おう、ごくろーさん。何やえらいかかっとったなぁ」 シンジが目を合わさないようにしているのにトウジはすぐ気付いた。 話しかけようとした瞬間、ケンスケがさりげなく遮る。 「ちょっとひっくり返しちゃってね。トウジも掃除当番だろ?ほい」 ケンスケが適当にごまかしながら、トウジにほうきを放り投げて目で合図を送った。 トウジはケンスケの意図がわかった訳ではなかったが、シンジに話しかけるのをとりあえず諦めて掃除にかかる。 (ケンスケの奴…シンジに何か言うたんか…?) 一向にこちらを見ようとしないシンジはまるで、転校してきたばかりの暗い雰囲気に戻ったかのようだった。 「さー掃除や掃除!ちゃっちゃと終わらすでー!!」 わざと明るい声を出してみてもやはり同じだった。 「ちょっと鈴原!!口だけ動かしてないで手を動かしなさいよ!!」 委員長がすかさずいつもの絡み合いにやって来る。 「あ〜…うっさいのが来た…」 「うるさいとは何よ!!あんたのせいでしょ!?」 「ちゃんとやってるやんけ〜!そこジャマやからのいてんか」 「なんですって〜!?」 ぎゃあぎゃあと普段通りの口喧嘩をする2人を見て、シンジはハッと気付いた。 (トウジの好きな人って…委員長……?) 色恋沙汰に鈍いシンジは、何の根拠もなく、ただトウジに近い異性の存在=委員長という安直な発想でそう 思い込むことにした。 そして、トウジへの想いに気付き始めていた心を無意識に閉ざしてしまった。
- 369 名前:348 mailto:sage [2006/09/03(日) 03:42:09 ID:???]
- 一方トウジはシンジに気付かれないように、ケンスケに小声で問い詰めていた。
「おいケンスケ!お前シンジに何か言うたやろ!?」 「べっつに〜?」 「しらばっくれんなぁ!!」 「ス・ズ・ハ・ラ〜〜〜!!!」 終わらない委員長とトウジの鬼ごっこを無視して、シンジは黙々と掃除を続けていた。 「ちょっとシンジ!」 そこに現れたのはアスカだった。 「ミサトったら今日も仕事で帰れないって言うのよ!?」 「そ、そう…大変だね」 「あんたバカ!?誰がミサトの心配しろっつってんのよ!!」 「…は?」 「この私が、なんで2日も連続でアンタなんかと2人っきりで夜を過ごさなきゃなんないワケ!? 昨日は昨日でそこの熱血バカ男も夕飯タカりに来るし、むさ苦しいったらないわ!!」 「そんなこと言われても…」 「という訳でヒカリィ〜〜!今日泊めてくれない?バカシンジのだっさい和食なんかより、ヒカリの作った パスタが食べた〜い!!」 委員長はあっさりOKして2人は仲良く帰っていった。 (なんだよ…別にいいけど) 一部始終を聞いていたトウジは、シンジにもの欲しそうな顔で目線を送っていた。 「………」 シンジはそれに気付いたけれど、今はトウジと顔を合わすのが嫌だった。 でも、どうしてそう思っているのかがわからない。 昼間はあんなにトウジのリアクションが嬉しかったのに。 これからずっとトウジを避けるわけにもいかない。 もしかしたら、また料理を食べてもらえば元の自分に戻るかもしれない。 そう自分に言い聞かせて、シンジはトウジを見た。 「……トウジ…今日も、ごはん食べに来る…?」 それを聞いた途端、トウジはおあずけから開放された犬のように喜んで、何度も首を縦に振った。
- 370 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/03(日) 06:29:10 ID:???]
- ワンコかわいい
- 371 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/03(日) 14:29:28 ID:???]
- ケンスケ…。
YOU!言っちゃいなYOー!!
- 372 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/03(日) 23:03:08 ID:???]
- GJ!
- 373 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/04(月) 01:19:58 ID:???]
- 続きマダー?
- 374 名前:348 mailto:sage [2006/09/05(火) 02:22:03 ID:???]
- 「お、おじゃまします〜〜」
シンジと一緒に帰宅したトウジは浮かれていた。 昨日と違って今日はシンジと2人っきりなのだ。 「アスカもいないし、今日はもう残り物で簡単なのしか作らないよ」 「かまへんかまへん。シンジの作ったのやったら絶対美味いしな」 「………」 ぶっきらぼうに言ったはずの言葉にそう返されて、シンジは言葉に詰まる。 (トウジの…バカ。そんなこと、素で言われたら恥ずかしいよ……) 「なんや照れてんのかシンジィ〜〜〜?顔赤いで?」 「そっ…そんなんじゃないよ!!」 これじゃトウジのペースだ。 トウジに乗せられて、さっきまでの気まずい感覚が薄れて嬉しくなっていく。 胸がドキドキして、何かを求め始める。 (でも、僕は何を期待してるんだろう…トウジに喜んでもらいたいなんて…本当にそれだけなのかな?) ふとトウジを見ると、勝手にテレビをつけてけらけら笑っていた。 気が抜けたシンジはため息をつくと、エプロンをつけて料理にかかった。 タンタンタン、と手馴れた包丁の音が聞こえる。 うしろを向けば、エプロン姿のシンジが見える。 この状況にトウジが興奮しないはずがなかった。 (っくぁ〜〜〜!!!ええなぁ!!まるで新婚夫婦みたいやん!!こう、うしろから抱きしめてやな…) 『あっ…トウジ、危ないよ。今包丁使って…』 『すまんなぁ、シンジのエプロン姿があんまり可愛いさかい、つい…』 『もう…何言ってんだよ。ばか…』 『シンジ…好きや』 『トウジ…僕も……』 互いの唇が触れ合う瞬間(トウジの妄想内)遠くからシンジの声が聞こえた。
- 375 名前:348 mailto:sage [2006/09/05(火) 02:23:33 ID:???]
