- 1 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/05/08(金) 08:35:19 ID:TpbIGX0A]
- 2スレ目です。
前スレ【神のみぞ】若木民喜作品総合【アルバ】 yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208000736/
- 601 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/03/17(水) 04:31:24 ID:f9BEXIIF]
- 主将は、ボクに道場の掃除からはじめるように言いつけ、その場を去った
覚えていないのか? ならば、少し、試してみよう エルシィのあまり役に立たない報告を聞きながら、道場の雑巾がけをする 床の磨き方に差をつけて、「武」の文字を描いてみる 楠は、気付くだろうか? 本題は、檜のほうだ いったい彼女は何者だ? 道場には愛らしい姉妹の写真が残っていた 過去、武の道に打ち込んでいたことはまず間違いない ところが、今は自分は女優だ、という ただ、初めて会ったときは、自分はデザイナーだと言っていた 矛盾はするが、女性らしい仕事を生業としているのは間違いない 大方、春日家では、自由奔放な姉は出奔し、 責任感の強い妹がやむなく道場を次いだ、といったところだろうか? しかしよくわからないな・・・ 楠が、道場の様子を見回りにくる しばしの間、ボクの様子を伺い、床に一瞬目線を落とし、もう一度ボクを見る 一瞥、という表現の通り、彼女はそのままその場を去ってしまう
- 602 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/03/17(水) 04:37:11 ID:f9BEXIIF]
- 楠の姿をみて、エルシィが言った
「そうだ!にーさま、楠さんに聞いてみたらどうでしょう? だって、お姉さんですから!」 「教えてくれないだろ」 先ほどの様子では、楠はボクとの事を覚えていないだろう そう、僕達はもう赤の他人、なのだから
- 603 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/03/17(水) 04:40:42 ID:f9BEXIIF]
- そこで、ボクは次のイベントを仕掛けることにした
すなわち、お風呂イベントだ 同居物では定番だが、好感度の測定にはうってつけだ 何より、相手も丸腰、身体も裸なら、心も裸になりやすい ただし、慎重に事を運ばなければただの変態だ 檜が風呂に向かった後、楠に銘じられたとおり、浴室の掃除を言い訳に、 タイミングを見計らって脱衣所のドアを開けると、そこには・・・ 中に誰も居なかった まあいい、安易なお色気イベントは作品のレベル低下を生むだけだからな もっとも、相手は20歳なのでいくつかのことは気にしなくてもよくなる、はずだ
- 604 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/17(水) 04:42:14 ID:awTFW8f/]
- 支援
- 605 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/03/17(水) 04:45:15 ID:f9BEXIIF]
- さて、掃除を名目に浴室に入った以上、きちんと掃除をしなくては
まずは脱衣所の掃除にとりかかる 洗濯籠に衣服が無造作に脱ぎ散らかされている 意外に主将は大雑把なんだろうか まったく、リアルってやつはこれだから 脱衣所の洗面台周りを片付け、片手間に洗濯機を回す 次は浴室だ がら、と、曇りガラスになったドアをあけると、 誰も居ないはずのそこには、楠が居た
- 606 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/03/17(水) 04:51:20 ID:f9BEXIIF]
- 髪を流している彼女にはこちらは見えていないのか、姉上?、と尋ねてくる
しまった、どうやら選択肢を間違えた、いや、間違えさせられたと言った方がよいだろうか? ここで、何も答えないと怪しまれるが、かといって、檜のフリをするわけにもいかない だいたい、ここに入るときも、「楠主将の言いつけ」で、風呂掃除に臨んだのだ ここは、直球で行くしかない 「しゅ、主将!?失礼いたしました!!」 なるべく、あわてた様子を装って、これは事故だ、ということで片付けるべきだ 流石に主将も、道場の掃除を命じている以上、 自分の言いつけということであれば、命までは取ることは無いだろう しかし、予想外の返答が返って来た
- 607 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/03/17(水) 05:01:01 ID:f9BEXIIF]
- 「なんだ、桂木か?丁度いい、背中を流せ」
極自然に、楠はボクに命じた 「は、はひ!?」 想定外の事態に、素っ頓狂な声を上げてしまった 何処だ!?いったい、何処でここまで選択肢を間違えたというのだ 「なにをもたもたしている?男ならさっさとせんか!」 この人に男女と言う感覚は無いのだろうか? ボクは、腹をくくった 「失礼いたします」 どうと言うことは無い、たかが現実だ 女性の身体であれば、結との入れ替わりで十分に思い知っているはずだ しかし、春日流道場の跡取りというだけあって、全体に引き締まったみずみずしくも美しい肢体 武術家としての彼女とは相反するかのように、女性性を強調するかのような豊かな胸の膨らみ 濡れた長い黒髪が美しく彼女の背を這い、そのラインは安産型の臀部に美しく繋がっている 思わず、どきりとしてしまう
- 608 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/03/17(水) 05:06:53 ID:f9BEXIIF]
- タオルを泡立て、主将の背中に、触れる
透き通った肌に思わず吸い込まれるような錯覚を覚える やわらかい彼女の肌の感触が、伝わってくる ボクは無言のまま、彼女の背を流す ふと、優しい笑みを、楠がこぼした 「相変わらず、お前は無茶な事をするな・・・ どうだ、私は十分に強くなったか? 可愛くて強い武術家を目指しても、良いくらいに」 消えたはずの、もう一人の主将が、そこには居た
- 609 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/03/17(水) 05:19:21 ID:f9BEXIIF]
- 「主将・・・」
ボクはあの日のことを思い出した 男児の後継者に恵まれず、姉も出奔し、一人残された彼女は、 春日流当主として強くなくてはならないと、様々なものを切り捨てて生きてきた それでも、女としての彼女は、そうして切り捨ててきたもの全てが、本当は大切なものだった そんな心の隙間に、駆け魂が憑いたのだ だが、桂馬と共に過ごした彼女は、女としての幸せを目指しながらも、今は強い自分を追い求めることに決め、 桂馬との日々を、そして最後のキスを思い出に、自らを封じていたのだ 「どうなのだ、桂木?ん?」 優しく聞く彼女に、切なさを覚えながら、答えた。 「主将はお強くなられました。 いえ、貴女は元々お強い方ですよ」 「そうか、ふふ。 なあ、桂木。 もしまた、私が困るようなら、お前は私を助けてくれるのか」 「もちろんです」 「そうか、それなら、いい。 ありがとうな。 私と、姉上を頼んだぞ」 振り向きざま、彼女はボクにキスをした
- 610 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/03/17(水) 05:24:31 ID:f9BEXIIF]
- ふ、と、主将がボクから身体を離し、きょとんとした目で、ボクを見つめている
ん? 「きゃ・・・」 一瞬、彼女は恥じらいの表情を浮かべた後、ボクは全力で蹴り出された いつのまに? 「ごめんねー、妹の裸で我慢してね!! いやー、私のセクシーシーンが観たいなら、もっと気付かれないようにしなくちゃだめよ?」 能天気な檜の声が浴室に響く まったく、駆け魂に憑かれているとも知らずに それでも、ボクは彼女を攻略する あの日決めたはずの「主将」との約束なのだから
- 611 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/03/17(水) 05:34:58 ID:f9BEXIIF]
- おしまいです
