- 323 名前:名無シネマ@上映中 mailto:sage [2009/09/07(月) 16:37:51 ID:CsxNZRn5]
- 評判悪いんだなぁ。俺は楽しんだけどね。さりげない人物描写が楽しいし。上手い。
トニー・スコットの映画は、すでにマイケル・ベイあたりのハリウッド娯楽映画監督とは一線を画しているし、 この映画は、映画を見るのが好きだ、と簡単には言えても、実は、本当に映画を必要とはしていない、 自称映画好きにとっては、つまらない映画、ってことになるんじゃないかと思う。 ライダーは一体何がしたかったんだ?、なんて疑問持つの何で?結果的にはワイロを受け取っていたガーバー (だから、彼は“灰色”な男であって、その辺り、上で、ブラックレインみたい、と指摘していたレスは 何げに面白い) を真の笑顔で家族の元に帰らせるため、だったに決まっているわけで、だから、二人の男の出会いが、偶然なのか、 運命なのか、って台詞が繰り返されることになる。ライダーはカトリックかもしれない、という台詞も、 絶対悪という“神”への、“灰色”であるガーバーの贖罪、という本当の物語のための、ほのめかしとして、 ハリウッド映画らしく、判り易く語られていた。そのためにライダーは地下という舞台に配置されてるんだし。 だから、本当の意味での伏線回収も見事だったと言える。 こうした映画は、映画好きを自称する鑑賞者にとっては、自分は、本当に映画と意思疎通出来ているのかを試される ことになる映画だと思う。 映画から一方的に楽しませてもらおう、というような、与えられることだけに満足してしまうような人にとっては、 辛い映画なんだろう。 ハリウッド娯楽映画として一括りにされる中で、トニーは最良のハリウッド娯楽映画を連作し続けているし、 この映画は、ガーバーが本当の帰還を果たすための、男同士の間に生まれる、ある種の良質なメロドラマなんであって、 そりゃあ、96時間タイプの映画を期待しちゃった人には、なんだこれ?ってことになるだろうな。
|
|