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キモ姉&キモウト小説を書こう!Part7



1 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/11/29(木) 05:28:22 ID:74u0AYNO]
ここは、キモ姉&キモウトの小説を書いて投稿するためのスレッドです。

○キモ姉&キモウトの小説やネタやプロットは大歓迎です。
愛しいお兄ちゃん又は弟くんに欲情してしまったキモ姉又はキモウトによる
尋常ではない独占欲から・・ライバルの泥棒猫を抹殺するまでの

お兄ちゃん、どいてそいつ殺せない!! とハードなネタまで・・。

主にキモ姉&キモウトの常識外の行動を扱うSSスレです。

■関連サイト

キモ姉&キモウトの小説を書こう第二保管庫@ ウィキ
www7.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1.html

キモ姉&キモウト小説まとめサイト
matomeya.web.fc2.com/
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106 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 01:06:30 ID:fyzRuD4V]
GJ!

107 名前:【Night Food】 mailto:sage [2007/12/07(金) 01:07:45 ID:lUWpIZbe]
終わりです
必要以上に疲れた... orz

108 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 01:35:57 ID:8F0kOzoK]
GJ!
不気味な雰囲気なのに……「えへへ」が可愛すぎます

109 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 01:45:51 ID:fA2Wvb5R]
つ、続きはあるのですかッ!?

110 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 03:50:38 ID:evZnHa5V]
てっきりお鍋にはお姉ちゃんの血が入ってて弟も吸血鬼になるのかと思った
まあ加熱しちゃうとダメなのかな

111 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 12:26:27 ID:rgYRnGOn]
>>107
GJ!
ただ、弟の名前が俺と同じじゃねーか/(^o^)\
恥ずかしくて読みにくかったぜ

112 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 13:09:47 ID:KGCOGvO/]
>>107
GJ!
吸血鬼とかドジッ娘とか、俺のストライクゾーンにど真ん中の直球が飛んできたな


さて、続きを読むにはワッフルワッフルと書き込めばいいのかね?

113 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 15:07:40 ID:gO8Xupj2]
>>107
GJ!

>>111
お前俺と同じ名前なのかw
だが安心しろ。俺の場合は姉が美夜と一文字違いだ

それでもまともに読めた俺は勝ち組

114 名前:『いもうとの考え』 mailto:sage [2007/12/07(金) 16:59:48 ID:Rjgk++rh]
あぁ、もうすぐクリスマスか…。
今年もまた一人だな、まぁいいけど。
沙妃「おにいちゃーん、ごはーん」
はーい、今日はカレーが食いてえな。

そんな事を思いながら台所に行ってみると見事にカレーだった。
「おぉ、カレーが食いてーと思ってたらホントにカレーだ」
沙妃「そうなんだ」
沙妃(なんかそんな気がしたからカレーにしたんだよ)
妹は16歳にもかかわらず料理が美味い、まぁ家庭の事情上料理は沙妃が長年料理担当してるからかもしれないが、
それを差し引いてもすごく美味い。特にカレーは一級品だ。
「う〜ん、んまい。相変わらずうまいなぁ沙妃のカレーは」
沙妃「そう?」
「いや美味いよ、なんか特別な作り方でもしてんの?」
沙妃「特に何もしてないけど…」
沙妃(へへ、実はたっくさんの愛情たっぷり愛液を入れてるからなんだけどね〜)
「じゃあ料理の腕がいいのかな、うまいうまい」
沙妃「……………」
沙妃(うわぁ…私の愛液がどんどんおにいちゃんの口の中に入っておにいちゃんの体の一部になっていく…
んっ、見てるだけで軽くイっちゃいそう…何回やってもこれだけはやめらんない)
「沙妃はクリスマスなんか予定あんの?」
沙妃「無いよ、おにいちゃんはあるの?」
「無いよ…そろそろお互い彼氏彼女でも作ってラブラブクリスマスでもしないといけないな」
沙妃「あはは、そうかもね」
沙妃(も〜私の気持ちも知らないで…そんな事言ってると襲っちゃうよ)



115 名前:『いもうとの考え』 mailto:sage [2007/12/07(金) 17:00:56 ID:Rjgk++rh]
どうやら沙妃も今年も恋人がいないクリスマスを送るようだ。
兄の目から見ても沙妃はかなりかわいいと思うんだけどな…彼氏の一人や二人くらいすぐに作れるだろうに。
性格だって全然悪くないし、大人しいというか人当たりがよいというか…とにかく顔と性格から考えればかなりモテてるんじゃないだろうか。
沙妃(あ〜おにいちゃん犯したいな、ほんと犯したい。
おにいちゃの体の至るところを今すぐ舐めまわしてーよぉ、特に唇を重点的に。いや、むしろ食いつきたい)
「そいえば最近下着とか無くなってない?」
沙妃「えぇ?なにそれ〜。無くなってないよ」
「最近俺の下着が少なくなってきてるんだよ」
沙妃「干してるときに風で飛ばされたんじゃない?ぴゅ〜って」
沙妃(まぁ私が盗んでオナニーのときに使用してるんだけどね。ぐちょ〜って
昨日なんかあんまり激しくしたから破けちゃった。ビリビリって)
「変だな〜、誰も俺の下着なんか盗まないだろうし…それに最近朝起きたときスゲー頭がぼーっとしてるんだよな」
沙妃「寝不足なんじゃないの?」
「いや、睡眠時間は足りてると思うんだけどな…ひどいときは頭痛がするんだよ」
沙妃「ふ〜ん、疲れが溜まってるとかじゃない?」
「そうなんかなぁ…」
沙妃と(ふふ、やっぱり気付いてないみたい…おにいちゃんが風呂上がりに飲んでるコーヒー牛乳にはちょっとしたクスリが入ってるんだよね〜)
「今日は早めに風呂に入って寝てみるか」
沙妃「それがいいよ」
沙妃(やった!今晩はいろいろ楽しめそう。んふふ、なにしよっかな〜
やば、考えただけで上の口からも下の口からも涎が出る)

116 名前:『いもうとの考え』 mailto:sage [2007/12/07(金) 17:03:34 ID:Rjgk++rh]
以上、小ネタでした。
突然の投稿ですがよかったら読んでみてください。

117 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 17:17:47 ID:/Te0/SHm]
もちろん続きますよね・・・?

118 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 18:22:59 ID:SFBivOip]
グッジョブ
こんな妹欲しいぜ続き期待

119 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 18:54:34 ID:GjZkVyIv]
>>116
GJ!!
これはとんでもないキモウトだ

120 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 21:18:20 ID:IMHInMnY]
>>116
この妹を買収!(`・ω・´)っ[10000]

121 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/07(金) 21:46:17 ID:f/46NqVO]
>>116
(`・ω・´)っ[30000]


122 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 21:52:13 ID:D9JjhWz8]
>>116
(`・ω・´)っ[家一軒@山奥]


123 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 21:52:46 ID:H50XrEZS]
>>116
(´・ω・`)つ[30020]

124 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 22:29:41 ID:k3mUwJ+S]
>>116
(`・ω・´)っ[30025]



125 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 23:09:36 ID:lNcmFe09]
>>116
(`・ω・´)っ[30030]


126 名前: ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/07(金) 23:15:19 ID:XCdNPRam]
競り合い中すいませんが続き投下します

127 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/07(金) 23:17:11 ID:XCdNPRam]
病室に戻ると、修くんは寝かかっていた。
理緒は、修くんが死んじゃうのかと思ってすごく焦った。
看護婦さんが来て、ただの貧血だって分かって、また泣きそうになった。
修くんが大丈夫だと分かったから、安心した。
そして、先程の話を思い出す。
織部の家は近親相姦によって保たれてきた。
それはつまり、理緒と修くんが性交をして子供を作る事が認められたという事だ。
話を聞きながら、体は喜びに震え、思わず顔が綻んでしまいそうだった。
例え世間に認められなくても、家には何も問題が無いのだから。
家の人に何を言われようと関係無いのだけれど。
修くんの性格から考えて、理緒が子供を孕んだら絶対に逃げる事はしないだろう。
既成事実は何よりも強い。
これで、理緒の檻はより強固な物になる。
そこまで考えて、修くんの寝顔を見る。
理緒にとっての全て。
等価値な人、物など存在しない。
理緒は、修くんにだったら殺されても犯されても構わない。
それで修くんの全てが永久に得られるのならば。
それでももし理緒から離れるのならば…
私はどんな事をしてでも修くんを得てみせる。
いくら血に濡れても、いくら傷付いても。