未読の方には一部ネタバレになるので、本編を読んでから、ね お風呂ネタ連続になっちゃいましたが、サンデー買って来たのが寝起きなので、単なる偶然です 女神の話が当てにならないので、せめてこんな展開があってもいいんじゃないかなと
- 612 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/17(水) 06:01:01 ID:awTFW8f/]
- GJです
- 613 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/17(水) 07:16:43 ID:15TaHPuA]
- >>611
いい仕事してくれる。ありがとうございました。
- 614 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/17(水) 18:46:57 ID:hXJ02ei6]
- なんて素晴らしいSSだったんだ
もう少しエロくてもいいんだぜ・・・?wと言いたいところだが例の規制のアレなのか まあとにかく、また期待してる!
- 615 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/17(水) 22:24:56 ID:9GbrDTFI]
- GJ! 今週読んできたばっかりだw
>>597 そういう時はこのスレを使うのじゃ! 練習用殴り書きスレッド7 yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1268777604/ 気持ちはわかる。 書き込み窓でぽんぽん書くと筆が進むよねぇ。 でも、一、二時間程度でも、やはりマナー的には やめといた方が無難。内容良くてもそういう所だけで 揉め事の種になったりする事もあるからね。 というわけで、文字通り殴り書いてOKな殴り書きスレに 書きながら投下した上で、それをこちらにコピペする、 という荒業をおススメしておくw
- 616 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/18(木) 00:40:12 ID:dsHOulMm]
- GJですな
今週はおっぱい、おっぱいな展開だなー ブログにあった肉体的な関係ってのこうガンガンくるとは思わなんだw
- 617 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/18(木) 01:05:30 ID:wzdnXgAB]
- GJ
- 618 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/18(木) 14:11:19 ID:RQ2Et34G]
- >>596
まじかよ、何情報?
- 619 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/18(木) 19:00:01 ID:aEaeHY8q]
- >>618
ttp://gagaga-lululu.jp/gagaga/ 596とは別人ですが。
- 620 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/18(木) 20:15:24 ID:RQ2Et34G]
- ありがとー
・・・マジだ・・。しかも5月とか、すぐじゃん。 すげー嬉しい!
- 621 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/18(木) 20:43:26 ID:OCAaS6Tq]
- 5月かぁ
4月に8巻で暫くホクホク
- 622 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/19(金) 09:47:52 ID:BYZ6NNST]
- 職人様GJ
- 623 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/20(土) 01:28:03 ID:QjMk9sAa]
- 8巻の表紙でるの、また遅いのかな。はやくみたい。
7巻の時、ギリギリまで表紙でなかったからなー
- 624 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/20(土) 23:27:57 ID:Ms3SWXC+]
- 体の中のヴァイスが成長し転生のために桂馬が巨乳に逆レイプされる
展開を妄想するぜ。 姉と妹どっちに入ってるかわかんねけどどっちでもいいな!
- 625 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/21(日) 02:00:39 ID:rWgL1fmv]
- 逆レイプおいしいです^p^
是非その妄想を文章に・・・
- 626 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/22(月) 02:24:00 ID:4ir+EReW]
- どうせなら二人がかりでだな…
駆け魂が一度に一人のヒロインにしか取り憑いてはいけないという決まりはあるまい。
- 627 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/23(火) 03:57:19 ID:3+UL+cFT]
- >>624の「体の中のヴァイスが成長し転生のために桂馬が巨乳に逆レイプされる
展開を妄想するぜ。」 を雑に描いてみたんだけど、 こういう画像って貼って良いのかな。 R-18な。 ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org751015.jpg ダメだったら消すよ
- 628 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/23(火) 04:06:12 ID:DnjaxNhc]
- 姉妹丼と聞いて光の速さでやってきた
>>627GJ、これで雑なら富樫が可哀想
- 629 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/23(火) 04:15:28 ID:3+UL+cFT]
- >>628
ほんとにはやいなwこの時間にw まあぶっちゃけ、首から下はトレスなんだwww 言い忘れてたんだが、>>624だけじゃなく>>626の案も混ざってる。 それと、上の絵の檜の髪色は、公式カラーがまだわからなかったので、妄想でカバーした。 そういうの嫌なやつは注意なー
- 630 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/23(火) 20:27:59 ID:RgZDSshU]
- 巨乳姉妹丼、大好物>>627GJ
作者ブログじゃ檜の髪の色が水色になってたけどどうなんだろ。
- 631 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/24(水) 00:23:16 ID:bzuoj5+M]
- うんー
でも、あれはデザイン上のものだと思ったんだ。 自分のイメージでは、オレンジ、もしくは赤?ピンクだと髪型的にかのんとかぶるからなー
- 632 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/24(水) 00:27:38 ID:jbch6NQd]
- 若木のトーンはわかりづらい
カラーで見るまでハクアは赤髪だと思ってた
- 633 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/24(水) 00:35:43 ID:Ero5GXJb]
- 檜は金髪だと思うんだけど
にしても、今の展開ってあり!? 大方、常に理想の姉であり続けなければならなかった、 楠の目指すべき姉上で居続けなければいけなかった、 みたいなのが、檜だと思うんだけど。。。 それだと陳腐なのと、 それがどうした、って返しを素で入れたくなるって言うか、もうね。。。
- 634 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/24(水) 13:54:55 ID:RYIlhbmK]
- ちょっと話は戻るんだけども。駆け魂が女性の中に入るのはその女性の子供として生まれ変わる為だよね?んでもって五位堂結(名前合ってる?)の駆け魂は転生寸前だったんだよね?ということは結は既に妊娠中もしくは妊娠する予定があったということ?
