- 822 名前:555 mailto:sage [2008/08/18(月) 22:36:23 ID:???]
- 潜入捜査(22)
「就職先決められちゃいマシタよ…らっきぃなのカナ?」 1日の最後を締めくくるかのように最大級のグダグダが投下され、2人は思考中断を余儀なくされていた。 「大友産業…社長室付特務社員てトコかな…特命秘書なんて役職があればだけど…地方の役場勤務が希望なんだけどな…」 「やっぱ、フツーがいいデスよね」 標準調度品の意匠が凝っている特製パソコンを立ち上げ検索エンジンを開く…完全モニタの可能性も高いが、差し障りのない情報なら使った方がいいだろう。キーワードを入力した。 大友産業 市場情報 非上場 設立 1949年11月11日 業種 陸運業 事業内容 各種輸送にかかわる事業 代表者 代表取締役社長 大友 静 資本金 60億6000万円 売上高 5,200億7,150万円 従業員数 20,117人 「大企業デスね…」 「IRとか見ても、ここ10年内に潰れることはなさそう…社長室付きでもいいかも…おっ!時間だ…」 時計を確認した瑞樹はメガネケースからメガネを取り出して、窓のカーテンを開き、外を眺めた。カーテンが開いたのを確認したらしく、特殊コーティングが施されたレンズを通して、不可視の発光信号が届いた。 信号を確認すると、極細の万年筆に偽装した非可視レーザポインタ(手芸部謹製)で山中に向けて信号を送る。デジタル通信の元祖、モールスだ。 万一に備え数分程度しか通信しないので、大した量の信号は送れない。エンコード、デコードは人間が行うため、モールス通信は高速通信向けではない。発光信号の場合、慣れた人間でも1分間に40文字程度。暗号化のため冗長度も増し、情報量は更に少なくなる。 「誰か知らないけどず〜っと山ン中に潜んでんのかな…大変だわ…」 「こっちよりマシかもしれませんヨ」
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