- 「トウジ!トウジってば!!」
「へっ!?な、何や?」 「できたよって、さっきから言ってるのに」 「もうできたんか?えらい早いなあ」 「だって湯豆腐だし」 何故この暑いのにそんなメニューなのかはさておき、シンジの得意な和食を存分に味わうトウジだった。 「やっぱシンジ料理美味いわ」 「だから、普通だって…」 「普通ちゃうて。今日の鍋も出汁自分で作ってんねやろ?」 「う、うん…。粉末だと味変えられないしね」 「昨日の味噌汁も最高やったし、あと、だし巻きと揚げ出し豆腐も絶品やったな〜」 「………」 照れくさそうにしていたシンジが、だんだん無口になっていくのにトウジは気付いた。 「…どないしたんや?シンジ」 「うん…。僕の料理ってアスカ達の口にはあんまり合わないらしくって、トウジみたいに喜んでもらったこと、 ないから…」 「そら…もったいないなぁ……」 寂しげに話すシンジの姿にドキっとする。 「トウジには、本当に作り甲斐があって嬉しいよ。…ありがと」 シンジの、かなり貴重な満円の笑顔。 トウジの心臓はすでに爆発寸前だった。 「シ、シンジ…」 「ん?」
- 376 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/05(火) 15:09:56 ID:???]
- トウジがアホっぽくていいな
- 377 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/05(火) 18:49:59 ID:???]
- そこがトウジの良いところだから
- 378 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/05(火) 20:11:51 ID:???]
- 純情なんだよ
- 379 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/06(水) 02:12:05 ID:???]
- すれ違ってもいいから、最終的に幸せになっておくれ
- 380 名前:348 mailto:sage [2006/09/08(金) 03:18:51 ID:???]
- 「これからも…その、時々でええからお前のメシ食わしてくれるか…?」
「…いいけど……」 「ほ、ほんまか!?」 トウジが喜んでも、シンジは決まりが悪そうに俯いていた。 「シンジ…やっぱ、迷惑か?」 「あ、そんなんじゃないよ!ただ…」 「ただ…何や?」 「トウジ…本当は僕じゃなくて、委員長にそれ言いたいんじゃないのかな、って思って…」 「…は?」 トウジはシンジから思いがけないことを言われてまぬけな声を出した。 「は?って…。だって、トウジは委員長のこと…好き、なんだろ?」 シンジは自分で言って、泣き出しそうになっていた。 「ちょ、何でそないな話になってるんや?」 その泣きそうな表情に思わずトウジはシンジの肩を掴んで問い詰める。 「大体、見てたらわかるよ…」 「アホ。ええかげん気付けや…」 「え?」 「ワシが好きなんは、お前や。シンジ」
- 381 名前:348 mailto:sage [2006/09/08(金) 03:19:47 ID:???]
- まっすぐに向けられた、トウジの言葉。
シンジの涙が、頬を伝った。 何も言えないでいるシンジを、トウジは力強く抱きしめる。 「お前はワシが守ったるから…せやからもう泣くな」 シンジは答えられなかった。言葉が出てこなかった。 涙だけが溢れ出して、ただ震えていた。 だけど涙の理由はもうわかっていた。 (嬉しいんだ…僕。嬉しくて泣くって、こんな気持ちなんだ……) そう確信したシンジは、遠慮がちにトウジの背中に腕を回した。 その瞬間トウジの鼓動が大きく跳ねる。 シンジが自分の想いを受け入れてくれたと判断したトウジは、ゆっくりと腕をほどいて 至近距離でシンジの目を見つめた。 「シンジ……」 「トウジ…本当に、僕でいいの…?」 トウジはシンジの涙を指で拭う。 「あたりまえやんけ」 優しく笑うトウジに、今度はシンジの方がドキドキする。 ドキドキしすぎて、トウジの顔がまともに見れなくなって俯くと、またぎゅっと抱きしめられた。 トウジは腕の中にすっぽりとおさまってしまう頼りない感触に、愛しさが込み上げる。
- 382 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/08(金) 15:12:35 ID:???]
- キタ!
- 383 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/08(金) 19:05:49 ID:???]
- 良かった。でもシンジ、意味わかって言ってるのかな?w
- 384 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/08(金) 19:15:07 ID:???]
- ああっ!!最高だ!!このスレ!!ネ申万歳!!
- 385 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/08(金) 21:03:07 ID:???]
- このままチューくらいできるといいね
- 386 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/12(火) 01:49:35 ID:???]
- 続きは?
- 387 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:age [2006/09/13(水) 03:46:01 ID:???]
- あげ
- 388 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/18(月) 01:29:25 ID:???]
- ほ
- 389 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/18(月) 04:15:54 ID:???]
- す
- 390 名前:348 mailto:sage [2006/09/19(火) 01:26:18 ID:???]
- (何でだろう…ドキドキするのに、凄く安心する。トウジだから、なのかな…?)
シンジは抱きしめられる感覚にしばらく浸っていたが、相手が慣れ親しんだ友達だということを ふと思い出し、我に返った。 ばっと勢いよく顔を上げてトウジの腕から離れると、一気に恥ずかしくなってトウジから顔をそむけた。 「あ…あの…、ごめん……」 「な、何がや…?」 トウジはシンジが逃げてしまいそうで、その手をぎゅっと握った。 そのことでまた、シンジの鼓動はドクンと跳ねる。 「…触られるの…その…苦手だから……」 「…ウソや」 「えっ…?」 トウジはシンジの腕を引き寄せると、またぎゅうっと抱きしめた。 「お前は人の体温を、誰よりも求めとったやろ?せやけど、それを隠そうと必死やった」 「どうして…」 「わかるわ。シンジは全部、顔に出とる」 シンジの肩が震えた。きっとまた泣いてる。それがわかってトウジはシンジの背中をポンポンと優しく叩く。
- 391 名前:348 mailto:sage [2006/09/19(火) 01:27:12 ID:???]