128 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/07(金) 23:19:54 ID:XCdNPRam]
ゆっくりと、修くんを起こさない様に唇を重ねる。
柔らかくて、少し厚めの唇。
愛しくて、狂おしくて、そっと髪を撫でる。
この口付けは、誓約の証。
修くんに永遠の愛を。
修くんに永久の安らぎを。
修くんに理緒の、私の全てを捧げる事を誓う。
その代わり、修くんにたった一つだけお願いをしてもいい?
修くんはずっと、私と一緒に居て下さい。
できる事なら、私だけを見て、私だけに触れて、私だけを愛して…
コンコンとドアがノックされる。
名残惜しいけど体を離す。
「あ、織部君のお姉さん。面会の終了時間ですので、今日はお帰り願えますか?」
「…はい」
本当なら、一時も離れたくないけど…
刺したのは、私。
大切な修くんに傷を負わせてしまった。
その罪を償う為に、今だけはおとなしくしておこう。
「帰り道、お気をつけて」
軽い会釈をして、病室を後にする。
帰ったら、どうしよう…
久しぶりに、仕事をしないといけないかな…


…くらくらする。
まだ、貧血みたいだ。
「あっ、目が覚めましたぁ?」
「はい…」
この人の声を聞いたら二度寝したくなった。
「具合はいかがですかぁ?」
「もうかなり良くなりました」


129 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/07(金) 23:22:45 ID:XCdNPRam]
「そうは見えないんですけどぉ…」
と、そんな不安げな顔と泣きそうな目でこっちを見られても困る。
ここは大丈夫だって感じを見せないとな…
「全然平気ですって。俺は血の気は多い方ですし」
実際貧血なんか久しぶりだし。
もっと小さい時はたまに有ったけど。
「そうですかぁ…あ、あのぉ、おトイレとか平気ですかぁ?」
「え?あ、あぁ、自分で行けますよ」
…なんで残念そうに見えるんだろう。
「行くのが辛い様でしたら言って下さいねぇ?」
「えっと…はい…」
まぁ恥ずかしすぎて言えないし、言うつもりも無いが。
さてと…特にできる事も無いし、寝るか。
まだ治った訳じゃないしな。
…コツッ。
今、なんか音がしなかったか?
……コツン。
間違いない…なんか当たった様な音がする…
…怖っ!なにこの病院怖っ!
…兄ちゃん……
呼ばれた…?今呼ばれた?
…お兄ちゃん…
絶対呼ばれたっ…俺、なんか悪い事したっけ?
…修お兄ちゃん…!
あれ…?今の呼び方って…
「修お兄ちゃん!」
その声は…冬華ちゃん?
俺はそろそろと窓に歩み寄る。
窓のすぐ下に厚着をした冬華ちゃんが居た。


130 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/07(金) 23:24:40 ID:XCdNPRam]
俺はなるべく音をたてない様に窓を開ける。
「えへへっ、こんばんは」
「こんばんは…じゃなくて、冬華ちゃん何やってるんだよ?」
「なにって…お見舞い?」
「まずこんな時間に来るのはおかしいし、窓からなのもおかしいし、何より一番つっこみたいのはお見舞いに疑問系が付いてる事だ!」
ハァっハァっ…
一気に喋って、疲れた…
「修お兄ちゃん、元気だね…」
なんで微妙にひかれなきゃならないんだ?
と思いながら、冬華ちゃんを見ていて…
昨日の事を思い出してしまった。
急に冬華ちゃんの方を見れなくなる。
あれだけ無様な格好を晒したんだし、何を今更と思われるかもしれないが、仕方ない。
あれは俺が望んだ事じゃない。
「どうしたの?修お兄ちゃん」
「いや…なんでもない。それより、早く帰った方が良いんじゃないか?」
つい、少し冷たく言ってしまった。
「修お兄ちゃん、冬華の事…嫌いになっちゃったの…?」
冬華ちゃんの声は震えていて、その大きな瞳には涙が浮かんでいた。
「そういう訳じゃない。だけど、家族の人が心配するだろ?」
適当な返事を返す。
「…冬華寂しいよ…修お兄ちゃん、お部屋に入れて…?」


131 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/07(金) 23:26:04 ID:XCdNPRam]
見事に俺の話は無視された。
「冬華の事なんて皆心配してくれない…」
小さく、そう呟くのが聞こえた。
たった50センチ程の距離だったが、風でも吹けば聞き取れない程の声で。
「修お兄ちゃんも、冬華の事なんてどうでも良いの?」
「そんなことないよ」
「じゃあ、少しで良いから冬華と一緒に居て…」
そんな風に言われたら断れる訳が無い。
何故か、ここで冬華ちゃんを無理矢理帰らせたら取り返しの付かない事になってしまう気もした。
「仕方ないな…靴、脱いで」
そう言った途端に冬華ちゃんの顔はぱっと明るくなる。
「…うんっ!」
靴を脱いだ冬華ちゃんの腕を持って引っ張りあげる。
「ありがとう、修お兄ちゃん」
背中からそう声をかけられた時、寒気がした。
理由は全く分からないが、俺の体と感覚は何かを感じ取ったのかもしれない。
それを無視する様に、ぎこちない動きでベッドに座る。
すぐに冬華ちゃんも寄ってきて、俺の隣にちょこんと座る。
ドクンと心臓が跳ねる。
「修お兄ちゃんはやっぱり優しいね」
そう言いながらこちらに顔を向け、俺の手に触れる。
また、ドクンと心臓が跳ねる。


132 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/07(金) 23:28:30 ID:XCdNPRam]
さっきから、俺の体はどうしたんだ?
自問してみるが、答えは出ない。
「修お兄ちゃん、横にならなくて平気?」
「あ、あぁ。平気…だ…っと…あれ?」
ぐらりと視界が歪む。
俺の体はどさりとベッドに倒れてしまった。
「大丈夫?修お兄ちゃん」
大丈夫だと言いたい所だが、体はほとんどいう事を聞かない。
かろうじて腕は動かせる様だ。
「あのね、修お兄ちゃん」
何?と言おうとしたが、声もうまく出せなかった。
喋ろうとしても口からでるのは呻く様な声。
「……?」
「冬華ね、昨日からずっと考えてたの」
なんのことか分からず、喋れもしないので、次の言葉を待つ。
「どうしたら、修お兄ちゃんは冬華の物になるかなぁって」
また、頭がぐらりとした。
「最初はね、理緒さんを殺してしまおうかって考えたの」
冬華ちゃんはいつもと変わらない声でとんでもない事を口にする。
「でも、それは止めた。だって、人を殺しちゃったら修お兄ちゃんと一緒に居られないもん」
何か、おかしい。
俺の目の前の冬華ちゃんは何か違う。
「だから、冬華は決めたの。修お兄ちゃんを冬華の物にする為に、修お兄ちゃんを殺してあげようって」

133 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/07(金) 23:31:36 ID:XCdNPRam]
今、なんて言った?
俺が冬華ちゃんに殺されるのか?
「そうすれば、修お兄ちゃんは冬華の物。誰にも渡さなくて済む」
なんとか声を出そうとするが、やはり呻き声しか出ない。
「あ…あ…」
「そんなに怯えた顔をしないで?大丈夫だよ。すぐに冬華もいくから」
冬華ちゃんは俺の上にまたがり、服の下から包丁を取り出した。
このままだと、俺は確実に殺される。
何か、何か手は無いか?
なんとか動く腕で近くを探る。
「修お兄ちゃん…冬華はずっと一緒だよ」
ゆっくりと、手に持った包丁が振りかぶられる。
そうだ、ここは病院だ。
ナースコールが有るはず…
必死に腕を動かして、ようやくそれらしき物に手が触れる。
そして、スイッチを押そうとした瞬間。
ドスリと、腕に深々と突き刺さった。
「うあぁぁあぁあっ!」
心の中では叫んでいたが、どうしても口からは出ない。
「だめだよ、修お兄ちゃん」
ズルリと、血にまみれた包丁が抜ける。
「おとなしくしてないと」
ヒュッ、ザクッ。
気付けば、もう片方の腕にも刃が突き立てられていた。
痛みより、ただ恐怖と血の熱さだけを感じている。
「悪い修お兄ちゃんにはお仕置だよ」