- 635 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/24(水) 16:49:15 ID:bzuoj5+M]
- 転生寸前というか、本体が乗っ取られる寸前だったんじゃないかな。
乗っ取られたらあとは自ら妊娠しに(ry
- 636 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/24(水) 19:28:57 ID:cUMz8nE+]
- 結in桂馬の攻略が失敗してたらその場で…ゴクリ
- 637 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/24(水) 21:05:07 ID:bzuoj5+M]
- うおおなんちゅーエロい展開
脳内では出来上がったが、それを表現する能力がねえwww
- 638 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/25(木) 19:46:00 ID:xpZVbGof]
- 結以外のキャラでも入れ替わりネタ見てみたい気がするな、
但し、結エンドみたいなのはご勘弁。 ヒロインの入った桂馬はキモいのが多そうだからあまり見たい気はしないが、 桂馬の入ったヒロインの方は見てみたいな。 もっともヒロイン勢の中でも春日姉妹あたりは桂馬に入っても結構カッコよくなりそうだけど。 駆け魂の能力によるのは結のみだろうが、地獄に入れ替わりのできるアイテムとかあるとおもしろい。 コミックスのカバー下あたりに桂馬の入ったヒロインのイラストとかないかな。
- 639 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/25(木) 21:47:25 ID:9YDBsTF4]
- >>638
天理、ディアナコンビは面白い反応してくれそうだな 七香なんかは、すぐ慣れて自由にやってくれそうだ
- 640 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/27(土) 01:21:28 ID:ZE2cokyo]
- 桂馬が巨大化した状態の檜とエロスなことしてるシチュがどうしても思い浮かばないが、妄想できる人はいる?
- 641 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/27(土) 01:38:16 ID:NbeLRA02]
- 小さい桂馬が檜のブラやパンツの中に入ってムフフ・・・という昭和なネタな上に、なぜそうなった\(^o^)/なネタしか思い浮かばん
- 642 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/27(土) 02:00:38 ID:kAekeSQJ]
- っていうか、それなんてガリバーwww
- 643 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/27(土) 23:48:33 ID:Vfn1LSal]
- 普通に膣内探検とかしてる図を妄想してたが・・・
- 644 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/28(日) 00:07:10 ID:450xH3pX]
- サイズの対比がよくわからんからどこまでできるかわからんな。
とりあえずあの胸に全身を挟まれて揉まれてみたら気持ちいいのだろうか、エロスとはちと違いそうだけど。
- 645 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/28(日) 01:37:20 ID:YP2FLkB0]
- そうそう膣内探検とかだよなー
- 646 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/28(日) 07:22:16 ID:xkxT9mwg]
- 人は何処から生まれ、何処に去って行くのだろう
膣内探検、実際にしたいもんなの? 肉の壁で出来た洞窟だよ? しかも刺激するとうねうね動くような 檜本体のアへ声に洞窟全体が共鳴したり、むしろホラー 俺はキモくて無理だ…
- 647 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/28(日) 07:43:20 ID:sPIj/5zs]
- そういやあガリバー旅行記では巨人の国に行ったガリバーが巨人を評して「毛穴まで見えるサイズ差だと美人とかなくきめえw」って言ってたな。
- 648 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/28(日) 18:45:55 ID:r6D/nO6x]
- >>646
あなたにとって「キモくて無理」という事実は何の証拠にもなりえないのです。 あなたの好きなものが「キモくて無理」という人もたくさんいるのです。 嗜好なんてそんなもの。
- 649 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/28(日) 18:58:44 ID:xKZ+2001]
- >>648
「俺は」 だから別に良いんじゃない?
- 650 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/29(月) 09:59:33 ID:UEEVrFc3]
- >>633
遅レスだが 尊敬されなければならなかったっていうより 素で超尊敬されたい構ってタイプに見えない? てか、俺にはそう見える
- 651 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/29(月) 16:40:28 ID:S2zKzVtV]
- どうよどうよ私凄いでしょ! 褒めたたえて! 賞賛して!