- 「はっきり言うけどな、ワシは本気でお前に惚れとる。シンジのことしか、頭にないんや。
気色悪いって言われんのも覚悟しとる。それでも、お前がめっちゃ好きでどうしようもないねん」 「トウ…ジ…」 涙が止まらないシンジの震える唇に、そっとキスをした。 「あ……」 「す、すまん…勝手に……。嫌やったか…?」 真っ赤になって慌てるトウジがおかしくて、シンジは首を横に振って微笑んだ。 「嫌じゃないよ。トウジなら…」 「シンジ…」 シンジの言葉に嬉しさを隠せないトウジ。 もう一度シンジを抱き寄せて、真剣な眼差しで見つめる。 「ほな、もっかいしてもええ…?」 「うん…」 緊張気味に目を瞑るシンジに、もう一度ゆっくりと唇を重ねた。 幸せだと感じた。 お互い別々に抱えていた悩みも迷いも全て忘れてしまうほど幸せだった。 もっと、ずっと一緒にいたいと心から思った。
- 392 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/19(火) 01:33:53 ID:???]
- キター!起きてて良かった
- 393 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/19(火) 12:24:49 ID:???]
- ちゅーできて良かったね
- 394 名前:348 mailto:sage [2006/09/20(水) 14:02:54 ID:???]
- 「トウジ……」
「ん?」 「帰らないで…」 「!!!」 (シンジ…それはつまり…誘ってるってやつなんか!?) トウジの妄想が広がるのは致し方ないことだった。 好きになってしまった相手がシンジだということ以外は標準の、いや標準以上の健康的な中学生男子だ。 トウジは自分の気持ちに気付いてからというもの、性の対象はシンジであったことは事実だった。 友情や親愛の延長線でシンジを好きになったのなら、まだ格好はつくが、トウジの場合は一目惚れ的な 部分もあったのだ。 つまり、初めて会った時から『可愛えなぁ…シンジって』状態だった。 ベタ惚れである。 しかし相手は間違いなく男で、別にそういう趣味だったわけでもないトウジは苦しんでいた。 男なんだから、友達として接するのが一番だと信じて頑張ってきた。 しかし、シンジの持つ独特の繊細さやネガティブ思考、甘えたいのに甘えられない不器用さにますます トウジは深みにはまって、結局シンジに惚れこんでしまった。 そんなシンジのことを、想わない夜はなかった。 毎晩、毎晩、罪悪感とともに…。 「ええで。ほんなら今日は、泊まっていくわ」 精一杯平静を装って言ったが、トウジは全身が震えるほど緊張していた。 シンジにそれがバレないように、さりげなく離れて。 しかし、当のシンジは全く何も考えていなかった。 男同士でHをするなんて思考は残念ながらシンジにはまだなかったのだ。 ただ、トウジともっと一緒にいたかっただけだった。 「うん。あ、じゃあリビングに布団敷いて寝よっか」
- 395 名前:348 mailto:sage [2006/09/20(水) 14:03:44 ID:???]
- 「あ、ああ…せやな…」
(こんな広いとこで!?まあ2人きりやからええけど…) 「あ!」 「ど、どないしてん!?」 その時風呂場のカーテンが勢いよく開いて、ペンペンが出てきた。 「ごめん!ご飯用意するの忘れてた!」 「クェ〜〜〜!!」 (……せや…2人きりやなかった……) トウジはがっくりと肩を落とした。 しかし、ペンペンが寝てしまえばこっちのものだ。 「トウジ、お風呂入っていいよ。沸いてるから」 「…ほな入らしてもらうわ」 風呂に入ると、さっきのキスのことを思い出してしまう。 シンジの拒絶ではない涙と、自分を受け入れてくれた言葉。 そして、 『帰らないで…』 シンジは自分を求めてくれている。 両想いだと…思う。 でも、好きだとは言われていなかった。 シンジはただ、受け入れただけだ。 (ほんまに…このままヤってええんかな…) 繊細なのに、どこか投げやりなシンジの癖がトウジを悩ませる。 環境に流されてるだけでは同意とは言えない。 こういうことは、ちゃんと気持ちが通じ合っていないと駄目だ。 トウジは舞い上がっていた気持ちを落ち着かせて、風呂場を出た。
- 396 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/20(水) 15:54:11 ID:???]
- 乙です。そしてGJ!
- 397 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/20(水) 17:10:16 ID:???]
- トウジ、若さで押すのもいいけど失敗しないようになww
- 398 名前:348 mailto:sage [2006/09/22(金) 01:45:20 ID:???]
- 「シンジ、風呂あいたで」
「あ、うん。じゃあ僕も入ろうかな」 リビングにはいつのまにかテーブルや座布団が片付けられて、布団が2つ敷いてあった。 それを見てトウジはリアルにドキドキしてしまう。 (シンジの奴…可愛い顔してめっちゃ大胆やなぁ…) ペンペンも寝ている。この状況下でトウジのエロ妄想が止められるはずもなかった。 たった今、冷静になってシンジに気持ちを確認しようと決めていたのに、これでは意味がない。 トウジは1人で色んな顔をしながら首をブンブンと振ると、両手で頬をバシッと叩き気合を入れた。 シンジは意外と早く風呂場から出てきて、布団でごろごろしていたトウジはどんな体制でシンジを 迎えるべきか決められずにうつ伏せで寝たフリをするしかなかった。 「トウジ…?寝ちゃった?」 シンジが近づいてきて、トウジの背中を軽く揺すった。 トウジは起きあがるタイミングが掴めないで困っていた。 「まだ寝ないでよ…僕、トウジと……」 「シンジ…!!」 シンジの寂しそうな言葉に我慢できなくなって、トウジは本能のままシンジを押し倒してしまった。 「トウジ…ごめ…起こしちゃった……?」 驚きながらもトウジに気を使うシンジ。 「最初っから寝てへんて。シンジのこと待っとったから…」 そう言うと、トウジは早急にシンジの唇を奪う。 さっきよりも深く、深くシンジの唇を貪って舌を侵入させた。 「…っん……、ふ……」 シンジの唇から苦しそうな吐息が漏れる。 押さえつけたシンジの肩が、緊張で強張っていることに気付いて、トウジはハッと我に返り唇を離す。
- 399 名前:348 mailto:sage [2006/09/22(金) 01:46:13 ID:???]