134 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/07(金) 23:34:37 ID:XCdNPRam]
笑ってそう言った冬華ちゃんの顔には返り血が付いていた。
それを見た次の瞬間、刺された包丁はぐりぐりとねじられる。
腕が壊れていくのを、俺は確かに感じていた。
一回ねじる度に、俺の血が跳ね、冬華ちゃんの顔を汚していく。
血を浴びる冬華ちゃんの顔は恍惚としていた。
もう俺に抵抗する手段は何も無い。
「あはっ、修お兄ちゃんの血…温かくて、すごく綺麗だよ」
ぺろりと、口の近くに付いた血を舐めている。
「もっと楽しみたいけど…」
再び包丁は振りかぶられ、
「早く一緒になりたい」
狙いを定め、
「修お兄ちゃん、愛してるよ」
振り下ろされた。


「うあぁぁぁっ!」
はっ、はっ、はぁっ…
夢、だったのか?
それにしては痛みも感じたし…
腕を確認しても、傷はどこにも無かった。
でも今の夢、リアル過ぎる…
なんとなく、嫌な予感がする。
かといってもう寝れる気はしない。
そうして、何をするでもなくただ寝転んで居た時だった。
…カツッ
その音を聞いて、心臓が破裂しそうな程驚く。
まさか、現実に冬華ちゃんが来るはずないよな…
カツン…
これは、廊下から聞こえる?
こんな時間に、誰だろう。
ドアが開けられた…



135 名前: ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/07(金) 23:35:57 ID:XCdNPRam]
投下終了します。
しかし新しい職人さんも上手いな…
自分ももっと精進しなきゃ…

136 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 23:43:57 ID:rDVS77Y3]
GJ

137 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/07(金) 23:57:43 ID:B31CKsB9]
GJ!おまいさんも書くたびレベルアップしてるの分かるからガンガレ!
偉そうでゴメス

138 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/08(土) 10:56:12 ID:g3gkdQpr]
眼福 眼福ww

139 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/08(土) 13:10:13 ID:6JkW7fiP]
>>135
GJ!

刺される所でおっきおっきしてしまった俺ドM

140 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/08(土) 18:02:40 ID:nzZH8jSa]
GJなんだぜ

141 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/08(土) 19:38:45 ID:TWqjacGG]
履鋤鵡!

142 名前:59,84 mailto:sage [2007/12/08(土) 22:04:03 ID:jm13WJ2v]
【愛憎一重】と【Night Food】を投下した者です

>>63,64,65,66
どもです

>>106
どもです

>>108
「えへへ」は狙って言わせてます(汗

>>109
続きは……どうなんでしょう?(汗

>>110
お姉ちゃん的には弟の生き血を飲むことに意義があって
吸血鬼化させてしまうと意味なくなってしまうのです
(真綺の血を舐めているのは、格上の吸血鬼の血はレベルアップに繋がるから)
(弟を吸血鬼化させた場合は自分より格下になってしまう……)
……なんて脳内設定を考えたりしてました(汗

>>111,113(達也さんたち)
勝手に名前を使って申し訳ないw
あー、ちなみに私は、とある直木賞作家と同姓同名です関係ないけど

>>112
でも、もしかするとお姉ちゃん
人間時代はともかく吸血鬼化したいまのドジっ子ぶりは
弟の前での演技かもしらず……

ちなみに私のストライクゾーンは
オッパイな姉とツルペタな妹(欲張り

143 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/09(日) 13:16:50 ID:7xxR3PYv]
待て、全レスはそれぐらいにしておいたほうがいい

144 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/09(日) 17:10:01 ID:wt5iqs0k]
痛い



145 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/09(日) 17:21:20 ID:ny/ZByvF]
だがそこがいい

146 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/09(日) 18:47:38 ID:AHXCQ1G9]
いやいやよかないよかない
作品はともかく

147 名前: ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/09(日) 19:17:58 ID:+xWZzNYe]
続き投下します

148 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/09(日) 19:19:42 ID:+xWZzNYe]
「あらあら…まだ起きてらしたの?」
なんだかすごく丁寧な喋り方の人が入って来た。
「あの、失礼ですがどなたですか?」
「あら、失礼。私、この病院の院長、御神弥子と申します」
うやうやしいという表現がぴったりなお辞儀をしながら自己紹介する御神さん。
「えっと、俺は織部って言います」
ついつられて深くお辞儀をしてしまう。
「えぇ、存じております。織部修さん…でしたわよね?」
「え…?」
なんで、名前まで知ってるんだろう。
「あら…私、間違えてしまいました?」
「いえ、合ってますけど…なんで名前まで知っているんですか?」
「私、この病院に来る人の名前は全て見る様にしているのです」
それってすごく大変じゃないか?
それに、全部覚えているのだろうか。
「この町は名前に意味を持たせるのが好きみたいなので、楽しいですわ」
名前に…意味?意味だって?
「あのっ!」
「きゃっ!あらあら…急にどうなさったの?」
つい興奮して体を掴んでしまった。
「あ…すいません…」
「構いませんわ。それより、どうなさったの?」
そうだ。本題を聞かなくては。
「俺の名前に、意味はあるんですか?」


149 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/09(日) 19:21:13 ID:+xWZzNYe]
「あなたの名前ですか?ご自分でご自分の名前の意味が分からないのですか?」
なんかちょっとグサリと来た…
でもそんなことにショックを受けてる場合じゃない。
俺の名前の意味が分かれば、何か変わるかもしれない。
理緒姉や羽居姉妹との関係が。
「仕方ありませんわね。全て教えて差し上げるのは簡単ですが、それでは成長致しませんので…ヒントだけ」
この人のキャラが掴めねえ…
が、今はヒントだけでもありがたい。
父さんが、俺に何を言っていたのか分かるかもしれない。
「お願いします、教えて下さい!」
「あらあら…そこまで言われたら、教えなくては申し訳が立ちませんわね」
俺の名前に、一体どんな意味が…
「あなたは器…ただし大きさと深さはあなた次第」
「器…?」
俺が器だって?
一体どういう事だ?
全然わかんねぇ…
「うふふ…修さんは余程複雑な状況下におられる様ですわね」
この人は、何でこんなに何もかもを知っている様な口振りなんだ?
「御神さんは…何を知っているんですか?」
「私は修さんの状況など存じ上げませんが…修さんの名前がそう言っておられますので」
名前が言ってる…?
この人も、不思議な人だな…

150 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/09(日) 19:22:12 ID:+xWZzNYe]
「ところで修さん」
「…なんですか?」
なんか急に声のトーンが変わったな…
この病院にはこんな感じの人しか居ないのか?
「修さんの話を聞いてあなたに興味を持ちましたの。折角こんな夜半に起きていらっしゃるのだから、私の話にも付き合っていただけませんか?」
「え…まぁ、構いませんけど」
どうせしばらく眠れそうにないし。
「良かった…では私の部屋に来ませんか?コーヒー位なら出して差し上げられますから」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
トコトコと歩き出す御神さんに付いていく。
着いた場所は当然院長室だった。
少し大きめのドアが開けられる。
「遠慮なくお座りになって?」
「失礼します」
「すぐにコーヒーをご用意致しますので、少々お待ちを」
そういってパチンと指を鳴らす御神さん。
すぐに俺が入って来たのとは違うドアが開いて人が入って来た。
「失礼致します。コーヒーをお持ちしました」
テーブルにコーヒーを置くとスッと頭を下げてまた戻って行ってしまった。
「…あの人は?」
「あの子は私の専属の秘書、山神聖ですわ。少し愛想が足りない子ですが、可愛い子でしょう?」
「えぇ、まぁ…そうですね」

151 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/09(日) 19:23:31 ID:+xWZzNYe]
正直に言うと、あの山神という子からはなんとなく威圧感というかプレッシャーを感じた。
確かに見た目は文句無しに美少女だった。
何歳なのか知らないが俺と同じ、もしくは下位に見える。
と、コーヒーを口に含みながら考えていた。
「どうです?修さんの好みだったりするのですか?」
「っ!げほっげほっ…いきなり何を言うんですか!?」
危うく盛大にコーヒーを吹く所だった。
「あらあら…違うのですか?何か惚けている様に見えましたので、てっきりそうなのかと…」
「確かに可愛らしい人ですけど…違います。それに俺、なんだか嫌われたみたいだし」
「あの子は私以外の誰に対してもあの態度ですわ」
私以外と言うが御神さんに対してはどんな感じなのだろうか?
「さて、あの子の事はこれ位にして、私の話をさせていただきますわね」
「えぇ、どうぞ」
そういえばそれが目的というか、本題だったな。
「先程の名前の話の続きなのですが…」
俺は黙って首肯し、続きを待つ。
「私と修さんには共通点が存在します」
「俺と、御神さんに?何も共通点が見当たらないんですが…」
字数も違えば同じ字が入ってる訳でもないし…
一体どこに共通点が有るんだ?

