- 856 名前:なまえを挿れて。 [2010/07/13(火) 23:34:21 ID:FSq3V7HBO]
- ヤバイ!母親の由紀が帰って来た!
「ママ、ちょっと待って〜。今着替えてる〜」 由香がとっさに機転をきかせてそう答えた。 「タケさん、部屋に戻るね」 そう小声で言うと、由香は風呂場を出て、自分の部屋へと戻って行った。 夕食の食卓には、多くの料理が並んでいた。派手な料理ではないが、どれも手料理で、美味しそうだ。 「急いで作ったから、お口に合うかどうか…」 由紀は恐縮しながらそう言ったが、なかなか大したものだ。 「この餃子、私が包んだよ」 由香が割り込んで来る。 「タケさん、いっぱい食べてね」 由香と目が合った。その瞬間、由香がニヤリと意味ありげな笑みを浮かべた。 「佐々木さん、もう一本開けてもいいですよね?」 ビールまでご馳走になってしまっていた。もう瓶ビールが2本空いていた。 「やっぱり男の人がいると、部屋の空気が違いますね。なんだか心強い…」 由紀も1本と少しを飲み干していた。 「佐々木さん、明日仕事お休みでしょ?泊まっていってください。リビングにお布団敷きますから」 「いや、しかし…」 「酒気帯び運転はダメですよ。車ならスーパーの駐車場だから大丈夫だし」 結局、押し切られてしまい、泊まることになってしまった。 泊まることに決まってからは、時間を気にすることなく、気分よくビールを空けていった。由紀も更に1本空け、頬を紅く染めていた。 ふと気がつくと由香がいない。時計を見ると、12時を回っている。さすがにもう寝てしまったようだった。 「佐々木さんは、どうして結婚しないの?バツもないんでしょ?」 由紀も酔いのせいか、いつの間にかタメ口になってきていた。 「いやぁ、まだ30だし…焦ることないでしょ」 「彼女さんもいないんでしょ?淋しくなったりするんじゃない?」 由紀はそう言うと、俺のグラスを持つ手に両手を添えてきた。
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