- シンジは息が乱れて、目に涙を浮かべていた。
「シンジ…すまん…ワシ、また勝手に……」 「い…今のはちょっと、びっくりしちゃった…」 照れたように笑うシンジがあまりにも可愛くて、トウジはシンジをそのまま抱きしめて首筋に顔を埋めた。 「ぁ…ちょ、トウジ?」 焦ったようなシンジの声。 「シンジ…お前、いちいち可愛すぎやねん」 「トウジ…」 「アカンわ、ワシもう我慢できん…」 「な、何が…?」 「何て…決まっとるやん」 トウジはシンジの腹部に張り詰めた下半身を押し付けるようにした。 「えっ…ウソ…」 「…シンジ…嫌か…?」 シンジの頭は混乱していた。 トウジのことが好きだから、抱き合うのもキスをするのも自然にできたのに、それ以上の行為は想像も しなかった。それは延長線上にあるはずの行為なのに、シンジの頭からはすっぽりと抜けていた。 無意識のうちに男同士で恋愛することを否定していたのかもしれない。 それとも、そんなことをしなくても心が通じ合えば十分だと思い込んでいたのかもしれない。 自分の気持ちがわからないまま、シンジは今すぐ答えなければいけないこの状況にただ混乱していた。 「トウジ……あの……」
- 400 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/22(金) 02:11:28 ID:???]
- ここで切るのか!!
続きをwktkして待つ。
- 401 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/22(金) 07:05:13 ID:???]
- wkwktktkwkwktktkwkwktktkwkwktktk
- 402 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/22(金) 16:01:48 ID:???]
- やっちまえよ
- 403 名前:348 mailto:sage [2006/09/24(日) 01:46:53 ID:???]
- 「…ごめん……」
「……………」 目を伏せてシンジは呟いた。 トウジはその言葉にショックを受けると同時に冷静さを取り戻した。 シンジの上から離れて、後ろ向きに座り込む。 「すまんシンジ…ワシ、最低やな。お前の気持ちも考えんとこんなことして……」 「違うよ!トウジは悪くない!」 シンジは慌てて起き上がると、トウジの背中に向かって叫んだ。 「本当は嬉しいよ。トウジが僕を求めてくれてることが凄く嬉しい。だから、その…嫌じゃないんだ。 でも、こういうことする前に、僕はもっとトウジのことをよく知りたい。今までよりもっと、深い話が できる関係になりたいんだ。それからじゃ、ダメかな…?」 シンジは必死に話した。自分の気持ちをごまかさずに、はっきりトウジに伝わるように、丁寧に。 トウジはそんなシンジの想いを知った途端、自分の行動が恥ずかしくなってしまった。 これではまるで、シンジの体だけを求めているように思えて。 確かにシンジの体に今一番興味があるのは事実だ。 でも、そこにシンジの心が伴っていなければ、一生後悔することは目に見えている。 (シンジを守りたいと思ってる自分が、シンジを襲ってどないすんねん!) 黙って後ろを向いたままのトウジに、シンジは悲しい表情でまた誤る。 「ごめんね…僕の言ってること、自分勝手だよね……」 「いや…間違ってるんはワシの方や。告白して、いきなりやるやなんておかしいやろ」 「トウジ……」
- 404 名前:348 mailto:sage [2006/09/24(日) 01:49:07 ID:???]
- 「すまんかったな、シンジ」
やっと振り向いたトウジの表情は照れくさそうで、優しかった。 シンジは自然に微笑んで、小さく首を振った。 「ありがとう、トウジ」 誰にも見せたくないと思うほど、綺麗な笑顔だった。 多分、普段のシンジからは想像できない素直な姿だろう。 一番大切で、一番欲しいと思っているものが、トウジの中ではっきりとわかった気がした。 あのシンジが、本気で心を開きかけている。 それを確信した時、トウジは自分の身勝手な欲望を振り払っていた。 「よっしゃ」 トウジは突然気合を入れたかと思うと、灯りを消して布団に寝転がった。 そして座り込んだままのシンジに手招きをする。 「……?」 シンジは少し緊張しながらトウジの顔に近づいた。 「シンジ…さっき、ワシともっと話したいって言いたかったんやろ?」 「…うん…」 「ええで。何でも話してみ」 そう言ってシンジの手をぎゅっと握った。 「うん…トウジの話も聞きたい」 シンジは安心してトウジに寄り添うように横になった。
- 405 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/24(日) 05:32:05 ID:???]
- あー、可愛いな。この二人。
でもトウシンの何が辛いって結局バル戦が待ってるってことなんだよな…
- 406 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/24(日) 18:15:04 ID:???]
- トウジが先走らなくて良かったような、残念だったようなwww
- 407 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:age [2006/09/25(月) 21:35:41 ID:???]
- あお
- 408 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/25(月) 22:19:38 ID:???]
- このスレはageないで
- 409 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/27(水) 04:55:17 ID:???]