152 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/09(日) 19:25:10 ID:+xWZzNYe]
「私の名前もあなたの名前も、そのままの文字では意味を成さないのですわ」
良く意味が伝わってこない。
つまりどういう事だ?
「つまり元々は違う字を使いたい、けれどその字を使うと一般的な人名としてはおかしくなってしまうから、今の字を当てたのです」
論理的な説明に納得し、深くうなずいてしまった。
けど、一つ疑問が有る。
「なぜ俺の名前もそうであると分かるんですか?」
「先程も言いませんでしたか?あなたの名前がそう言っているのですよ」
…言ってる事はどう考えてもおかしいのだが、何故か納得してしまう。
この御神さんという人からはそんなオーラを感じてしまっていた。
「修さんの家族の名前をお聞きしてもよろしいかしら?」
唐突だな…
まぁ、悪い事が有る訳でもないし構わないか。
「姉が一人居て、理緒っていいます。後、両親はもう死んでしまっていますが、父が利織、母が四季といいます」
「…なるほど」
家族の名前を言ってから、御神さんの顔つきが険しくなった。
何か考えこんでいるみたいだ。
「先程私はあなたを器だと言いました。しかし、どうやら少し間違っていたみたいですね…」
「じゃあ、俺の名前の意味は…?」

153 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/09(日) 19:26:24 ID:+xWZzNYe]
「器、籠、檻、網…一つに絞る事はできませんが、この様な何かを捕らえる様な、そんなイメージですね」
…ますます分からないな。
俺はどうすれば良いんだ…?
「一つ言っておきましょうか。あなたは名前に縛られて生きる必要はありませんわ」
「えっ…」
「あなたはあなたが生きたい様に生きれば良いと思いますわ」
「そう、ですか…」
父さんの言葉を気にしなくても、本当に良いんだろうか。
「あまり悩む必要は無いと思いますわ。いずれ、時間が解決してくれるでしょう」
時間が…か。
何故だろう。この人と話をしていると、理緒姉と居る様な安心と、何か得体の知れない危うさを感じる。
「あらあら、もうこんな時間。私の話に付き合っていただいて、感謝いたしますわ」
「いえ、こちらこそありがとうございました」
なんとなく…気分が楽になった。
「あっ、最後に二つ程質問に答えて下さる?」
「なんですか?」
「あの子、何歳だと思いますか?」
あの子って、山神さんの事だよな…
「俺の少し上、20歳って所ですか?」
「うふふ…残念。あの子は25歳よ」
へぇ〜…25歳か…
「25ぉっ!?俺より7歳も上なんですか!?」
見えねぇ…嘘だろ…?

154 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/09(日) 19:27:56 ID:+xWZzNYe]
だってあの人、言っちゃ悪いけど体も、非常に失礼だが胸も小さいし、顔も童顔だし…
なんというか、どちらかと言えば冬華ちゃんよりだと思ってしまっていた。
見た目はすごくクールな大人びた小、中学生って感じなのに…
「では、次の質問に参りますわ」
次は何を聞かれるんだ?
「私の年はいくつに見えまして?」
…俺の最初の印象で行けば23位なのだが。
ただ、山神さんより下という事も考えにくい。
そう考えて良く観察してみる。
うーん…柔和な顔つき、大きめの胸、すらっとした足…どう見ても20前半…
いや、あの微笑みからにじむ色気は、20後半か?
「28歳位に見えますけど…」
言った途端にくすくすと笑われてしまった。
「あらあら…お世辞がお上手ですのね」
お世辞?お世辞なんて全く言って無いんだが…
「私、今年で34歳になりましてよ?」
ここの女性は、吸血鬼か何かですか?
今目の前に居る人が34歳だって?
そんなこと信じる人皆無、いや、絶無だろう。
「若い人にそんな風に言われたら、私照れてしまいますわ。では、話はこれでおしまいです。良い眠りを」
ひらひらと手を振る御神さん。
俺の頭は完全に混乱しきっていた。



155 名前:理緒の檻 ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/09(日) 19:30:47 ID:+xWZzNYe]
織部修が離れていったのを確認する。
「聖、来なさい」
「はい…弥子様」
「あなた、あの子の事をどう思って?」
「外見は普通ですが…何か不思議な気持ちがしました」
聖にそう言わせるという事は、相当の物ね。
「なかなか面白い子ね。次はあの子にしようかしら」
「弥子様のお好きな様に…」
「やっと新しい楽しみができたわね。」
あの子の名前からは全てを捕らえるか、もしくは永遠に捕らえられるかの二つしか見えない。
更に、どちらに転んでもあの子は何かとの訣別を迎える。
なら、私があの子を捕らえても何も問題は無い。
「むしろその方があの子にとっても幸せかもしれないものね。うふふっ、あははははっ!」


156 名前: ◆/waMjRzWCc mailto:sage [2007/12/09(日) 19:31:59 ID:+xWZzNYe]
投下終了します。


157 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/09(日) 20:14:25 ID:rKqKJbUv]
GOOD!

158 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/09(日) 20:28:26 ID:CvyVfGPL]
JOB!


159 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/09(日) 20:38:13 ID:2rrkc2VJ]
GOD!

160 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/09(日) 21:06:32 ID:twm7qkbA]
野郎、まだ進化し続けるのか?!
GJ!

161 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/09(日) 21:13:58 ID:U5rGgHfi]
100・・2000・・90000・・バカな!?
まだ上がるだとぉ!?

162 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/09(日) 22:59:54 ID:hkcESfGb]
なんてこった…!ニヤニヤが治まらねーぞッ!!

163 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/10(月) 21:34:58 ID:/njrQAOW]
>>120-125
待て!!その競売まだ終わってないぞ!!(`・ω・´)っ[超高層ビル一軒@新幹線一編成@50000]

164 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/11(火) 03:08:25 ID:lUWaeMnH]




165 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/11(火) 06:17:37 ID:tz7Xr0f9]
!!(`・ω・´)っ[50001ユーロ]

166 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/11(火) 06:39:50 ID:pXF9iY5A]
!!<`∀´>つ[6800万ウォン]

167 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/11(火) 09:36:27 ID:DlIdMROk]
>>156
亀だがGJ!

そして、前スレのリレーの方々にもGJを贈りたい

168 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/11(火) 18:12:29 ID:Dh/rdRHB]
お、前スレのリレーいつの間に完結したんだw

169 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/11(火) 20:05:18 ID:xNTv3Fuk]
リレー小説は最後500kbギリギリで次の埋めネタまで待つのかと思ったがな
あれ読んでてソードマスターヤマトを思い出した

170 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 00:54:02 ID:MtbkMR5c]
!!(´・∀・)つ[   ペソ]
好きな額を書くと良い

171 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 01:02:29 ID:vhtA7aZE]
(´・∀・)つ[   ポンド]
けちけちするな、好きなだけ書きたまえ


172 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 01:24:50 ID:o6qppGPD]
(; ̄_ ̄)=3

173 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 12:00:49 ID:wVOGtP42]
なんだこの流れ・・・

174 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 15:08:50 ID:YPxouIiL]
「ねえ、お兄ちゃん。
わたしを買って?」

突然僕に声をかけてきた少女の言葉に、僕と彼女は言葉を失った






















こんな流れ




175 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 19:18:16 ID:H5YFd3Vp]
あまりにも可愛かったので次々と高値で買っていく男たち。
しかし、このとき誰もがヤンデレと言うプログラムを搭載した少女だとは気付いてはいなかった・・・・。

176 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 19:26:50 ID:SgOQ6fgo]
だがここの住人は本望だと思いながら死んでいくよな?

