- 1 名前:ノチラ ★ [2017/09/25(月) 12:13:40.87 ID:CAP_USER.net]
- ドイツのアウディは17年7月、自動運転車「A8」を今秋に発売すると発表した。人ではなくクルマ主導で動くレベル3の自動運転車として世界初。日本勢では、先頭を走る日産がレベル2、他社はレベル2の商品もまだ発売できていない状況だ。その要因をジャーナリスト・井上久男氏が解説する。
自動運転で日本勢が出遅れたのは、「バーチャル設計」を軽視してきたからだ。仮想的なシミュレーションを駆使して、設計段階の工程を効率化する方法。ものづくりの革新につながる手法として、注目されている。 自動車はコンピューターの塊と化しつつあり、ソフトウェアの量を示す「行数」は高級車ともなれば、最新鋭航空機の2倍近い1千万行とも言われる。自動運転のクルマでは、さらに行数が増える。 高速走行や悪路での運転など、様々な環境を想定。こうした条件下で、ソフトがどのように干渉したり、協調したりするかをバーチャルで確認するノウハウが求められる。実物で確認しようとすれば、開発に膨大な時間がかかるためだ。 ある日本のベテラン技術者は「トラックのブレーキシステム開発だけで、500種くらいのソフトがある。それを実車で確認しながら開発すると、費用は莫大になる」と話す。 こうした現実を見据え、ドイツではバーチャル設計のシミュレーションソフトを開発する企業が力をつけてきた。マツダのスカイアクティブエンジンは、コンピューター制御で燃費の良さを実現させたが、ドイツ製ソフトを使って複雑な開発を短期間で終わらせた。 日本もCADやCAM、CAEといったコンピューター技術を使った設計、製造、解析支援を取り入れてはいる。ただ、これは止まっている状態での静的解析が中心。ドイツのシミュレーション技術は時速200キロの高速状態を仮想で作り出し、クルマの様々な動きを解析できるほど優れているという。 業界では、この技術開発で最も遅れているのがトヨタと言われている。 トヨタは「現地現物」を企業哲学の一つとして掲げている。実車で確認しないと不具合が発生してリコールが多発すると考え、バーチャル設計に力を入れてこなかった。これが裏目に出た形だ。トヨタは豊富な開発資金と多くの要素技術を持つのに、EVや自動運転で出遅れた。それは、バーチャル設計のノウハウが足りないからなのだ。 自動運転技術への出遅れは、もう一つの危機も生む。技術標準など、業界のルールづくりへの乗り遅れだ。 ドイツメーカー関係者は「シミュレーションソフトは実物で確認する以上に精度が高い。実物の試作車をいかに減らして開発する力があるかが、今の時代は問われる」と言う。ドイツはこのシミュレーション技術でデファクトスタンダード(事実上の標準)を獲得するねらいだ。 ある部品メーカー関係者は「負けを認めたトヨタは最近、ドイツのソフトを開発部門に全面導入することを決め、大きく方針転換した」と打ち明ける。 中略 シリコンバレー駐在経験がある日本メーカーの技術者は、こう説明する。 「組織運営には、OBも含めてスタンフォード大とグーグルの関係者が関与している。自動運転でもグーグル方式の技術を世界に普及する別動隊ではないか。日本はこうした動きの蚊帳の外に置かれている」 講習カリキュラム作成を担当するのは、独ダイムラーや画像処理の半導体に強い米エヌビディアなど。このほか、「パートナー」と呼ばれる協力企業がある。米国のグーグル、フェイスブック、アマゾン、ドイツのBMWやボッシュ、韓国のサムスン……。日本企業は今のところ一社もない。 ある日本企業がユダシティのパートナーになろうと打診したが、「日本企業はクライアント」と一蹴されて断られたという。日本企業を「カモ」にするねらいではないか。 https://news.goo.ne.jp/article/dot/bizskills/dot-2017092000009.html
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