the writer that I wanted to be と言えば、the とそのあとの restrictive relative pronoun つまり限定用法の関係代名詞からわかるように、「私がなりたいと思って いた作家」つまり「なんでもいいから作家になればいい」という感じの "a writer" ではなくて、あくまで「私がなりたいと思っていた(あの、きちんとした作家、つまり どうでもいいような売れない作家じゃなくて、私が思い描いていた立派な作家)」 という意味になる。
しかし、to become a writer とか、あるいは to become a writer, which I wanted to be というふうに、単なる "a writer" とか、あるいは "a writer, which I wanted to be" というふうに、不定冠詞を使い、おまけにそのあとにコンマをつけて which I wanted to be とすると、今度は、「なんでもいいからともかく 作家になりたい(そういうものに、私は実際なりたかったのだ)」というような 意味になると思う。
と言うわけで、今回の英文においては、the になっているか a になっているか、 そしてさらに、そのあとが限定用法になっているか非限定用法になっているかが 重要なポイントになると思う。