177 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 19:29:37 ID:H5YFd3Vp]
いや、SSだから萌える、けど現実にそう言うのに遭ったら嫌だって人が居るだろ。

178 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 19:50:28 ID:NiO9k/fL]
>>177
俺はどうせ死ぬなら、いつか現れる美人の義姉に跨がられつつ、絞殺されて死にたいです

179 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 20:16:23 ID:2mzUtgov]
このままただ死ぬよりキモ姉に殺される方がいい
昔エロイ人は言いました「無駄に生きるな熱く死ね」

180 名前:『いもうとの考え2』 mailto:sage [2007/12/12(水) 22:26:23 ID:6SaCs92T]
薄暗い静寂に包まれていた一室に騒がしいメロディーが流れる…
するとその騒がしいメロディーを奏でている物体に一本の手が伸びその音を止めた。
「ん…んー」
朝か…、むぅ…相変わらず寝起きは頭痛がするぜ…。
本当に疲れからくる頭痛かよこれ?俺って疲れやすい体質かな…。
しばらくの間そんなことを考えていると下から妹の声が聞こえてきた。
沙妃「おにいちゃ〜ん、ごは〜ん」

キッチンに行くとそこにはセーラー服の上に白と青の縦縞のエプロンを着た沙妃が料理を並べていた。
沙妃「おはよう」
「ん、おはよ」
沙妃(さぁ〜て…何から口にするのかな?……やった!やっぱり牛乳からだ。
おにいちゃ〜ん、沙妃のアレが入ってる牛乳は美味しいですかぁ?)
ふぅ、朝はやっぱり牛乳がうまいぜ…、これがないと始まった気がしない。
沙妃(あぁ…口の周りにちょっと牛乳が付いてる…もぉそんなの反則だよぉ、舐め回したくなっちゃうでしょ!)
「おっこのパンうまいな」
沙妃(おっ、そのパンに塗ってあるバターには私のアレが含まれてるんだよ〜。
うまいだなんておにいちゃんのエッチ!もっとエッチになって私を犯してね)
「あっ、そうだ。新しい歯ブラシ出しといてくれ」
沙妃「はーい」
沙妃(わ〜い!新しい宝物がまた増える。古い歯ブラシは『おにいちゃんコレクション』に加えておくね)
「なんで俺の歯ブラシってすぐダメになるんだろう?いくら何でも早いよな…」
沙妃「力を入れ過ぎなんじゃないかな?あんまり強くすると歯に悪いよ」
沙妃(まぁ私も使ってるからなんだけどね。二人分だもん、長持ちしないよ)

181 名前:『いもうとの考え2』 mailto:sage [2007/12/12(水) 22:28:09 ID:6SaCs92T]
夜部屋で音楽を聴きながら雑誌を読んでいるとノックの後、沙妃が部屋に入ってきた。
その手には教科書やらを抱えている。
沙妃「おにいちゃん、数学で解んない所があるから教えくれないかな…」
「いいけど…珍しいな、沙妃が勉強を教えてなんて」
沙妃の成績は兄の俺が惨めになるほど良いはずだ…まぁ良いところを見せるチャンスかな。
沙妃「うん、ちょっと理解できなくて」
沙妃(本当は理解してるけどおにいちゃんに勉強を教えてもらうというシチュエーションに憧れて来ちゃいました…許してね)
「どれどれ…あぁ、これか。ちょっとペンかしてみ」
沙妃(わぁお、私が使ってるペンをおにいちゃんが握ってる…
嬉しいけどあのペンが羨ましい、私も握られたい)
「確かこんな感じでやって…それで…」
沙妃「うんうん」
沙妃(クンクン、うわぁ〜おにいちゃんの匂いがこんな近くで…ちょ、マジでオナニーさせて)
「それから…」
沙妃「あぁ、なるほど」
沙妃(アァ…おにいちゃんの肩が私にあたってる…願わくばアソコにあてて下さい)
「んで最後は…」
沙妃(あれ?おにいちゃん計算間違えてる…か〜わ〜いぃ!!もう、本当にかわいいんだから…罪だぞぉ!罰として私の足を舐めなさい)
「わかった?」
沙妃「うん、解りやすかった。
また教えてね」
沙妃(さ、部屋に戻っておにいちゃんが握ったこのペンを使ってオナニーしよ)

182 名前:『いもうとの考え2』 mailto:sage [2007/12/12(水) 22:32:17 ID:6SaCs92T]
以上です。

最近投稿が少ないからこんな妄想ばっかり…
おーい、誰かとめてくれ

183 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 22:46:11 ID:mQdHMGZI]
むしろこのまま突っ走ってくれ

184 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 22:49:22 ID:9L0m+zto]
GJです
ここに一人『妹の考え』シリーズのファンがいるのを忘れずに妄想に励んでくれ!



185 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 22:52:11 ID:PrR0Yhfv]
この少女のやきもきした日常を延々と描く小説とか読みてぇw

186 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 23:57:17 ID:x4vEA/hu]
 僕が自分の部屋で本を読んでいると、ドアが開いて誰かが帰ってきた。
「ただいま、たーくん」
姉さんだ。二階から姉さんに返事をする。
「おかえりー」
「お昼買ってきたわよ。ニチナリ弁当のだけど、いいよね」
ニチナリ弁当とは近所にあるお弁当&お惣菜屋さんだ。
「うん。すぐ行くから先食べてて」

 ポリ袋をガサガサする音が聞こえる。買ってきたものを出しているのだろう。
それから「いただきます」という声が聞こえた。
 僕は読んでいた本を閉じ、階段を下り……
「ああああああっ!うそつき!うそつきいいい!」
「ひいっ、ごめんなさい!」
反射的に謝ってしまったが僕は嘘などついていない。
 あわてて台所に行くと、食卓では姉さんが長い黒髪を振り乱して叫んでいる。
ダン!ダン!ダン!
食卓を叩くのにあわせて姉さんが叫ぶ。
「うそつき!うそつき!うそつき!」
「ど、どうしたの姉さん!」
 姉さんは僕の顔を見た途端涙をこぼした。
「こ、この辛子が、この辛子がね」
姉さんが叩いていたのは食卓の上に乗せた、小さな透明のビニール入りの辛子だった。
「ど、どこからでも、開けられますって書いてあ、あ、あ、あるのに」
よく見るとずいぶん頑張って開けようとしたらしき痕跡がある。ビニールがあちこちのびているのだ。
「あかないの。あかないの。きっとお姉ちゃんを馬鹿にしているのだわ」
「ええっと……」

 姉さんが一瞬にして表情を変えた。
「た、たーくん、今謝ってたわよね。まさかたーくんなのたーくんがお姉ちゃんを笑いものにしようとたーく」
「落ち着いて、姉さん。僕は高校生であってビニール入り辛子工場勤務じゃないよ」
そんな工場があるのかは知らない。
「急に大声を出すから、びっくりして、先生に怒られたときみたいな反応をしちゃっただけだよ」
「よ、よかった。もしたーくんだったらお姉ちゃんもう生きていけないもの」
姉さんは弱弱しく笑った。

「でも……じゃあだれなの。誰がお姉ちゃんをこんな……」
「いや、誰っていうか」
「あいつだわ!日野安成!」
姉さんがニチナリ弁当の主人の名前を叫んだ。
OVA版のルタジェンマに良く似た陽気なヒゲ親父である。
小学校からのあだ名がニチナリだったそうで、そんな店名なのだ。
「あ、あいつめぇ……、いつも買ってやってる恩を忘れてこんなことを」
姉さんは絶望的に料理が出来ないのでよくニチナリ弁当で惣菜などを買うのだ。
「落ち着いて、姉さん。ニチナリさんがそんなことをするわけ無いじゃないか」
「でもこれを入れたのは!」
「ニチナリさんにどんな動機があるのさ。お得意さんに嫌がらせなんて」
 数秒黙ってうつむいてから、姉さんは勢いよく顔を上げた。
長い髪が僕の顔にムチのように当たって痛い。
そして姉さんは地球に激突する隕石を見つけた天文学者のような顔で叫んだ。


187 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/12(水) 23:59:35 ID:x4vEA/hu]
「たーくんに惚れてるいるのだわ!」