- 暇なので投稿してみます。
気がつけば3人でいる事が多くなっていた。 そう、僕が逃げようとしたあの日から。 友達? 僕の中にその概念がなかったのか、不思議な感じがした。 人の心に土足で入り込んできては、大人とは違う真っ直ぐな言葉を投げてくる。 正直それを疎ましいとも思ったが、どこかで心地良さも感じていた。 特に鈴原トウジに対しては。 こいつは僕を殴った。 何か理由があるらしかったが、そんな事はどうでもいい。 僕はあの得体の知れないに乗って戦った。 誰かを守ったはずなのにどうして殴られなきゃいけない? その時は、頬から伝わる痛みと矛盾に、ただ腹が立って仕方なかった。 そう、自分に
- 410 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/27(水) 07:37:35 ID:???]
- おお!頑張ってくれ!
このスレ人増えて凄い嬉しい
- 411 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/27(水) 21:01:55 ID:???]
- そんな僕達が仲良くなるのにあまり時間はかからなかった。
初めは一歩引いたとこから見ていたけど、次第に打ち解けていく自分がどこかおかしくもあった。 だけど時々罪悪感に苛まれる事がある。 トウジの妹の件だ。 トウジは頻繁に病院に顔を出している。もちろん原因を作ったのは僕だ。 だけどトウジは何も言わなかった。 いや、むしろ僕を気遣う態度さえ見せてくれた。 トウジ…。トウジ…。 気がつけば僕はトウジの事ばかり考えている。 そう。この時すでに僕の中にある気持ちが芽生え始めていた。
- 412 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/27(水) 21:24:57 ID:???]
- 乙。期待してる。
続きものなら348氏みたいにコテ名かタイトル付けたほうが分かりやすくない? 個人的な意見ですが。
- 413 名前:ash mailto:sage [2006/09/28(木) 06:00:34 ID:???]
- そうですね。コテ入れます。
僕達はいつもの様に三人で帰っていた。 「あ〜あ、最近戦闘がないからつまんないなぁ」 「何言うてんねん。平和んなんが一番やないかい!なぁ、シンジ?」 「…えっ?あっ、うん、そうだね」 「何や気のない返事やなぁ…。パイロットがそないな事でどないすんねん!」 「ははっ、そうだね」 しばらく歩くとケンスケが 「じゃあ僕は寄るとこあるからここで!」 と足早に帰っていった。 トウジと二人。 考えてみればあまりなかったかもしれない。 「しっかしお前も可哀想な奴やなぁ」 「えっ、なんで?」 「あの無愛想な綾波とじゃじゃ馬に挟まれとるからじゃ。かなわんな〜ホンマ」 「確かに…。でも綾波もアスカもそんなに悪い子じゃないよ」 「優しいな〜お前は」 何気ない話がいつもより楽しく思えた。 少し前を歩くトウジの背中はどこかガッシリしていたのを僕は今でも覚えている。
- 414 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/28(木) 07:51:49 ID:???]
- 乙。何か久々に見たら人増えてたww
- 415 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/28(木) 12:59:24 ID:???]
- GJ!シンジ視点いいね。
そして348氏の続きも待ってます。
- 416 名前:ash mailto:sage [2006/09/28(木) 17:29:18 ID:???]
- その夜ベッドに寝転び天井を見上げていた。
月明かりに照らされた部屋で僕はトウジの事を想っていた。 トウジの事を…? 何故僕はトウジの事を考えてるんだろう。ただの友達に過ぎないあいつを。 友達? だったらケンスケだって。 いや違う。 トウジとそれ以外では明らかに違う“なにか”があった。 でもそれが何なのかは分からなかった。 いや、分からない振りをしていただけかもしれない。 嫌だ…もう寝よう。 明日になればきっといつもの僕達だ。 僕は無理矢理目を閉じた。明日が早く来るのをひたすら願った。 だけど、本能はいつまでも正直に僕を突き動すのをやめなかった…
- 417 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/28(木) 23:54:59 ID:???]
- gj!
- 418 名前:ash mailto:sage [2006/09/30(土) 00:00:54 ID:???]
- それからは妙にトウジの存在を意識するようになってしまった。
トウジの行動、仕草がいちいち気になって仕方がない。目を一瞬合わせるだけでも心が高鳴る。 僕はやっぱりおかしいのかな… トウジにこんな感情持つなんて…。 シンジは葛藤を繰り返した。それは、もはや理屈では説明の仕様のない衝撃だった。 思えばこの街に来てから色々あった。ありすぎるくらいあったものだから、14歳の心ではなかなか整理できずにいた。 それでも日々は繰り返される。時が経てば使徒だってまた襲ってくるに違いない。そんな時、気持ちを乱していたらきっとエヴァにだって乗れない。 だが、そう簡単に割り切れる問題でもなく、シンジはただもがくしかなかった。 そしてこの後、シンジの気持ちに拍車をかける出来事が起きる事になる。
- 419 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/30(土) 04:08:29 ID:???]
- おっつ。
職人が増えていいね
- 420 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/30(土) 15:08:46 ID:???]
- 次、バル戦か?
- 421 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/09/30(土) 15:19:26 ID:???]
- いいんちょの弁当かもしれん
- 422 名前:ash mailto:sage [2006/10/01(日) 01:57:35 ID:???]