って感じの人か。確かに言われてみるとそう見えるかもな。 それで、何か色々やって、それなりに結果残してはいるものの、 その現実と、それより遥か上にある自分の理想とのギャップが 心の隙間になってる、という感じなのかなぁ。 だから、大きな大きな自分の理想に近づこうとして、物理的に大きくなっちゃった!とかw
- 652 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/29(月) 20:10:26 ID:1ZkVWD9Q]
- >>651
逆に俺はあの巨大化を風船と同じに見た。 見せかけだけで中身は空気。 確固たるものがないから器用さを活かしていろいろ手は出せるけど、何かを修めるには程遠い。 ファッションデザイナーやらモデルやら 常に時間と格闘するような商売してるのに実家で遊びほうけてるのも謎。
- 653 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/29(月) 21:05:23 ID:oqPbM72F]
- 一寸本スレに来てしまったのかと思った
- 654 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/29(月) 22:14:12 ID:S2zKzVtV]
- >>652
つついたらパーン!って破裂して、平面檜になるのかw >>653 確かに、本スレでやった方がいいような話題かもしれないなw 本スレまたいだ事がないんだけど。 エロ的には、巨大化ってのはちぃと扱いづらいよな。 膣内探検くらいしか思いつかない。 >>646にレスしそこねてたけど、 結局、探検する人間の身体をバイブみたいなもんだと思えば、 それ程膣内探検にも抵抗は持たずに済むんじゃないかと思うけどなー。 肉の壁でできた洞窟の描写に終始するわけないんだし。 メインは、探検されて感じちゃう女の子の描写ですよ。多分。
- 655 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/29(月) 22:51:50 ID:GIuhKWli]
- >>654
う〜ん、確かに探索されてアへる女の子でエロはいけると思うんですけど、桂馬が膣内探検をする強い理由がつけらんないんですよ 駆け魂を物理的に封じるために膣内に入るってのも考えたんですが、檜ならではの理由がないと話が成り立たなそうで もういっそ開き直って主将を騙してエルシィと三人で化物退治と称して膣内探検とか 姉上がよがる度に何故か主将も感じてしまうのを主将はぐっと堪えつつも、姉上が達すると同時に主将も果ててしまう さらに主将の意識がとんだ瞬間に弱主将が現れて、女の悦びを味わうべく桂馬を食べちゃう(もちろん性的な意味で)とか もちろんエルシィも参加 んで、弱主将がイッたら、なんだかわからないけどありのまま(ryな感じで檜の駆け魂が膣の奥から排出されて(排卵?)エルシィが拘留とか …安西先生、エロスの才能が欲しいです
- 656 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/03/30(火) 10:21:52 ID:6TNzUyJA]
- 膣内探検を否定はしないが、それはエロスの才能というよりエロスの異能だと思うw
- 657 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/04/01(木) 14:39:24 ID:YzqdRxLr]
- >>655
すごい真面目に(不真面目に?)考えてんだなw ある意味尊敬するぞw
- 658 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/04/02(金) 17:10:40 ID:XlvAfe0S]
- 人が増えそうだな
- 659 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/04/03(土) 18:00:58 ID:NgpU8zXK]
- 同じアニメ化が決まったWORKING!!が相変わらず過疎ってるからどうかね?
- 660 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/04/07(水) 20:12:39 ID:46YBMbN2]
- 今週のは意外に面白かったな。
強イベント後の慣れはバッドエンドで友達化のとこの二人の表情にワロタ あと、祝アニメ化。
- 661 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/04/07(水) 21:41:02 ID:kXhplILG]
- ホントにアニメ化だもんね
嬉しいやら嬉しいやら しかし面白いパロが思い付かない 何かいいネタ無いかな 膣内探検以外で
- 662 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/04/09(金) 00:04:44 ID:HYwxZJBu]
- >>661
それなら違うヒロインやってみたら? 前スレからまだネタになってないヒロインもいるしな。
- 663 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/04/09(金) 01:22:27 ID:AHpYpOLW]
- >>662
まだやってないヒロインかぁ エルシィとママ、主将にかのんちゃんまではやってるんだよな 密かにオリジナルヒロインも既に2名(痛い) そういえばハクアも栞ちゃんもがまだじゃないか ナイチチナイチチ無い乳ですよ、ナイチチ
- 664 名前:名無しさん@ピンキー [2010/04/12(月) 13:50:18 ID:evnuzjOI]
- アニメ化記念あげ
- 665 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/04/12(月) 16:19:06 ID:6NiPxBe6]
- しかし、今週は休みだ。
- 666 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/04/17(土) 19:19:36 ID:2K2N5Gj0]
- 単行本買ってきた。スミレさんおっぱい結構あるのな。
- 667 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/04/17(土) 20:11:20 ID:QjNlaQ54]
- 個人的にはロリババアをプッシュしたい
- 668 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 20:56:37 ID:QjNlaQ54]
- >>53でやったネタのまとめを投下させてください
トリップはBBSの仕様変更で変わってるはずですが、 トリップキーは一緒です こないだ同人誌即売会で出した本のネタですが、 原作に負けたくない、ささやかな反抗、かも
- 669 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 20:57:52 ID:QjNlaQ54]
- ボクの名前は桂木桂馬。
舞島学園高校二年男子。 好きなものは・・・女子だ。 ただし、こっち側のじゃない。 ゲームの中の完璧な女の子だ。 だいたい、現実の女子っていうのはいつもいつもボクの邪魔ばかりする。 ちょうど今、エルシィが新作料理のお披露目に来たところだ。積みゲになってしまった大量のゲームの攻略中だというのに。 彼女曰く、チキンのグリル・地獄風、ということらしいが、どうみても人間の食べ物には見えない。というより、地獄風、の意味が、文字通り「地獄」の流儀に則ったものなのだ。 つまり、エルシィはいわゆる「悪魔」っ娘であり、彼女は悪人の魂、すなわち「駆け魂」を狩りに人間界に来た、駆け魂討伐隊の隊員、通称「駆け魂隊」の一人なのだ。 ん、今、なんのこっちゃ?とか、悪魔なんて非現実的な事いって・・・頭がおかしいんじゃない?って思ったかな。 ボクもそう思ったよ。 実際に、駆け魂狩りに強制参加させられるまでは。 駆け魂は、女子の心の隙間に寄生し、その心の負の感情を栄養として育ち、やがてその女性の子供として転生する、らしい。そして、再び悪人として生きることになる。 エルシィ達、駆け魂隊は、人間の協力者(バディ)とともに、そういった悪人達の再生を阻止するために駆け魂を狩っているのだ。 ジャック・ザ・リッパーやバネ脚ジャックが復活するとでもいうのだろうか? だからボクは、好きでもない現実女子を恋に落としては心の隙間から駆け魂を追い出し続けてきた。 唯一、ギャルゲの攻略手法を武器として。 ちなみに攻略した女子からは駆け魂に憑かれていた間の記憶を操作して、ボクの記憶を消してくれる、らしい。 もし、記憶が残ったままだとしたら、どれだけ平行して爆弾処理をしないといけないのだろうか。下手したら刺し殺されかねない。 もっとも、ゲームの出来損ないの現実でも、ボクなら上手くできる自信はあるが、面倒は少ないに越したことはないのだ。