わなわなと震えだす。
「お、おのれぇ安成めぇ……。私からたーくんを奪うためにこんなことを」
「ひのさんは男なんだけど」
「じゃあ妻の靖子ね!」
「靖子さんだとして、その開かない辛子でどうする気だったのさ」
「私が辛子を使えずに病気になるのを待ってたーくんを誘惑する気なのだわ!」
確かに姉さんなら辛子が開かない程度のことで憤死しそうではある。
 しかし納得してはいけない。大変なことになる。
姉さんの暴走を止めないと日野家が大変なことになるし、
ありえないがもし本当だったら僕が大変だ。
OVA版のドギに良く似た奥さんに迫られる自分を想像してぞっとする。
「落ち着いて、姉さん。この辛子を作ったのはニチナリじゃないんだよ。
 偶然不良品が混ざっていたと考えるのが自然じゃないかな」
「そ、そうかしら」
「そうだよ。工場では毎日何万個も作っているんだから不良品が出ることもあるさ。
 その一つが偶然入ってしまっただけだよ」
「……」
うつむいてしまった姉さんの表情はわからない。
「納得した?」
「……で……ばうの」

「え?」
 聞き取れずに姉さんの頭に顔を近づけた瞬間、姉さんは勢いよく顔を上げた。
長い髪を束ねるクリップが僕の顔にモーニングスターのように当たって凄く痛い。
「なんでそんなにかばうのっ!?」
「はあ?」
「あ、ああ、あああんな泥棒猫をそんなにかばうなんてたーくんがたーくんが」
姉さんは子供のようにいやいやと首を横に振った。
その度に髪の往復ビンタがぼくに当たっていたたたたたた。
「もう汚されちゃったのね!?あの人造人間16号に汚されちゃったのね!?」
その例えは酷すぎないだろうか。
「こうなったらお姉ちゃんが消毒してあげるしかないのだわ。
 たーくん、ちょっと苦しいだろうけど我慢してね。
 たーくんの体も心も綺麗にするために電気を流すからね。
 お姉ちゃんも一緒に感電してあげるから少しだけ我慢してね」
「落ち着け姉さん」
「落ち着いていられるわけないでしょう。たーくんの童貞膜はお姉ちゃんがやぶ……」
「僕はまだ童貞だよ」
膜は多分ないけど。
「ほんとう?」
姉さんが視線を僕の股間と顔に往復させながら尋ねた。下品だなあ。
「本当だよ。僕は姉さんに嘘をつかない」
「じゃあこれにちょっと描いてみて」
 姉さんがメモ用紙を渡してきた。
僕はペンを取って想像上の女性器を書いてみる。
 僕はエロ本はマンガですらまともに見た事がない。姉さんに邪魔をされるからだ。
学校に持ってくる奴はいたが、姉さんに買収された教師の持ち物検査は苛烈を極めている。
まして無修正の性器など……


188 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 00:02:18 ID:x4vEA/hu]
 むふーん。
姉さんが満足げな顔で鼻から長い息を吐いた。今の擬音語は鼻息です。
「ああ、いつもの通り童貞の憧れと恐れと油断に満ちた頭の悪い絵なのだわ」
悪かったな。
今回は穴の中に小さな手指がたくさんある図を描いたのだがハズレだったようだ。
姉さんはうれしそうにクルクルまわりながら絵を眺めている。
「作品ナンバー142としていつものように飾っておくのだわ」
そんな事をしているから姉さんの部屋に偶然入った猫が狂死したこともあるのだ。
僕が家に連れてきた男友達が姉さんの部屋を覗いて以来、
からす避けの大目玉を異常に怖がるようになったりもした。

 ま、馬鹿にされても偶然当たっていたよりはマシだ。
姉さんはあっさり落ち着いた。
「じゃあ、偶然ってことで納得した?」
「うん。お姉ちゃんが間違ってた。
 罪もない安成や靖子に酷いことをしてしまうところだったのね……。
 二人の分の念も込めて今から辛子工場に黒の折り紙だけで作った千羽鶴を送るわ」
決意に満ちた顔で胸の前で両拳をぐっと握る姉さん。
「落ち着いて、姉さん。そんなことをしても何の意味も無いよ。
 僕がはさみで開けてあげるからそれでいいでしょう?」
「そうね、そうね。名案ね。ご飯を食べるのが遅くなっちゃうものね」
姉さんはうきうきしながら椅子に座った。

 僕がからしを姉さんの春巻きにつけてあげると姉さんはとてもうれしそうに笑った。
僕は姉さんのこの笑顔が大好きだから、少しぐらいの無理も許せるのだ。
「お姉ちゃん、やっぱりたーくんがいないと何にも出来ないの」
「そうだね」
「ごめんね、駄目なお姉ちゃんで」
「大丈夫だよ、僕がいつも助けてあげるから」
「うふふー。たーくん大好きっ!」
「じゃ、いただきます」
「いただきます」
一口食べて姉さんが叫んだ。
「ああああああっ!ぬるい!ぬるいわ!買ったときは熱々に見えたのにぃっ!」
ぷちん。
「だれのせいだああああああああああああああっ!」
どかーん。
「お、おちついて、たーくん。そんな怖い顔されたらお姉ちゃん悲しいのだわ」


おしまい

189 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 00:10:23 ID:4n/iFgQm]

えーと?


((i))



こう?

190 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 00:18:06 ID:S3GIs125]
こういう人見てるだけなら楽しそうだけど、身近にはあんまりいてほしくないなw

191 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 00:29:54 ID:Sl6w/AFO]
「あ、あいつめぇ……」にワロタ


192 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 00:38:47 ID:RQph+yTR]
>>107
(´;ω;`)
二ヶ月前に実の姉が死んだ俺としては涙無くして読めなかったんだぜ

193 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 01:15:28 ID:PsbvPwbs]
>>192
そんなことここで告白されても…その、まぁ、あれだ…困る。

194 名前:名無しさん@ピンキー [2007/12/13(木) 01:21:20 ID:8bHVlUmB]
>>192
ご冥福をお祈りいたします。いや、マジで。

オレには姉はいないが、姉のいない辛さなんて
姉を亡くした辛さに比べれば、サラミスとヤマトほどの差があるな。
つーか不謹慎だな。スマソ。
辛いだろうが耐えてくれ。



195 名前:横じま ◆KYxY/en20s mailto:sage [2007/12/13(木) 03:41:10 ID:VLRdzGMA]
投下します

196 名前:荒野、一人で ◆KYxY/en20s mailto:sage [2007/12/13(木) 03:42:15 ID:VLRdzGMA]
 起きたのは、六時四十分を過ぎたあたりだった。
 晴れていた。私はベッドの中で背を伸ばすと、瞬きを繰り返した。まだ、ぼけ
っとしている。
 枕元に置いた目覚まし時計は、鳴き疲れたのか止まっていた。六時半にセット
したはずだが、起きられなかったらしい。
 しばらく、私は放心した状態で見慣れた天井が眺めた。天井が見え隠れし、ど
んどん暗転する回数が増えていく。
 ベッドの中で太股をつねった。そろそろ起きなきゃならない。高校もあるし、
朝の日課もある。低血圧なので、本調子まで二十分ぐらいはいつもかかった。私
はけだるい体をベッドから引っ剥がした。時計を見る。六時五十分になっていた。
 のそのそと廊下に出た。すきだらけのパジャマに冷気が入りこんできた。足の
裏にも、フローリングの刺すような冷たさを感じた。靴下でも履いてくればよか
った、と私は思った。低血圧がたたって、思考能力がなくなっていたと言うほか
ない。寒さに中てられて、はじめて脳が動きだした、という感じだ。
 部屋へ戻った。椅子の背に掛けていた上着を羽織、タンスの五段目から靴下を
出した。靴下は、指が一つ一つ分かれているものを履いていた。普通の靴下より
暖かいのだ。猫足靴下と勝手に呼んでいる。正式名称は知らなかった。
 靴下を履くためにベッドに腰を下ろした。お尻を通して、ベッドの暖かさが伝
わってきた。抗いがたい暖かさだと思ったが、なんとか部屋を出た。いまベッド
に入ったら、十分は確実に起きられない。
 一階に降り、洗面所で歯を磨き、顔を洗った。洗顔だけは、毎日欠かしたこと
がなかった。朝と夜の二回。それだけでも、肌の張りやさわり心地が違ってくる。
 二階に戻り、私は向かいの部屋に足を踏み入れた。真仁の部屋だった。二階に
私たちの部屋はあり、父と母の部屋は一階にある。真仁とは小学校まで同じ部屋
を使っていたが、中学から別々の部屋になった。
 中学に入学したばかりの誕生日だった。四月二十六日。親は誕生日プレゼント
だと言いたげに個々の部屋を提案したが、私にとっては余計なことでしかなかっ
た。真仁が喜んでいたので、承諾したまでだ。いままでで一番いらないプレゼン
トだった。
 私はドアノブを慎重に回し、物音をたてないで侵入した。真仁の匂いがした。
まだ甘い、大人になりかけの匂い。思わず胸が熱くなる。
 いかにも真面目な、清潔感のある部屋だった。勉強机に本棚、スケッチブック
に大量の画材。ベッドは窓のちょうど真下にあった。太陽の昇りきっていない、
空色の光が真仁を照らしている。
 私はベッドにそっと近づいた。枕元には眼鏡と携帯が置いてある。私は携帯を
手に取り、アラーム機能を切った。これで週二回の朝の日課は邪魔されない。