- ある日、ミサトさんの昇進祝いをうちで行う事になった。ケンスケが最初に気付かなければ僕では分からなかっただろう。
昼休み。 「全くケンスケもたまには役に立つもんやなぁ」 「なんだよたまにはって。まぁ今回は感謝して欲しいくらいだけどね!」 「ははっ。今日はやけに機嫌がいいんだね」 「当たり前やないかい!あのミサトさんにお近付きになれるチャンスなんて滅多にないで〜。あんな美人と一緒に暮らしとんのにお前はな〜んも感じんのかいな?」 「確かにミサトさんは綺麗な人だとは思うけどあの姿を見ると何とも言えないよ…」 「何やその意味深な発言は!あ〜なんか腹立ってきたわぁ。もうお前なんかこうじゃ!ほれっ!」 「いっ、痛いよトウジ!ごめん、ごめんってば!」 思えばこんな風に人と戯れた事はない。 相手がトウジだと余計にそれが印象づけられる。 そして何よりトウジが、健全な14歳、男子、という事実が僕には気になって仕方がなかった。 そして、その日の夜が来た。 毎回粗末な文章と展開が遅くて申し訳ないです。
- 423 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/01(日) 18:56:58 ID:???]
- 乙
- 424 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの [2006/10/02(月) 03:24:45 ID:Oxy6jvyT]
- シンジが片思いなトウシンもいいな
そして348氏の>>404の続きも待っている
- 425 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/02(月) 03:25:52 ID:???]
- あげちゃった…。すまん…
- 426 名前:ash mailto:sage [2006/10/02(月) 11:57:10 ID:???]
- アスカも一緒に暮らす事になり急遽歓迎会も兼ねて、パーティーは始まった。
その後、加持さんや委員長も加わって賑やかになってきた。 元々大勢で群れるのは好きじゃない。それは僕自身が扉を開けてなかったからだ。 でもその日は違った。 楽しかった。 何も難しいことは考えずに、場に溶け込んでいる自分がどこか心地良い気がしていた。 …何時間ぐらい経っただろう、ふと目が覚めた。薄暗い部屋を見渡すとミサトさんと加持さん、それにアスカの姿がなかった。他の皆は騒ぎ疲れたのかぐっすりと眠っている。 側ではトウジが寝ている。 その無邪気で無防備な姿を眺めていると、僕の中で何かが動めいた。 「触れたい」 僕はトウジの頬にそっと手を添えた。
- 427 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/02(月) 17:47:09 ID:???]
- キタ!?
- 428 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/02(月) 22:07:07 ID:???]
- キスでもかませ
- 429 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/02(月) 23:58:14 ID:???]
- >>404の続きはまだかな…
- 430 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/03(火) 02:10:53 ID:???]
- 早く早くぅ
- 431 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/03(火) 03:40:06 ID:???]
- どっちも続きをwktkして待ってる
- 432 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/04(水) 20:01:12 ID:???]
- 続き町
- 433 名前:ash mailto:sage [2006/10/05(木) 02:11:49 ID:???]
- 右手から微かに伝わる体温が僕の体を駆け巡る。
それは今まで人との関わりを避けてきたシンジにとって、衝撃であり感動であった。 続いて左手も添えてみる。起きる気配はない。そしてシンジにある一つの気持ちが生まれる。 「もっとトウジを感じたい」 シンジの中で欲望と理性が対峙していた。 「このままずっとこうしていたい。いや、もっと別の場所で、もっと違うものを感じてみたい。」 「…ダメだ。ここを踏み越えたらきっと元には戻れないよ。だってトウジは男だし、男を好きになるなんてありえない」 「ありえない?だって現にこんなにも興奮しているじゃないか。それでも自分を否定するの?」 「否定?だってトウジは友達で…」 「友達を好きをなっちゃいけないのか?人を好きになっちゃいけないの?」 「だって…こんなの…」 「自分の気持ちに素直になるんだ。誰も僕を責めたりはできない筈だから…」 「すなおに…しょうじきに…」 そして理性が失われた瞬間、シンジは目を瞑り、その唇はトウジのそれと重なりあった。
- 434 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/05(木) 02:15:35 ID:???]
- 起きてて良かった。
やっちまったなシンジ
- 435 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/05(木) 02:24:39 ID:???]
- トウジの口調が激しく違和感
- 436 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/05(木) 02:52:05 ID:???]
- 本編でもそんなもんだwww
- 437 名前:348 mailto:sage [2006/10/05(木) 03:21:30 ID:???]
- 「ねえ、トウジ…」
「ん?」 トウジとシンジは手を繋いだまま暗闇の中で話し始めた。 さっきまでは恥ずかしくて、トウジと目を合わせることができなかったシンジだが、この暗闇なら トウジと密着していても不思議と羞恥心よりも安心感の方が上だった。 そのせいか普段なら絶対にタブーだと思っていたことを質問する。 「トウジは最初僕のこと恨んでただろ?今は?」 「男はな、拳で解決するモンや。それに、エヴァの中で苦しんでるお前を見てからは…ワシの方が悪かったって 反省してんねん。まぁそれもお前に殴ってもらってチャラにしたつもりや」 「そっか…。僕トウジのそういうとこ好きだよ」 「さ、さよか…そらおおきに…」 思いがけないシンジの言葉に心臓が跳ねて、握っていたトウジの掌に汗が滲んだ。 シンジはそのことに気付いたけど何も言わなかった。 嬉しくて、もっとトウジを好きだと言いたかった。 だけど、やはりどうしてもトウジが自分を好いてくれていることが信じられなかった。 コンプレックスの塊で、自分には何の魅力もないと思い込んでいるシンジにとって、それは仕方のないことだった。 トウジもケンスケも友達として、学校で会うだけの薄い関係だと思っていたし、いつかみんな離れ離れになって 時間が経てば忘れていく。それでも別に何とも思わない薄い関係、だったはずなのに。 シンジの、トウジの手を握る力がふいに強くなる。
- 438 名前:348 mailto:sage [2006/10/05(木) 03:23:00 ID:???]