- 670 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 20:58:18 ID:QjNlaQ54]
- それにしてもエルシィを見る度に、設定と実態のギャップに常に苛まれることになる。
「えへへー、にーさま、食べてみてください! ずっと前にお姉さまにすっごくおいしい、って褒めてもらったこともある自信作です!」 満面の笑みでボクに語り掛けてくる少女は、エリュシア・デ・ルート・イーマ。通称エルシィ。 帰宅してそのままキッチンに直行したらしく、舞高の制服に駆け魂隊の証でもある羽衣を纏った姿で、手にはバイオハザード以外に見えない料理を載せたトレーを持ち、ボクに勧めてくる。 その姿はごく普通の少女にしか見えない。 悪魔と言えば、もっとおどろおどろしいものを想像するものだが、実態はといえば実にエルシィはポンコツもいいところで、料理とお掃除しか取り柄のないバグ魔なのだ。 たぶん、それ食べたら、ボクは死ぬ思いをするんだろうな・・・ 「いらん。ボクは今、ゲームで忙しい」 「うー、でも、にーさま、現実の腹ごしらえも必要です。この前も空腹で倒れたじゃないですか」 「正確に言うと、おまえの料理を食べたから、なんだが」 「うー、にーさまは意地悪です」 ふてくされて、拗ねるエルシィ。 まったく、子供か。これで300歳を越えているというのだから、現実というのはどうかしている。 そんなやり取りの最中に、ボクのPFPに一通のメールが届いた。
- 671 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 20:58:46 ID:QjNlaQ54]
- 拝啓
落とし神様 いつもサイトの素晴らしい攻略とレビューを拝見させていただいています。 実は、あるゲームの攻略に困っています。 どうか、お力添え願えないでしょうか? e-mail:ai@zumcities.co.jp 簡潔な文面のメールは、ボクのやっているサイト、「落とし神」への、ゲーム攻略指南を依頼するものだった。 ふっ、造作もない。 ボクに攻略できないゲームなど、この世に存在しない! ボクのサイトには、頻繁にこの手の依頼が来るのだが、大概が重要なメッセージを読み落とし、選択肢を間違えているものばかりだ。 ただ、今回の依頼は、このままでは無理だ。 何故って、ゲームのタイトルすら、知らされていないからだ。まったく、現実ってのは不条理だ。 というより、これはボクに対する挑戦、なのか? そういえばエルシィと契約を結んだときも挑発のアロマ漂うメールがきっかけだった覚えが。 同じ雰囲気をこのメールから感じるのだが・・・ ボクの横でエルシィが不穏な表情をしている。 そんなにボクに会心の料理を断られたことを不満に思っているのか?仕方がない、少しくらいは・・・いや、やめておこう。というか、何でエルシィ相手に選択肢が浮かんでくるんだ? ともあれ、この依頼を断ることは、落とし神の名に掛けてできることではない。 即座に、依頼を受諾する旨と、ゲームのタイトル、現在の状況を報告するよう、依頼者に返信をする。 驚くほど早く、依頼者から返信があった。 現在の状況は簡単だ。フラグが複雑に絡まってはいるが、よくある選択肢分岐でヒロインの本心をつけばいいだけのものだ。条件はクリアだ。 しかし、肝心のゲームのタイトルが、まったくもって聞いたことがない。少なくとも、国内海外を問わず一般の流通に載っているギャルゲでボクの知らない作品は、無い。 最近よくある同人ゲームというものだろうか。 さすがにそのすべてを把握するのは容易ではないが、それでもある程度の知識はある。 当面の攻略方針を依頼者に指示し、エルシィをなだめる作業に入る。 「仕方ない、エルシィ、味見くらいならしてやる」 「にーさま、違うんです、そうじゃなくて・・・」 間髪入れず、次の指示を求めるメールが届く。 どういうつもりなのだ?こいつは? ともあれ、相手もかなりのゲーマーなのか、異常な速さで適切な状況報告を送ってくる。 今回の選択肢はミスリードを誘っている様に見せかけてはいるが、正解選択肢なので、その通りに行動すればいいと、回答する。 何のことはない、例えボクが知らないゲームだったとしても、そのゲームが依頼者の手元に存在するならば、指示を出して攻略させればいいだけだ。そういう舞台仕立てのゲームもあったはずだ。ボイスコマンドのクソゲーだったけど。 エルシィと会話しながら、平行してものすごい速さで何度も送られてくるメールに対し即座に攻略指示を出しつづける。 「で、なんだっていうんだ、エルシィ?」 「それが、その・・・」 エルシィが彼女の身につけた髪留め型の駆け魂センサーを指さす。 わずかにセンサーが反応している、らしい。
- 672 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 20:59:10 ID:QjNlaQ54]
- どういうことだ?
今この場には、ボクとエルシィしか居ない。 にもかかわらず、センサーが反応しているということは、ボクかエルシィが駆け魂に憑かれている、ということになるのだが、どちらも可能性は限りなくゼロに近い。 通常、駆け魂は取り憑いた相手に超常的な影響を与える。 しかし、エルシィがバカなのは元々のことで、彼女に変化があったとして、普段から一緒にいるボクが見落とすはずがない。また、ボクは男なので駆け魂は憑かない。 「あの、にーさま、私は機械のことは詳しくないのですが・・・」 エルシィは言い難そうにしているが、それでまず間違いはないだろう。 「つまり、このメールから駆け魂の反応がする、と、おまえは言いたいのだろう」 「そうなんです」 「ふむ・・・」 確かに、ギャルゲにどっぷりハマっているような女子であれば、どこかしら心に隙間があるのかもしれない。事実、ボクの思考にリアルタイムに付いてこられるこのメールの返信速度も異常だ。駆け魂の気配がメール越しに伝わってきている、ということか。 そうこうしているうちにゲームの選択肢はエンディングにさしかかる。エンディングの見えたボクは依頼者に最後の選択肢の回答をメールし、ついでに揺さぶりをかけてみた。 『これが最後の選択肢だな。正解はYESだ。 それにしても、いったい何のつもりだ? ボクの知らないゲームにさえ精通している女の子がこの程度のゲームのエンディングが見えないなんて。』 即座に返信が来る。 『すごい、どうして私が女子ってわかったんですか?』 やはりな。 性別不詳の文面ではあったが、選択肢の詰まり方に過去に何度か質問をしてきた女子ゲーマーらしさが見て取れていたからだ。さらに、エルシィからの情報も決定的だった。 『簡単なことだ。ボクにクリアできないゲームはない。 現実だってクソゲーなだけでゲームには違いない。 ところで、君は?』 『さすが神様です!わたしは愛。わたし、落とし神様と一度お話してみたかったんです!』 ボクの知らないゲームを持ち出して攻略指南を求めてきたのは、意図的にボクに接触してきた、というところだろうか。彼女に駆け魂が憑いているのであれば、攻略せざるを得ない。 何度かメールで会話を交わし、彼女が新舞島近郊に住んでいること、実際にボクと会ってみたいらしいことがわかった。 『いいだろう、実際に会ってみようじゃないか』 そうして次の日曜に、ボクは彼女とあうことにした。
- 673 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 21:00:31 ID:QjNlaQ54]
- 遅い!