197 名前:荒野、一人で ◆KYxY/en20s mailto:sage [2007/12/13(木) 03:42:48 ID:VLRdzGMA]
 私はベッドの横でひざ立ちになると、真仁の顔を覗いた。かすかな寝息も聞こ
える。
 思わず頬が緩んだ。可愛い寝顔。何度見てもそう思う。双子なので目鼻立ちは
そっくりだが、それでもどこか違っていた。やさしげな風貌に、栗色でやわらか
い髪の毛。まつ毛も、女の子のように長かった。きっと母に似たのだろう。私は
父譲りの黒髪で、どちらかと言えば勝気である。真仁とは、各パーツでも微妙に
違っていた。あるいは性格の違いかもしれない。
 小学校低学年までは、兄と妹によく間違われたものだった。背も、中学までは
私の方が高かったのだ。それが高校に入って抜かされた。176センチ。今では、
私が見あげなければならない。
 私はベッドに手をつき、体を乗り出した。指で真仁の頬をつつく。軽い身じろ
ぎの後、私の方へ寝返りをうった。顔が、眼の前にきた。布団の隙間から、真仁
の体臭がした。
 不意に、情欲が私を襲った。抱きしめて、キスしたい。思ったがやめた。六時
五十六分。真仁は、七時に起きる。七時までまだ四分もあるのだ。それまでは、
この寝顔を楽しんでいたい。
 四分などあっという間だった。気が付けば十二分経っている。その間に意識も
覚醒した。
 私は真仁がもぐっている布団を剥いでいった。肩、胸、腰。布団を静かに置く
と、真仁の顔に自分の顔を近付けた。
 薄く開けられた唇に、吸い寄せられていく。息がかかる距離で、私は顔を逸ら
した。いくら好きだからとはいえ、真仁の気持ちを無視したくはなかった。いつ
か思いを告げられる時まで、とっておく。頬にキスし、そのまま抱きついた。
「姉さん」
 真仁の首筋に顔を埋めたところで、真仁は起きた。
「おはよ、シン」
「おはよう。とりあえず、どいてくれないか」
「やぁだ」
 体が浮いた。私を首にぶら下げたまま、真仁は体を起していた。
「いま何時かな、姉さん」
 眼鏡をかけながら真仁は言った。
「七時十分ですよ」
「また、寝てしまったか」
 真仁は目をつむると、額を指で押さえた。それから上を向き、ゆっくりと首を
伸ばしている。血筋なのか、真仁も低血圧だった。そして、それは私のものより
酷い。ほとんど病気にでも掛かったような症状だった。言葉だけははっきりと言
うが、四十分は夢遊病のように、眼を閉じてふらふらしているのだ。表情や挙動
も、生理中の女のように物憂そうにしている。


198 名前:荒野、一人で ◆KYxY/en20s mailto:sage [2007/12/13(木) 03:43:33 ID:VLRdzGMA]
 本人はちゃんと起きているつもりのようだが、私から見たら心配で仕方がなか
った。通学中、少なくとも駅に着くまではそんな調子が続くのだ。事故に遭うの
ではないかと、気が気でならない。
「ごめんな、姉さん。寝過ごしてしまった」
「じゃあもうちょっとこのまま」
「そんなこと言ってると、三十五分に間に合わなくなるぞ」
「いいよ別に、一本ぐらい遅れても」
「姉さん」
「仕方ないなぁ」
 語気が強まったところで、私は真仁を解放した。
「じゃあお姉ちゃん着替えてくるから、シンも着替えなきゃ駄目だよ」
「わかってるよ」
 聞くと、私は真仁に背を見せた。
「あ、姉さん」
「ん、なに」
 振り向くと、真仁がベッドから立ち上がるところだった。いつもは奥二重の目
蓋が、眠気で二重になっていた。
「ありがとう」
 真仁の部屋から出ると、私は自室に入った。
 軽い罪悪感が胸の中にあった。今更な感情だとはわかっている。わかっていて
も、止められはしないのだ。寝坊させた真仁に朝からべたべたし、ありがとう、
と礼を言われる。日課と呼べるほどに回を重ねた後では、止めるきっかけさえな
くなっていた。あと一回だけ、と思っていた頃よりも、時間自体も長くなってい
る。
 私は上着を椅子の背に掛けなおし、パジャマと靴下をベッドの上に脱ぎ捨てた。
 下着だけになった体を、スタンドミラーに晒す。無駄のない体だった。贅肉な
どは一切つけていない。むしろ鍛えてある引き締まった体だった。お腹も、一ヶ
月本気になって鍛えれば、すぐ割れるぐらいにはしてある。
 しかし、そこまで鍛える予定はなかった。お腹が割れている女など、真仁は嫌
がるだろう。姉としては受け入れてくれるだろうが、女として見られないのであ
ればまるで意味のない、贅肉と同じようなものだった。
 それに体を絞りすぎている、と思うこともあった。贅肉がないのはいいが、私
は胸もなかった。寄せてあげて、やっとBカップになる程度だ。だから真仁は、
私が抱きついても何の反応も示さないのか、と悩みもしたが、気にしないことに
した。


199 名前:荒野、一人で ◆KYxY/en20s mailto:sage [2007/12/13(木) 03:44:19 ID:VLRdzGMA]
 母は私より胸がないのだ。そう考えれば、この血筋で私はよく育った方だと、
安堵するしかない。
 制服を着ると、私は一階へ降りた。真仁はまだ降りてきていなかった。キッチ
ンでは、母が朝食を作っていた。おいしそうなにおいが漂っている。
「あら、おはよう真央」
「おはよ」
 席に着いた。食卓には、すでに何品かの朝食が並んでいた。トーストに、ハム
エッグとサラダ。鍋で暖めているのはコーンスープだろう。家族四人、朝食はあ
まり摂らない。父以外低血圧で、朝方には食欲が湧かないのだ。それに父は今、
日本にはいない。
 真仁は一分も経たないうちに降りてきて、洗面所へ行った。気付いた母がコー
ンスープを食卓に並べ、タイミングよく三人が席につく。
「母さん、おはよ」
「おはよう真仁」
 いただきます、と三人の声が重なった。朝食時には、三人ともほとんど口を利
かない。別に仲が悪いわけではなく、単に口を開くのも億劫なだけだった。向か
いに座っている母も、眠そうな眼を半開きにして朝食を食べている。真仁と同じ
ような症状だった。ただそんな状態で朝食を作っても、料理の味が変わったこと
はない。不思議なものだった。
 部屋にまた戻った。首に赤いマフラーを巻き、学生鞄を持つ。結局、真仁と家
を出たのは七時二十二分だった。駅まで十分。いつも乗る電車は三十五分発だ。
 私は真仁の表情を盗み見ると、こっそりと手を繋いだ。恋人繋ぎに決め、指を
絡めるようにした。朝ならば、寒かろうが暑かろうが手を繋げた。真仁の低血圧
は年中無休なのだった。
 しばらく、真仁の手を引くようにして歩いた。公園、私塾、最近改装したスー
パー。住宅街を抜け、駅までの一本道に出た。真仁は、まだ本調子には戻ってい
ない。
 何処といって特徴のない、地方都市だった。自宅から駅とは反対方向に十五分
行くと、埠頭と埠頭倉庫がある。さらに西に行くとマリーナがあり、船やヨット
が停泊されていた。ただ海の街ではない。埋め立てで造られた街で、海岸や浜辺
などはなく、澱んだ海水と浮き沈みするゴミがあるだけだった。
 電車には充分間に合った。空いていた席に真仁と腰掛ける。この時間はまだ人
が少なく、次の一本から混みはじめる。噂では、痴漢も出ると言っていた。真仁
もそれを知ったのか、それからは私のために二本前の三十五分の電車に乗るよう
にしてくれた。