- 「シンジ…?」
「本当に…僕でいいの?トウジ……」 「…お前、何回おんなじこと聞くねん」 「だって…僕なんかのどこがいいんだよ?全然わかんないよ」 「全部好きや」 ――――。 息が止まった。 声が出せなかった。 気が付いたら、そのままトウジにキスされていた。 また涙が溢れて止まらなかった。 トウジはシンジの涙を拭うように瞼にもキスをして、シンジの顔を覗き込む。 「これでわかったか?」 トウジの優しい声に、シンジは何度も頷いてトウジの胸元に顔をうずめた。 トウジは何も言わずに、ただシンジをあやすように抱きしめた。 「…どこにも行かないで、トウジ…ずっと僕のそばにいてよ……」 「お前がええなら、ワシはずっとシンジのそばにおるで」 その夜、シンジはずっと子供のように泣きじゃくっていた。 トウジはシンジが泣き疲れて眠りにつくまで、ずっと抱きしめていた。
- 439 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/05(木) 08:17:10 ID:???]
- 二人とも来てた!
ash氏、348氏、乙
- 440 名前:ash mailto:sage [2006/10/05(木) 09:51:44 ID:???]
- どれくらいだっただろうか。少なくともシンジにとっては果てしなく長い時間のように思えた。
起こさない様に慎重に。息すら止めて触れ合わせた唇が熱くなっていくのが分かった。 初めてのキス。 いや、これはキスとは言えないかもしれない。ただ強張らせた唇と唇がぶつかっているだけ。向こうは気付いてすらいない。 でもこれでよかった。これ以上を求めたら、僕は僕のままで居られない気がしたから。 僕はそっと唇を放し、急いで眠ろうとした。 「トウジ、ごめんね。ありがとう」 心でそっと呟いて、その日は終わった。 それから数日、僕はいつも通りの日常を送っていた。僕自身もっとトウジに対して引け目を感じるかとも思ったが、それはなかった。 むしろ、いままで以上にトウジと真っ直ぐ向き合って話をする事ができる様になっていた自分に驚いた。 いま、シンジの心は満たされていた。
- 441 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/05(木) 12:30:42 ID:???]
- 348氏待ってたよ!
ash氏乙! 今日は何かたくさん投下されて良い日だ…
- 442 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/05(木) 16:09:02 ID:???]
- こんな日がずっと続きますように
- 443 名前:ash mailto:sage [2006/10/05(木) 17:56:08 ID:???]
- 学校。いつもの風景。
「なぁ、セ・ン・セ!」 「なんだよ気持ち悪い声出して。宿題なら見せないよ」 「んなっ、何て事言うねんな!いつもなら見せてくれるやないかい!」 「いつもならね。でも…僕が知らないとでも思ってる?」 「な、なんのことや?」 「テスト。確かトウジ君の平均点は…」 「わぁぁぁ!!ちょい待ちぃ!なんでセンセが知ってんねや!?」 「ふん、僕に分からない事なんて何もないよ。大体いつも見せてもらおうって考えが甘いんだよ」 「な、なんや今日のセンセはごっつ厳しいなぁ」 からかって慌てるトウジもまたいじらしく感じた。 今のシンジにとってはそれで十分だった。 ただトウジの側にいる事がシンジの幸せでもあったから。 「あれ、二人ともどうしたの?」 ケンスケが買ってきたパンを片手にやって来た。 「な、何でもない!はよ屋上行くで!」
- 444 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/05(木) 23:35:59 ID:???]
- どちらも続きをwktk
- 445 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/06(金) 01:36:57 ID:???]
- wktkwktkwktkwktk
- 446 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/06(金) 17:48:00 ID:???]
- ここって何気に良スレだな
- 447 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/06(金) 21:29:38 ID:???]
- 何をいまさら
- 448 名前:ash mailto:sage [2006/10/07(土) 00:46:28 ID:???]
- 「あーはっはっはっ!」
清々しい青空にケンスケの笑い声が高らかに響き渡る。 「そりゃトウジの負けだね!」 「笑い事やないで〜ホンマ。惣流の性格移ったんちゃうかと思たわ」 「な、なんて事言うんだよ!(あれは比較になんないって…)ケンスケからも何か言ってやってよ」 「う〜ん、そこまで心配してあげてるならシンジが教育してあげれば?」 『きょ、教育ぅ!?』 その発言にはさすがに僕も驚いてしまった。 「そ、そんなに驚かないでよ。シンジがトウジに直接教えてあげればいいじゃないか」 「僕が…直接…」 「トウジだって文句はないだろ?」 「そりゃ…まぁな」 「はいっ、決まり!」 勢いで話は進み、結局僕がトウジの勉強を見ることになった。 時間は放課後。 僕の方に特に用事が無い時は、大体毎日勉強会を開いた。
- 449 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/07(土) 02:32:17 ID:???]
- 乙。
何か進展がありそうですね
- 450 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/07(土) 06:33:35 ID:???]
- いいねほのぼの展開
- 451 名前:ash mailto:sage [2006/10/07(土) 16:30:15 ID:???]
- とある日の放課後。教室にて。
「あかんっ!もうダメや〜」 「なんだ、もう疲れちゃったの?」 「こないな数字ばっか見よったら頭が痛なるわ」 シンジはすかさずトウジのノートを覗きこんだ。 「(薄々気付いてたけど間違いばっかりだな…)んっ?・・・トウジ、これ何?」 「見て分からんか?シンジの似顔絵や!どやっ、結構似てるやろ?」 「・・・」黙って俯くシンジ。 「あっ、あれ?」 「・・・」 「もしかして怒ってらっしゃる…?」 「ト〜ウ〜ジ〜!!」 「スマン!スマンて!あっ、脇はあかんっ!あひ、ぎゃははははは!か、堪忍してや〜」 その時教室のドアが開いた。 「…あんた達、何してんの?」 そこにはアスカと委員長がいた。 「何ってトウジの勉強見てたんだよ。アスカこそ帰ったんじゃなかったの?」 「アタシはヒカリの仕事を手伝ってあげてたのよ。ったく、そんな馬鹿に教えても時間の無駄じゃないの〜?」 いきなりの毒舌っぷりはさすがだ。 「んなっ、馬鹿とはなんや!馬鹿とは!」 「ほら、そうやってす〜ぐ頭に血が上る。だから猿みたいだっていうのよ」 「な、な、なんやて〜!」 「なによっ!!」 「ほらほら、もうそこまでにしときなよ!」 シンジとヒカリは似た者同士だと思った事を、さすがに口にはできなかった。
- 452 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/07(土) 22:44:32 ID:???]