新舞島駅前のショッピングモールで待ち合わせをしたものの、肝心の愛が約束の時間になっても現れないのだ。 これだから現実は・・・ 物陰に隠れたエルシィが、不安そうにボクの様子を伺っている。今のところ、彼女のセンサーにも反応がないようだ。 もっとも、この程度の展開は折り込み済みなので、ベンチに座り、PFPを取り出して、攻略中のゲームを再開する。 直後に、PFPを持った女の子がボクに声をかけてきた。 「落とし神、様ですか?」 「君が、愛?」 女子でPFPを持っている子はそうそう居ないし、視界の端でエルシィが駆け魂センサーを指さす仕草をしているのが見えたため、まず間違いはない。 ボクは立ち上がり、にこ、っと、優しい笑顔を作って、彼女に語り掛ける。 「はじめまして、というのも変かな。 ボクは桂馬。桂木桂馬。サイト落とし神の管理人だよ」 まずは彼女に右手を差しだし、反応を見る。 「愛です!はじめまして!ほんとに神様だ!」 ボクの手を両手でしっかりとつかみ、満面の笑みで彼女は答えた。 何故か、ボクは彼女に、デジャビュを感じた。 よっきゅん!?
- 674 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 21:01:11 ID:QjNlaQ54]
- もちろん、現実によっきゅんが存在するわけがない。
かぶりを振って、もう一度彼女を見る。 今時の女子らしいライトブラウンの髪、ブルーのストライプのワンピに白のカーディを重ね着し、白のヒールのサンダル。そこに素敵な笑顔が加わって、全体に上品ながらも活発なイメージの子で、よっきゅんのイメージとはまるで違う。 ただ、瞳の奥に笑顔に隠したほんのわずかな憂いの表情や、正統派ヒロインにのみ許された長髪、僅かに垣間見せる儚さ、そういったものがボクに杉本四葉を思わせたのだろうか。 「ふふ。こうやって、神様とお話できるなんて、私、幸せ・・・」 心からうれしそうな彼女の笑顔に引き込まれそうになる。 落ち着け、これは現実だ。 「神様、っていうのは、やめてくれないかな?」 「そ、そうですよね、ごめんなさい。 桂馬くん、で、いいかな?」 「構わないよ」 「じゃあ、桂馬くん、桂馬くんだ。ふふ」 そう言って、彼女は勝手にボクの腕を組んできた。 何だ、この女は? 現実女子にひっつかれるのは勘弁して欲しいところなのだが、何故か彼女には不思議とそういった感覚を感じなかった。 とりあえず喫茶店で話でもしようと、彼女を誘った。 もう少し、様子を見よう。
- 675 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 21:01:59 ID:QjNlaQ54]
- 窓際の席に愛と対面で座り、オーダーをする。
「ホットラテを。君は?」 「あ、私は、その・・・」 何故か戸惑っている。ここはボクがリードすべきか。 「じゃあ、同じものでいいかな?」 「うん、桂馬くんが選んでくれるものなら、なんでもいいよ」 「じゃ、ラテを二つ」 かしこまりました、と、返答を残して、ウェイターがバックヤードに向かう。 二人きりになったところでお互いに簡単に自己紹介をして、それから共通の趣味、すなわちギャルゲの話をしつつ、彼女の様子を探る。 ウェイターがラテを運んできたタイミングで、一つの質問を試みた。 「ところで、この間のゲームだけど、あれは一体なんだったんだ? ありがちな恋愛シミュレーションだったけど、どう調べても見つからないんだ」 「あ、えっと」 愛が返答に窮した一瞬、その瞳に憂いの色が浮かび、消えた。 「ごめんなさい、実は、あれは今開発中のゲームなの。 私、デバッガーをやってて、展開に詰まっちゃって。 それでね、せっかくだからこの機会に神さ・・・桂馬くんとお話できたらな、って思って」 なるほど、それならボクが知らないのも説明が付く。 「デバッガー、か。高校生のアルバイトにしては、珍しいね」 「うん、実家がゲームの開発をしてて、それで」 彼女から聞いた社名には覚えがある。有名なゲームの開発会社だ。淀み無く答えてくるあたり、彼女の言葉に嘘はないだろう。 「だから自然とデバッグを手伝う様になって。 それでね、スケジュールが押してきたりすると、よく、桂馬くんのサイトの話になるの。 すっごくヒロインに対する愛情にあふれてて・・・ あのサイトで取り上げられるような、いいゲームにしたいね、って」 「ボクに会ったのは、サイトでいい評価をしてもらいたいから?」 「違うよ。純粋に、どんな人か興味あったからだよ。 思ったよりいい人でよかったよ。桂馬くん、かわいいし」 愛は一瞬拗ねた表情を浮かべた後、本当にうれしそうに笑った。 どきりとした。 何度も繰り返すが、所詮これは現実だ。 騙されてはいけない。 「変なことを言って悪かったな」 ボクは失礼をわびた後、それからしばらく、また、最近発売されたいくつかのゲームの話に戻った。 彼女はオーダーしたラテに手を着けることも忘れ、桂馬に匹敵する知識と熱意でゲームのことを語り続けた。 桂馬は冷めつつあるラテをすすりながら、彼女の様子をじっと観察するのだが、彼女の心の隙間が見えてこない。
- 676 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 21:02:30 ID:QjNlaQ54]
- 「そうだ!ねえ、お願いがあるの」
唐突に愛が言った。彼女の心の隙間が見えない以上、慎重に対応しなくては。 「ん、なに?」 「ねえ、水族館に行きたいの。臨海公園にあるでしょ、あそこに行きたいな」 なぜ、水族館なんだ? 愛がわざわざ水族館を選ぶ理由が何かあるのか? しかしここは断る理由が無い。 「構わないけど?」 「じゃあ、決まり!行こうよ!」 手をつけないままのラテを残して、愛が席を立つ。 お会計を済ませた後、喫茶店の外で様子を伺っていたエルシィに、後をついてくるように目線で指示を送る。 こくり、と、うなずくエルシィ。 そうしてボクと愛は新舞島駅から二駅の臨海公園に向かった。
- 677 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 21:02:53 ID:QjNlaQ54]
- 「うわぁ!すごいすごい!」
