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【心に】貧乏のどん底料理 Mark.59【栄養】



599 名前:ぱくぱく名無しさん mailto:sage [2007/12/12(水) 22:29:20 ID:Uc6NTmNn0]
■『この赤飯にこたえるぞ』

 うちへ帰って、ふと気がついたら、おやじが着物道楽だったんです。着物をたくさん持
っていた。空襲の後の焼け残しの着物を3枚売った。着物でできる商売はないかな、そう
だ、おやじはよく寄席へつれていってくれた、落語家は皆着物を着ていた、落語家になろ
うと決心をしたのが昭和21年、暮れも間近い寒い晩でした。新宿末広亭の楽屋をがらりと
開けて、「落語家にしてください」と入っていったのですが、そう簡単には落語家にはし
てくれない。「楽屋で働いていてごらん」。働くということは子供のころからおやじにた
たき込まれています。

僕のお父さんは、人に用事を言いつけられてから仕事をするやつは半人前、自分の目で、
自分で仕事を見つけて、自分で動けるやつが一人前。僕は生まれて初めての楽屋で、目で
見るものを仕事に変えて駈けずり回った。この姿を認めてくれたのが、関西出身の桂小文
治師匠。「よう働くやつだな。わいの弟子にしてやるで」

 この師匠の目にとまったのが僕の幸運の始まり。この師匠の目にとまるような男に育て
ておいてくれた、おやじのおかげです。桂小竹という名前をもらって、うちへ帰っておや
じに報告したら、おやじは喜んで、「いい名前をもらったな。小さな竹か。大きな竹にす
くすく伸びろと言うんだ。だけど竹には節があるぞ。節がないと雪に折れる、風に負ける
。あの節は竹が自分でつけた。節をつけて強く生きていけ。おめでとう。お祝いに明日お
赤飯を炊いてやろう」

 うそをついた。「うそをつくなよ、人に迷惑をかけるなよ」と言いつづけていたおやじ
がうそをついた。お赤飯を炊くと言ったって、うちに米がないことは僕が一番知っていま
すから。当時お米は配給です。配給のお米はすぐに売ります。そのお金でふすまの粉、さ
つまいも、ジャガイモ、とうもろこしを買ってきて、食い延ばしをするのです。おととい
僕が米を売ったばかり。1粒の米もないのに赤飯が炊けるわけがない。おやじは僕を喜ば
せたい一心で、つらいうそをついたんだな。

つづく






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