- 760 名前:名無し物書き@推敲中? mailto:sage [2018/06/20(水) 19:24:06.10 .net]
- 「そろそろ帰るね。あんまり長居しちゃ悪いから」
「あら、ゆっくりしていけばいいのに」 「ううん、ちょっと顔を見に来ただけだから。お見送りはいいよ、じゃあねお義兄さん」 姉の方を見ずに、そう言って立ち上がる。 ずっと迷っていたけど、この馬鹿二人の顔を見て漸く決心がついた。 ごめんね。あなたには何の罪もないけれど、私はやっぱりあなたを殺すことにする。だって、たとえ生んだとしてもあなたを幸せになんかできっこないもの。 私はひとり玄関に向かいながら、自分のお腹にそっと手を当てた。 ごめんね。 もう一度小声でそう呟く私の頬を、一筋の涙が流れ落ちた。
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