水槽の中で泳ぐ熱帯魚達。トパーズやエメラルド、アクアマリンやルビーのように鮮やかな輝きに彩られたそれらは確かに美しい。たまにエビやカニといった類の水槽もあり、それはそれで趣がある。 さらに奥にいくと巨大なマグロの水槽もあるらしく、きっと相当な迫力だことだろう。 「ねえねえ、桂馬君、こっちこっち!はやくきなよ!」 水族館の中で、子供のようにはしゃぐ愛に、羽衣で隠れて後を付けてきたエルシィに思わずぼやく。 「これじゃあ、おまえがもう一人居るみたいじゃないか」 「うー、にーさまこそ、デレデレしちゃって。デートじゃないんですから!」 エルシィのやっかみに、そんなつもりはないのだと思いつつも、確かにこれじゃあただのデートだ。 「桂馬くん、すごいよ、お魚がいっぱい!」 「水族館だから、そりゃそうだろう。でも、なんでここなんだ?」 愛が何故水族館に来たかったのか?それがおそらくこの攻略の鍵になるはずだ。 「んー。秘密」 悪戯っぽく笑うと、愛は階段を駆け上がり、外への扉を開く。 暗がりから、一気に明るい太陽の光の下に出る。
- 678 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 21:03:19 ID:QjNlaQ54]
- 一転、そこはペンギンの楽園だった。
もちろん、大型のペンギン類は日本の環境になじめるものでは無い。 そのためここにはイワトビペンギンやフェアリーペンギン、フンボルトペンギンなど南洋の小型のペンギン達が何羽も居る。 「うわー、かわいいねえ。 ね、桂馬くん、この子、抱っこできないかな?」 「流石にそれはダメじゃないか・・・って、おい!」 愛はボクの静止も聞かずに、飼育員さんにぺこぺことお願いをしている。溜息をついてその様子を見守っていたが、ちょっとだけなら、と、どうやらOKが出たようだ。 「ね、いっしょに撮ろうよ! ほら、桂馬君もこっちにきて!」 「仕方ないな・・・」 愛のやることは何故か全てが許せるような気分になる。 彼女は本当に、そういう子なのだ。 『たまたま通りかかった』エルシィに、羽衣で作ったインスタントカメラで撮影を頼む。 ひくついた表情で請け負った彼女ではあったが、それでもペンギン達の群れを背にイワトビペンギンを抱きしめた愛とボクの写真を撮り、愛に渡してくれた。 その写真を見て、一瞬、愛の表情が曇る。 なにか、あるのか? 「写真、ボクにも見せてくれないか?」 え?と、一瞬ためらいと戸惑いの表情を浮かべた後、ボクの頼みを無視して、ぱっと明るい表情で、愛は言った。 「ね、桂馬くん、つぎはアクアシアターに行こうよ! すっごい大きな水槽なんだって!」
- 679 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 21:04:32 ID:QjNlaQ54]
- カツン、カツン、カツン!
足音高く、愛は巨大な水槽の近くに駆け寄った。 マグロやカツオといった、大型の魚群が回遊している。 暗いアクアシアターの中のライトに照らされて美しく逞しく泳ぐ彼らは、泳ぎ続けないと死んでしまう、らしい。 はは、駆け魂狩りを止められないボクみたいだな。 そう自嘲気味な考えにとりつかれたボクを、愛の元気な声が引き戻す。 「うわー!すごいねえ・・・ねえ、桂馬くん、みてよ。すっごいおおきいよ!」 愛は目を輝かせて巨大な魚群を見てはしゃぐ。 休むことなく泳ぎ続ける巨大な魚群。 本当に、彼女は不思議な子だ。 そう、不思議なくらい、純粋なのだ。 それもまた、魅力的でもある。 ふいに、寂しげな表情を浮かべ、彼女は振り返り、ボクに言った。 「ねえ、桂馬くん、この子達さ、やっぱり外にでられないのはかわいそうだと思わない?」 「そうかな?補食される危険性が無いわけだから、必ずしも悪いことばかりじゃないよ。 それに狭いことには違いないけど、いつもこの中ってわけじゃないよ。ストレスで弱るから。だから実際には裏にもっと広い水槽があって・・・」 愛の後を追うように、ボクもまた、水槽に歩み寄る。 愛は水槽の傍の手すりに手を添え、ボクと魚達を見ながら、きゅ、っと口元を結んでいる。 そして、ボクの言葉を遮るように、彼女の思いを伝えるように、愛は言った。 「でも・・・でも、かわいそうだよ! この子達だって本当はもっと外の世界に出たいと思ってるはずだよ!私だって・・・私・・・」 愛は何かに囚われているのか?水槽の魚達に自分を投影しているかのようだ。 ボクは愛に言葉をかけようと、彼女に近づいた。 そして、次の瞬間、水槽の強化アクリル板に映った彼女の姿をみて愕然とした。 そうか、そういうことだったのか。
- 680 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 21:06:23 ID:QjNlaQ54]
- 「ふあー、堪能したぁ!」
水族館から出て、愛は軽く伸びをした。 既に水族館は閉館時間を迎え、海辺の公園は茜色に染まっていた。 桜並木が今もっとも美しい時期で、その下をボクと愛は二人で歩く。 海風にわずかに散る桜の花びら。 消えてゆく、雪のように。 「そうか、それはなによりだ」 「えへへ、桂馬くんのおかげだよ。ありがとう」 愛くるしい笑顔で、そう、微笑んだ。 「もう、外の世界は満足した?」 「え?」 「もっと早く気づくべきだったよ。 キミがボクに攻略の相談をしてきたゲーム、ヒロインの名前を教えてくれなかったよね?」 急に彼女は立ち止まり、押し黙ってしまう。 「ヒロインの名前は、キミと同じ、愛、だろう」 暫くの沈黙の後、愛は小さくうなずいた。 先ほどまでの天真爛漫さはそこには無く、ただ、終ってしまった時間を懐かしむような表情を浮かべていた。 「すごいね、桂馬くんには何でもわかっちゃうんだね。 そうだよ、多分、桂馬くんが想像してるとおりだよ。 だから私はね、たぶんもうこれ以上はここには居られないんだよ」 笑顔をつくろうとして、それでも溢れる涙は抑えられなくて。 夕日の影に浮かぶ彼女の表情をうかがい知ることは出来なかったけど、それでも彼女の気持ちは痛いほど伝わってきた。 ボクは彼女の背を抱きしめ、彼女の髪に頬をつけ、言葉を続けた。 「愛、うまれてきてくれてありがとう」 そうしてボク達はキスをした。 夕日に浮かぶ二人の影。 この時間がいつまでも、いつまでも、続けばいいと思った。 そして、日が落ちる頃、愛の姿は消えていた。
- 681 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 21:06:50 ID:QjNlaQ54]