- 乙!GJです!これからも頑張って下さい!
- 453 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/07(土) 23:59:42 ID:???]
- 両想いな348氏
片思いなash氏 両方続き待ってる
- 454 名前:ash mailto:sage [2006/10/08(日) 13:58:54 ID:???]
- 「碇君って鈴原と仲良いよね」
トウジとアスカが睨み合って最中に委員長がボソッと言った。 「えっ、そうかな?まぁ結構一緒にいるからかな?」 「なんか羨ましいな、そういうの」 「そういう委員長だってアスカと仲良いじゃないか」 「あっうん、そうね、そうよね、ははっ」 「ヒカリっ!そろそろ帰るわよ!シンジっ!あんた今日夕食当番なんだから早く帰りなさいよ!」 「あれっ?アスカまだ帰んないの?」 「女同士だと色々あんのよ。じゃね〜」 そして嵐は去って僕達も帰ることにした。 「ホンマ性格悪いな、あの女。よくもまぁヌケヌケと言えるもんや!」 「まぁね。でも意外と気が合ってるように見えたけどなぁ…」 「どこがや!しかしお前も大変やな。家事ほとんどやらされてんのやろ?」 「まぁ。ていうか僕がやらないとほとんどやらないから、あの人達」 「かぁぁ!男って弱いもんやなぁ…。おっとワシこっちやさかい、ほなな!」 「うん、また明日」 夕陽に照らされたトウジの背中。 そういえばこの背中を見てからだっけ、トウジに惹かれ始めたのは。 しばらく忘れていた感情が久々に顔を覗かせた瞬間だった。
- 455 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/08(日) 19:47:32 ID:???]
- 乙
期待してるぞ
- 456 名前:ash mailto:sage [2006/10/08(日) 21:43:46 ID:???]
- 「うーん、なんかいまいちね。あんた手抜いたんじゃない?」
「…文句言うくらいなら食べなきゃいいじゃん…」 「な〜によ、文句があるならはっきり言いなさいよ!あっ、思い出した。あんた気付いてた?」 「何のこと?」 「ヒカリよ、ヒカリ!どうやら恋してるみたいなのよね〜」 「恋?誰に?」 「ほんとに分かんないの?馬鹿によ!」 「馬鹿?もしかして…僕?」 「だ〜れがあんたを好きになるってのよ!バカシンジ!」 「あイタっ!(馬鹿って言ってんじゃないかよ…)」 「鈴原によ!す・ず・は・らに!」 「…トウジに?」 シンジの中で一瞬時間が止まった。 「やっぱり気付いてなかったのね」 「い、委員長がそう言ったの?」 「言わなくたってわかるわよ。一日に一回は必ず話に出てくるもの。あれは相当入れ込んでるわね〜」 「そ、そうなんだ…あっ、僕風呂に入らなきゃ…」 アスカの思いがけない発言にシンジは動揺していた。 委員長はトウジの事が好きらしい。どうって事ない話なはずなのに、やけに苦しく感じられた。 委員長ならトウジと普通に結ばれるかもしれない。でも、僕がいくら想ったとしてもそんなことはありえない。 シンジはそこに超えられない壁があると改めて思い知らされた。
- 457 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/08(日) 23:16:27 ID:???]
- 乙
なんかちょいリアルな話だな
- 458 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/09(月) 02:02:47 ID:???]
- 乙。
これからの展開が楽しみだ
- 459 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/09(月) 22:43:18 ID:???]
- トウシンはトウジが馬鹿で初々しくて可愛いところが好きだ
- 460 名前:ash mailto:sage [2006/10/10(火) 20:21:23 ID:???]
- 翌日僕は何もなかったかのように学校にいた。
普通に授業を受けて、普通の話をして、普通に振る舞っていた。 あの事を考えたらきっと深みにハマッてしまう。 昔みたいな自分に戻ってしまうのが何より怖かった。 このままで…。 このままの日常を何より大切にしたいと、心から思っていた。 それから数日後。 「碇君っ!」 委員長が僕を呼んだ。 「今日の放課後この教室ちょっと使いたいんだけど…」 「そうなんだ。いいよ。今日はやめとくから」 「ほんとごめんね〜」 「ううん、気にしないで」 去っていく委員長を見つめていると、トウジが話しかけてきた。 「なんやなんや、デートの相談かぁ?」 「ば、馬鹿いうなよ!そんな訳ないじゃないか!」 「おっ、否定するんがまた怪しいなぁ…」 「もう勝手に言ってろよ。教室使えないんだって。今日はやめとこっか」 「何ぃ?ほんまかいな〜。せっかくやる気になっとったのになぁ」 「またまたご冗談を…」 「なっ、ほんまやで!せやっ!今日はお前んちでやろか!」 「どうせミサトさんに会いたいだけだろ…。残念だけど今日は無理なんだ」 「ほなんか〜。じゃうち来るか?」 「えっ、トウジの家で?」 「せや。何や
- 461 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2006/10/10(火) 21:45:19 ID:???]
- GJ!
でも最後の方なんか切れてない?
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