- 754 名前:この名無しがすごい! mailto:sage [2017/11/20(月) 22:21:57.59 ID:yUh2zaOi.net]
- 使用お題:『みそラーメンが特産品の地獄』
【あの世のラーメン】(1/3) 世に見栄っ張りな人物と言うのは良く居るもので、この日も集まった面々の中に一際見栄っ張りな熊公と言う男が居りました。 さて、この日に話題に上がったのはあの世の話。 やれ、天国だ地獄だと言う事を一通り話した後、その内の一人、弥吉が自分の体験を話始めた。 「そうそう、あたしはこの間、臨死体験ってヤツをしましてね」 「この間ってえと、あの、トラックにはねられた時かい?」 「ええ、ええ、その時でござんすよ。気が付くとあたしは、トンネルを歩いてましてね」 「ほうトンネルを」 「へえ、そこを抜けると、まぁ、見事な花畑がござんした」 「ほほう! 花畑!」 「ええ、そこから更にあたしが進みますってえと、今度は海かと見間違う河が!」 「おいおい、ソイツは三途の川ってえやつじゃねえのか?」 「でしょうねえ……そこを渡ろうかってえ時にまぁ、カカァの声が聞こえたんですよ」 「はあー、そりゃ危ない所だったな」 「へぇ、全くで」 その話を聞いていたの熊公が鼻を鳴らす。 「ふん! 聞いてりゃ、三途の川だのなんだのと!」 「それが何か?」 「寸前で引き返した? 結局は意気地が無くて進めなかったって事だろうが、なぁ?」 言われた弥吉は苦々しげな顔で言う。 「いや、渡っちまったらお陀仏でしょうが……」
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