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煩悩の十二国記*十二冊目



414 名前:Yoko vs "who I am?" 1 mailto:sage [2008/11/18(火) 01:47:09 ID:XyTkgvqm]
「ねえ、下になろうか?」
延麒は首を振って、ぎゅうと陽子の乳房をつかんだ。
「小さいでしょ」
陽子が呟く。
何度も何度も陽子は言い続けていた。柔らかなところなんてどこにもない、乳房は小さく
腰のくびれもなく筋肉で腹は覆われていて、陽にやけた肌はがさがさと粗い、と。
しかし延麒はそういう陽子の体に沈み込みたいのだ。
小さな乳房を掴み、きめの粗い肌を舐め、どこか獣じみた荒々しい体臭を嗅ぐ。
自分が飛翔すればすぐのところに陽子はいる。だが、国と国の距離は近いようでいて、とても遠い。
その遠さを無視して飛んできてくれたのだ、この王は。
「あんまり、見ないで」
陽子が頬に朱を上らせて俯いた。
「きれいな、身体じゃないから」
「阿呆が――」

たった二月逢えなかっただけなのに、六太の気のたかぶりはひどいものだった。
苛苛と爪を噛み、指先はいつもうっすらと血で濡れていた。己の血の匂いに気分を悪くして臥せる。が、臥せると
身の置き所がないように起き上がり、せわしなく王宮内をふらつく。そうして眼をまんまるにしてきょろきょろとあたりを
見渡し、聞こえもしない声を聞いてびくりと身体を期待に震わす。そして求める者の声ではない事に気づくと、また苛苛と
爪を噛む。
見かねた尚隆がうまく理由を作って、陽子を雁に呼び寄せた。
「二度は無いぞ」
尚隆が苦々しげに、そしてどこか悲しげに六太に言った。

延麒は陽子の身体の上になった。
肉槍を急に抜かれ、どこか陽子は不服そうな顔をする。
(肉槍だけでは足りない、歯で唇で、手で肌で鬣で――全てで陽子を味わう)
延麒は逢えなかった時間を取り戻そうとするかのように陽子の身体に歯を立てる。
その度に陽子は普段より高い声で叫んだ。局所の毛をかきわけ、秘壁を舌で舐める。陽子が小さく震え始める。







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