- 辺りは暗くなり、ボクは一人その場に残った。
自分の表情は見えないが、ほんの少しだけ、切なそうな表情をしていたのかもしれない。 頬に残った彼女の髪の香りが、ほんの少しだけ時間を戻してくれる。 愛の駆け魂を捕らえたエルシィが、心配そうにおずおずと歩み寄る。 「にーさま・・・」 「なんだ、エルシィか」 どっと力が抜け、ベンチに座り込んだ。 ぽて、っと、その隣にエルシィが座り、ボクにくっつく様にする。 彼女なりにボクのことを気遣っているのだろうか。 「愛さんって・・・」 「うん、そういうことだよ」 つまり、愛は開発中のギャルゲのヒロインで、どうやら駆け魂に憑かれて実体化してしまったらしい。 だからこそ、ボクは彼女に心動かされたのだろうか。 心配そうにボクを見るエルシィの頭に、ぽん、と手を置き、ボクは続けた。 「きっとボクは彼女と再会することになるんだろうね」 ゲームの中で。 そのとき、彼女は今日の日のことを覚えているのだろうか。
- 682 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/17(土) 21:09:27 ID:QjNlaQ54]
- おしまいです
タイトルは ai@zumcities.co.jp で、出しています たみーとまみず先生に勝てるのはいつの日か・・・
- 683 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/04/17(土) 23:00:58 ID:gPW+RMLJ]
- >>682
乙、今週連載無いから余計に楽しめたわ。 早くあのツマラン道場編終わって欲しいわ。
- 684 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/04/18(日) 05:48:57 ID:nnM5XLza]
- まだ過程の段階でその判断は性急
締めが来てからまとめて評価すべし
- 685 名前: ◆cnAl6CXNe5FX mailto:sage [2010/04/18(日) 09:03:41 ID:WE3kyOL9]
- 全編終らないとわかんないですよ、神のみは・・・
8巻の梨枝子さんのお話もラストで評価ががらっと変わった佳作だったし 檜は属性と駆け魂効果が扱いにくいけど、 姉妹愛がテーマなお話になるんじゃないかと予想 主将が大好きなので何気に今回の展開はご褒美回だったりするし
- 686 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/04/21(水) 20:04:56 ID:a0PJcocN]
- 今週ラストの檜が可愛くてなんか悔しい
- 687 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/04/21(水) 23:25:33 ID:LVDQeXy8]
- ビクンビクン
- 688 名前:名無しさん@ピンキー [2010/04/29(木) 13:02:37 ID:A2S2L4TD]
- 保守age
- 689 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/06(木) 22:30:39 ID:+SUZJR5H]
- GWは見事に動きが無かったなw
- 690 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/11(火) 19:47:46 ID:kHu2gGpF]
- 桂馬と歩美って自覚してないだけで両想いなんじゃないか?
- 691 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/11(火) 21:45:43 ID:HpA2AWh2]
- >>690
つ 初めて同士
- 692 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/17(月) 16:52:49 ID:gZ9tO1Q0]
- ほす?
- 693 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/19(水) 19:46:22 ID:dKAPf/xg]
- おら、スッゲーわくわくしてきたぞ!
まさかの体内探検だw
- 694 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/05/31(月) 21:22:22 ID:JM6jdGYl]
- 保守
- 695 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/03(木) 17:34:58 ID:sUTiAtkR]
- 歩美は桂馬の嫁
- 696 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/06(日) 05:09:57 ID:MD6emo8F]
- アニメ化ついに声優バレ来たですな
つーか、今日は神にー様の誕生日ですよ。
- 697 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/09(水) 20:21:24 ID:946B7hHh]
- まさかの先生ktkr
- 698 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/09(水) 21:56:39 ID:/BDT9mYW]
- あの眼鏡悪魔はドジっ娘属性を、エルシィを凌駕するレベルで備えているに違いない。
そしてあのキス、あれ舌入れてるよな、明らかに。
- 699 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/10(木) 00:36:40 ID:Z5A2FGxr]
- >>698
桂馬が今更、キスくらいじゃあそこまで動揺しないだろうしなw
- 700 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2010/06/10(木) 04:41:34 ID:B2BNxtNj]
- 誰か檜と桂馬のエロを!お恵みを!
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