200 名前:荒野、一人で ◆KYxY/en20s mailto:sage [2007/12/13(木) 03:45:18 ID:VLRdzGMA]
 三つ目の駅で、真仁に繋いでいた手を解かれた。もう、眼が覚めてしまったの
だろう。真仁は困ったような表情で顔を赤らめていた。眼が合う。私はニマっと
笑いかけた。ため息を吐き、真仁が顔を逸らす。
「勘弁してくれ、姉さん」
「やだよ、だってシンの手暖かいもん」
 もう一度、真仁はため息を吐いた。中指で、眼鏡の位置も直している。
 六つ目の駅で降りた。高校周辺は、戦後に造られた街だった。自宅近辺と違い、
建造物もデザインマンションやデパートがあって、比較にならないほど人通りが
多かった。もうすぐ年末ということも、あるのかもしれない。
 私はようやく本調子になった真仁と、話しながら通学路を歩いた。他の生徒は、
まばらにしかいない。
「そいえばシン、冬物って買った?」
「いや、まだ。もう買わないでもいいかな、とも思ってるんだけどね。セーター
も、喰われてるのはなかったし」
「でも、背伸びてないの? 一年のときみたいに」
 伸びてはいない。私は知っていたが、一応訊いた。
「たぶん伸びてないと思う。それに、伸びるの見越して若干大きめの買っといた
から。そういう姉さんは?」
「私はコートの一着でも買おうと思ってるんだけどね。今年は黒が流行るらしい
し」
「そうか」
「ねぇ、シン」
「なに」
「コート買うときね、一緒に選んでくれないかな」
 思い切って、私は言った。真仁が、一瞬私から目線を外した。
「なんで、俺」
「なんでって、そりゃあ男の人の感想も欲しいし。感想訊くならシンかな、って」
「行くのはいいけど。姉さんは、彼氏とか作らないの? たぶん、俺よりも彼し
か何か作って行った方がいいと思うよ。この間も、告白されたって言ってたじゃ
ないか」
「いいの。私にはシンがいるもん」
 真仁の顔は、困っているのか照れてるのか、よくわからない表情をしていた。
 コートを買う予定など、実のところない。口実として言っただけだった。コー
トを探す振りをして、真仁とぶらぶらする。一緒にいれるなら、言葉など要らな
かった。毎年やっていることだ。そして毎年、似合ってる、と真仁に言われた服
を買ってしまうのだろう。


201 名前:荒野、一人で ◆KYxY/en20s mailto:sage [2007/12/13(木) 03:46:03 ID:VLRdzGMA]
 高校近くでも、生徒の姿はまばらだった。微妙な時間帯だからだろう、と私は
思った。運動部にしては遅い時間で、一般の生徒なら早すぎる時間だ。
「甘利ぃ」
 いきなり、真仁が男に捕まった。肩を組まれるようにされている。知っている
顔だった。クラスでは真仁と行動を一緒にしている、うらやましい男。名前まで
は、思い出せなかった。
「CD、持って来てくれたか?」
「持ってきた。持ってきたから離せ、梶井」
「おぉ、流石」
 梶井が真仁を離した。
「じゃあ教室でよろしく。あとそれからおはよう」
 言うと、梶井は私に眼を向けてきた。眼を見ても、やはり苗字しかわからない。
「お姉さんも、おはようございます」
「えぇ、おはよう」
 梶井が駈け出していった。校門までは、もう眼と鼻の先の距離になっている。
何であの男に時間を潰されなきゃいけないのか、とイラついたが、真仁の手前そ
れを表情に出すことは避けた。
 よくわからないが、同い年なのに、真仁の知り合いは私に敬語を使うことが多
い。
 下駄箱で靴を履き替え、校舎に入った。
「じゃあ姉さん、また放課後」
「うん。またねシン」
 201教室前で真仁とわかれた。201教室にはおとなしめの女生徒がいるだ
けで、他に誰もいなかった。
 真仁の教室は202教室だった。二年は全体で十二クラスあり、文系と理系ク
ラスにわかれている。文系十クラスに理系二クラス。一クラスに三十五人前後だ
った。真仁も私も理系だが、姉弟だからクラスは違っていた。
 一時間目がはじまるまで、私は教科書に目を通した。予習は毎日欠かさずにし
ている。理系クラスを選んだが、本当は文系科目のほうが得意だった。真仁がい
たから理系クラスにしたのだ。
 それにわからないところがあれば、真仁に訊けば必ず理解できた。真仁は、理
系科目では常に三番手以内の成績を修めている。全科目合計では私の方が上だが、
理系科目だけで言えば真仁の方が一枚上手だった。
 八時三十五分に担任が姿を現した。学年主任の、融通の利かない婆さんだった。
数学を担当している。ホームルームになると朝鮮放送のように語気の強い口調で、
高らかと連絡事項を読みあげはじめた。


202 名前:荒野、一人で ◆KYxY/en20s mailto:sage [2007/12/13(木) 03:47:26 ID:VLRdzGMA]
 授業に関して、言うほど不満はなかった。あるとすれば、真仁と一緒のクラス
ではないことだけだった。それよりも、世間に対する不満の方がはるかに多い。
法が変わらなければ、消えることのない不満。生れた時から、植えつけられた不
満でもある。
 真仁のいない授業は、とんでもなく退屈なものだった。
 昼食は学食でクラスメートと食べた。中学までは真仁と一緒していたが、高校
に入ってからは別々になることが多くなっていた。真仁にも友達付き合いはある。
それは出来るだけ尊重するようにした。我慢できない寂しさではないのだ。
 六時間目が終わると、私は荷物をすぐ整え、隣の教室へ行った。
 202教室は、担任が連絡事項を伝えている最中だった。号令が掛かり、生徒
の呟きが聞こえだした。真仁がこちらに気付き、教室から出てくる。
「姉さんのクラス、やっぱり終わるのが早いな」
 真仁が言う間、私は眼の端で視線を捉えていた。202教室内の、最前列の女
生徒だ。ショートボブの髪に、気の弱そうな顔立ち。真仁の体越しに眼が合うと、
女生徒が先に眼を逸らした。
 私を見ていたから視線が合ったわけじゃない。間違いなく、女生徒は真仁を見
ていた。
「姉さん、帰らないのか」
「あっ、うん。行こっか」
 言って、私は真仁に腕を絡ませようとしたが、巧妙に避けられた。真仁が先立
って歩く。
 見られている感じが、結局、自宅まで続いた。あの女生徒が尾行してきたわけ
では、もちろんない。問題はあの女生徒が、女の眼で真仁を見ていたということ
だ。
 私は自室に入り、制服を脱ぎ捨てた。見られている感じはないが、心の奥底に、
苦々しさが残っていた。





203 名前:横じま ◆KYxY/en20s mailto:sage [2007/12/13(木) 03:48:37 ID:VLRdzGMA]
投下終了

書きはじめた今だから言える
「里緒の檻」書いてる人の投下の速さは異常
あ、あやかりてぇ速さだ……

204 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 06:39:21 ID:pCgqeeXt]
>>203
GJ!!!!
いいねぇ〜!こういう姉さんどっかに売ってねぇかなぁ…。




205 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/13(木) 21:27:16 ID:dMPPCG3D]
GJ!!
本当に素晴らしい姉だなぁ…
ボブはどんな目にあうのか気になるぜ

206 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2007/12/14(金) 13:13:45 ID:0sb9rLxw]
>>204
( ・∀・)⊃[キモ姉]〜10000

嫉妬ぶかく、人見知りが激しい子です。素人にはお勧め出来ません。






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